チュートリアル用のチョロイン幼馴染に転生してしまった 作:水性さん
皆のお待ちかねな四時間目は次回です。今回は三時間目までの話だぞ。
にしても、やっぱりみんな変態しかいないね、ほとんどが夢オチじゃない方がいいに票が入ってたよ。
そういえば我氏は一応絵を描いていて、そういう専門学校行ってる人間なので……まぁ、低クオリティな挿絵は描けるんだが(画力は期待すな)もし気が向いたらそのセッしてる時の様子を描こうかな……と思っている。
でも当然描くかどうかは気分に寄るし、作者の好み全開である。それに小説には直接どんな見た目なのかは出てないけど、絵でしっかり分かっちゃうからね。想像の中のノエルたそ崩れちゃうかもしれんので、嫌な人はその時はスルーしてね。
……画力ほし~~~!! 画力ウェルカム!
(まぁ小説書いてる暇あるなら、絵に当てて画力上げろよって話なんだけど)
小説ももっと上手く書けるようになりてー! まぁ、普段一人称で書かないから慣れてないっていうのもあるんだけどね。
あと最近久しぶりに3DSでト○ダチコレクションやってるんだけど、多数決でNTRとBSSって書いたらNTRに決まりました。みんな脳破壊するの好きなんだね。
そう思ってたら何故か自分のMiiが居てビックリした、作者NTRは地雷なんだが??
「あっぶねー!! 遅刻する所だった……」
「レイゼルのせいでね」
授業開始まで5分以内、ギリギリの所で教室のドアを開けて入る。
「え~、俺だけのせいにするのよくないと思うけどなー」
レイゼルはそう言いながらニヤニヤして腰に腕を回してくる。おいお尻を無でるな、掴むな、揉むな。
「あんなに俺の名前呼んで求めてきたのに?」
「……うるさいその舌引っこ抜くぞ」
しかしそれは本当の事なので、思いっきり殴れない。だってなんかそれって過剰な照れ隠しにしかならないし、負けた気がするし。だからせめてもの訴えとしてゴスゴスと意地の悪い幼馴染の胸板を裏拳で叩くと「可愛い~♡」と言いながらレイゼルは私を抱き締めていた。
……な、何故だ、いつもより優しいとはいえ……まるでダメージが入ってない。これくらいのダメージならアバラにちょっと……うん、ちょっとヒビが入るくらいなのに。
一体何故……。
まっ、まさか……!!
勇者の、スキル??
……。
…………。
………………。
真実はいつも一つ!
何故かコ○ン君のセリフが頭の中に浮かんだ。
いや、まさかじゃなくて普通にそれだ。今のレイゼルなら私の全力のパンチをくらっても「ノエルは素直じゃないな~♡ 好き♡♡ 結婚して♡♡♡」って言ってて無傷なんじゃ……。ど、どうすれば!! このままじゃ"可愛い責め"をされた挙句、レイゼルを止める手段が……。
あっ、そうだ、スキルの効果時間!
確か、一回その……中に出した場合は一時間で、6回だから……。うん、1日の四分の一か……レイゼルのステータスプレート見といて良かった。でも結局ダメなやつだったけど。
ビクともしないレイゼルの頭を押し返しながら席の方に向かうと、私とレイゼルの後ろの席の王女……ヘレンちゃんと目が合う。
ただちょっと思うのが、一体どうしてこっち見てるのにその手は忙しくペンをガリガリと走らせているんです? しかもなんか顔がにっこり……というより、若干にっちゃりしてません?
「おはようございますレイゼル様、ノエル様。今日もお2人は大変仲がよろしいですね」
「おはようヘレンちゃん、たぶんそんな事は絶対に無いと思うな」
するとヘレンちゃんは更ににっちゃり……いや、にっこり顔になる。
「おや……てっきり私は先程まで愛を深め合い、その時に首に付いている鬱血痕ができたのかと……」
「えっ」
私は思わず首に手を当てると、レイゼルまでもがニヤニヤとして笑ってくる。
「ノエル逆、こっち」
そして首筋をツーっと指先で撫でてくる。くすぐったくて思わず体がビクッとすると、私はレイゼルを右手でぽかぽか左手でぽかぽかしていた。
……全くダメージ受けてないし、レイゼルが顔に手を当てて「俺のノエルが超可愛い」って天を仰いでいたけれど。
あと王女様、ヘレン様、頼むから「ハァァァァッ、推しCP最高ッ!!」って限界オタクみたいな反応してペンを走らせるのは止めて。
公開処刑
「ノエルさ~ん?」
「うっ……あの、クレア先生。これ本当に言わないとダメですか?」
「はい~! 覚える為には口に出して言った方が覚えが早いので~! それにご令嬢達は幼い頃から実家の方でここの範囲をもう終わらせているので、これはノエルさんかレイゼルさん用の範囲と言いますか~。
お2人は田舎育ちでろくに学べる場所が無かったとはいえ、ここは世界最高峰の学び舎。必要最低限の知識を蓄えておくことは、いつか人生で学んだ事が生きてくるんですよ~」
うそだろ、間違いでは無いけれども!!
私とレイゼル、それからクレア先生の3人ぽっちの教室にて、歴史の授業中に私は絶望しながら教科書……ではなく聖書を持っていた。
ヘレンちゃんや他の令嬢達は、歴史担当の先生が別の教室でずっと深いところの歴史の授業を受けている。私達の方は基本的な、まぁいわゆるこの世界での小学校レベルのヤツを受けていた。まぁ仕方ないね、そもそもの話、先生が言ってたけど田舎育ちだから勉強学べる所なんて無いから、土台が無いんだもん。
そんな私達に授業のレベルをものすごーく落としてわざわざ受けるのはね……。
まぁ、お父さんから数学(インド式以上にケタが多い掛け算の暗算やら物理の計算)とか、魔法の為の知識と言語の読み書き(この世界には共通言語があり、普段それで話している。しかしその国特有の単語などがある)とかは沢山教えて貰ってたけど……。歴史とかは全く教えられた事が無い。
……けど、ようやくその理由が分かった。
そりゃお父さん、娘にこんなの読ませる訳にはいかないから歴史なんてやらせないよ。なんだこれ……。
この世界の神話などが書かれている聖書には、こんな事が書かれている。
「つ、「月の女神リーゼフィアの汚い喘ぎ声が虚無の世界に木霊する……お゙ぉ゙ぉっ、け、ケルローさまぁっ、貴方の……その剛直な肉棒で、私の処女を食い散らして……お゙っほぉ、ください……女神はそう言いながら、太陽の神ケルローにこ、腰振りダンスを披露し、発情期の盛ったメスのように……その、う、熟れた肉壺から愛液を垂らしながら、体よりも大きな豊満な胸の先に付いていた乳首を……シゴき上げていた……」
あ、あの先生?? 思ったんですけどこれ、奇形好きが書いた官能小説か何かですか?!」
「聖書です~」
「というかもはや性書ですよね!?? 何で……その、交尾してるんですか!?」
「これは2人が神の領域と呼ばれる場所で神々を作ろうとしている所なんですよ~! 最初はこの神が自然発生し、本能で……あの、セックスをしています」
「そ、そんな……(まさかギリシャとか日本の神話みたいな……いやある意味こっちの方がヤバいな)」
そう思いながらそっと私は性書をひっくり返した。だって挿絵入ってるけどやばいんだもん。胸と尻が意味分からんくらいでかいんだもん、バケモンだ……。そりゃ胸の大きい子がこの世界に多いのも納得だし、変態ばかりになるよ。
すると隣でレイゼルがくっついて来た。
「ノエル、どうしよ……ノエルが恥ずかしがりながらエロ小説読み聞かせしてきたから、俺のチンコ勃ってきたんだけど」
「これ違う、聖書!!」
朝出したばっかりだと思うんだけど、何でそんなに元気なのかな!? 朝と同じくらい大きいんですけど!?? ……あっ、原作のレイゼルは10Pいけるんだった。
性欲のバケモノめ、あんな神達に寵愛されちまったらそりゃ性欲ヤバイよ。
「この授業終わったらさ、シよ?」
「四時間目まで待ってろ!!」
私は小声でそう言うと、レイゼルは抱きしめてくる。ちん……をピクピクさせながら。
……私、何かやっちゃいました??
「じゃあ、四時間目楽しみにしてるな♡」
あっ……今の私「四時間目ならセックスしていいよ♡」 って言ってるようにしか聞こえない!!
「い、いや違う! そうじゃない!!」
「ノエルも期待してるんだな♡ じゃあ四時間目になったらいっぱいノエルに中出ししよーかな!」
「2人とも、聞こえてますよ~!」
先生に注意されてレイゼルは「はーい、先生ごめんなさ~い」と口では謝って私を離してはいるものの、手は私の太ももに置いてあった。
おい、触んな。
その手が段々と徐々に付け根の方に行って、それから下着越しに触れてくる。腕を掴んではいるけど、そうだった……ビクともしないんだった。
「いいですか、月の女神がこうしてセックスアピールの舞を踊り、それに太陽の神は同じく舞を踊った後に交わる事により、その精子が様々な生命の元となったのです。その時に流したありとあらゆる体液は海になり……そして大便は大地となりました。こうしてこの世界はできたのです」
「まさかのスカトロ!??」
先生やめて、そんな大真面目にそんなこと言うの。……ん? いや待て、どっかで聞いたことあるような話だな。
「この事から上流階級の人は子どもを作りたいという時は、この神話になぞったような誘い方をします。もしこれを言われた時は、あなたとセックスをして孕ませたい、孕みたい♡ という意味ですよ~」
『う、美しい……まるで月の女神リーゼフィア様のような佇まいだ! あぁ、いつまでも彼女が太陽の男神ケルロー様と踊ったとされる舞を、そなたと共に踊り明かしたい……』
えっ……じゃあ
そう思いながらレイゼルの腕をググググッと掴んで剥がそうとしていると、廊下側からダダダダダダッという音が聞こえ、それから勢いよくドアが開かれた。
ガラッ
「ノエル嬢、今僕様の事を思い出したのだろう!? そうなんだろう!!?
僕様とノエル嬢はやはり両想いで運命の──」
「失せろ」
私はシャン○スばりの威圧を出してやってきたチビデブにそう言うと、そのチビデブは幸せそうに白目を向いてバッタリと倒れる。
……キモチビデブのテレパシー能力怖い。
「えっと……」
「あ、続けてください」
チビデブが現れた事により止まってしまった授業を進める為に私はそう言うと、先生はドアを閉め授業を再開していた。
「んん、しかし天地が創造されたのは他の神々が誕生した後であり、まず最初に誕生したのが概念の神です。彼の誕生によってありとあらゆる概念が無数に存在し、魂という概念も彼の誕生と共に産まれました。魔法も元々は月の女神と"彼"の力であり、魔物も"彼女"が作り上げた存在です」
「ん? えっと、ちょっと待ってください先生」
「なんでしょう~?」
「さっき彼、と言っていたのにどうして彼女になってるんですか??」
そう聞くと先生は「あぁー、実は概念の神は途中で魔物に生まれ変わって女神になったんですよ~」と言っていて、私はビビり散らかした。
まさかの神様がTS!?
「そしてこの世界は元々、その概念の神と秩序の神が対立した時に白黒を付ける為、ゲームの盤とされる2人で創り上げた世界が元になっています」
やっぱり神様の力ってすげぇ……ん? 元になってるって、どういう事?
「太陽の神と月の女神がその世界を気に入り「私達もそんな世界作りたーい」という感じで1000年かけてこの世界ができたと伝わっています」
「何その軽い感じ!? えっ、本当にこれ神話なんですか!?? 特殊性癖エロ同人作家が書いた本の内容とかではなく??!」
それでいいのか、この世界!!
「ですが月の女神は魔力を持ってはいたものの、彼女の作った魔物を作る上で唯一彼女には使えない能力がありました。
それが、闇属性の魔法です」
で、出た! 魔物にしか使えない最強の属性魔法!!
くらっただけでデバフ&毎ターン高いダメージを受けたりする上に、当然のごとく高火力のダメージを入れてくる超厄介極まりない魔法!! 実はその神様が理由だったんだなぁ……モンスターが使ってていつか原作のレイゼルも全属性ゲームで使えるとてっきり思ってたけど、使えなくてビックリしたな……。
ずっと謎だったけど、そういう事だったんだ。
「なので太陽の神と月の女神は概念の神に、魔物だけはオリジナルで作って欲しいと頼んだそうです」
……あ、なるほど。
意味分からん創造神2人以外の神が作った生物だから、それでこの世界と思考というか、肌? まぁそもそもが合わないのね。
道理でスラのすけ先生がスライムだしメスガキ(概念)なのに、この世界の住人であるのにも関わらず、よくあるエロゲーの世界特有のみんながみんなサキュバスとインキュバスっぽいエッチなモンスターじゃない訳だ……。だってものすごくフォルムと顔がマスコット的で可愛いもん。
ちゃんと頭おかしい変態なのはよく考えたら普通にサキュバスとかインキュバスとか、本領が元からそっちの方の奴らだったなぁ……。
「だからか、時々概念の神が暇つぶし、そして自分の作った魔物達の様子見として旅行でここに来る事もあるそうなので、もしかしたらレイゼルくんはいつか旅の途中で会えるかもしれませんね~! なにせ、勇者ですし」
「そ、そうなんですか……」
……概念の神様、旅行ついでに魔物達を止めてください。あと創造神も止めろ。でもエロ要素以外、結構この世界の歴史は面白いのかもしれない。なんか、ありえない話すぎて。
でもまぁ、つまり魔物達はこの世界では異物という事が分かった。でもそれにしては、その話がやけに確定的というか、不透明さが無いというか……話が「とされています、という説が有力です」じゃなくない?
全部が全部、だったらしいって。なんかそれって──
「なんだか、神様に直接聞いたみたいな神話ですね?」
「はい、大昔の聖職者が直接聞いたそうですよ。そうしたら……太陽の神が「自分達に着いてこれたら話す」と答えたらしく……」
も、もしかして……。
「三日三晩、朝までたっぷりねっとりしっぽりしたそうです~」
「やっぱりそう来ましたか!! というかそれ生殖者じゃないんですか!??」
「そして着いてこれた結果、人と神の混血が産まれました~!」
子供できてんじゃん!! おい大丈夫かそれ!??
「そしてそれが後の初代勇者です」
「……??」
????
???????
???????????
「創造神曰く「自分で作った
「おい────!!!!!」
アウトッ!!! 何考えてんだ創造神!!!!
思わずスペースキャット化したよ!! って事はレイゼルはヘラクレスの生まれ変わりみたいなものか……いやそれにしても、レイゼル?? 手を私の下着の中に入れるな、そして何処とは言わないけど擦るな!!
「創造神達は人間達を動物の中で最も知能が高い、姿形が自分たちと最も似ている生き物として、しっかり邪な目で見て愛していましたが……その中でも勇者は特別で、沢山の力を与えました」
「邪な目って言っちゃってるじゃないですか……。
(というか神様にとってはただの動物だから、神様達はある意味ケモナーだったということに……)」
「そして創造神達は初代勇者に勇者としての役割を与え、世界を自分達とは違う目線で見守る事にしました。ただ、寿命は人と同じでした。なのでその初代勇者が亡くなった時は大層心を痛めていたと、聖書には書いてあります」
まぁ、特別……つまり大切な子供を失った訳だしな……。
「そして初代勇者が死んだ後、勇者の魂が別の人間として生まれ変わりました。創造神はそれに大層喜び……勇者にまた再び寵愛したのです」
勇者が性欲高いのって、やっぱりその神様の影響をモロに受けてるからじゃ……。聞いていて思ったんだけど、神様が作った生き物って、その神様の影響を強く受けてるよね。
魔物達が仲間意識が高いのって、概念の神様が家族とか大切な存在は守る、それを仇なす者は絶対に許さないっていう事なんだろうし。
「ですが約4百年前……ある日勇者の魂が突如現れた裂け目というものにより、法の神が創り上げた全く別の世界に飛ばされてしまい……その後もしばらくその世界に魂が留まり、病弱な体に転生してしまうという事が起きました」
するとあくびをしながら、私の下着の中に入れてナニかを擦っていたレイゼルの手が止まる。
それしても、病弱ねぇ。前世の知り合いに一人居たな、レイゼルそっくりな男が。……いやまさかね。
「その世界でできた想い人も、病弱であるせいで勇者であるのに想い人に告白する勇気も湧かず、毎日その人を想いながら……その、ちんぽをシゴく毎日──」
「うわぁぁぁああああああッ!!」
すると急にレイゼルは叫んで何故か机に突っ伏す。……けれども下着の中からは頑なに手を出そうとはしない。何だこの勇者、一体どうしたんだ。
「レイゼルどうかした? それよりもその手を離して」
「…………大丈夫、いきなり猛烈な頭痛がしただけで」
それにしては耳が凄く赤い気がするけど、もしかして照れてる??
「その上想い人と死に別れる事になった前勇者に、創造神達は心を痛めていた所、また再び裂け目が現れ、勇者はこの世界に戻れました。とはいえ、まさか戦争を起こすキッカケとなった人物の子供として転生する事になったのは、創造神達も驚いたそうです」
「勇者の魂は転生先を神様でも選べないんですね」
「はい、勇者の魂は半分神でもありますから。神は神の運命を変えることはできないそうなんですよ~」
なるほどなるほど。
そう思いながらこの授業で聞いた事をメモに書く。だけど未だにレイゼルは突っ伏していて「プライバシーの侵害だろ……」なんて言っていた。
お前が言うな。
私の事を何度も盗撮しておいて、何を言う。でもまぁ、うん……世界中にその事がバレたら流石に恥ずかしいよね。……ん? いや待って、レイゼルって前世を覚えてるんだ。
……どんな人だったんだろ、せめて今よりマトモだったらいいんだけど。
「ノエルにバレた時は興奮するからまだしも!!」
「は??」
ただいま二、三時間目、魔法の授業中。
正直言って……私はある意味でこの授業に少し驚いた。というのも、授業のレベルが少し低かったからだ。
この世界の魔法は科学的ではあるものの、非科学的でもある。……うーん、科学的なのかそうじゃないのかどっちなんだろう。魔力は様々な原子に変えることができ、それによって起こった現象の事を魔法と言う。そしてその計算とか理屈とか、そういうのを魔法なんたら化学、そしてそれらの総称というか、全部ひっくるめて魔法学と言う。つまり理科と化学、みたいなものかな。
この世界の住民なら誰でも知っている情報。だけど私はてっきり、超能力とかみたいにただ念じるだけで使えるのかと思っていた。
だからお父さんから魔法を教えてもらうことになった時、何故か数学とか物理学、空間の計算を教えられた時はとてもビックリした。
でも魔法はイメージと魔力さえあれば使えるから、ぶっちゃけ知識が無くても使えるとの事。でもその方法で魔法を使うとものすごく魔力の消費コストが高くて、魔力が多いほど制御がしにくい上に暴発や暴走をするらしい。
そこで知識が関係してくる。
イメージに現実的で具体的な数値の式とかを魔法陣にして書き込んで当てはめる事で、細かく調整することができる。具体的には、その数値によって結果が頭の中にイメージとしてシミュレーションされる。どういう原理なのかは科学的には説明できないから、こういう所が非科学的とも言えるね。
例えば炎魔法なら熱の温度、酸素濃度、距離、使用するにあたって魔力量など。沢山の計算をして魔力を原子に変えると、それをくっつけて分子にするのを繰り返す。これらには多少想像力が必要だけど、いきなり炎が燃えるイメージでやるより随分と調整がしやすい。
そこからイメージ力が更に重要になり、魔法の発現の仕方は人それぞれ。私の場合は魔力や体温、当たった物の物質、私の倒したい相手。それらの条件に合致して反応する、割れる透明な膜のようなものに可燃性のあるガス(その日の気分と用途でメタンとか酸素とか水素とか、中身が変わる)を花火の火薬みたいにそれぞれ詰め込んでそれを飛ばす。
敵に当たって割れた瞬間に熱を発生させると、可燃性のあるガスに一気に火がついて燃える。
魔力を感じる事ができない魔人族や魔物以外はとても有効だけど、その相手に当てるには速度が要るかな。まだまだ練習が必要。
あ、そういえば……。
『イメージ力が高く、普段魔法を日常的に使っていると、特に意識しなくても息を吸うように魔法を使える。だから歳をとると気性の激しくなる上、知能が下がった老害は余計に暴発させるから、仕事が滞ってなるべく関わりたくない。さっさと家で余生を過ごして死ねと毎日のように思う』
ってお父さんが言ってたな。ちょっと言いすぎなんじゃないかと思ったけど、やっぱり魔法って使い方次第だと思う。魔物とか魔人族*1は本能的にシミュレーションしなくても魔力の調整を感覚でしっかりできるから無駄が無いのと、魔力を感知できるから、そもそも計算なんてほとんど必要ないし。魔物に至っては、どんな魔法を相手が使おうとしている事すら分かっちゃうらしいけど。
だから私が思い描いていた魔法とほとんど同じことができるらしいけどね。
……ただ私、魔人族の血なんて入ってないけど何で? お父さんは『俺は神ですら渇仰し心酔し畏敬する存在だからな』って言ってたけど、謎だ……でもお父さんなら有り得てしまいそうに感じる。
そんなこんなで前世では使えなかったガチの魔法だからね、ロマンあったから興味も湧いて魔法の勉強は凄く捗った。それにお父さんの教え方上手いし……でもすごくドキドキしたけど。
『いいかノエル、まず魔法はイメージからだ。できないと思えばできず、知識と魔法を発現させる想像力を持っていれば使える。要するに、科学的だが非科学的でもある。
例えば炎……トオンや無詠唱魔法のへオンは、炎を見た事がなければ使えない。そもそも見た事がなければ、想像する事もできないからな。だが逆に言えば、大火事の現場を見たことがあればそのイメージはとても容易く、高火力の炎を出すことが可能だ』
『へぇ~』
『という訳で、今から俺がよく燃えるゴミを燃やしに行く。着いてこい』
『ん?! えっ、ちょっとお父さん!?』
その後、お父さんは転移魔法ムーヴィで、国内の密売人達が根城にしていた家に行くと、密売人達を見事な手際で下着だけを残して風魔法ヴィズで起こしたソニックブームで破り、亀甲縛りでお縄につかせると仕事と娘の教育を同時進行させて盛大に家を燃やしていた。
『油に汚れたゴミ程よく燃える物は他に無い。ノエル、これが炎魔法だ、よく覚えておけ』
『はい……』
お父さん、娘に凄いところを見せたくてドヤァしてやってたけど、普通にやってる事(放火と拷問)がヤバくて私はビビっちゃったよ。
『とはいえインプットの量が少ないのは成長の限界も浅いというもの……』
『!?』
『あと10回くらい放っておくか』
その後、密売人達はお父さんの……口では言えないようなヤバい拷問にかけられると、その後半殺しにあった密売人達は命惜しさに……ではなく。お仕置欲しさに自分達の密売人グループの情報を吐いて、そのまま牢屋に転移された。きっと檻の中で今頃豚小屋生活を送っている事だろう。
それからお父さんに「次は雷魔法のレネダだ、この魔法は他と比べ最も難易度が高いと言われているらしいが……俺の娘だ、できない筈がない。次のゴミを焼却しに行くぞ、着いてこい」って、言われて着いていくことになったけれど。……でもお父さんの魔法は本当に凄かった。
でも一歩間違えたら危険な魔法を間近でバッチリしっかり見たからね、そんな危ない力をあんまり使おうと思った事は無い。大体ケガした時とかで、回復魔法のヴァリカー……それから今後使う頻度が増えるだろうフィリンくらいかな。
……と、一通り魔法についての無駄に長い話をしちゃったけれど、皆はその計算と想像で既に躓いていた。
丁度いい威力にする為には完璧な計算とシミュレーション、想像力が大事。でもそのイメージと計算の両立ができていなくて、何度もシミュレーションで試行錯誤してしまっていて時間がかかる。これだと実際に戦う時はとっくに自分が死んでいるだろう。
原子に作るのにイメージは大事だけど、それはほぼ感覚というか勘だからな……。多く作りすぎると失敗する、まぁそのピッタリにする為に呪文というものが存在するんだけれど、この学校では才能がある人を集めた学校。
今やっているのはレシピを見ずに目を瞑って勘で料理しろっていう感じで、その呪文という過程と計算を見事にすっ飛ばしている。つまり最初から計算とかはモ○ハンでいう装備のセットみたいに頭の中で覚えておいて、シミュレーションも一切無しで魔力を変換したらそのまま使う。
それが無詠唱魔法(イメージだけで使える各属性で一番弱い魔法も一応そう)で、炎魔法の一番下位の魔法であるトオンとは少し名前が変わる。この場合はへオン。魔法の名前を心の中で唱えるか口に出して呟くだけで、魔法が発動する。
魔法は使う事に熟練度が上がっていき、一番弱い魔法でも「今のはメ○ゾーマではない……メ○だ」というのと似たやつができる。……嘘です、熟練度が上がると、トオンでもトオディフレイ(詠唱によって使える炎魔法の上位魔法)みたいに自由に火力を調整できるようになります。ちょっと心の中で思ってみたかっただけです。
と、ここまで説明してきたけれど、ここでみんな思っただろう。
じゃあ魔物と魔人族、それからお父さんとノエルやばくね? ……と。
私もそう思う、何だこのチート遺伝。ここはな○う系じゃないんだぞ。
とはいえ大体感覚でやってるから、計算とかシミュレーションとかは結局しないと失敗して、私諸共みんなが吹き飛ぶんだ……。それとはまた違った難しさがあるんだよね、でもお父さんはちょっと使えばもうマスターしてたらしい。
私の父があまりにも天才的で偉大すぎる、なんであの人あのクソデブ国王の所で働いて、国に不利益
『いや違う』
あっ、今イマジナリーお父さんが違うって言ってる。ドヤ顔で、違うって言ってる。じゃあ違うか、お父さん嘘は滅多に言わないもんね。
だけど歴史の授業中に先生が教えてくれたんだけど、この世界の魔人族という元の世界の魔人族では凄く世間からの待遇というか反応が違うらしい。
こっちの世界では最初から魔物達とは友好的だったけど(今は戦争中だけど)
元の世界では最初から敵対していて、魔物の血が入っていたから全人類からは裏切り者の子孫とか言われて差別の対象になっていたらしい。あとは地毛が二次元のキャラクターによくあるカラフルな感じだから、気持ち悪いとかなんとか。そこら辺は白人とか黒人とか黄人とか、そういう肌色の差別と似たものを少し感じるね。
わたし、さべつよくないとおもう。
それにしても、勘でどれくらい変換させるかはこればかりは経験と直感が大事だって聞くけど……ちょっと時間がかかり過ぎてるな。
ボンッ
「きゃっ!?」
「だ、大丈夫ですか~!?」
ドカーンッ!
「きゃ──ーっ!!」
「はわわわわ、皆さ~ん!?」
……これ、大丈夫? 死人出ないよね??
もし危ない感じがしたら
「へオン!」
おっ! 流石王女様! ちゃんと魔法できてる! ヘレンちゃんの努力の賜物だね、私も頑張らないと!
私はそう思いながら用意された的にガス玉をぶつけると、丁度的が破壊される程度の威力で爆発させていた。うーん、やっぱり芸術は爆発ですね。素晴らしい。
だけどいきなり爆発させたからかレイゼル以外はみんなビビっていて「きゃ────っ!?」という高い声が辺りに響き渡る。みんな声高いからよく通るし、その声に私が驚いちゃったよ。一瞬コンサート会場かな? って思った。
でもまぁ、令嬢達の中に魔人族が居ないから魔力を感じ取れない人ばかりだし、仕方ないか。でもレイゼル、お前はダメだ。咄嗟に驚いたフリして私にくっつくいて、頭の匂いを嗅いだりスリスリするのはやめろ。
えーっと、うーん……。
よくある、二次元で使ってるような炎魔法にしてみようかな。みんな驚いちゃうし、サッカーボールくらいの火の玉程度にしておこう。でもあれ、常に燃えてる訳だから、大体同じ魔力の消費量に比べて威力のコスパが悪いんだよね。某炎魔法のメ○と氷魔法のヒャ○くらい違う。それに相手に強いダメージを入れられるかも別の話だし。
「ヘオン」
でも魔力はなるべく消費した方が筋肉みたいに保有量が増えるし、これはある意味理にかなってる……のかなぁ?? 謎だ。
私はマ○フィセントみたいな炎の色をした玉をマ○オさんのごとく放って的を燃やすと、そこに酸素とかガスを更に投入する。
よしいいぞ、燃えてしまえ! そしたら私がデデニー作品に出てきたジプシー絶対殺すマンみたいに低音美声で歌いながらスカーフを燃やすから。
……ん? でもジプシー絶対殺すマンって私よりどちらかというとレイゼルに近い気がする、あの気持ち悪さ。でもレイゼルはクチャラーでもないし、アリを平然とプチプチ潰したりしないから全然違うな、うん。たぶん違う、変態なのは合ってるけど。
すると令嬢達が私の方を嫉視していて、私はそれに心の中で「お父さんならさっきの比じゃなかったぞ」と思いながら的を壊す事……というよりも魔力の操作に集中していた。すると私に抱きついていたレイゼルが私に話しかけてくる。
「なーなー、どうやったら魔力を感じ取れるようになれんの?」
「これ生まれつきだから知らない」
「んー、でも魔人族じゃなくても分かるって事は、魔物の血とかはたぶん関係無いんだろ? なら頑張れば俺もできるかも! ほら、俺って勇者だし? なんかできそうじゃん?」
「……まぁ、確かに。でもどうやって感じ取れるようになるつもり?」
「極限状態になってみるとか?」
「例えば?」
そう聞くとレイゼルは少し考えた後でハッとする。
「ノエルに鞭とかで叩かれたり踏まれたりスパンキングされる事……?」
「それはレイゼルがされたいだけでしょ??」
「えー、でもできそうな感じがするんだよな~」
そんなんで覚醒しちゃったら本当にドン引きするんだけど……お願いだからならないでよ、そんな事で。
「戦争終わらせる為にさ、ちょっと俺にコレ着けて叩いて? おねが~い!」
おい、顔良いからってちょっとあざとくしてくるな、というか何でムチと首輪と犬用のリード持ってるの? 何で?? あとそれ渡してくんな。
「ノエル~、人類の危機なんだぞ? その為だと思ってさー!」
「いいからさっさと魔法使え変態勇者!!」
私は思わず持っていた鞭でレイゼルを引っぱたくと「あんっ♡」って言いながら倒れて、ビクンビクンしていた。
「あ、なんか
「えっ!??」
「トオン!」
それから本当にレイゼルは魔力を感知できるようになって、思いっきり魔力全部使っちゃったから、対魔法防御がかけられた練習場が一気に吹き飛びました。
……嘘だろ!?
あとカルゾーン使っておいてよかった!!! 全員死ぬ所だった!!!!
グラストは魔物の中で最強種の吸血鬼には劣るが、高い魔力を持っている。環境によって技能や耐性を得る力を持つ(魔人族もその特徴を持っており、傭兵一族など、日々日常で戦っている魔人族にはその能力を開花させる事ができる)魔人族とグラストはどちらも耳がエルフとは違った尖り方(縦方向)をしている。しかし寿命は魔人族の場合だと普通の人間と同じ。魔力には性質と波長があり、魔力に色として個性が現れる。
その魔力色の影響をグラストは受けやすく、それが遺伝した魔人族は全員髪色が自身の魔力色と同じでカラフルになる。魔物と同じく糖分を魔力に変え体内で生成できる。なので本能的に糖分を欲する為、甘党が多い。
Q.何で目覚めたんですか。
A.レイゼルのスキル「ノエル」のせい。
おまけ
「みなさ~ん、生きてますか~~!?」
「こ、これが勇者様の力なのね……」
「流石レイゼル様、対魔法加工が施されたこの訓練場を吹き飛ばしてしまうなんて……ですが、私達が無傷なのはノエル様のお陰なのでしょう? とても素晴らしい魔力操作と魔力量です、ありがとうございますノエル様!」
「……レイゼル、もう二度と授業で思いっきりやっちゃダメだよ。特に今回はバフ付きなんだから」
「分かった……もうしない」
「(勇者のスキル、こわ……流石の私でもそこまで威力出ないんだけど)」
「事故とはいえノエルを殺しかけた訳だし、俺責任取って死ぬか結婚した方がいい?」
「何言ってんの!?」
「でもお義父さんにバレたらエグい方法で殺されるだけだよな……それに他の男と結婚するかもしれないから、やっぱ結婚していい?」
「結局それか」