チュートリアル用のチョロイン幼馴染に転生してしまった 作:水性さん
ゼ○ダの伝説シリーズにアイテムを店から盗んでからまたお店に再入店すると、道具屋のおじさんに殺される有名なネタあるよね。
一度盗んだら永遠にドロボー呼びされるけど、作者はネタとしては結構好きです。でも皆、リアルでやっちゃダメだぞ!
……ところでヤンデレとかメンヘラはいくらでも女々しくして、情緒不安定になったら泣いててもいいと思うんだ。
あと作者、1日にマ○オさんの映画を見ました。全我氏がスタンディングオベーションしました。天下のニ○テンドーだからこそできる別作品とのコラボも、見た時はニッチャリしました。ル○ージくん、まじヒロイン。最高の弟属性だな……。
そういえば映画評論家からの評価は低いんだって、なんでもストーリー性が無いとか、白人しか居ないとか……。でも違ぇんだ!! ファンはアレが見たかったんだ!! お前らの意見なんぞクソどうでもいいわァッ!!
ありがとうニ○テンドー、ファンサに振り切ってくれて……本当にありがとう。それにしてもデデニーを超えた赤い服と帽子にオーバーオールを着た配管工のひげの人……すげぇ。
「……えっと」
「口ずっと開けてるの、疲れるから早くして欲しいんだけど」
ふてぶてしく、ネロは何故か私の膝の上で頭を乗せて寝転がりながら私の弁当のおかずを強請る。
「何であげる前提……?」
「昨日助けてやっただろ、これぐらい安いんじゃないの」
まぁ確かに、命の恩人だし……むしろ安すぎるくらいではあるし、あとこれを何回やっても返しきれないけれど。
昨日、だいぶ遅くなった昼食を食べながら、私はレイゼルに「もう絶対に媚薬使わないで、あと4時間目の授業(実技)では何がとは言わないけど絶対に3回目までだから! 出られるようになるまでだから!! それ以上は流石に体の負担が大き過ぎて午後の授業出られないし、
まぁ理由はネロの事もあるんだろう、だってネロは見るからに授業をサボる常習犯だし、昨日話していて「どうしてあの場に居たの」と聞いたら「散歩の途中で濃い血の匂いと、貫通済みなのにやけに男を誘う良い匂いがしたから」と答えた。
ネロは見た目も中身も猫っぽい、そして遠慮が無い。
もし私が気絶してぶっ倒れでもしたら、また昨日みたいにネロが授業をサボって私と話すかもしれないし、多分それと貸し作ったから大人しかったんだ。実際の所は分からないけど。
そして今日、私は4時間目の授業(実技)でまた先生にレイゼルと強制的にセッ……をしないと出られない部屋に閉じ込められる事になったんだけど、まぁ約束通り我慢してくれたから昼食をギリギリ食べられるようにはなった。なったけれども、またセッ……をするかもしれないからお題部屋のシャワールームじゃなく、学校の男女で分かれたシャワールームから出たらネロが出口の横で待っていたらしく、私の腕を掴むと転移魔法ムーヴィで移動させられた。
……全く魔力感じなくて気づかなかった。多分魔力を抑えてるんだろうけど、全く気配も感じなかった。猫だから隠密性能高過ぎる……本末転倒だ。
それでネロに「座ってくれる」と言われたので座ったら、普通にネロは頭を乗せて寝転がってきた。至近距離で耳のオマケで付いている偏差値が高過ぎる顔面が近い所で転がっていて、それから頭に可愛い猫さんのお耳が付いているのが見えた。
も、モフモフ……!!
ちょっと猫耳と尻尾触ってもいい? と、言いたい……絶対にモフモフしてるよ……触りたい。そう思っていると、その視線に気がついたのかネロは『触ってもいいけど、敏感だから乱暴にはするなよ』と言ってくる。
凄く、触りたい。
なんという悪魔の囁きみたいな……あ、インキュバスの血が入ってるから悪魔ではあるのか。ネロに手を掴まれると自分の頭に乗せて撫でさせてくる。それに私はちょっと欲望を解放してモフモフしてしまった。
『なにこれ、何か凄い!!』
『んっ……♡』
すっごく柔らかいかったです。でも何故かネロが息? をその間に止めていたのは一体何故。そして私は二次元(とくにど○ぶつの森)でよくある四次元ポケットから私が早起きして作ったお弁当を出す。何でゲームのキャラクターって変な所からでかい物取り出せるんだろうね、不思議だね。某緑の勇者なんて、見るからに小さいバッグの中から虫取り網とか空き瓶出てくるし。深く考えないようにはしてるけど。
……あ、水筒忘れたかも。アクタで飲もうかな、そう思いながら食べようとした所でおかずを強請られたのだった。
「な、何食べたい?」
「肉」
肉かぁ……とりあえず、お望み通りにお肉をあげよう。私はネロの口の中に自家製サラダチキンを入れると、肉食動物がモデルになっている獣人族特有の、鋭い牙でモグモグしていた。とてもだらしないけれども、まぁ……目を瞑ろう。
「……健康的な味がする」
「まぁ、健康重視で作ったし……」
「俺は不健康なのが好みだから残念だ」
「このお弁当はネロの為に作った訳じゃないし……ところでそろそろ頭を退かして欲しいんだけど」
だけどネロはいつ間にか持っていたらしい紙袋から、ムシャムシャモグモグとクロワッサンを出して食べ始める。おい待て、食べカスが太ももに思いっきり落ちるから止めて欲しいんですけど。
でも、存外に居心地がいいかもしれない、もしかして久しぶりの平和だからなのか……猫だからか。つまりアニマルセラピー……ってコト!?
あと私だってゆっくりしたい時くらいあるからね。レイゼルの場合だと絶対にうるさいだろうな、あとセクハラ発言するし。落ち着いて食べる事はできないと思う……まぁ一応、仮にも幼馴染だし? もう慣れたから一緒に居る事が嫌ではないよね、ただ大人しくしてて欲しいだけで。
そう思っているとモグモグと食べながらネロはこっちを見てくる。
「アンタ、変に律儀だな」
「そう?」
「ただ俺の中での"普通"は、いくら礼だからってこんな素直に要求呑んだりしない。それに……昨日俺がキスした時、驚いてたとはいえやけに大人しかった。それから"普通"に話す事も。
アンタ、前世で幼少期に一体どんな生活をしていたらそんなになるんだ? 人は幼い頃に精神が形成されていく。アンタの場合、それがおかしいんだ。……俺も人の事を言えた立場じゃないが。
しかもアンタはその出来上がった精神の上で、好きでもない男と何度も付き合ってた事あるだろ。それも一回じゃない」
そう言われて私はドキリとして思わず箸が止まる。そして私の頭の中で前世の頃の記憶を思い出していた。
「君のような勘のいい猫は好きじゃないよ」
「……"嫌い"じゃないんだな、なら俺にもチャンスがありそうだ」
「チャンスって……違うよ、嫌いって言ったら傷つくかもしれないでしょ」
「ははっ、やっぱりマトモじゃない」
どこかで聞いた事がある、乾いたような笑い方でネロはそう言うと、残りのクロワッサンを一口で食べ終わる。
「……取って食うつもりは無いから、そこは安心しろ。それに俺はアンタみたいな普通じゃない奴が大好きだ、過度に自由を奪う奴以外はな」
「あー、うん。とりあえず離れようか」
でも一向に離れる様子の無いネロに私は諦めると、とりあえず昼食をモグモグしていた。お弁当を食べ終わる頃、私を探しに来たレイゼルがゼーハーと息を切らしながらやって来た。
「ま、また、はぁ……このっ、ドロボー猫!! ノエルは、俺のなんだぞ!! 人の物取っちゃいけないって親から教わらなかったのか!!
早くノエルの膝から離れろ、羨ましいッ!!! 俺なんか、俺なんかなぁ!! 一回もノエルに膝枕してもらった事……無いんだぞ!!! はぁ、はぁ……うぇっ」
そういえば、今世ではまだ一回もしていなかった気がする。というかレイゼル、息が整ってないのに大声で言うから地面にへたってる。しかもなんか吐きそうになってない?
この学校……いや、学校以外に限らず、この世界では基本的に私有地以外で魔法を使ってはいけない事になっている。なので魔法を使うのは授業の内と訓練場だけと、校則ではなく法律でしっかりと決まっている。
冒険者や魔法士が必ず持たなければならない、特別な資格というか免許証が無い限りは、授業以外での学校内や街ではいくら使おうとしても、特別な結界によって使えない。一応それ以外に使える部屋とか、使える魔法の制限もあるけれど……それがあのお題部屋と用意された寮室。使えなかったら避妊魔法とかも使えないからね。
ちなみにこれらは大きな街とかでも、犯罪防止の為に結界が張られている。
私はもちろんその免許を持っているから、学校内でも魔法が使えるけれど。お父さんがね、うん……。ある日その免許取りに行く為の会場に、何も言わずに私を連れて行った事があって。
免許取るテストの申請までいつの間にかやってて、何も知らない私はお父さんから「この俺の娘だから当然一回で合格する事は分かりきっているが、もし合格したら
ケーキの為に頑張ったら、まさかの難関って言われる試験一発合格するってどういうことなの。まぁ、それでレイゼルは勇者とはいえその免許持っていないから、魔法が使えないんだよね。
……あれ、でも前にお城で魔法使ってたよね。確かお父さんが持ってる宮廷魔法士が持ってる免許無いと使えない筈じゃ……んん??
ここで私はハッとしてレイゼルのスキル、"
そう考えているとレイゼルは四つん這いの状態でゼーハーしながら「ノエルもノエルだ!! 俺にだって膝枕してくれた事ないのに、こんな昨日知り合ったばかりの男にしてるんだよぉ!!! 浮気だ!!! ノエルが浮気した!!! 俺が居るのに、俺が居るのに他の男作った!!!」と地面をドンドンと叩いていた。地面にクレーターができるくらいの威力で。
そんな様子の勇者に対し、私の膝の上で二つの意味でゴロゴロしている黒猫はフッと笑う。
「可哀想に」
「……猫には9つの命があるとか聞いた事あるけど、今からそれが本当かどうか試してみてもいいよな? よしやろう!
死ね」
そう言ってレイゼルは何処からか出刃包丁を出してネロに目掛けて本当に刺しにかかった。ネロが獣人族特有の高い身体能力と反応速度、防衛本能によってすぐに離れたから良かったものの。
これ、避けられなかったらガチでレイゼルは人を殺していたのでは……??
や、やばい……これからはちゃんと拒否しないと、最悪ネロが死ぬ。
「本当に刺そうとしてきたんだけど……」
というかその包丁、昨日レイゼルが寝る前に何故か薄ら笑いしながら研いでたヤツじゃ……まさかその為に研いでたの? レイゼル??
「ところで、ノエル? 何でノエルの手からそいつの匂いがすんの?」
……レイゼルの嗅覚、やべぇ。待ってレイゼル、そのガンギマリの目は止めて。モフモフには勝てなかったんだ。
「ノエル? 何で俺から目逸らすの? でもいいか、ノエルは一番俺の事が好きだもんな! それにちょっと魔が差しちゃって浮気したのも、そいつが全部悪いんだもんな!」
キラリ、と出刃包丁が太陽の光で反射する。
「大丈夫、俺はノエルの事は全部分かってるからさ」
分かってるなら頼む、その太陽の光で輝く包丁を四次元ポケットにしまってくれ。
「そろそろ散歩の再開でもするか……またな、ノエル」
そんな時、ネロは私の髪を手に取ると軽くキスをした。
い、いつの間に近くに……!? さっき避ける時に距離とってたよね?!
その瞬間にレイゼルは出刃包丁をネロにぶん投げ、ネロは当たる前にムーヴィで移動した。最後まで余裕そうで飄々とした態度でいて、レイゼルはそんなネロにかなりキレていて、出刃包丁が私の後ろにある木にグサリと刺さる。
「チッ……!! 仕留め損なった」
そしてレイゼルは顔を俯かせながら「ノエル」と呼んでくる。
「…………~~~~っ、ずるい!!」
それから何かが爆発したようにそう言うと、レイゼルは私に飛びついて抱き締めた。
「出会った方が俺の方が早いしずっと一緒に居たのに、あいつの方がなんか俺より距離近いし!! 前にノエルに頭を撫でられたのだって随分前だし、ちょっとしかされなかったし!! 膝枕だって一回もして貰えなかったし!!」
ぎゅ──っとレイゼルは私を強く抱き締める。
中身出てきそう。あと人がやってくる所で抱き締めるな、恥ずかしい。
「なんで、ノエルは俺の事好きなのに、俺の……ノエルなのに。アイツより俺の方が好きなのに」
レイゼルの情緒があっという間に下落していき、声が徐々に震えたような感じになっていく。
「好きじゃない男とあんな近い距離で居ても平気で居られんの、何で俺だと駄目なんだよ!!」
「それは……レイゼルだからこそで」
「だとしてもずるいし、おかしいだろ!! ノエルが他の男に取られんのは絶対に嫌だ!!!」
顔は見えなかったけど、レイゼルが私を抱き締めながらボロボロと涙を零しているのが分かった。
……レイゼルが、泣いてる。どうしよう、私のせいだ。なんとか、なんとかしないと。
「それにっ、ノエルが嫌がってないからっ……アイツがノエルに触っても無傷だったし……!!」
あぁ、そういえばレイゼルから貰ったアクセサリーにはそんな機能があったっけ。
学校生活では邪魔になるから、今ではブレスレット以外は透明化している。まぁ、制服で隠れるから結局全部は見れないけれども。
じゃあ発動条件が"私が嫌がっているか"どうか、なんだ。なら、私にはあの"王様みたいな奴"相手じゃないと……たぶん、使えないな。
せっかく用意したのに、ごめんね。
「……これからは気をつけるから」
「これからはって、何だよ……」
それからレイゼルは私を抱き締めていて、それから泣き止んだ頃に一言こう言った。
「腹減った、ずっとノエルが居る場所まで走ってたから……ノエルが全部食べさせて。じゃないと俺、今日もこのままでノエルとサボるからな」
まさかの強制!? あ、でも、これは私が原因な訳だし……。
「わ、分かった」
するとレイゼルはコロッといつも通りの表情で「愛妻弁当♡ ずーっと楽しみに待ってたんだよな~!」と言いながら、また四次元ポケットから私がレイゼルに用意しておいた弁当を出すと、蓋を開ける。
「なんか、すっげー健康的~! ……でも統一感無いな!」
「うん……そうなんだよね」
中に入っているのはタンパク質多めでヘルシーな物が中心で、なるべく塩分も控えめにしてある。
サラダチキン、サバの味噌煮、だし巻き玉子にブロッコリー、揚げ豆腐、ひじきの煮物、十六穀米を混ぜ込んだ玄米、それから……直接転移魔法で部屋の冷蔵庫から納豆とカプレーゼを取り出す。あとはデザートとしてブルーベリーソースがけヨーグルト。結構量が多めだけどこの勇者、食べ盛りに入ってきたからよく食べる。
和食なんだかそうじゃないんだか、お弁当のメニューとして定番なのかマイナーなのかハッキリしてないけど、とにかく栄養重視で作ったらこうなった。結構いっぱい入ってる。
味噌はわざわざこの世界における東洋、江戸時代な世界観の日本っぽい国のランセンから輸入した物を使っている。一応頑張れば味噌も手作りできるけど、発酵するまでが時間がかかるし、結局作る為の材料が必要になる。
発酵食品ももっと欲しいし、大豆も大事だからって事で豆腐と納豆、それから豆腐を揚げる為の米油も取り寄せた。乳製品でモッツァレラチーズ、それから栄養の為のトマトもメニューに入れてみたけど……一体どうしてこうなった。牛乳飲ませればいいだけだし、できれば私も飲みたいけど……。実は今世の私、牛乳飲みすぎるとお腹下しちゃうから自然とこうなった。
それにしても転移魔法、本当に便利。いつでもできた瞬間に輸出、あと冷やしてないとダメな食べ物もこうして取り出せるから、本当に良い。……そう思ってちょっと現実逃避した。
ひじきの煮物は頑張って作ったけどね、現代日本で実際に海に行ってひじきを煮込むのは凄く大変でしかないけど、ファンタジー世界だから魔力使うだけだから本当に良い。
学校の食堂も良いし美味しいし、また食べたいけど……。でもそれはとにかく茶色、肉が多くて「男子高校生は喜びそう」なメニューばかり……そういうのは私も好きだけどね。美味しいよね、茶色い食べ物。
野菜は玉ねぎとかじゃがいもとかにんじんなどの、カレーの具材とかだった。だからこれはちょっとまずいな、と思った結果……こうなった。統一感より質だよ、うん。気にしたら、負けだよ。味は保証するから……これでも前世で料理の授業とってたし。
といっても、いつも先生が用意する材料とその日作る物のレシピ表を渡されて、ただその通りに私は作ってただけだけど。
まさか昨日、私が丁度復活した時に材料が届いてて、早起きしたら早速作ろう、と思って作ったらこうなるとは。和食と和食じゃないの混ざるなんて思わなかったよ……。
それにしてもいつ思い出しても、食堂の料理は流石、西洋ファンタジーモチーフの国だなって思う。あと貴族が多い学校。健康に悪過ぎる。だけど体作りはまず食生活も大事って言うし、親元を離れた今は自分の管理をちゃんとしないといけない。
お母さん、いつも栄養満点の美味しいご飯を本当にありがとう。
でも分かった。健康って、突き詰めすぎるのも良くないね……いい勉強になった。
今度料理の本を図書棟に行って探そうかな。レイゼルの事だから、あんまりそういう管理をしようと思ってないだろうし。というか、健康に対する意識を持っているかどうか怪しい。
「じゃあこれ全部食べさせて♡」
昼休みの時間もそろそろ終わりそうなので、レイゼルに次々と素早く食べさせていた。
「うまー! 全体的にちょっと味薄いけど……この味噌煮とか、美味しいぞ!」
「健康面を考慮した結果だよ、塩分過多にならないようにしてるの。でもやっぱり控えめな塩分でも美味しくできた方が良いよね。いや、でも運動で汗かくから塩分は必要?……もっと勉強しないと」
私もあんまり味薄いの好きじゃないし……これだと食事の時間が楽しめなくなる、早くなんとかしないと。なるべく食べ物に妥協はしたくない。
「俺はノエルが作って食べさせてくれるだけでも嬉しいから、そんな手間かけなくてもいいと思うけどなー」
「それじゃ駄目なの、これからは昼と夜は作ろうかと思ってるし。自分の為にやってる訳じゃないし、体が健康で強くなる為にはこれくらいできないと──」
するとレイゼルは嬉しそうにモグモグとお弁当を食べる。
「つまり、俺の為って事?」
「……」
「なぁなぁ、ノエル~?」
「…………」
「そうなんだろー!」
「……………………違うけど、戦争終わらせる為だから」
「やっぱり俺の為って事じゃ──むぐっ」
「時間無いから早く食べて。時間無いのは、私のせいだけど……」
それからなんとか時間前にレイゼルに全部食べさせると、午後の授業へ向かった。そして訓練所に向かうと、私を見たゲイル先生がやって来る。隣に居たレイゼルは私を抱きしめて、若干黒いオーラみたいな物を放っていた。
「体調は平気? 彼から拒絶反応を起こしたって聞いたから……」
「あ、はい」
そういえば昨日休んだから……それに血も吐いたし。たぶん、先生として聞いているだけなんだと思う。レイゼル、だからそんなに柴犬みたいに威嚇しなくても。
「よかった~! 体には気をつけてね、もし体調が悪くなったら無理しないで。体調が悪い状態で運動したら逆効果だから」
そう言うとゲイル先生は何処かに行き、スラのすけ先生を抱えてやって来た。たぶん、これから授業が始まるんだろう。
「ピキー、ピキ。ピキピキ、ピキーピキキ♡」
相変わらず何を言っているのかは分からない、でもなんとなくバカにしていることは分かった。
「……あの、ゲイル先生。スラのすけ先生は一体何を……?」
顔グラの無いモブAの男子がそう言うと、ゲイル先生は少し咳払いをしてから質問に答える。
「えぇっとね「じゃこ共、こんにちわなのねん。今日は欠席者が居ないけど、普通はこれが当たり前なのねん。まぁ今日もしぇいじぇい頑張るのねん、じゃ~こ♡」って、言ってるよ」
舐めやがって……いつか絶対に分からせてやる。
そう思っているとゲイル先生が苦笑いしながら、こんな事を言ってきた。
「スラのすけ先生は……か、変わった魔物だけど、絶対に勝負を挑んだら駄目だからね? スラのすけ先生の素早さは99999だから……」
まさかのカンスト!?
えっ、は○れメタルもびっくりするくらいに速いんですけど!?? 原作ではスライムが出てこないけど、作った人いわく「ネタ枠として作ったけど、出すの忘れてた☆」っていう、うっかりミスで永遠に戦えない敵キャラだったけど、まさかこんなに強かったとは……。
「攻撃力は1だけど」
1なんかい。
「でもスラのすけ先生には素早さが高ければ高い程、体当たりした時の威力が上がるスキルを持っているから、絶対に駄目だよ。物理攻撃も効かないし……」
つっっっよ……えっ、じゃあ魔法も下手したら全部避けられるって事? それってほぼ無敵では?? それなんていうチート。
「じゃあ皆、今日も元気に頑張ろうね! まずはストレッチしてから準備運動を始めようか。まずは股関節、それから脇の筋肉を柔らかく解してケガをしないようにするよ、ちょっと痛いくらいに止めておいてね!」
こうして保育園の先生みたいなゲイル先生による、地獄のトレーニングが始まった。
「……レイゼル?」
「はぁっ、あっ♡」
ポキッ ポキポキッ
「ほ、本当に大丈夫??」
メキッ メキッ
「……大丈夫っ、だからっ♡ もっと……♡♡」
レイゼルが脚を開いた状態で私が背中を押しながら前に倒していくと、レイゼルが何故かハアハアしていた。
ボキッ バキッ
「あぁぁぁ~~っ♡」
「本当にこれ大丈夫なの!?」
それが終われば今度は私で、逆にレイゼルに背中を押されていた。
「あ、ノエル結構体が柔らかいな……こことか」
「やめろ」
私の小さ過ぎる横乳を触るな、というかむしろ硬いでしょそれは。この世界は発育がいい人が多いから、もう大きい子は前世の世界だと同年代に比べてかなり大きいのに、私は絶壁だし……。あっ、自分で思っててかなりショック。
私はちょっと周りを見てみると、周りは阿鼻叫喚だった。体がカッチカチなのが多いな……大丈夫かな、痛そう。
「ノエル? 今他の男の事見たよな??」
何で分かるんだこの勇者、一体どうなってるんだ。というか全くそういうつもりで見てた訳じゃないですが。
「なぁ、見たよな???」
また黒いオーラを出しながらレイゼルがそう聞いてきて、私は冷や汗を出し始めていると、レイゼルは背中を押している状態から抱き締めてきた。
「いっそ俺以外の男全員消した方がいいかなって思うんだけどさ、どう?」
「……レイゼル?」
さっきとは全く違う雰囲気で、レイゼルはあまり大きくない声で話しかけてくる。
「あぁ、でもそうなるとお義父さんとお義母さん、義妹に義弟まで居なくなるからなぁ……そしたらノエルが悲しむし、俺が第一やりたくないし勝てるかどうか分からない。それに現実的じゃない。
あ、そういえば俺勇者で半神だし、やろうと思えばいつか俺とノエルだけの世界を創造すれば物理的に作れるよな?
って事は、その世界で俺とノエルがたった一組の夫婦になれば全部解決するな。そしたら子供も沢山だし、俺とノエルの間を引き裂こうとする奴は居ない……居たら殺すだけだけどさ。ぶっちゃけこの世界の人類とかどうなろうがどうでもいいし、いっそそれが良いまである。概念の神様だって、一から全部作るのは苦手だったけど、それでも魔法で世界を作ったんだ。魔力さえあれば俺だってできるよな、いっぱいノエルとセックスをしたら実現するのも夢じゃない……。全部俺がやれば、もうノエルが取られる心配をしなくても大丈夫なんだよな。そしたらノエルと死ぬまでずーっと一緒♡ いや、でも死んだらまた……離れ離れになる。もしかしたらノエルが生まれ変わった頃に俺は先にジジイとして生きていて寿命で死ぬかもしれない。そうしたらノエルは別の男と……そんなの無理だ、考えただけでも吐きそうになる……。
あっ、いい事思いついた!
俺はそこまでできないし、まずは先にアイツを殺して一緒に死のう? 大丈夫、痛くないようにするからさ♡ そしたら一緒に吸血鬼になって生まれ変わるんだ! 俺はその方法だって知ってる。吸血鬼は血を飲まずに生活したら、魂と肉体の結び付きが弱くなって老いるから、たったの一万年しか一緒に居られないけど……お互いに血を飲み合えば体を一瞬で蒸発させられない限り、俺とノエルは永遠に傍に居られる♡ この世界の吸血鬼の体ってちょっと変わってて、血を飲んで眷属を増やすんじゃなくて、普通にセックスして子供ができるんだってさ。それで吸血鬼の男は強い子供が産まれる良い遺伝子しか作らなくて、体が弱いって思ったら自動で細胞が精子を殺して、生き残ってるやつだけが中を泳いでいくんだ。それから女の子はやって来た精子をストックして、子宮の中でどれが一番強いかを判別する。何度も何度もセックスして、一番強い精子だけを選んで数年間生かしてストックするんだ。その間に他の強い精子と入れ替わらなかったら、ようやく精子と卵子が受精して子供ができるんだって。面白いよな、ただ強い子供ができる為だけにそう概念の神様が作ったんだってさ。でも要するに長く生きる分、人間だった頃の精子と卵子が受精するまでの期間が吸血鬼換算になってかなり長くなっただけって事だよな? そしたら子供ができるまで、ずーっとお互いの血を飲みながら子作りセックスしてればいいんだ♡ 吸血鬼って、そんな生態してるし、元々は人間の魔改造された魔物らしいから性欲は高いんだってさ。それでそんな体をしてるから、パートナーはたった一
ノエル、俺と一緒にいつか新世界の吸血鬼版アダムとイブになろ?」
……これは、ガチでヤバいかもしれない。それにその発言は勇者として如何なものか。でも……。
「れ、レイゼル──」
するとその時「こらーっ! 仲がいいのは良いけど、今は授業中だから駄目だよ!」という、ゲイル先生のプンスカした全く怖くないお叱りを受けた。
「もう! 集中しないと駄目だからね?」
「はーい、ごめんなさい先生ー!」
そう言ってレイゼルは離れると「じゃあ続きしよっか?」と私に言って、ストレッチをしてから準備運動をする事になったのだった。
フィリンをかけながらやっていたから、授業が終わる頃には前みたいに倒れていたけれど……また私はレイゼルにくっつかれていた。だけどその時も私はずっと考え込んでいた。
……何故、私はレイゼルが言っていた事に「良いかもしれない」と思ったのかと。普通だったら、前世だったら嫌がっていたんだろうけれど。
でも考えても答えは出なくて、私は考えるのを止めた。
今回でレイゼルくんの目には見えない病みゲージがかなり上がりました。
そういえばちゃんと過去明かされてるのって、レイゼルくんくらいなんだっけ……。
バンッ
俺は人間をやめるぞ! ノエル~~~ッ!!
という訳で元稲妻(日本)人だから永遠を求めちゃうのは仕方ないね。
実はこの世界はpixivで書いてる勇者大失格っていう小説から、何千何万年後の世界だから、実は魔法とか魔物の設定は全く一緒。もし読んだ事がある人は、あれとこれとそれのキャラ、性格と口調とかがほとんど似てません? って思うかもしれんが、それにはちゃんとした設定がある。
(そっちには二次創作とかオリキャラの絵も投稿されているという。まぁクオリティは期待しちゃイヤッ!! というかやっぱり見るな、これ書くよりも前に書いたやつで小説も絵もクオリティ低いからッ!!)
まぁ、それ書くにはそっちの小説書かないといけないんだが……こっち書くの、面白過ぎて。
~おまけ1~
「……そこまで猫扱いしないでくれる?」
「えっ」(エネコログサ装備)
「流石にちゃんとした猫みたいに反応は――」
シュッ
バシッ
「あ」
「猫だ……」
~おまけ2~
「モグモグ……俺、今度の魔法使用許可の免許のテスト、絶対に受けよ」
「そういえば学校でテスト開かれるってホームルームでクレア先生言ってなかったっけ? 丁度今日の放課後……」
「絶対に受かる」
「本当に受かったね」
「よっし! もうこれでノエルが何処に居ても駆けつけられるぞー!!」
「(……あれっ、今なんか副声音でもう逃がさないって聞こえたような??)」
《ノエルは本格的に逃げられなくなった!》