チュートリアル用のチョロイン幼馴染に転生してしまった 作:水性さん
前回レイゼルくんに嫉妬してもらった分、今回はノエルたそに沢山嫉妬してツンツンデレデレしてもらいます。
昨日私は険悪な2人に挟まれながら文武学祭を回ってみて、ある事に気がついた。それは周りからの視線……主に女性達の目が圧倒的にレイゼルの方を向いているのが多いということ。
客観的に見てネロもインキュバスのクオーターだからか美形ではあるものの、ネロがキメラであるからか珍しい生き物を見る目が多かった。例えば……日本へ海外移住してきた、西洋あたりの外国の人を、つい日本人が物珍しさからその人を見てしまうような感じ。
この世界ではキメラという特徴を持つ人はそこまで多いわけではないらしく、それも魔物とエルフの血が一緒に入っていると更に珍しい。
そういう意味ではネロはよく見られていたが、その異質さから異性として見られるような目はあまり無かったように思う。
……問題はレイゼルだよ。
贔屓目無しで客観的にレイゼルの容姿を言ってみれば、正直言ってイケメン。文句が無しに顔が良い。……変態ヤンデレストーカーである事があまりにもマイナス点だけど。
まず金髪が綺麗だし、青い目も綺麗。肌も白くて何故か全く焼けてないし、シミ一つもない。体格も良く、女性にとって理想的な肉体美。……あとこの世界での基準のひとつ、ちん……が大きい。というか異性を選ぶのに、その基準ってどうなの。
第一印象"は"とても明るく、凄くフレンドリー。ただその代わりに、ありとあらゆる関心が私に関する物だけしか向けられない事と、私に気がある相手にはとんでもない敵意と殺意を向ける。
もし私とレイゼルが出会ってなくて、普通の家庭の子供として生まれていたら、陽キャのまさに勇者っていう感じだったかもしれない。
その場合、レイゼルはこの世界の住人らしく、原作とは違った竿役チャラ男みたいな感じになってたかもしれないけど。
まぁそんな訳で、話しかけたら元気に返事をしてくれる、普段はあまり関わりの持てない金髪碧眼イケメン勇者が気になっていて、父親というフィルター無しで見れる面食いな学園内や外の人達からは、とても注目されていたのだった。
とはいえレイゼルは知っての通り、中身はただの変態ヤンデレストーカー。ネロと言い合いをしていても、私がリードを引っ張る度にレイゼルは「はぁんっ♡」という、嬌声を上げて勃起しながら喜ぶ。
この世界でもドMは上級者らしい。なので女性達は規格外なサイズのテントとレイゼルの興奮した表情を見て、変態に話しかける勇気が湧いてくる人は同じクラスの貴族の令嬢以外ほとんどおらず……代わりに人前でいきなりオナニーを始めていた。
いや、人前でそれを始める勇気と変態根性はあるんかい!!
あまりにもビックリしたけど……そうだよ、ここは異常な人しか居ないエロゲの世界。絶対に忘れちゃいけない。何故忘れかけてた、まさか私がこの世界に染まってきたってこと? 嫌だ!!
その時にネロは大勢の女性達のフェロモンで「色んな匂いが混ざって気持ち悪……臭」って言いながら避難して、その日はもう私とレイゼルの前に現れることは無かったから、その日は演劇部とかがやってる他の出し物を見に行ったけれど。
あ、この学校実は部活動があるけど私とレイゼルはどっちも部活に入ってないし、基本的に自炊だから行ってる暇も無いけど。他の生徒は貴族ばかりだから、専属の清掃員の人が部屋を綺麗にしたり、洗濯とか色々してくれるんだよね。
私が家族でも無い人に服とか、部屋の掃除されるのが嫌だから全部自分でやってるし、勇者とその旅の同行人は1人でそれらをできるようになってないと旅ができないから、そもそもそういう人達が用意されないんだけども。
ただ次の日……つまり今日、今現在。
「勇者様、私と本日の文武学祭を回っていただけませんか」
「いえ、私と!」
「勇者様は私と回るに決まっていますわ!!」
歩けば街ゆく女性達にレイゼルは囲まれ、私はいつぞやの時のようにレイゼルの隣から強制的に離れさせられていた。しかもわざわざ体を思い切り押されたりして……。こんな事は随分と久しぶりだったように思う。
「いった……ニョッキ大丈夫?」
「にゅ!」
私が抱えたまま突き飛ばされたからか、ニョッキも被害を被ってしまったけれど、何とか片腕を離して受身を取ったからか、ケガは無かった。
「ノエル!! ごめん、ちょっと……うわっ!? 引っ張るなって!」
レイゼルは何とかその女の子達の波をかき分けて私の所に行こうとしているものの、無理やりにでも私の所へ行かせたくないのか、どうやら服を掴まれているらしい。大丈夫かな……いや、でもよく考えたら今ヒエリカに行けば落ち着いて魔法剣の下見に行けるんじゃ……そう思ったけど無理だ。
最近は忘れていたけど、レイゼルはエロゲの主人公なんだった。ここで女性達に逆に頂かれるということも何ら不思議じゃないし、そのまま私に嫉妬させるか遊ぶ事を覚えて浮気する場合もある。
以前ならその心配をしていた。でも前にヒエリカに行った時、私との約束を今まで絶対に破る事がなかったレイゼルは、その時初めて約束を破ってまで自分の元から私が離れていく事を恐れていた。
いつの間にか私はその時に、レイゼルが原作の主人公とは違うという事を認めていて。今も自分自身の事なのにその理由が分からない、でも絶対そうなる事はないと分かったんだろう。その行動について納得する事はできなかったけど。
……だから私は今、凄く機嫌が悪い。
だって"かっこいい勇者"の事は知っていても、"レイゼル"の事を全く知らない有象無象の掃いて捨てるほどに居るお呼びじゃない女性達が、レイゼルにその大きな胸を押し付けて媚びを売っているのだから。しかも私を差し置いて、突き飛ばした上で。
腸が煮えくり返りそうな気がした。
心做しか、私の心情が反映するかのように、さっきまで晴れていたのに天気もどんどんと悪くなっていく。
私は無意識に持ってきていた鞭を取り出すと、バラ鞭に形状を変えて、思い切り地面に叩きつけた。
その瞬間、周りに居た全員が私の方を向いた。
「退け
自分でも驚く程に冷たい声が出た。誰もがこっちを見て注目しているけれど、今はそんな事どうでもいい。
「なっ……」
「平民ごときの貴女が私に向かって!!」
「いきなりなんなのよ、それより誰よアンタ!!」
(ゴロゴロ……)
「私のレイゼルに手を出すような、豚小屋で年中腰を振るだけしか脳がない雌豚の分際で、言語を喋んじゃねぇ!! 今すぐ私の視界から消え失せろ!!!」
私はまた思い切り鞭を地面に叩きつけると、それと同時に緑色の雷が、私のすぐ近く……なんとニョッキが居た場所に落ちた。(※*1)
「にゅ──ーっ!!?」
「ニョッキ!? ど、どうしよう……ニョッキ大丈夫!?」
そこで私は我に返ってニョッキに駆け寄ると、ニョッキは「にゅ!」と、むしろ元気になっていた。最悪な状況になる事はなく、私の魔力でできた雷を吸収していた。そういえばニョッキみたいに魔力を吸収する能力を持ってる使い魔って、仕えてる相手の魔法は吸収できるから効かないんだっけ。……よかった。
多分さっきの雷、私が普段抑えてる魔力が無意識に大量に盛れ出して起きちゃったやつだ。こんな物理的に雷落とすの、凄く久しぶりかも……3歳とか4歳の幼女時代以来? 何はともあれ、ケガがなくて良かった……。
そう安心していると、横からやけにテンションが高いレイゼルに思い切り勢いよく抱きしめられる。
「ノエルっ♡ なぁなぁ、今なんて言った? もう一回言って♡♡ 誰のレイゼルなのか、もう一回言って♡♡♡」
「……あっ」
顔面が削れそうな程にスリスリしている変態の顔を手で押し退けながら、全力でレイゼルから顔を背ける。凄く顔がなんだか熱いけど、これは私が怒って興奮しているだけで、それ以外の意味は全く無い。
「ワンモア! 一回だけでいいから!! 俺のこともう一回私のレイゼルって言って!!! 20回はイける!!」
「しつこい!!」
それからレイゼルは私に「しゅきしゅきしゅき♡ いつもだったら騒ぎになりそうな事は回避してるのに、俺の事になると止められないのしゅきっ♡♡」とか言いながら私の無い胸を揉んで乳首を触っていた。
「と、というか!! 元々レイゼルが女の子に優しいのが悪いと思う!! もっとハッキリ断って!!」
「あー……ごめんノエル。俺、ばあちゃんに女の子には優しくしろって言われてたから……」
……そうか、じゃあ仕方ない……のか??
そう思っているとニョッキは「こいつが悪い!」と言わんばかりにレイゼルをカサでペシペシする。私全肯定botキノコはその後、レイゼルに投げ飛ばされて「にゅぁぁぁあああ~~~!!」っていう悲鳴をしていたけれど。
「でもそれ言ったらノエルは誰にでも優しいし、感情に訴えられるタイプのは断れない性格だから俺がむしろ心配。せめて俺と家族だけにして欲しい……」
うーん……自覚があるし、普通にブーメランが帰ってきて、思いっきりグッサリ刺さった……。
待て、こんな時に限って前世の知り合いと初めて会った時の事を久しぶりに思い出してしまった……。
今なら言える、あの時何で胸を触らせたんだ私……。どれだけ家庭内での日常にストレス溜めてたんだ。
だからこそ、生気の無い……まるで生きる希望が無いみたいな、絶望の縁に立たされているみたいな、たまたま見かけた知り合いを見て話しかけたんだろうけど。
その理由はただの自己満足だったし、本当は私が"ママ"にできなかった事を知り合いで達成したかっただけなのかもしれない。それとも、私がそうされたかったから目の前の相手にしていたのか……。
でも助けたかったのは間違いなく本当だった。……今でも生きてるのかな、元気だといいけど。
「……ノエル、何で他の男の事考えてんの? 何で??」
あ、やばい。レイゼルの前で知り合いの事思い出しちゃった!! というかやっぱりレイゼルってテレパシー能力でもあるの!?
「なぁなぁなぁ、何で??」
「ちょっ、ちょっと昔の知り合い思い出してただけだから!」
「………………誰そいつ」
これ墓穴か!!
「でも俺が知ってる限りだと、村の子供って俺達以外は赤ちゃんくらいしかいなかったし……歳が近い知り合いでもヘレンとか、ノエルの従兄と……あとアレくらいだけど……まさか俺とノエルが出会う前に居た他の男ってこと? 例えば引っ越したとか……へー、ふーん…………」
「いや居ないから!!」
「……じゃあ従兄? 従兄同士でも結婚ってできるもんな……俺には絶対に無い落ち着きと、あの無口さでロリノエルの初恋を奪っ──」
「違う!! とりあえずその出刃包丁しまって!! あとノイ兄はただの従兄だから、今も昔も絶対に無いから!!」
「じゃあ、誰??」
そうは言ったけれども、気分がジェットコースターなレイゼルは暴走モードになっていて。私の話を全く聞こうとせず、ひたすら私に詰め寄って、危うくレイゼルに監禁されかねない雰囲気になった。
……そんな時。
「すみません、ちょっといいですか!?」
とあるモブ顔(ただしこの世界はエロギャルゲなのでもれなく可愛い上に胸がでかい)の女の子がやって来た。
「ごめん、今取り込み中で──」
「私は服飾科の者でして! 私の作った服を着るモデルさんが今日、風邪で休んじゃったんです! なので代わりにファッションショーに出てくれませんか!?」
「話聞いて?」
「お前が言うな」
今は全力でそのブーメランに対するツッコミを私は投げ付けた。
「お願いします、もし賞品が貰えたら貴方にあげますから!!」
「そう言われても……」
「ちなみに賞品は浴槽の湯船で使う、オーガニックの様々な味付きローションと精力剤が1年分のセットなどもあります!!」
「出る!!!」
「いや欲望に忠実すぎる!! というか待って、なんて物を賞品にしてんだオイ!! 」
「ありがとうございます、こっちです!!」
見事に物に釣られたレイゼルは、私の手を繋いだまま引っ張っていき、さっきまでの病んだ様子とは打って変わって、ルンルン気分でモブ顔の女の子に着いていった。何でメンヘラとかヤンデレってすぐに気分が変わるのか……上下が激しい。
前世の高校時代のメンヘラな友達を思い出す……あの子躁鬱だったから、それが本当に顕著だったな。
今日は何かと昔の事をよく思い出すな……あ、嫌な事思い出した。もう昔の事を考えるのは終わり! おしまい!!
そう考えている間にレイゼルは更衣室に連れて行かれ、私にブンブン手を振るとそこに入っていった。
「行ってくるー!」
それから程なくしてファッションショーが始まり、まさかここまでギリギリだったとは……と思いながら、私は観客に混じって見ていた。
……しかしこの時、私は知らなかった。
ファッションショーにもいくつか種類があり、実は健全な物と不健全な物があるということを。
「それでは裏のファッションショーを始めます」
「ん? 裏……??」
最初はレディース物のファッションショーが始まり、誰もがボンキュッボンの顔が良い女性達がランウェイを歩く。
……だけども、なんなんだ、その格好は!??
もはや服としての意味が無い、ただセッ……のアピールをする為の勝負服を美人な方々が着て、アヘ顔&腰をヘコヘコしながらノロノロと、もはや履く意味の無い紐パンから染み出す、謎の体液を垂れ流してガニ股で歩いてるし!!!
微かにローターのバイブ音みたいな物が聞こえてくるのは、私の気のせいだと思いたい。
「お゙ほぉっ♡♡」
うわぁぁぁぁぁああああ!!!
いやぁぁぁぁぁぁぁあああああああああ!!!!!
アウト──────────────────ッ!!!!!!
「ニョッキ見ちゃダメ!!」
「にゅ?」
いや待って、これが終わったらレイゼルがメンズファッションとして出てくるんだよね?! 今すぐに断ってレイゼル!!! 逃げて!!!!
というかいっそこのステージぶっ壊すか、見た人の眼球焼く!????
駄目だ、今の状態そのままでやったら、脳みそどころか有機物を全て炭化させそうな勢い!!
いや人間は所詮タンパク質と水の集合体、焼けばただの炭、殺っても問題な──大アリだ馬鹿女郎!! 正気に戻れ私!!!
「(あぁぁぁぁっ!!)」
ゴッ!!
「にゅっ!?」
……やばい自分の破壊力と紙防御力を忘れてた、凄く正拳突き痛い。口の中鉄分の味する、不味い……私のバカ。気を失わなかっただけ良いとしよう……。
ごめんニョッキ、驚かせたね……ほんとにゴメン。
~~~~~ッ、もうこんな場所居られっか!! 私は帰るぞ!!! 怖いからいっそ見たくない!!!! いや、でももしかしたら女の子だけじゃなくてホモォ……的なものがレイゼルに群がるかもしれないし!! 私はどうすれば!!!!
私は頭の中でずっとぐるぐると考えていると、いつの間にかレディースは次々と順番を終えていて、私は絶望に陥っていた。けれども私はそれと同時に、自分でも今まで気が付かなかった事に気が付いた。
…………まさか私がこんなにも嫉妬深かったなんて。
「に゙ゅっ、に゙ゅ……」
「あっ、ニョッキ本当にごめん、キツく抱き締めすぎてた!?」
私は変な声を出すニョッキに力を緩めるけれども、よく見てみるとなんだか様子がおかしい。というか、苦しい訳じゃなさそう。
そう思って私はニョッキを観察していると、ニョッキがランウェイを「!?」という様子で見ているのに気がついて、私はつい……つられてそっちを見てしまった。
あの美しい太陽のような金髪に、どこまでも青い晴天のような目。そして完璧な肉体美を持っていた変態ヤンデレストーカー幼馴染ですが……なんということでしょう!
そこには顔立ちも髪も目も仕草をそのままに、レイゼルにそっくりなスタイル共に色気も抜群の可愛らしい金髪碧眼色白美少女が、私の目の前で童貞を殺すセーターを着ているじゃありませんか!
「えっ……」
するとレイゼル(♀)が私に向かって投げキッスをすると、バチコーンっとウインクした。周りの男達、メロメロである。ニョッキは眉間の間と顎にシワができて、なんだか嫌そう。
……見てる男共のケツ毛燃やそうかな。
どうやら私はレイゼルが女の子になっても、見られるのは嫌だったらしい。まぁ、いくらかマシだけど。
それからなんだかんだもなく、時間が流れて裏のファッションショーの審議が終わり……。
結果は最優秀賞に入れず、特別賞を受賞。レイゼルはこの世界では高価なゴム(大きめ)を貰った。まぁそもそも赤ちゃんの頃にされる予防接種的な特別な薬剤を投与されて性病とかも完全に全部防げるから、ゴムを使うのって魔法が本当に使えなくて避妊できない人用なんだよね。つまり必要無い。
「って、サイズちっさ!? こんなんじゃ先っぽも入んないって! 使えねー!!」
しかも使えないと来た。本当に時間の無駄だった……というか心配する必要もほとんど無かったな。ただ、レイゼルを知らない人達はレイゼルがただの女の子にしか見えないから「そんなブツを持った男が居るのか!?」と、驚いていたけど、違うんだ。
それは一時的に女の子になってるだけの男なんだ……。
それからファッションショーが完全に終わって解散する事になり、私はレイゼルが来るのを待つ。
……あれ、1分経ったけど。秒針が一周したんですけど?
レイゼルなら秒ですっ飛んで来るのに。……なんか嫌な予感がする。私はそう思いながらレイゼルの魔力を辿って歩くと、言い争う声が聞こえてきた。
……まさか。
「だーかーらー! 俺は男だっつってんだろ!! それに恋人待たせてんの!!」
そう言って行こうとするレイゼル(♀)に絡んでる男4人……肌が日焼けで黒いチャラ男と汚いおじさんと、それから優しそうで顔が可愛い系の絶対脱いだら凄いタイプな人と、何故かそのグループに居るショタ。あ、あれっていわゆるNTRで定番な奴らでは?!
えっ、何!? これが色々な意味での逆NTRって事!??
や、ヤバい、これはヤバい。でも今私が行ったらもっとヤバい事にな──。
「その汚い手でレイゼルに触んな猿共ォォッ!!」
私はチャラ男のこめかみにスカートがめくり上がらないよう押さえながらラ○ダーキックをお見舞いすると、鞭を出して金的をくらわせた。危ないからニョッキには離れた所で離していたけど。
「レイゼルはいつも抱き締めてくるから、テメェらみてぇな猿が触ると私に汚れが移んだよ」
「え……好き、ノエル結婚しよ?」
それから二度と人の物に手を出せないよう、それから他の女の子が被害を受ける事がないように、徹底的に奴らの象徴をシバいた。流石にショタにはできないので、この光景をしっかりと脳内に焼き付かせて「次は無いよ?」と警告しておいた。ショタよ、君はまだ引き返せる。
……だからそんな顔を赤らめて物欲しそうにチラチラと鞭を熱い視線で見つめないでくれ。
「で、何もされてない?」
「大丈夫! ……でも、ごめん、俺がもっと早くノエルの所に行けていれば……」
「にゅー!」
そんなふうに言っているレイゼルにニョッキは「そーだそーだ! 来るのが遅い!」と、言っている様子。またニョッキはレイゼルに私の腕の中から引っこ抜かれてピ○ミンのごとく投げ飛ばされた。おい勇者、キノコは大事にしろ。
「まぁそもそも、このファッションショーに参加しなければよかった話だけど」
「うっ……」
「で、どうしてその姿なの?」
私はずっと気になっていた事をレイゼル(ブカブカの私服を着た女の子フォルム)に転移魔法を使って戻ってきたニョッキをまた抱えた状態で聞くと、ニョッキを見て恨めしそうに説明をし始めた。
「なんかさ、元々女の子のモデルがあれを着る予定だったけど、風邪引いて出られなくなったから、俺がスカウトされた訳じゃん?」
「うん、でも何でレイゼル?」
「でもあのセーター作った子、かなりこだわりが強いタイプみたいで、理想の女の子に着て欲しかったんだってさ。でも中々現れなかったから、大急ぎで男を女の子に変える魔法薬を用意して、選択肢を男にまで増やして、性転換した時の姿を思い浮かべてみて、ピンと来た奴が男だったら、魔法薬を渡して理想の女の子としてショーに出てもらう事にしてたんだって」
なるほど……。
「で、俺を見た時に俺が女の子になった姿を思い浮かんだら、まさに理想だったらしくて……でも急いで用意してもらったんだけど、かなり効果があるやつを間違えて貰っちゃったんだってさ」
「で、効果時間は?」
「丸1日」
まぁ、何となくそれは予想ついてたけど……。
「はぁ……いい? 今のレイゼルはどこをどう見ても、正真正銘の可愛い女の子な訳だから1人にならないこと。即お持ち帰りコースまっしぐらだから」
「わかった!」
「とにかく絶対に私の傍から離れないで」
「もう一生離れない♡ しゅき……♡♡ 抱いて♡♡♡」
「…………あっ、別にそれ以外の他意は無いから。そこちゃんと分かってる?」
「分かってるって~♡」
そう言うレイゼル(♀)に疑念の籠った目でじっと見つめると、私はふと思う。守る、って言っても自分自身も女の子なんだよね……これ大丈夫かな。いくら私に肉体的・精神的な女性らしさが欠けていても、インキュバスとかチビデブみたいな変態は寄ってくるし……。
……いっそ私も今日だけ性別変えた方が良いのでは?
「えっ、俺今日の夜は百合プレイしたい……」
心を読むな!!
「あっ、でも普段とは逆で楽しむのもアリだよな……迷う!!」
「迷わんでいい」
でもよく考えたらあの美男美女両親の血が入ってるから、男子になった私って相当なイケメンになるね、絶対。だとすると駄目だ、今度は私に女子達が寄ってくる。やっぱりやめよう。
……仕方ない。
「とりあえず、手を出して」
「えっ、セックスしていーの!?」
「は? 違うけど。人混みに紛れて迷子になったら面倒でしょ」
私はそう言うと、レイゼルは嬉しそうに手を差し出す。幸せそうな顔でニヤニヤと……なんだかムカつく。レイゼルのくせになまいきだぞ。私はレイゼルの手を握ると、すぐにこの勇者は指を絡めて包み込むようにしてくる。
「へへへっ、ノエル大好き! ……なぁなぁ、ノエルは俺のこと好き? 大好き?? もちろん愛してるよな!」
「自惚れんな」
「俺は~、好き~~!」
「さっき聞いた」
ポ○ョ、そ○すけ好き──!! みたいな感じに言っているレイゼルは、私にくっついて私の腕を抱きしめてスリスリしながら好意を全開にする。
……まぁ、そういうのは悪くないけど。
「帰ったらいっぱい気持ちよくなろーな♡」
やっぱり言うと思った。すぐそういう事言うのはやめろ、バカ勇者。私はレイゼルを引っぱたくと、本人は「あんっ♡」って言いながら喜ぶ。やっぱり変態である。
私はそれから他の催し物を巡る為に、2日目専用パンフレットを読む。すると再びレイゼルに話しかけてくる人が現れた。
「あのっ、美男美女コンテストに出てみませんか?」
「えっ何?」
本日で2人目の勧誘か……。やっぱりモテるな、この勇者。
「貴女ならきっと優勝を狙えますよ!」
「あー、ごめん……そういうの出るとノエルが俺を好きすぎて嫉妬しちゃうから……」
「誰が」
すると話しかけてきた女の子(何処がとは言わないけどスイカ)はチラシをレイゼルに渡す。……出る気はさらさら無いんだけど、私は戦力外と言われているようで悲しい。
「優勝したら豪華な賞品が貰えるので、よかったら是非!」
そう言って女の子は他の美人達を探してはチラシを配っていて、レイゼルはそのチラシを見る。私も横からチラッと見てみると、結構豪華だった。普通に賞品とは別に順位によっては賞金もあるし、流石金持ちが多く通う名門校って感じ。
でもそれとは他に、賞品が貰えるらしい。その中で目に止まったのが金品とかじゃなく、寝れるくらいでっかくて可愛い"人をダメにするスライム"のソファ(人を馬鹿にした顔)……いや、もはやベッドだった。6畳サイズって……備考に生徒作、モデル、スラのすけって書いてある。可愛い。
……気になる。
実に、気になる。
一体どれほど柔らかいのか、どれほど再現されているのか気になる。モフモフなのか、プニプニなのか、どっちなのか気になる。私はモフモフとプニプニに目がないので。あっ、お父さんもモフモフとプニプニ好きなんだよね。おばあちゃんも好きだし。
「俺これに出る!」
「えっ」
「善は急げっていうし……って、よく見たらコンテストの締切、あと少しじゃん!? 早く行こーノエル!」
「ちょっ、引っ張らないで、このスカート丈が長くて走りにくいから!」
急いだ様子でレイゼルは私を引っ張っていくのでそう言うと、レイゼルは「じゃー、こうする!」と言って、私をいわゆるお姫様抱っこの状態にして走っていった。……抱えた時に凄く驚かれたけど。
「えっ、軽っ!? 軽すぎるだろ、39キロじゃん!! BMI(※*2)18.5以上無いじゃん!!」
「何で分かるの!?」
「もっと食べろ!!!」
「ちゃんと食べてるけど……というか食べてる所はちゃんと隣で見てるでしょ」
「あー、うん。そう、そうなんだよなぁ……」
体質だからか、食べても食べても全く太らないんだよ。生理が近い時とか毎日甘い物とかドカ食いしても太らないし、そのせいで……胸が。胸が全く育たないし……。
「(やっぱこれって皇族の血の影響だよな……)」
そしてレイゼルは私を抱えたまま会場まで走っていくと、何とかギリギリで間に合った。普段だったら転移魔法ムーヴィで済むんだけど、こういう人が多い時は転移事故が起きちゃうから危険なんだよね。だからレイゼルは私を抱えて行った訳なんだけど……。
「間もなく飛び入り参加の受け付けを終了いたします!」
「あっ! はーい! はいはいはいはいはい!! 俺出る!!」
「レイゼル? あの、ちょっとそろそろ離して──」
するとレイゼルは私を抱えたまま、結構な高さのある舞台に飛び乗ると、ギリギリやって来た乱入者に司会の子がレイゼルにマイクを向ける。
「ここで最後の飛び入り参加者です! 名前をどうぞ!」
「えっと……レイゼ──"レイチェル"でーす!」
「!??」
何だこの勇者、偽名使ったぞ!? あ、でも名前普通に名乗ったら面倒くさい事になるのか。勇者のプロフィールは全部世間では筒抜けだから……。
「元気いっぱいで、笑顔がとっても魅力的ですね! ……ところで、お姫様抱っこをされている人は一体……?」
やっぱりそう思うよね、気になるよね!! 早く下ろせバカ勇者!! おい聞いてんのか!!
「離せ!!」(小声)
バシバシと胸を叩くものの、いつもとは全く違う……ぽよんぽよん、ふるる~ん、ふにゃふにゃ~んとした感触で威力を殺される。
……くっそ──!!! ちん……が大きいからか、性転換したら胸がデカい!! 女としての肉体的な魅力が、一日駅長ならぬ一日女の子なレイゼルに圧倒的に負けてる!!! 腹立つ!!
どうしてこんな格差が生まれてしまったのか!! 乳をもいでやろうか、このおっぱい勇者め!!
……それにしても、本当に柔らかかったな。
あっ、駄目だプニプニ欲が!! 違う、これ肉球違う、これデカぱい!! ただのホモ・サピエンスのメスにある脂肪の塊であって、猫様の肉球とかスライムじゃないの!! 私は猫科を所望する!!
「"俺の"未来の妻♡」
するとデレデレな表情と声で私にスリスリしながらレイゼルはそう言って、私に大勢の前でキスをした。当然のごとく、ディープキスで。
ニョッキの顔がスンッ……とした気がした。
「ん!?」
その瞬間、周りから低い声の雄叫びが聞こえてきた。というのも、今のレイゼルはどこからどう見ても女の子である訳で、完全なる百合なのである。精神NLだけども!! クソッ、百合豚共め!!
「ん~~~~~!!! (離せ変態ぶっ飛ばすぞテメェ!!!)」
《ノエルはレイゼルの胸を叩いている!!》
《レイゼルの胸がぽよんぽよん揺れただけだった!》
あー!!! 腹立つ!! 何だこの胸、ぽよぽよしやがって!! 腹立つ!!! って、触った感覚で意図せず今分かった、レイゼル……。
ブラしてないな!?
ノーブラですか??! ノーブラ良くない!! ブラ着けろ!! あと離せ!!!
ちくせう、こうなれば……!!
《ノエルはレイゼルの乳首を摘んで引っ張った!》
「ん゙っ♡ はぁっ、ノエル待って……♡ 今はそれ駄目だからっ♡♡」
「五月蝿い黙れおっぱい魔人」
「にゅっ!!」
別に羨ましいとか、全然無いから。私はせめて前世と同じくらいは欲しかったけども。だからこれは八つ当たりじゃない、違う。
ニョッキも便乗して頭のカサでペシペシして、日頃の恨み! と言わんばかりに叩く。
「にゅぁぁぁあああ!!」
……また投げ飛ばされたけれど。
「私よりでかい胸あるだけのガワだけ一日女の子なくせに、勝手に公開ディープキスすんじゃねぇよ」
「そんな強く引っ張ったらっ……♡」
「しかも何? 外なのにノーブラの状態だし。さっきのファッションショーなら千歩譲ってともかく、今は違うでしょ? その上私に乳首引っ張られて喜んでるとか……普通痛い筈なのに、何でこれで喜んでるの? 本当に救いようがないんだけど、ねぇ聞いてる?」
この脂肪め、脂肪め!! 八つ当たりをするように強く乳首を摘んだりグリグリしたり掴んで揺らしたりすると、レイゼルはプルプルしながら私を落とさないように踏ん張って抱える。
「あ゙っ♡ 待っへ、それ以上はイクからっ♡♡ はぁっ、はぁっ♡ノエルっ♡♡」
「……じゃあやめる」
レイゼルがそう言った瞬間、周りの目を見てみると私の中にあった八つ当たりの心が一瞬で跡形もなく消えていくのを感じた。
「えっ」
「これ以上喜ばせたくないし、人前でそんな顔して気持ちよくなってるから嫌。帰りたいから離して」
私は手を離すと、レイゼルは明らかに残念そうな顔をして私にスリスリしながらねだってくる。
「やだっ♡ どっちもやだっ♡♡」
「は? 私はさっき黙れって言ったんだけど聞こえなかった? さっさと下ろせ」
するとレイゼルは何かを察した様子でニンマリと笑うと「じゃあ我慢する!」と言いながら私を下ろして私にくっついていた。……その大きな山を私に押し付けて「しゅきしゅき♡♡」攻撃をしながら。
それから何故か最後の飛び入り参加をしたのにも関わらず、"レイチェル"がコンテストの1番の美女になっていたけれど。
ただ謎なのは、私は参加してないのに投票箱の中に私の票も少なからずあって……。しかも記入欄の選んだ理由を書く所では「ヒールで踏んで欲しいと思った」とか「ゴミを見るような目で見つめられながら、脇の匂いを嗅いだりオナニーをしたい」とか「足を舐め回したい」とか「犬になりたい」とか。……正直気持ち悪い。
まぁそれを見たレイゼルが「はぁ!? ノエルの犬兼恋人の枠は俺で埋まってんだけど!? その他大勢はキリンの野グソでもやってろ死ね!!!」ってビリッビリに破いてトオンで燃やしていたけど。
「では賞金と賞品をどうぞ! 賞品はこの中からどれかひとつ選んでください!」
「やったー!! じゃあこれっ!」
そう言うとレイゼルは、ホクホク顔で賞金を貰うと、あの大きなスライムビーズ(?)ソファーを持ち上げるようにして持つ。
「ノエル、あげる」
私は声にならないくらい驚いていると、レイゼルはニッと笑って言う。
「さっき気になってチラシ見てただろ?」
「そ、そうだけど……まさか、それだけの為に?」
そう聞くと、少しだけ照れた様子で「まぁ、ノエルとの結婚資金も欲しかったのもあるけど……♡」と、言ってくる。
相変わらず一言ちょっと余計だ。そこは"うん"だけでいいんだよ。
……でもいいか。
「………………あ、ありがと」
「しゅきぃぃぃいい!! 結婚しよ♡♡♡」
「五月蝿い!!」
それからでっかいスライムソファーを寮室に置く為に2人で戻ると、今更ながらに思った。
「そういえば置くとこ、考えてなかった!」
「あっ」
やぁやぁ諸君、今回はついニョッキの扱いが悪くてごめんよ(いつもの事である)最近夏休みに入って、ヒャッハー!! 絵が描き放題、楽し~~~!!! ってしてたらいつの間にか小説の投稿まで時間がかかってたよ。
やはり好みの女の子を描くのは楽しいね。ノエルたそ、描くの楽し! ヒャッハー!!!!
あと原○の推しであるクソガキが復刻されている事もあり、武器欲しいからガチャを頑張ってるよ! ウッ、ウッ……出ない。そんな訳で頻度落ちるよ!
もしかしたら同じタイミングでプレイしてるかもね……。
えっ?
前回の次回予告で言ってた内容が出てきてないって??
……こんな適当で頭がおかしい物語を書いてる作者の作った文面を信じる方が悪い!
ごめん、ちゃんと次回には出るから。たぶん。
今回はつい、長くなっちゃったんだ。
昨日描いた絵 メスガキなノエルたそ
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過去絵 スライム
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