チュートリアル用のチョロイン幼馴染に転生してしまった 作:水性さん
今年も毎度線画を提供してくれるのと、我氏がお絵描き配信してるのに気づいたら見に来てくれるマイフレンドのちゅぷちゃんがですね……相当線画頑張って描いてくれたんだ。
でも頑張りすぎて、時間かかっちゃったんだよね。
その上我氏はまた応援(今度は1ヶ月間)に行くようになったんだ。……夜の7時に仕事終わって、家着くの10時前後のクソ遠い場所に応援行ってるので、まじで塗る時間がねぇ。寝る準備するだけで夜が終わるわ。
iPadとかがあれば、クリスタの2台使用ができるようになる月額のやつ払って職場でもデジタル絵が楽しめるんだけど……。高いよな、欲しいなぁ……。
出勤時間と帰宅時間をなるべく縮める為に軽いクロスバイク(今の自転車もクロスバイクだけど、実質ママチャリのゴミ性能だから)欲しいし、そろそろスマホが限界きてるから機種変したいし……。
いつか出会うであろう運命の猫ちゃんに貢ぐお金も欲しいし……。
サンタさん、お金を我氏にください……100万円くらい。
とにかく、小説の方はできてたので絵の方は完成次第という感じであります。しばらくお待ちくだせぇ。
追記 2025 0102 できたぞッ!!
今日はクリスマス。今年もクリぼっちな暇人の皆さん、お元気だろうか。
今年も彼女を得る為の努力もせずに、ただそこらを歩いているリア充に嫉妬をし「まぁ別に彼女居たところで、アニメとかゲームの妨げになるから要らないけどwというか彼女は画面の向こうに居るしwww」とか言って自分を慰める、悲しきモンスターと化してはいないだろうか。
そうなっていたとしたら、実に哀れ、惨めである。
という訳で、この小説ではクリスマスで楽しくやっている家族達の様子を見てもらい、更に絶望してもらおうと思う。
「にゅぁぁぁぁぁあああっ!」
「メリークリスマス、おはよーノエル!」
「ノックしないで入ってくんな!!」
「あ゙ッ♡♡」
ノエルが着替えている中でレイゼルはニョッキからのガードを突破してニョッキを画面外にスマッシュ。そのままレイゼルは部屋に突撃し、今日もノエルにぶん殴られハァハァしていた。実に幸せそうだ。普段のレイゼルであれば、ノエルが起きた瞬間に目を合わせてじっと見てくるのだが、レイゼルのセリフから分かる通り本日はクリスマス。そう、クリスマスである。
ノルトが前日にレイゼルをノエルの部屋に入れないようにしていた。ハロウィンでは楽しめなかったイベントを、朝からいっぱい娘と満喫したかったのである。しかしこの駄犬は夜になると特に盛りだす為、朝チュンで起きるのが遅くなってしまうなどという事は絶対に阻止したかった。
その為ノルトは前日の夜、レイゼルがノエルを襲う事が無いように、リビングで寝かせた。そんなノルトだが、別にレイゼルの事が嫌いなのではなく、気に入らないだけなので布団を敷くくらいの温情は持っていた。
「んへへぇ……♡ノエルおはよー♡」
自分の下着とボディーライン、それから慎まし過ぎる体に釘付けな視線と、徐々に荒くなっていくレイゼルの息にノエルはイラッとしてくる。
「おはよう、とりあえずその気色悪い顔やめて。それから下着姿の私をガン見すんな。部屋から出て行って、早く」
いつの間にか自分の手には何故か鞭がある事に心の中で「何で私今、鞭持ってるんだろう」と思いつつも、鞭でドアの方を指した。皇族七不思議である。そんな中、レイゼルはキリッとした顔で答えた。
「ノエルには分かんないと思うけどさ、女の子の着替えっていうのは神聖なもんなんだよ」
「は??」
心からの「は?」である。一瞬ノエルに某猫のネットミームが乗り移った。
「女の子は神秘的で男とは違う上位の存在だから、そんな神聖な行為である着替えを見る事ができるっていうのは本当にありがたい事なんだぞ。天使とかお釈迦様が語りかけて救ってくれるくらいのありがたさ──」
《ノエルは勇者レイゼルに鞭を振った!》
《勇者レイゼルは1のダメージを受けた!》
「あひんッ♡♡」
《勇者レイゼルは喜んでいる!》
「で? 今まで覗いた事がある相手は??」
このセリフだけ聞けば普通に見えるが、これに視覚的な情報を付け足すと、一気に雰囲気が変わってしまう。
なんとレイゼルにとってのご褒美によって床へ無様にもうつ伏せになってしまった状態から、鞭でレイゼルの顎を持ち上げていた。つまり、ノエルはいわゆる顎クイをしているのだ。しかも無意識である。そして傍から見ると、もはやそういうプレイにしか見えない。普通、脱ぐ方は逆だが。血筋とは実に恐ろしいものである。
そして無意識にそんな事をしてしまっているせいで、レイゼルからのアングルではかなり、
「の、のえりゅだけでしゅ……♡」
「そうじゃなくなったらぶっ殺す」
「しゅきぃぃぃッ!!!!」
そしてノエルは
ノエルが着替えたのは、ノルトが用意したクリスマス衣装である。フリルとリボンが付いた、可愛らしいものだ。鏡に映った自分を見て「最高に
「かわいーっ! ノエルマジ天使!」
「知ってる」
ノエルは部屋を出ようとするものの、レイゼルがノエルを引き止めるかのようにして抱き締めているのでそういう訳にはいかない。
「何、どうしたの」
「んーと、ちょっと待ってて。すぐ終わるからさ」
そう言いレイゼルがポケットから出したのは、恒例の生首ぬいぐるみである。それを見たノエルはとても呆れた様子でレイゼルを見ていた。
「……まだ懲りてなかったの?」
「いやー、これはノエルが誰の彼女かって分かるようにする為のヤツだからさ……付けなかったら襲われてそーだし」
「襲われそうになったら私がぶん殴るし、第一……私を襲おうとする変態はみんな一般的な変態とタイプが違うから、そんなに居ないと思う」
事実、ノエルに性的興味がある男女は総じてドMか、新たな扉を開く可能性のある変態なので。
「ノエルは本気出したら世界征服できるくらいには強くてエロ可愛いドスケベ美少女なんだぞ!? 俺が断言する!」
「ふざけた事言ってないで離して、動けない」
「いや、ほんとにノエルは可愛いんだぞ? それくらいできるって」
レイゼルはノエルのちっぱいをさすさすしながらそう言うので、ノエルからするとレイゼルが変態であるが故の発言にしか思えない。
「触んな、あとさっきから押し付けんな」
レイゼルのレイゼルはすっかりお元気状態になっており、すっかりヤル気になったレイゼルはノエルの尻にそれを押し付ける。
「さっきのノエルの無自覚スケベ行為でチンコ元気になってきたんだから仕方ないだろー? ノエルがドスケベ過ぎるのが悪いと思う、それに昨日の夜はセックスできなかったし」
「スカート履いてて明らかに誘ってるしエッチなのが悪いから手を出すのは仕方ないよね、的な痴漢の異常な思考回路やめろ!!」
ゲシゲシとノエルは足を踏み、暴れるもののレイゼルはノエルを魔法で動けないようにした上で、押さえつける。
「ちょっと何す──」
「例えばさ、知らない男からいきなりこういうふうにされたらどうする?
後ろから変な薬品嗅がされて倒れたら? もし催眠術を使うタイプの奴に出くわしたら? 強くても、実際にそんな事が起きた時に体が固まってたら?
俺のぬいぐるみはさ、そういう男がノエルを見つけても近づけさせない為の物なんだよ。俺の顔って世界規模で有名らしいし」
そんなふうに言いながらも、レイゼルはノエルの服を脱がそうと、脇にあるチャックをゆっくりと下ろしていく。
「まぁ、あの王族だったら
だから俺がノエルをそいつらから守ってやれるように、毎日イチャイチャして俺が常に聖力が使えるようにしておこうな♡」
「結局それか!! ちょっと、レイゼル!?」
ハァハァと息を荒げてレイゼルはノエルの服を脱がそうとした……その時。
(ガシッ)
「やけに騒がしいと思えば……案の定、俺の目の前で、
ノルトが気配を消してレイゼルの頭を鷲掴みにする。そして徐々に力を込めていった。
(メリメリメリッ!)
「あーッ!!!! 待って!! 頭が変形するッ!! 俺は離さないぞっ!! 絶対にノエルとセックスするんだぁぁッ!!」
「ほぅ、この俺に向かってそのような舐めた態度をするとは。その上、また勝手に衣装に余計な物を付けたな。やはりこの駄犬は随分と調子に乗っているらしい。ノエル、この身の程を弁えていない駄犬を借りるぞ」
「あ、どうぞ」
レイゼルはノエルから引き剥がされ、鷲掴みにされたままズルズルと引きずられてノルトと共にノエルの部屋から出ていった。部屋の外から「ノエルぅぅぅぅう!!」という声やら「あーーッ!! 俺のコレクションがッ!!」という声が聞こえてくる。
「……さて、1階に行こう」
「にゅ!」
《ノエルは知らないフリをした!》
ノエルは戻ってきたきニョッキと一緒にレイゼルの悲鳴をBGMに一階へ降りると、ノルトが用意したサンタ衣装を着ている母親がクリスマスの準備をしていた。豪華なご馳走の仕込みを既に行っており、大変手が込んでいる事が伺える。
「おはようお母さん」
マリエッタは声をかけてきた娘に振り向くと、にっこりと微笑む。
「おはようノエル、今日は一段と可愛いわ! すごく似合ってるわよ♡」
「ありがとう、でもお母さんの方が凄く可愛いよ」
「あーーッ!?」
「うふふ、ありがとう♡」
「ルトゥとマーくんは起きてる?」
「まだ寝てるわ。……ところで、レイゼルくんの悲鳴が聞こえてくるけれど、どうかしたの?」
「……知らない、とりあえずレイゼルの命日が最悪今日になるかも」
「あら……」
するとドガッ、ドンッという、明らかに殴って壁にぶつかったかのような音が聞こえてきた。
「……本当に何をしたのかしら、あの人が怒って手を上げるだなんて」
「どうせロクなことしてないよ、もしかしたらレイゼルの部屋で私の隠し撮り写真のアルバムを発見してブチ切れてるのかも……」
実際にその通りである。
ノルトは滅多に使われる事がない、壁一面に貼ってあるノエルの写真やポスター、どうやって作ったんだか知らないノエルの抱き枕やノエルのぬいぐるみ、大量のアルバムがしまわれた棚、そして沢山の呪物が眠っていそうなパソコンのある、おぞましいレイゼルの部屋に居た。
レイゼルのコレクションを片っ端から燃やしては、カメラ目線なノエルとのツーショット写真以外、明らかに隠し撮りだと分かる物を消し炭にしていたのである。
「 あーーッ!? それはノエルの寝顔アルバム集ッ!! あっ!! ちょっ、お義父さん!? 何欲しい写真だけ回収して燃やしてんの!?」
もちろんその写真を家族用のノエルのアルバムに入れておく為である。
「……おい、この吐き気を催す写真は何だ」
その途中、ノルトは今日一番のおぞましい呪物を発見してしまった。
「あ、それ? 前にノエルとセックスした次の日に朝勃ちしたからつい撮っちゃってさー! 襲った時に撮ったんだけどすっげーエロくて時々オカズに──おぶふッ!!」
「死ね 」
それは心からのどシンプルな暴言と暴力である。普段のノルトであれば絶対にやらない上に言わないが、今回ばかりは特例だ。何しろ、大事な娘がスヤスヤと気持ちよく寝てる間、明らかに本人の許可無く、勝手に気持ちよく(意味深)なってハメ撮りした写真なのだから。
子供に興味が無く、愛情を持っていない親以外であればどんな親でもこうなる。殺さず、一発殴っただけに留められたノルトは賞賛に値する程の自制心だ。
「……今までは気に入らないだけだったが、今日限りで俺は貴様の事が嫌いだ。今年のクリスマスはこの部屋で一人で過ごしてもらう、食事を出して貰える事をありがたく思え」
「え゙ッ」
「毎度毎度、反省の色が無い貴様には良い仕置だろう」
「そ、それだけはホントに無理だから!! お義父さ、お義父様ッ!! 大変申し訳ございませんでしたぁッ!!」
《レイゼルは
「今日一日で、これから俺とノエルに対する態度や行動をよく考え改める事だな」
《ノルトには効果が無いようだ……》
そしてノルトはレイゼルの部屋に魔力の塊のような魔法をかけると出て行った。レイゼルはノルトが部屋から出て行った瞬間、即刻部屋から出ようとするが、ドアに触れた瞬間に神経に直接ダメージが入る電流が走った。
「ま、まさか……」
レイゼルは魔法で転移をしようと試みようとすると、また再び体に電流が走る。今度は聖力を纏って出ようとすると、部屋から出る事はできたが、なんと聖力が影響しない場所から空間を切り取るかのような強制転移により部屋へと戻されたのだった。
「…………のえるぅぅぅぅぅぅぅ!!!」
幼子が母親を呼ぶかのようにレイゼルはノエルを呼び始めるが、全てレイゼルの自業自得である。
そして時間は過ぎていき、夜が訪れた。
「メリークリスマース!!」
ドアに軽くヒビが入るくらいの力でノエリアはドアを開けると、勢いよくヴェリカ家に乗り込んできた。
「母上、ドアが壊れるだろう。もう少し落ち着いて入ってくれ」
「もう、そんな簡単にドアが壊れる訳ないじゃない! ほら、皆来てるわよ!」
そう言いノエリアはドアをより大きく開けて息子達が入りやすいようにしたその瞬間、ドアがバキッ、ドンッ! という音と共に蝶番が外れて倒れる。
「母上?」
「…………ドアが脆いのよ、あたしは悪くないわ」
「ごめんなさいマリエッタさん、リア様が壊してしまって……」
「いいえ~♡」
「ドアが悪いのよ」
心は乙女なので、ゴリライメージがつくのが嫌だったノエリアは非を認めようとしないでいると、ノルトはじとーっとした目を向ける。ノエリアはそんな視線から顔を背けて「……ドアが悪いの」と言っていた。ドアのせいにするノエリアの代わりにスクイナが謝った。
すると兄弟達がリビングに入ってきた。
「メリークリスマス、ノルト」
「メリークリスマス、今年もこの俺がプレゼントを用意してやったぞ。ありがたく受け取るといい、礼は受け取ろう。いや、寄越せ」
「メリークリスマス、兄様!」
「メリークリスマス、お兄様!」
原因をドアのせいにするロングスカートのサンタ衣装を着た母親(♂)にノルトは何を言っているんだと思いながらも、ノルトはリビングにやってきた、何故かリボンとフリルの付いた女の子が喜びそうな感じのサンタ衣装を着た兄弟達に「あぁ、メリークリスマス。礼は返さないから安心しろ」と返す。
「おばあちゃん、メリークリスマス!」
「あらぁ~~♡エルきゅ~ん♡♡」
するとノエリアの魔力を感じてやってきたノエルが祖母(♂)を抱きしめると、一瞬でノエリアは機嫌が良くなった。
「なんて可愛いのかしら! まるでクリスマスの妖精さんね♡ ……ところで、レイきゅんが居ないけれど、どうしたのかしら?」
「母上、あれは今日参加しない事になっている。できればあれを想像させる言葉を口にする事もやめてくれ」
「(何かあったわね……)」
詮索するのは野暮なので、というかやめた方がいい気がしたノエリアは聞き出すことをしないでおいた。するとノエルは周りをキョロキョロと見て、あと一人足りない事に気が付く。
「ノイ兄は?」
「ノイきゅんは後で来るわ、やりたい事があるみたいよ。さて、皆外でご飯にしましょ!」
やりたい事とは一体何だろうか? そう思いながらも、ノエルは家族達と外に出るのだった。……レイゼルという名の変態を置いて。その代わりに(代わりにすらならないどころか、普段から居るのだが) 家族達の様子をノルト以外の人には知れず、常に見ている傲慢な運命の神という名のド変態がノルトの足元に今日も居た。
「ご主人様ぁ……はぁはぁ……♡」
「……」
運命の神をノルトは全力で無視しつつ、娘達と妻を見る事で癒される。何故聖力を使う神というのはこうなのだろうか、ノルトは強くそう思う。ただ、先程から足元に居る神以外で気になる事があった。
「母上」
「どうしたのノルちゃん」
「……先程から、誰かに見られているような気がするんだが」
「やっぱり?」
気のせいだったらそれでよかったが、どうやらノエリアまでそう思っていたらしい。どこかに不届き者が居るのでは、と一瞬思うが……その視線からは今の今までずっと、邪心や何か思惑があるような嫌な感じはしなかった。なので、ノエルで確かめる事にした。
「ノエル、先程から誰かに見られている気がするんだが、心当たりは無いか。勘でもいい」
「……お父さんもそう思う? うーんとね、何となくだけど……ここに居ると思うよ」
聞いてみた結果、ノエルは誰も居ない場所を指差した。ノルトの足元ではなく、誰も居ないクリスマスツリーの方に。まぁ正確には指している方向がツリーの方というだけで、実際はツリーを指している訳ではないが。
「何が居る?」
「神様かな、たぶん……あっ、今頭撫でられてる! なんか手つきが優しい! これは……プロの犯行だ!! やり慣れてる感からして、これは妹とか弟が居るタイプ!! ……あとなんだかベルガモットの匂いがする!」
「(頭を撫でる事に上手い下手があるのか……確かにベルガモットの匂いがするな)」
ノルトはじっと見ていると、実際にノエルの髪が風などではなく不自然に動いている事に気がついた。きっとそこに居るのだろう。そう思っていると、ある事に気が付いた。
あのド変態が足元からいつの間にか居なくなっていたのだ。
居なくなってくれた方が良いが、滅多な事でなければあの気色悪い存在が傍を離れることは無い。それこそ、妻と
居なくなったら居なくなったで監視できない為、不安なのだ。
だが今の内だけとはいえ、ようやく自由になれた。せっかくのクリスマス、楽しまなければ損だろう。
ノルトは魔法で用意していたプレゼントを転移させ、家族達に配り始めるのだった。
~・~・~・~
「……さて、説明してもらおう。何故、貴様がここに居る? アスター」
「それ、ぼくちんのセリフなんだけど??」
アルダは運命の神、アスターの首に繋ぐ、枷のようにした
「俺の
「ぐぅっ……我の後に産まれた、元人間風情の魂が混じった半端者の癖に、あの方から産まれたからって偉そうにす──」
その瞬間、アルダが放っていた殺気に怒気が混じり、アスターを地面に叩き付ける。
「ぷぎゃんッ!!」
「俺の前で父上を見下すとは、余程死にたいらしい。いいだろう、今すぐに死ぬか、じわじわと嬲り殺されるか選ばせてやる」
アルダはアスターの頭をグリグリと踏みつけ、少しずつ力を込めていく。
「さぁ選べ、そして死ね」
「ぎぇぇぇぇぇえええッ!! 余を馬鹿にしやがってぇぇええ!! いつか絶対にお前には地獄を見せてやるぅッ!! この世で最も凄惨で惨めな──ふんぎゃぁぁぁぁああ!!」
「地獄? 今の貴様の状況の事か? 確かに、自分より劣っていると見下していた存在から強制的に地面とキスをさせられるのは地獄だろうな。……やはりこのまま死ね、貴様には似合いの最期だ」
ミチミチミチッ! ミシミシッ!
「ほぎゃぁぁぁぁぁああああッ!!!!」
そんな音が鳴っていき、アスターは聞こえてきた嫌な音と痛みに無様に泣き喚いている中、最後の抵抗でアルダに純粋な聖力をぶつけた。
「っ……!」
視界がハッキリした時には既にアスターの姿は無く、アルダは「チッ……」と、クソデカい舌打ちをした後で妹が居る魔王城へと赴いた。
魔王城は和風の城であり、湖の上にポツンと建っている。だが今日だけはクリスマス風にアレンジされてあり、何故かクリスマスツリーかのように飾りつけされていた。
海かと思える程に大きな湖にはこれまた巨大な錦鯉が居り、ティアラ命名のリヴァイアちゃん(サンを
そんなリヴァイアちゃんは……何故か頭にトナカイのカチューシャを付けられ、餌をくれと言わんばかりにアルダに頭を向けていた。
「……」
《アルダは見なかったことにした!》
クソデカい石橋を渡り、クリスマス風にやり過ぎな程飾り付けられた門を通ると、勢いよく横から何かが突っ込んでくる。
「ワンッ!!」
「ワンワンッ!」
「ワン!」
モフッとした大きな物体に押し倒され、仕方ないなと思いながらも撫でてやる事にし、その後で待てをさせる。
「待て、唐揚げ弁当」
「「「ワン!」」」
このデカイモフモフな物体は、ブラウンのトイプードルかのようなケルベロス……名前は唐揚げ弁当。これもティアラが付けた名前である。唐揚げ弁当もクリスマス風になっており、クソデカサンタ衣装を着ていた。
「お前達にもプレゼントを持ってきた、後でやるから大人しく待っていろ」
「「「ワンッ!!」」」
しっぽをブンブンと振りながら喜ぶ唐揚げ弁当にアルダはもう一度頭を撫でると、城の中へ入っていった。
城の中にはスライム達が沢山居り、今日はクリスマスなので普段は見張りの兵士の証である兜を被ったスライムは一体もおらず、サンタ帽を被っていた。
「ピキー! (アルダしゃまなのねん!)」
「ピキピキー! (久しぶりなのねん!)」
「あぁ、久しぶりだな。ティアラは何処に居る」
「「「ピキピー! (魔王しゃまは今、洋室で家族みじゅ入らじゅでクリしゅマしゅパーティを満喫しているのねん!)」」」
「そうか」
アルダはどんな病も大抵の物なら治せてしまう、父特製の薬草をスライム達にやると、スライム達はすぐにムシャムシャと食べ始めては「美味いのねん」と言いながら一心不乱になって仕事を放棄していた。
「(おそらく家族というのは、一緒に住んでいる人間達の事だろう)」
そう思いスライム達の言葉を信じてアルダは洋室に向かうと、入口もクリスマス風に飾り付けられたドアを開ける。するとそこに居たのは……。
「あっ! お兄様! お兄様も来てくれたの!?」
「本当だ、帰って来ないからどうしたのかと心配したよ」
「そう思うなら探せば良かっただろう」
「ティアッ……」
サンタ衣装を着た母親のティアと、自分の意思で着けられた訳では無いであろうトナカイの角カチューシャを着けた父親のアレス、そしてサンタ帽を被ったヨダレダラダラのちゃまぁがティアの膝の上に居た。テーブルの上に並べられたご飯を我慢しながら。
アルダは両親の傍に行くと、ティアラが駆け寄ってアルダを抱き締める。
「母上と父上も来ていたのですね。……知恵のリンゴはよろしいのですか」
「うん、今も構築中。あと10年くらいはかかりそうだけど、そろそろかな。それにここにはレアとアリスにお願いしてゲートを開けてもらったから、問題無いよ。だから心配しないで」
ティアは我が子の頭をとても優しい手つきで撫でると、アルダは無表情ながらも喜んだ。表情筋が生まれつき死んでいるだけでアルダはかなり感情豊かなので、もし犬の尻尾が生えているとしたら周りの物が吹き飛ぶくらいの荒ぶりを見せていただろう。
それからアルダはアレスの方を見ると、じっと見つめる。その意図に気が付いたアレスはティア同様に優しく頭を撫でた。
「これでいいか?」
「……」
聞いてみるとなんだか無言の圧を感じたので、アレスはとりあえずアルダの気が済むまで頭を撫でてやる事にした。
~・~・~・~
「やっぱりお母さんの作るケーキが一番だね」
「美味い」
「世界一美味しいよ、母さん!」
「うふふ、ありがとう♡」
「にゅ……じゅる」
定番なクリスマスグルメを堪能した後、ヴェリカ家では三姉弟が食後のデザートを食べている時……。
少し離れた所で男共は話していた。
「……ところで気になっていたんだが、兄上達のその格好は一体どうしたんだ」
ノルトがずーっと気になっていたのは、兄弟達の服装である。サンタ衣装ではあるのだが……明らかに30代の男が着るような物では無い服を着ているのだ。具体的に言うと、リボンとフリルが付いた、女の子向けな可愛い服なのである。
「やはり気になるか?」
そう言うとノルトの背後にノーディスが気配を消して立った。なんだかとっても笑顔である。なんだか黒いが。ノーディスに気づいた頃にはもう遅く、ノーディスはノルトを羽交い締めにした。
「兄上、何故俺を羽交い締めにする。何を企んでいる気だ」
「俺達は弟を除け者にしたくは無い」
「待て、そのセリフは前に聞いた覚えがある。まさか──」
ノクターンは魔法で今自分が着ている服と同じ物を転移させると、顔文字のような笑顔でノルトに突きつけた。
「断る」
「何故だ? 仲間外れは寂しいだろう??」
「そうだ。ノルト、お前も着るといい。暖かいぞ」
「俺は今寂しくもない上に寒くも無い!! 離せ!!」
明らかに「お前も巻き添えにしてやる」やら「お前だけ着ていないのが気に食わない」という考えである事が分かる。
「そもそも一体誰がこんなふざけた服を──」
「愚問だな」
「そんなのあの人以外に居ないだろう」
「キャーーッ!! ノクちゃん、ディスちゃん、ノルちゃん!! こっち向いてーーッ!!」
「……確かに今のは愚問だった、それよりも離せ!!」
「そういえば、ズッ友の恋人が言ってたんだけど、お父様とお母様とは9年後に会えるって言ってたよ。……おかしいなぁ、絶対に外れない勘のスキルを持ってた筈なんだけど」
「ティアラ、本編と番外編は別の時間軸でありIFのようなものだ。外れても仕方無い」
「そっか、流石お兄様! 何でも知ってるね!」
「あぁ、メタ発言を許可されているからな」
「じゃあそろそろ、2人にクリスマスプレゼントをあげないとね」
「と言っても、山のようにあるが……」
アレスは物の収納ができるリボンのブローチからプレゼントを取り出して、文字通り山のようにあるプレゼントを積み上げた。
「ちゃんと城に飾ってあった靴下には全部、お菓子を沢山入れておいたよ。アルダの分のお菓子もボクの城に用意してあるから、たまには実家に帰ってきてね。おじいちゃんが会いたがってたよ」
「歯を抜いても再生するとはいえ、虫歯にならないよう食べた後はしっかりと歯磨きをしておけ」
「わーい! ありがとうお父様、お母様!」
「……分かりました、ありがとうございます」
【挿絵表示】
チューチョロクリスマス2024
実はアレくんとティアちゃまとノエルさんとノルトパッパとおばあちゃん以外、キャラクターのデザインは全部リア友なんだずぇ。エマッマ元々頭の中でどういう見た目かは浮かんでたけど、実際に描いてはなかった時にリア友のちゅぷ氏に描いてもらった。
我氏はキャラデザが苦手なんや。
……塗り忘れが後からまた見つかりませんように。塗り忘れが後からまた見つかりませんように。塗り忘れが後からまた見つかりませんように。塗り忘れが後からまた見つかりませんように。塗り忘れが後からまた見つかりませんように。塗り忘れが後からまた見つかりませんように。塗り忘れが後からまた見つかりませんように。
おまけ
「〘父上~! お祖母様達~! 叔父上達~!ノエル~!!〙」
ノイルはソリを引く……というより咥えているクルミと一緒にソリから飛び降りると自由落下し、ケーキを食べていたノエルの元に降りた。
口元には衝撃波を吸収するマスク型のアーティファクトを身につけており、今夜は喋る気満々であった。
「ノイ兄! ちょっと遅かったね、もしかしてマスク用意してたの?」
「〘あぁ、それと……実際に橇に乗ってプレゼントを渡しに行きたかったからな。他にも色々と用意するのに時間がかかった〙」
ノイルはクルミの居る空に向かって何かを投げると、それを食べたクルミはみるみる小さくなっていく。
「くるる、きゅー!」
「か、可愛い……!!」
「〘毎年クルミを仲間外れにするのも可愛そうでな……やはり家族全員で参加したかった〙」
すっかり抱き上げられるサイズのチビドラゴンになったクルミにノエルはなでなでしたい欲が湧いてくると、抑えきれずにクルミを撫でくりまわした。鱗はゴツゴツしていて棘が鋭くて硬い。小さくなった事で鱗の大きさも小さくなり、普段の感触とは違っていた。
「ザラザラする…… いつもスベスベなのに」
「きゅっ!?」
「〘小さくなったからな〙」
「かわいいから良し!!」
おまけ2
「ところでティアラ、ネロが居ないようだが……何処に行ったか知らないか」
アレスはティアラに聞くと「お酒飲んでくるって言ってたよ!」という元気な返事が返ってくる。その返事にアレスは呆れた。
「全く、仕事をせずに何処で油を売っているんだ……」
「あぁ、ネロはこの城に居るよ」
「……ティア、それは先に言ってくれ」
「んふふ」