1.呼び出し
菊の屋で一泊した翌日は、
次いで三日目となる出張最終日の今日は、午前中で視察を終えて弥良市に帰る予定であった――が、午後二時現在、瞳と悠一郎は二日ぶりの那珂田市役所市長室にて、椅子に畏まって真希子を待っていた。
「来ませんね」腕時計をちらりと見て、悠一郎が言った。
昨晩十時過ぎに、瞳の携帯電話に着信があった。画面を見ると、真希子からだ。慌ててベッドから起き上がりながら応答する瞳。
「も、もしもし! 石川でございます」
〈あ、石川さん? 森です、那珂田市長の。……いま大丈夫?〉
「はい、もちろん……どういったご用件でしょうか」
〈確か、明日お帰りになるってお聞きしたと思うんだけど、じゃあ今日はまだ那珂田にいらっしゃるのよね?〉
「はい、然様です。もう一泊して、明日の昼前にこちらを発つ予定でおります」
〈そうなんだ。あのさ、急なんだけど、明日のお昼過ぎ、そうねえ、二時くらいに、市役所でお会いできないかな? お帰りになる前に、お二人から視察の感想なんかうかがいたくって〉
「あ、はい分かりました、では……二時におうかがいすればよろしいですか?」
〈ええ、それでお願いします。どうもありがとう〉
「いえ、こちらこそお声がけいただきまして、ありがとうございます」
〈じゃあそういうことで、橘さんにもよろしくお伝えください。夜分にごめんなさいね〉
「いえいえ……では、失礼いたします」
〈はあい〉
瞳は電話を切ると、ふぅと息をついて、手を傍らに伸ばした。掌が悠一郎の裸の胸を軽く撫でる。枕元のテーブルライトが、暗い部屋の中で男の姿を橙色に照らしている。
「聞こえてた?」
「はい、大体は……市長に視察の報告に行くってことですよね」
「うん」
「それってつまり……」
「え?」
「……『マキ市長の昼食会』、ってことですか?」
「バカ。……ね、続き、しよ?」
瞳は布団に肩まで潜り込むと、手を悠一郎の腰元に伸ばした。見つめ合いながら、ゆっくりとしごく。掌に包まれたペニスが再びむくむくと硬くなっていった。
約束の時間を十五分ほど過ぎて、真希子が扉を開けてバタバタと入ってきた。
「ごめんなさい、お待たせしちゃって……あ、いいのいいの」慌てて立礼しようとする二人を手で制しながら、真希子は二人の向かいに腰を下ろす。
前回会った時よりも真希子の化粧は簡素になっているように思える。そして髪がしっとりと濡れていた。二人の視線から察したのか、真希子は髪に手を当てながら、
「あ、実は、さっきまで応接室で別のお客さんたちの
「いえ、そんな。こちらこそ再びお時間をお取りいただいて、ありがとうございます」と、何気ない報告にやや圧倒されながらも返答する瞳。
「いいのよ、むしろこっちが急にお呼び立てしちゃって……二日間、
「そうですね……どれを取っても勉強になりましたが、特に感じたのは世代のことですね。私たちは若年層の性交渉の方が活発だろうと思い込んでいたのですが、意外とそうでもなくって、むしろ壮年層・高年層の性交渉の方が活発なようにも思いました」
真希子は瞳の言葉に深く頷くと、
「そうなのよ。若者より、その世代の人たちの方が
「橘さんは、どう?」と問うた。
「はい、私は……商業施設の役割が独特の変化を遂げているように感じました。例えば、カラオケボックスが……」と、言いかけた悠一郎の動きが止まった。腰の辺りを気にしている。
「すみません、電話が……」と言ってポケットから携帯電話を取り出して画面を見る。
「あっ、課長だ……すみません、ちょっと失礼します」と言って立ち上がると、扉を開けて廊下へ出て行った。
残された二人の女は、男が部屋を出るのを見遣っていたが、扉が閉まると真希子が瞳へと視線を移した。楽しげな表情で、
「ね、石川さんって、橘さんと付き合ってるの?」と言った。
「え? いいえっ、そういうわけじゃ……」予想もしない質問に、言葉が上手く出て来ない。
「そうなの……でもこの出張中に、彼とシたでしょ?」確信めいた様子でそう言う。
「あ、それは……まあ、はい」
「何回?」
「それは……」
「いいじゃない、私、石川さんとそういう話、したいわ」
「あの……五回、か六回……くらいです」
「ワオ、ってことは夜にシて一緒に寝て、起きがけにもシて、って感じね」すっかり見透かされている。
「もうすっかり懇ろじゃない……そのまま、オトしちゃいなさいよ」
「はあ……」
「ま、それはそれとして、実は私もね、橘さんって……イイなって思ってるのよ」
二人は視線を合わせた。
(なるほど、それでお呼ばれしたってワケか……)
瞳は真希子の顔を見つめながら少し黙っていたが、やがて薄く微笑みを作ると、
「……御所望であれば、お貸しいたします」と言った。真希子は可笑しそうに笑った。
「それもいいけど、これから三人で、どう?」
「え、ここで……ですか?」
「ああ、それはね……」と言いかけたところで、扉が開いた。悠一郎が席に戻る。
「どうも、失礼しました」
「課長、何だって?」と瞳。
「あ、全然大した話じゃなくって……今日もともと夕方に出勤の予定だったじゃないですか。それが、市長にお呼ばれしたので今日は直帰になりますってメールしてあったんですけど、単に『それならOKです』という話でした」
「それじゃ、確かに私と会ってたっていう証拠が要るわね。サボっただろって思われないためには」と真希子が割って入った。
「はは、そうですね、写真か動画でも撮らせていただいた方が安心かも知れません」と悠一郎が笑って応じる。
「それ、ちょうどいいわ」と真希子は少しはしゃいだように言った。
「いま石川さんにも話そうとしてたんだけど、
2.お相手
真希子が二人を案内した部屋には、「懇親ルーム」というプレートが掲げられていた。扉を開けると、十数畳ほどのやや縦長のワンルームになっている。正面に窓、その手前に大きめのベッドが横向きに置いてある。
「電気は……点けなくてもいいかな」部屋を見回しながら真希子が言った。レースのカーテン越しに日光が入って、心地よい薄暗さになっている。
「懇親ルーム、って書いてありましたね」と悠一郎が言った。真希子が振り向いて説明する。
「そう、お客さんをお迎えした時に、
「居心地良さそうなお部屋ですね」
「でしょう? トイレもシャワーも付いてるし、結構便利よ。こっちの棚にはおもちゃなんかも色々置いてあるし……あと、撮影したいっていう人も多いからね、こういうのも置いてあるわけ」と言いつつ棚から小型の三脚を取り出すと、てきぱきと組み立てた。そして、
「これで、課長さんにお見せする用の動画はバッチリよ」と言って笑った。瞳は、真希子が自分のスマートフォンを三脚に取り付けるのを見ながら、今から始まることを考えていた。
(セックスしてるところを撮る、ってコトよね……私も、込みで……)
初日の電車内を皮切りに、那珂田市民との性交渉については回数を重ねてはいたが、市長が相手となると話はまた別だ。悠一郎も同様に感じているらしく、表情が少しこわばっている。
しかし当の真希子は二人の緊張にはお構いなしに、
「さっ、じゃあ、始めましょうか」
と、まるで部屋の掃除でも始めるかのような口調の軽さで性交を促した。そして瞳の方を見ると、
「あ、そうだシャワー……私はさっき浴びたから、石川さんどうぞ。バスローブもあるから、好きに使ってね」と言った。
瞳がシャワールームに入っていくと、真希子はベッドの端に腰掛けた。「ここ、座って」と、隣をぽんぽんと叩きながら悠一郎に呼びかける。悠一郎は大人しくそれに従った。悠一郎の手の甲の上に、真希子はそっと手を重ねた。
「橘さん……悠一郎君って呼んでいい?」
「あ、はい、もちろん……お好きなように」
「ふふ……あなた、とっても素敵よ」男の手をさすりながら、真希子は微笑んだ。
「恐れ入ります」
「もう、もっとリラックスしなきゃ……服、脱がせてあげる」真希子は悠一郎の首もとに身を寄せると、シャツのボタンを上から外していく。悠一郎はワイシャツを、次いで下着のシャツを脱いだ。
真希子は男の上裸をしばし鑑賞した後、視線を腰元へと落とした。スラックスの前面が大きく突っ張っている。真希子はそこへ手を伸ばした。
「あ……」
膨らみを女の手に撫で回される感触に、悠一郎は思わず小さく声を上げた。
「直接、見せてね……」
真希子はベルトを外し、下着ごとズボンをずり下ろす。張り上がった悠一郎のペニスが跳ねるように真希子の眼前に姿を見せた。文句なしの勃起を見て、真希子の表情が思わずほころぶ。
「素敵……こんなオバさんに反応してくれて、嬉しいわ」
「オバさんだなんて……あの、ご出演になっているビデオなんかも幾つか拝見していましたので、それもあって興奮しちゃって……」
「あ、そうなんだ……どれを見たの?」
「あの……『マキ市長の夕食会』と、あと『教えてマキ市長!』とか……」
「どっちも市内向けのやつじゃない……じゃあ
「え……?」
「私の無修正ビデオで……ヌいたの?」真希子は掌で肉棒をゆっくりと撫でながら訊いた。
「あ、……はい」
「私がセックスしてるところを見てオナニーしちゃったの?」真希子は肉棒をそっと握る。
「はい……すみません」手の中でペニスがぴくぴくと小さく跳ねる。
「謝ることないのよ? 嬉しいわ……私も、興奮してきちゃった……ね、キスしましょ」
真希子はペニスを握ったまま顔を近付ける。音がするくらいにねっとりと数度、唇を重ねると、どちらともなく舌の絡め合いになった。真希子は切なげに目を細めた。
「ああっ、いい……悠一郎君のキス好き……」
男の裸の肩を抱き、とめどなく接吻を求める真希子。悠一郎の欲情にも火がつき、女の背中をシャツ越しに強く抱いた。
濃厚な貪り合いがしばらく続いたところで、ふと真希子が唇を離し、悠一郎の上目がちに見つめた。そしていささかためらうような口調で、
「ね、オナニー……してもいい? 悠一郎君の前で」と言った。
「え? オナニー……ですか」
「そう……私、昔からのクセで……すっごくエッチな気持ちになると、見てほしくなっちゃうの……自分でシてるところ……」
「……はい、僕も……見たいです」
「ふふ……」
真希子は男と目を合わせながら、ボタンを外してシャツを脱いだ。細やかなレースで飾られたワインカラーのブラジャーが姿を見せる、が、それも間もなく真希子自身の手で剥ぎ取られた。悠一郎の視線が、豊かな乳房の膨らみに注ぎ込まれる。その両中央で、暗い色味の乳輪が男を妖しく誘っている。
「見覚えあるでしょ……」
「はい……でも、あの、実物の方がずっと素敵です」
真希子は微笑む。
「ありがと……こっちも見て……」
真希子は男から目を離さずにベッドに全身を乗せると、スカートを脱ぎ捨て、次いでパンティーストッキングごとショーツを両脚から引き抜いた。そして……男の方へぱっくりと膝を広げてみせた。
「あ……」
悠一郎から小さな声が洩れた。さらけ出された陰唇、その上の恥丘はきれいに剃毛されていた。
「最近よくシてる人がね、これがいいっていうから……でも、他の人たちにも割と評判いいのよ……はっきり見えるとか、舐めやすいとかって……ああんっ」自分の言葉に欲情を刺激されたのか、真希子は甘い声を上げると右手の指で膣口をなぞり始めた。愛液が絡まって、くちゅくちゅと音を立てる。
「あっ……キモチいい……っ」
真希子の自慰行為を、悠一郎は食い入るように見つめている。よく熟れてヌラヌラと濡れた秘部に、女の二本の指がずぶ、ずぶ、と挿入されている――その視覚の興奮にそそのかされて、突き上がった男の肉棒が触りもしないのにびくびくと動く。その反応が真希子の欲情を更に煽った。女陰を弄ぶ手の動きが速まり、左手では乳房を揉みしだき始めた。指の端で転がす乳首が大きく勃っている。
「ねえ、今、何を想像してるか分かる……?」
「僕と……シてるところですか」
「そう……あなたのいやらしいソレが、これから私のココに
男の熱い視線を受けながらのオナニーを、真希子は存分に堪能していた。乳房を弄んでいた手がストリッパーのように耳元を経て頭上へ挙がると、左の腋が開く。吸い寄せられるように男の視線がそちらへ動いた。
「腋、好きなの……? じゃあもっと近くで見て……」
悠一郎は真希子の隣に身を寄せると、開いた腋に口づけをしながら、昂奮のままに女の裸体を両手で撫で回した。
「ああっ、いいっ! いいわ……たまんない……」真希子の嬌声が高まる。
「もうイっちゃいそう……エッチなキスして……?」
女と男は肉欲を丸出しにして舌を絡ませ合う。愛液に濡れた真希子の手は、クリトリスを夢中でいじくり回している。悠一郎は真希子のオーガズムを促すように、彼女の勃起した乳首を強く摘まんだ。真希子が熱い吐息をついた。
ガチャリ。
後ろでバスルームの扉が開く音が小さく聞こえた。真希子と悠一郎は目を見合わせる。
「ああ、戻ってきちゃう……石川さんにイくとこ見られちゃう……ね、乳首もっといじめて……」激しく女陰をこすり上げながら、真希子は悠一郎に囁き声で懇願した。
3.出張の締め括り
バスローブ姿の瞳が戻った時は、ちょうど真希子が悠一郎から唇を離したところだった。そして、
「ああぁんっっ!!」
と大きく叫ぶと、真希子はベッドの上で体をビクンと大きくのけぞらせた。その手は、自らのクリトリスを荒々しくこすり上げている。
瞳は、ちょうど三脚のすぐ後ろに立っていた。取り付けられたスマートフォンの画面は、彼女の目の前の光景――悠一郎に愛撫されて愉悦の声を洩らす裸の真希子の姿を克明に映し出している。
「あっ、はぁあん……」
悠一郎と瞳の視線を受けながら、真希子は目を閉じてオーガズムの快感に身を震わせている。余韻を長引かせるように、クリトリスをゆっくりと弄ぶ。
(えっ、オナニー……?)
瞳は全裸で寄り添う二人を昂奮した面持ちで見つめながら、状況を今一つ把握しかねていた。てっきり、もうセックスが始まっているものと思っていたのだ。
(オナニー見せてって、橘君に頼まれたのかな……)瞳は昨晩の性交中に彼からそう頼まれたことをふと思い出した。
絶頂が収まった真希子は、胸に手を当てて呼吸を整えながらベッドを降り、傍のソファーに腰を下ろした。そして瞳の方を見ると、
「可笑しいわね……セックスするために来たのに、興奮してオナニーしちゃって……」と照れたように言った。
「私、ちょっと休憩するから……二人で始めておいてくれる?」
(始めて、と改まって言われると……)
瞳がいささかたじろいでいると、悠一郎が立ち上がってこちらへ寄ってきた。思わず、その突き上がったペニスに視線が向いてしまう。悠一郎は瞳のすぐ前に立つと、何も言わずにバスローブ姿の彼女を抱き締めて口づけした。荒い息遣いの中、すぐに舌を送り込まれる。
「んんっ……!」
彼らしからぬ強引さに少し戸惑いながら、やがて瞳の欲情にも、火がついていく。口づけを受けながら、両手を男の裸身に這わせていった。
バスローブを脱がされた瞳はベッドに仰向けに横たわった。両腕を頭の後ろに組んで腋をぱっくりと開く。悠一郎と何度も交わる中で自然と身についた誘惑のポーズだった。
男はその上に覆い被さった。女の全身をせわしなく撫で回しながら、体中に口づけを重ねていく。うなじ、鎖骨、肩、腋、乳房……「あっ、はぁんっ!」男の唇と舌そして手指の遠慮ない愛撫を受けて、瞳は自制もなく愉悦の声を上げる。その声は、硬く勃起した乳首を攻め立てられた時に一層高まった。
腹、そして腿の付け根を経て、男の口づけが茂みへと至る。茂みの奥に鼻を押し付けて、女の香りを入念に嗅ぐ……それが彼の情欲をますます昂ぶらせるようだった。瞳は悠一郎の頭の動きを見つめながら、その先を待ちわびて体をくねらせる。
女の香りを堪能した男は頭を更に下げて、すでに開かれた股の、その中央部を見据えた。たっぷりと蜜を湛えた陰唇を両手でそっと広げると、ぷっくりと膨らんだクリトリスを舌先でビンと弾いた。
「ああぅっ!」鋭い刺激に、瞳が声を立てる。構わずに淫豆を舌で刺激し続ける悠一郎。
「あっあっ、だめぇっ! それ、すぐイっちゃうから……!」しかし男は舌の動きを止めない。まもなく瞳は、
「あ、イクっ……あっ!!」
と高く一声上げると、ビクンと体を震わせた。吐息が荒い。
悠一郎はその吐息の音を聞きながら、舌面を膣口にぺとりと付けた。そしてゆっくりとそこを何度も何度も舐め上げていく。
「ああっ、あああっ!」
オーガズムを迎えたばかりの女の体が、がくがくと震え出す。緩慢な、しかし絶え間ない舌の動きが、甘いお仕置きのように瞳に快楽からの休息を許さなかった。
「あぁぁあ、イイよぉっ!!」
両の乳首をビンビンに勃起させながら、瞳ははしたないよがり声を上げる。両手を男の頭に添えて、自分の陰部へと押さえつけた。
「……おまんこ、気持ちいいですか?」舌を離して、悠一郎が訊ねる。
「キモチいいっ……!」瞳が即座に答える。
「おまんこ、キモチいいよぉっ……!! ね……挿れて? おまんこガンガン突いて……?」お仕置きに堪えかねるように、瞳は訴える。
「ガンガンがいいんですか?」
「うん……今はねっとりじゃなくって、思いっきり突いてほしい……」
「僕も……そうしたいと思ってました」
悠一郎は上体を起こすと、怒張したペニスを瞳の入り口にあてがった。「あっ……」亀頭の侵入を感じて、女から甘い声が洩れる。ずぶずぶと、やがて根元までが瞳の中に収まった。
「じゃ、いきますね……!」と言うと、悠一郎は助走もなくがむしゃらに腰を突き立て始めた。思わず瞳の背中が跳ね上がる。
「あっ!! ……あっ、あぁっ、あっ、あんっ!」
待ち焦がれた熱い肉棒の来襲を受けて、瞳から歓楽の声がとめどなく上がりだした。
「ああぁっ!」潤った女の内面に密着されて、悠一郎からも声が洩れ出る。
ベッドに身をなげうって男根に貫かれる瞳を、悠一郎は昂奮の面持ちで見下ろす。少し上向いた女の顎は、首筋を綺麗に見せている。さらけ出された腋、腰を打ち付ける度に大きく揺れる乳房、濃く茂った陰毛……視覚の刺激が男のモノを常に最硬度に保った。
瞳もまた、悠一郎を見上げている。両脚を大きく開いて男のモノを咥え込み、腋を開いて両腕を頭の後ろで組んだ無防備なポーズで……。
快楽にゆがむ悠一郎の顔を、瞳はズンッズンッと突かれながら切なげに見つめている――と、その傍らに真希子がひょいと顔を覗かせた。
「あ、すごい……二人ともエッチな顔してるわよぉ」と言うと、悠一郎の顎を手に取りクイと自分の方に向けて、キスを求めた。悠一郎は瞳にペニスを抽送しながら、真希子と舌を絡ませだす。瞳はその様子をなおもじっと見つめていた。
こちらを見ていない悠一郎の勃起したペニスが、自分の中への往復をズチ、ズチと続けている。男の唇を横取りされた嫉妬と、ペニスを出し挿れするのに具合の良いただの穴として利用されていることへのマゾヒスティックな昂奮が、瞳の欲情をぐいぐいと高めていった。瞳は悠一郎のペニスを咥え込むヴァギナのすぐ上で勃起するクリトリスを、自ら性急にいじくった。そして、
「あっあっあっ、キモチいいっ! ……見て橘君っ……イっちゃうぅ!」
と、親の関心を引こうとする子供のように男へ訴えかけた。
悠一郎が真希子から唇を離し、顔をこちらへ向けた。と、両手を瞳の腰のくびれにしっかりと添えて、力強いピストンを勢いよく叩き込んでくる。
「あっあっあっ……ホントにイっちゃう……イクっ……はぁんっ!!」
瞳は目を固く閉じて、ベッドの上で一度大きく跳ねた。悠一郎は、女の絶頂を長引かせるように、ゆっくりとしたピストンを続ける。瞳は、
「んっ……はぁ……」
と小さく声を立てながら、荒い息をついている。
やがて瞳のヴァギナから、射精を待ちわびてビンビンに張り詰めたペニスがぶるんと引き抜かれた。それを熱っぽく真希子が見下ろす。
「あぁ、すごい、ビクビクしてる……ね、次は私に……」
「はい……じゃあ、石川さんは少し休憩を」
「……うん」
瞳がのろのろとベッドを降りると、その位置に真希子が座を占めた。
「私は
と言うと、真希子は四つん這いになって悠一郎に尻を突き上げて見せた。無毛の陰部が、悠一郎の肉欲を強く刺激した。
悠一郎はペニスをゆっくりとしごきながら身をかがめて、真希子の女陰をまじまじと眺めた。と、そこに舌を押し当てて、一心に舐め回し始めた。
「あっ! ……あっ、ああん、イイっ……」一瞬驚いた声を上げた真希子だったが、すぐさまその声色は愉悦へと変わっていった。
「あ……ダメ、そんなにされたら、このままイっちゃうぅ……ね、おちんちんでイかせて……?」
ねだる真希子に、悠一郎は舌を離すと起き上がってペニスを膣口にあてがった。そして何も言わずに、ぐいっと半分ほどを一気に中に挿入した。
「はぁん……いい、硬い……」その声を聞きながら、悠一郎はペニスを女の一番奥にまでずいと潜り込ませる。そのまま、ダメ押しのようにぐりぐりと腰を押しつけた。女が歓喜の声を上げた。
「あっ、それキモチいいっ……!」
「んっ、絞まりが、キツいです……」悠一郎も快楽のために苦しげな息をついている。
「だって、勝手に絞まっちゃうんだもん……ね、ズンズン突いて……?」真希子の要求に応えて、悠一郎は腰を前後に動かし出した。
「あぁ、ああっ、ああぁん……」
腰の動きにつられて、とめどないよがり声が真希子から上がりだす。
椅子に座る瞳は、交わる二人を横側から見つめている。エロチックに弓なりになった真希子の背中。その後ろでは悠一郎が荒い息をつきながら、スパンッ、スパンッと腰を突き入れている。
瞳はそっと椅子を立ち上がり、ベッドの上に膝立ちになっている悠一郎のすぐ後ろに立った。男の肩越しに、後背位の結合部を見下ろす。左右対称に逆ハート形のラインを描く真希子の臀部、その中央に、男の怒張した肉棒が一定のテンポで出入りしている。一番奥まで突き込まれた肉棒が、ずぶりと引き抜かれて姿を見せる、それがまた奥まで潜り込む。
(こんなふうになってるんだ……私がバックでされてる時も……)欲情がまたムラムラと湧き上がってくる。
瞳は悠一郎の両肩に手を置くと、その背中に乳房をぐいと押しつけた。悠一郎の体がぴくりと震えた。瞳は昂奮をぶつけるように、他の女にペニスを突き入れる男の首筋にキスをせわしなく重ねていく。
「んんっ……」悠一郎から苦しげな声が洩れた。
「あんっ、太くなった……」嬉しげに真希子が言う。
「おおっ……もう、イきそうです……」
「あぁん、来てっ……」
「このまま、
「いいわよ……思いっきり突いて、好きなだけ
「はぁっ……」悠一郎は真希子の腰のくびれに添えていた両手を前に伸ばし、肋骨の辺りにあてがった。手に力を込めると、斜め上に突き上げるように激しいピストンを繰り出した。
「あっ! おぉんっ、んんっ!!」真希子が獣のような声を張り上げる。
「うぉぉっ!」がむしゃらにペニスを突き上げる悠一郎。その後ろで、瞳はうなじへの口づけを続けながら、両手を前に回して男の両の乳首をぐりぐりと細かく押さえつけた。
「あっ、はっ、はっ……イクっ!! ああぁぁあぁっ!!」
目を閉じて悠一郎は叫んだ。
パンパンパンパンと、急き立てるように腰が素早く動いている。悠一郎が真希子の中にドクドクと精を送り込んでいる最中であることが、瞳にも分かった。
「ああっ、いいわぁ、コーフンするぅっ!!」
膣内にたっぷりと注ぎ込まれながら、四つん這いで尻を突き上げる真希子は満足げに声を上げる。男のモノをより根元まで咥え込もうとするように、臀部をぐいぐいと後ろ向きに突き上げた。
やがて悠一郎は大きく息を一つつくと、真希子から体を引き抜いた。愛液で白く穢れた縦長の陰唇が、呼吸をするように小さく開いてはキュッと窄まるのをゆっくりと繰り返している。やがてその中心の膣口から、ペニスが吐き出した液体がどろりと洩れ出て、女の体を垂れた。それを見つめる悠一郎のペニスが、ぴくんと一度震えた。
「あ、出た……」
真希子は天井を見つめたまま恍惚の声を上げた。
真希子が二度目のシャワーを浴びる中、瞳と悠一郎はベッドに並んで横になっていた。体を横向きにして向かい合っている。瞳は悠一郎の腰元に手を伸ばして、茂みに指を絡ませている。
「全部、あのヒトに
「そんな無茶な……」悠一郎は苦笑して答える。
「そういうふうに、できたらいいのにね……もぉう、『全力出し切りました』って感じじゃないの」ふにゃりと縮こまったペニスを、瞳はつんつんとつついた。
「すみません……でも、僕たち二人は、できるじゃないですか、弥良に帰ってからも……」
瞳は、顔を上げて悠一郎を見つめた。
「弥良に帰ってからも……私とシてくれる?」
「もちろん……石川さんさえ良ければ」
瞳は顔をそっと近付ける。その唇に、悠一郎はちゅっと口づけた。
「……まあ、
「人前でするの、ハマっちゃった?」いたずらっぽく笑いながら、瞳が言った。
「そう……ですね。ハマっちゃったかも知れないです。人に見られながら石川さんとエッチするのも、人とシしてるところを石川さんに見られるのも……あと、石川さんがシてるところを見るのも」
「もぉ、ヘンなこと言わないの……」
「なんか、自分で言っててムラムラしてきちゃいました……」
「もう一回、できそう……?」茂みを撫でていた瞳の手はいつの間にかその下の肉棒を前後にしごき始めていた。ほのかに、頭をもたげつつある。
「いっぱい気持ちよくしてくれたら……また勃っちゃうかも」
「じゃ……試してみようよ」
シャワーの微かな水音を背後に聞きながら――裸の二人は、ゆっくりと体を重ねた。
【終】