1.移動風景
瞳は目を閉じると、中指と薬指を揃えて膣口にあてがい、ゆっくりと出し入れし始めた。すでによく潤んだ女陰が、ぬちゃぬちゃと音を立てだす。
指の往復運動はすぐさま加速していった。声が出せない分、小さく開いた口許から性急な吐息が絶えず洩れる。片手をシャツに入れて乳房を揉みしだいた。
瞳の心中に浮かぶ風景は、ヒトシとエリの部屋だ。
カーペットの上で四つん這いになった全裸の瞳は、その前で膝立ちになった悠一郎の反り上がったペニスを舌で舐め回す。見上げると、目を閉じた悠一郎の顔が快楽に引きつっている。その表情にそそられて、瞳はペニスを奥までくわえ込むと、口内で舌を肉棒に這わせた。
つんと突き上がった瞳の尻。そこに開いた女陰には、ヒトシの肉厚なペニスがすでに奥まで潜り込んでいる。ヒトシは、隣に立つ裸のエリの腰を抱いて舌を絡め合いながら、後ろからぞんざいに瞳を攻め上げる。
「あぁんっ……」
膣壁にこすりつけられる肉棒の感触に、思わず甘い声が上がる。その声に誘われて、口中で悠一郎の肉棒がむくりと膨らんだ。
エリの乳房を撫で回していたヒトシの両手が、瞳の腰のくびれにあてがわれた。本腰を入れたピストンが、ズンッズンッとテンポ良く瞳を貫く――そのスピードがどんどん速まっていく。このまま、瞳の中に精子を注ぎ込んでしまうつもりらしい。
「あぁんっ!
「
「あ……石川さん、もうすぐイっちゃうみたい……おまんこがプルプルしてる」エリが小さく笑いながらヒトシの耳元に囁いた。ヒトシのピストンが、もう一段階速まる。
「うおぁっ!!」
さっき店で聞いたのと同じ声を上げて、ヒトシは瞳の最奥で絶頂を迎えた。どくどくと液体が注ぎ込まれるのを、瞳は膣内に感じる。
(
瞳の性的昂奮が最高潮に達しようとしているその時、悠一郎がペニスを口から引き抜いた。怒張したそれを、自分の手で激しくしごき上げる。間もなく、
「石川さん……ああっ!!」
と叫ぶと、赤黒く熟れた亀頭の先から、びゅるっ! びゅるっ!と精液が二度、三度と噴き出して、瞳の顔を白く穢した。
「あぁんっ……!!」
瞳の体はがくがくと震えていた――二本の指を深々と挿し入れて、彼女は絶頂していた。
「ごめんごめん、お待たせ」
「いえ」と短く答える悠一郎。と、瞳の顔をまじまじと見て、
「……なんか、スッキリした顔されてますね」と訝しげに言った。
「なぁに言ってんのよ。スッキリしたのはそっちの方でしょ?」内心ギクリとしつつも、すかさずそう言い返す。
「あ、そう言えばそうでした……でも考えてみると、二人が盛り上がるのに利用されたような気もしますけど」どことなく釈然としていないような悠一郎の表情を見て、瞳はふふっと笑った。
二人が駅前に戻ったころには、すでに日が暮れかかっていた。アーケード街と同じくボックスで消毒を済ませてから、仕事帰りや学校帰りの人々で賑わいを見せる駅構内へと入っていく。改札を抜けて、停車中の
大きな市ではないのでラッシュというほどではなかったが、車内にはそれなりの人があった。空席はなかったので二人は通路の真ん中あたりに並んで立った。この方が視察もしやすい。
瞳の右隣に悠一郎、左隣には夫婦らしい五十代ほどの男女が立っている。吊り革を持つ瞳の眼前は多人数掛けの長椅子になっていて、学生らしい娘やスーツ姿のサラリーマンといった人たちが座り、本を読んだりスマートフォンを眺めたり目を閉じたり、思い思いに過ごしている――日本のどこででも見られそうな風景だ。
(やっぱり移動中に電車でスルってことは、あんまりないのかな……)鞄を網棚に置きながら、瞳はぼんやり考えた。
自動ドアが閉まり、電車が動き出した。
電車に心地よく揺られて、思わずうつらうつらとしてきた時だった。瞳の右肩がトントンと軽く指で叩かれた。ハッと目を覚ます。
肩を叩いたのは悠一郎だ。見ると、車両の左奥の方を見ながら小さく指さしている。瞳もその方向をさりげなく見遣った。
二十歳前後だろうか、扉にもたれた若い男女が口づけを交わしている。
「ねえ、アレ出して……?」と女が男に言った。
「さっきホームで挿れてあげたじゃん……また欲しくなったの?」男がにやけながら言う。
「だってイく前に電車来ちゃったから……ねえ」
「ほんとエロいなあ……ほら」男が唇を寄せると、女がそこに貪りつく。舌を絡めながら、男はショルダーバッグから濃いピンク色の棒状の物を取り出した――バイブレーターだ。
(なんか、大きくない……? 外国向けなのかな)瞳がこれまでに見たり使ったりしてきたものよりは、一回り以上も大きいように見えた。クリトリスを同時に刺激できるように、二股になっているタイプのものだ。
取り出されたバイブレーターを見て、女はキスを続けながら脚をそっと広げた。膝丈のスカートの下から、男がバイブレーターを潜り込ませる。
「あ、そこ……うんっ……あっ……」
甘い女の声で、挿入が着々と進んでいることが分かった。スカート越しの男の腕の膨らみが、ゆっくりと上下している。「あ、あ、あっ……」女の声がそれに絡む。
「ねえ、スイッチ入れて……ねっ……あっ、ああんっ!!」不意に女の声が高くなった。お望み通り、スイッチが入ったようだ。しかし喘ぎ声はすぐに抑えめになる。(やっぱりそこらへんのマナーはあるんだな)と、注視しながら瞳は感心した。
「あっ、ああっ、いい、これスゴくいいよぉ……」下半身の快感によがりながら、女は男と舌を絡めている。
「そんなにイイんだ……どんなふうに動いてんの? コレ」と呟くと、男はバイブレーターを女の中から抜き取った。低い振動音を立てながら、ピンク色の人工陰茎が、ちょうど亀頭の部分で円を描くようにしてウネウネと大きく動いていた。
「ああっ、抜かないでよ……まだイってないから……挿れて……あっ、ぬぷって
「あ、あっあっ、イイ……」女の声が、また高まっていく。
2.欲情の波及
玩具を使ってお楽しみ中の二人の若者を熱心に見つめていたのは、瞳と悠一郎だけではなかった。
瞳の左側に立っている五十代ほどの女性――ごく普通の主婦といった格好だが、彼女が隣に立つ亭主らしき男性の手を引いて、
「ほら、アレ見てよ……ういんういん動いてる。おっきいわねえ」と感心したように囁いた。亭主も、
「うん? ……おお、確かに大きめのやつだなあ。動きも大きいし……ユキちゃんに
「アハハ、あんな若いコに
「そうだなあ。
「うん……なんか、ああやって使われてるのを見てると、欲しくなっちゃうね」
「今度店で探してみるかぁ……ま、今はこれでガマンしてくれや」と言うと、男性はニっと笑って妻の手を取り、自分の股間に当てた。
「あれっ、いつの間にこんなにしてぇ!」と女性ははしゃいだように言うと、有り難がるように膨らみをさすった。
「夕飯は出前かなんかにして、帰ったら一発仕込むか?」
「でも、ムラムラしてきちゃったもん……ね、タカちゃん、今しましょうよ」
「そうか? ……じゃあ、もちっと勃たせてくんな」
ユキ子は嬉しげに笑うとタカユキのズボンのジッパーを下ろし、躊躇なくずるりと陰茎を引き出した。瞳は息を呑んで横目でそれを見つめる。
(わっ……)すでに随分大きくなっている。ミヨ子はそれを二、三回愛おしげにゆっくりとしごくと、周りに「ちょっと失礼します」と言いながらしゃがみ、慣れた様子で咥えこんでフェラチオを始めた。瞳の視線は今や完全に奥の若者たちから手前の夫婦へと移っていた。
(すごい……若年層だけじゃなくって、壮年期の人たちの意識も変わってるんだ……)
「あのお、席、お譲りしましょうか?」口淫を楽しむ二人に、目の前の席に座っていた若い娘が声をかける。タカユキが妻にしゃぶられながら、
「ああ、これはご親切に! じゃあ、遠慮なくお借りします。ちょうど、椅子がないとこいつを舐めてやれんなあと思っとったんですよ」と明るく言った。
「ですよね、そうかなあと思いまして……」と言いながら、娘は笑いながら席を立った。ユキ子もペニスから口を離すと、
「ご親切にどうも……」とにこやかに頭を下げた。そしてタカユキが「さ、座んな」と言うのに従って、ズボンと下着をそそくさと脱いで座席の背もたれの辺りに置き、席に浅く腰掛けた。そして靴を脱いで足元に置くと、タカユキを見上げながら脚を控えめに広げた。その顔は欲情に上気していた。
タカユキは身をかがめると、ユキ子の内ももに手を添えながら、じんわり濡れた花弁を一心に舐め始めた。
「あっ、あっ、あぁんっ……」すぐにユキ子から高い声が洩れる。
「いいよ、タカちゃん。ソコ、いいっ……」
「そうか?」と嬉しそうに言いながら、タカユキは口淫に加えて、親指で妻の陰核をぐりぐりと押した。
「おぉんっ!」と思わず叫び声が上がる。と、手を口に当てて左右に(どうもすみません……)と言いたげな表情で頭を下げた。その間にも、陰部ではタカユキが舌と指での攻め立てを続けている。「んっ、あんっ、はあっ……」やがて、ユキ子の口からまた控えめな嬌声が洩れ出した。
左隣で始まった壮年夫婦のオーラル・セックスを瞳はどきどきしながら眺めていたが、更に驚いたのは次の瞬間だった。
ユキ子の右隣、つまり瞳の正面に座っていたスーツ姿の男性が、口淫を受けて嬌声を上げる女の方を向いて、
「あの、僕も……いいですか」と言ったのである。
タカユキからのクンニリングスに目を細めながらも、ユキ子は男の方を見てこっくりと頷いた。
と、彼は座ったままユキ子の肩をそっと抱いて、その唇に舌を伸ばした。たちまち、たまたま隣り合っただけの男女が濃厚に舌を絡ませ合う。その足下では、タカユキが視線を上げて二人の交歓の様子を熱心に眺めている。瞳の位置からは、彼が妻への口淫を続けながら右手で自分のペニスを激しくしごいているのが見えた。ガマン汁で、竿がぬらぬらと照っている。
タカユキはおもむろに立ち上がると、
「挿れるぞぉ」
と言い放ち、怒張したペニスを開いた妻の股にズズっと突き立てた。
「んんんっ!!」隣の男と舌を絡ませるユキ子の口から、くぐもった嬌声が洩れた。
ピストンが始まる。「んっ、あっ、ああんっ……!」夫のモノが奥深くまで挿し込まれる度、ユキ子が小さく喘ぐ。その口に、隣の男が興奮気味に舌を送り込む。ユキ子は顔を離して一度それを制止すると、シャツをブラジャーごとたくし上げて両の乳房を露わにした。そして、
「こっちも、お願いできます……?」
と言った。男はすかさず乳首にしゃぶりつくと、片手でもう一方の乳房を揉みしだいた。「あん……」女から甘い息が洩れる。
と、ユキ子は顔をタカユキの方に向けた。スパン、スパンと腰を女陰に打ち付けながら、彼の顔がユキ子に近付く。間もなく、ユキ子は先ほど隣の男としていたように、夫と激しく舌を絡ませ出した。濃厚な接吻音と、「ん……ふっ……」という控えめな妻の喘ぎ声、そしてその下でズチュッ、ズチュッと鳴るペニスの挿入音が、瞳にはそれぞれはっきりと聞こえていた。
3.二人で実習
目の前で繰り広げられる淫乱な光景のせいか、車内に熱気がこもっているように瞳には感じられた。(ちょっと暑いな……)ジャケットを脱ぎ、網棚の上に置く。
白いワイシャツ姿になった瞳を、右隣に立つ悠一郎は食い入るように見つめていた。薄黄色のブラトップが微かに透けて見えている。悠一郎は、盛り上がった股間をスラックスの上からさすった。
瞳の視線は、三人の性交に釘付けになっている。今、ユキ子の胸を攻め立てるサラリーマンが、焦り気味にズボンを脱ごうとしている。今度は、彼のモノがユキ子の
と、瞳は悠一郎の方を振り向いた。そして、
「すごいね……」と昂奮した様子で囁いた。その顔を、悠一郎はじっと見つめる。
「……どうかした?」
「石川さん……俺……」と言いながら、悠一郎は瞳の肩を抱いた。意図を察した瞳は、少し体を退く。
「ダメよっ、こんなところで……私たち、ここの市民じゃないんだから……」
「市民じゃなきゃシちゃいけないなんて決まりはないですよ。……それに、ウチの市もここに倣おうとしてるとこじゃないですか」悠一郎は瞳から目を離さずに言った。
悠一郎は瞳の耳元に顔を寄せると、彼女のうなじに口づけ始めた。そうしながら、ゆっくりと女を嗅ぐ。
「いい匂い……」
「あっ、そんな……」うなじに口づけが重ねられる度に、抵抗しなくてはという意志が薄らいでいく。瞳の手が、おずおずと悠一郎のシャツに触れた。
悠一郎が背中に手を回す。瞳はそっと抱き寄せられた。
うなじから唇を離した悠一郎が、真っ直ぐに瞳の顔を見据える。二人の顔は数センチしか離れていない。男の誘いに呑まれた女は、抗えずに目を閉じた。微かに開いた瞳の唇を、悠一郎の唇がゆっくりと塞いだ。
男の舌が、入り込んでくる。
(気持ちいいっ……!)
キスなんて、いつぶりだろう。熱く痺れるような感触に、体も心もとろけそうになる。
(でも、ここは……)
瞳は、悠一郎の唇を受け止めながらちらりと車内を見回した。咎め立てられている様子はない。ただ何人かの乗客がこちらを見物している。人前でキスをするなんて、もちろん瞳には初めてのことだ。ましてや、
市内のどこかで悠一郎を《誘って》みるというのは、那珂田市への出張が決まって以来、瞳が何度となく想定してみたシチュエーションではあった――もちろん本気で実行するつもりではなくて、あくまでオナニー中の楽しい妄想として、だ。しかし今のこの状況は、瞳の妄想よりもずっと過激だった。
(このまま、最後までシちゃう……? 仕事中なのに……)
悠一郎に抱きしめられていると、職員としての自分がどこかに霧散してしまったように、上手くものが考えられない。「んんっ、ああんっ……!」後ろから聞こえてくるユキ子の喘ぎ声も、彼女の思考を妨げた。
「んっ……」瞳はいつの間にか、自分から積極的に男の舌を求めていた。
悠一郎の手がゆっくりと降りて、スカートの裾の中に潜り込んだ。ストッキングとショーツとの間の素肌の太腿を、男の手がやさしく這う。
(いいっ、もっとして……)やがてその指先が、ショーツにできた瞳の《筋》をそっとなぞった。「んっ……!」甘美な電気が瞳の体を走った。男の体をつかむ手に、力がこもる。
「濡れてます」耳元で男が囁いた。
「だって……」
「……直接、触っていいですか?」瞳は、ゆっくりと頷いた。
男の指がショーツを押しのける。露で湿った茂みを掻き分け、熱く熟れた割れ目を指一本でツ……と辿る。男の指先が愛液に濡れた。膣口の周りを輪を描くように指で素早くなぞると、ぴちゅぴちゅと小さな音を立てた。恥ずかしさを紛らわすように、瞳の口づけが激しくなる。
「挿れますね……」
男の指が、ぬぷりと女の中に入り込む。瞳は熱い吐息をついた。指は瞳の中をゆっくりと出入りしている。
(橘君に、指、挿れられちゃってる……おまんこの中に……)
唇では悠一郎の舌を、ヴァギナでは悠一郎の指を受け入れて、瞳の全身はどんどん熱を増していくようだった。
(そうだ、私も……)
瞳は手を下に伸ばし、パンパンに張り詰めたスラックスの股間を撫でた。ジッパーをぎこちなく下ろし、指を中に滑り込ませる。下着の窓から、男のモノが微かに覗いていた。瞳は慎重に両手を動かして、それを解き放ってやる。ギチギチに怒張したペニスがビンと張り出た。
耳たぶに悠一郎の口づけを受けながら、瞳はペニスを一心に見つめた。それは昂奮に細かく震えていた。先端がぬるぬると濡れている。
(大きい……)
そっと手に握ると、ゆっくりと前後にしごきだす。すぐにカウパー液が瞳の掌に広がった。男から小さな吐息が洩れた。
「気持ちいい……?」目を閉じたまま、男は頷いた。
「私も。……ね、もう一本挿れて……?」
中指に加えて人差し指が瞳の中に入ってくる。膣道が押し広げられ、思わず甘い声が洩れた。
「はぁんっ!」ハッとして、口に手を当てる瞳。悠一郎は微笑んで、
「大丈夫ですよ、声が出ちゃっても……、ほら、あっち見てください」と後ろを指す。瞳が軽く振り向くと、タカユキからパンッパンッと勢いよく突き立てられているユキ子が、抑えめながらも
「ああっ! いいッ、イイよぉっ!」
とよがり声を上げていた――手では隣の男のペニスを懸命にしごいている。
その光景に刺激されて、瞳はまた悠一郎の唇にすがりついた。
「挿れたい……です」悠一郎は瞳の耳元で囁いた。瞳は男の目を見た。
「うん。……でも、どうやって……?」お隣の夫婦みたいに、席を譲ってもらえばいいだろうか。
「ええと……。あ、そうだ」と言うと、悠一郎はジャケットを脱いで網棚に置き、次いでカバンから、小さめのレジャーシートを取り出した。そして、
「ちょっとすいません……」
と言いながら通路に空間を確保すると、シートを敷いてその上に小さく仰向けに横たわった。若い情欲に膨らんだペニスが、垂直に屹立している。
(ああ、本当に電車の中で、こんなこと……)
すでに交わり始めている《先客》がいなければ、いくらここが那珂田市と知っていても自分には絶対にできなかっただろう。瞳は自分を見上げる悠一郎の顔と、頼もしく突き上がるペニスを交互に見つめながら、パンプスを脱ぎ、スカートを履いたまま下着を脱いだ。飾り気のない黒のショーツが、レジャーシートの端に置かれた。
悠一郎の腰をまたいで立つと、スカートから膝が覗いた。腰をかがめて、ペニスを手に取る。
(あったかい……)
そのまま、腰を落としていく。スカートがまくれ上がり、裸の臀部が、そして陰毛と女陰とが、車内に露わになった。
ペニスを自分の中に迎え入れる寸前の姿勢で、瞳の動きがしばし静止した。
彼女の鼓動は昂奮と緊張にドクドクと鳴っていた。それは、衆人の中で交わるという状況のためだけではない――瞳は、ナマのペニスを
(ついについに、ナマでセックスしちゃうんだ……)
一息吸って、瞳はわずかばかり腰を落とした。
「あっ……」男の先端が、女の入り口にぴたりと触れた。
悠一郎と目が合う。そのままゆっくり、ゆっくりと腰を落としこむ。悠一郎が、ぬるりと自分の中に入ってくる。
(キツい……)
亀頭を挿れ終えて一息入れると、瞳は思い切って腰を落とすスピードを速めた。膨張した竿がズブズブと侵入してくる。膣道が、内側から男の形に広がっていった。
「ああっ……スゴい」
これまで何度となく受け入れてきたのとは、確かに異なる感触があった。膣の
やがて、瞳は悠一郎の股間の上にぺたりと座り込むような姿勢になった。ペニスは、根元まで瞳の女陰が咥え込んでいる。
「動くね……」
「お願いします……」
瞳は両手を悠一郎の腹の上に置くと、ゆっくりと腰を上げ、そしてまた下ろした。
「んん……っ」
ビキビキと張り詰めた肉棒が、内側から瞳を絶え間なく刺激する。「ああ……っ」半ば開いた女の口許から、愉悦の声が洩れた。腰の上下運動が、少しずつ少しずつ、速まっていく。男も女も、すでに充分に濡れている。愛液が混ざり合ってずちゅっ、ずちゅっという音を立てた。
ワイシャツ越しの乳房の揺れが、悠一郎の視覚を刺激した。
「石川さん……おっぱい、見たいです」
「もぉ……」シャツのボタンを途中まで外して、ブラトップごと脱ぎ去る。Gカップの見事な果実が躍り出た。
(あ、乳首、勃っちゃってる……)瞳は車内の視線が一瞬、自分に集まるのを感じた。
そのすべすべとした上体の肉感に最も心打たれているのは、もちろん悠一郎だった。結合したままで、上裸の女を下から見つめ上げる若い男。その感嘆したような面持ちが、瞳を悦ばせた。
「石川さん、スゴいです……」無意識にか、悠一郎の腰がぐいと突き上がる。
「あんっ! ……興奮、した?」
「はい……
「うん……ググって、硬くなった」男の顔を見下ろしながら、瞳は微笑んだ。
「僕も、動きますね……」と言うと、悠一郎は両手で瞳の尻を掴み、腰をズンッ、ズンッと突き上げ始めた。
「あっ、いい……」そのリズムに合わせて、瞳も跳ねるように腰を上下させる。乳房がゆさゆさと揺れた。
(ナマ、キモチいい……っ!!)
瞳は快感を噛み締めるように目を閉じる。かたや悠一郎の視線は、瞳の上裸の肉体に釘付けになっていた。
「石川さん、あの……」
「んっ……何……?」上下にズンズンと動きながら瞳が答える。
「腋、見せて下さい……」
「んもう、スケベ……」
瞳は悠一郎の腹の上に置いていた両手を挙げ、頭の後ろで組んだ。つるりとした二つの腋が悠一郎の視線を射貫いた。
「あ、また硬くなったよ……ほんとに、スケベなんだから……」と言いながら、瞳は攻め立てるように杭打ちのスピードを速めていく。悠一郎は苦しげに、
「はぁっ……スケベなのは、石川さんのカラダの方です……」と呻いた。
「うん……いっぱい見て……いっぱい気持ちよくなろ……?」いつの間にか、二人の動きはベッドの中のように激しいものになっている。一点で繋がれ、その一点でお互いを貪っている。
屹立したペニスが、膣内《なか》で細かく振動しているように感じる。射精が近いのだろうか。
男の絶頂を促すように、瞳が腰のストロークを大きくした――その時だった。背後から、
「私も、いいですか?」
という男の声がした。
瞳はハッとして腰の動きを止める。声の方を振り向くと、タカユキが後ろに立っていた。先ほどと同じく下半身を晒したままで、隆起したペニスが、悠一郎にまたがった瞳の顔の、すぐ傍らに突き上がっている。
あれっと思い彼の妻の方を見ると、いつの間にやら座席の上ではユキ子とその隣に座っていたスーツ姿の男とが、激しく舌を絡ませながら正常位で交わっていた。男の腰が、上からズチッ、ズチッと重々しくユキ子に突き立てられている。その傍らにはまた別の男性が立ち、二人の性交を見つめながらズボンからペニスを出して自らしごいている。
(順番待ちなのかな……)瞳は視線をタカユキの方へ戻した。
「どうも、まだ昂奮がさめやらぬもんで……それにお姉さん、随分お綺麗だし……」と、頭をかきながら彼は言った。
どうしたものかと躊躇しながら、助けを求めるように悠一郎の方を見下ろす。と、彼は得意げに笑って言った。
「石川さん、言ってたじゃないですか……郷に入っては郷に従え、ですよ」
(そんなぁ……)そんなつもりで言ったんじゃないのに、と少したじろぐ。
(……でも、そうだよね)
瞳は心を決めた。
タカユキににっこりと微笑みかけると、瞳は彼の陰嚢にそっと手を添えて、怒張したペニスをゆっくりとしごき始めた。
【つづく】