「意外と何も無いんだな」
最初に発した言葉は意外にもそれだった。
世間一般的には、人は亡くなると、死後の世界に行き、そこに門があり現世での行いによって、天国か地獄の判決があると思われている。かくいう俺も100%それが正しいとは思ってないが、一般的にはそういうものがあると思っていた。
しかし、いざ体験談してみるとそこは何もない空間だった。目を開けると自分以外に人はいない。というより俺もいない。意識的には存在しているが、俺の身体がないのだ。なんか変な感じだった。とは言え、こんな所にずっとは居たくないので意識的ではあるが、前へ進んだ。歩いていくうちに何故俺が死んだのか考えていた。よくみる異世界転生漫画では、誰かを救うために亡くなったり、ブラック企業にこき使わされて、悲しいことに過労死してしまったり、Isekai Time Bitchに遭って、次に目を開けて見たら、目の前に神様がいて、そこからあなたが亡くなったのはこちらの間違いでした。その償いとして別の世界に転生して上げます。とか、声だけの出演で謝罪して後はチートガン積みで無双!とかあるけど、俺はそういうの一切なくて、何も起こらずにただただ進んでいる。
そして、歩いている気付かないようにしていた事実が浮上してくる。
「俺…ずっとこのままなのか?」
あれからどれ程の時が経ったかわらんが、今日も今日とて歩いている。身体が無いぶん疲れや空腹はないが、何も無いところを歩くのは精神的にキツイものがある。それと、俺は歩いていると言っているが、先にもあるように実体が無いからである。この表現を使うのは些かおかしいとこもあるが、気にしないでくれ。
歩き続けて一週間(実際はわからんが……)経ったが以前と同じ景色が続いている。少し違う点としてはあそこに人みたいなのがいること……………って!??人?。
俺は全力疾走した。(実際には足はないが……ってもういいか)
人の形をしているものに近付き声をかけると、頭部が動きこっちを見つめるように感じた。それと同時にあちら側も俺に近付いてくれた。俺はあまりの嬉しさに「おーい」と声をかけると、あちら側は俺より大きな声で、「ばっかも~~~ん!!」と、日曜にやる某アニメと一緒の声を発する。
「あんた!今までどこ行ってたのよ!?どれだけ探したと思ってるの!?二日よ!二日!まったく……子供じゃないんだから同じとこにいてよ!ったく…………」
と、認◯乱太郎の食堂のおばちゃんと同じ格好してる女性が俺に起こっていた。とは言え俺も、散々待たされたので、怒り返す。
「ていう貴女も俺のこと散々待たしておいてなんだその態度は?何だ?神様だからって謝罪もなしに怒るのは違うだr………二日?今貴女二日と仰いました?俺そんなにここに居たの?」
「はい、あなたを二日ほど探しましたが…………?ちょっと待って下さいよ、ん?ん?10年?あんたここに10年いたみたいね……」
「ええーーー!!??」
「何そんな驚いてんの?って……まさか本当は10年いるのはおかしいことなの?」
「非常に変ね。ざっくり言うとここは、罪を犯した神を閉じ込めるための空間だね、謂わば刑務所みたいな所だね、あんたの世界の言葉で説明すると」
「なのに………何故か神様以前に犯罪者でもないやつがここにいる。おかしいね……」 「ね……じゃねぇわ!、で、俺は最終的にどうなるの?ってか俺は死んだのか?死んだとしたら死因は何?」
⭐ ⭐ ⭐ ⭐
ひとしきり、お互いの熱が下がり、神様が俺今後についてを全て話す。
「まず、あんたは異世界に行ってもらう、そこで魔王を倒して欲しい。つまり勇者になって欲しい。魔王を倒したらその後はあんたが何しても大丈夫。けど!次の魔王になるのは勘弁ね。次にあんたの死因はトラックに引かれて亡くなっている。以上ね」
結果、10年間散々待たされた挙げ句、俺への今後のについてはざっくりとしたものしか言わず、そして俺の質問への解答には1分も使わずに終わった……。
「けど、こちらのミスで10年間居たのはキツかっただろうからおまけに、異世界に転生する際に好きな能力を授けてあげるわよ」
と、謝罪と在り来たりなテンプレ展開か起き、俺は幾つか頼みそして、異世界に降りた。
こうして、勇者となった俺は魔王と戦うこととなったのだつた。
「本当に何故あそこに落ちたのか、調べる必要があるわね」