チュートリアル用のチョロイン幼馴染に転生してしまった 作:水性さん
今回はちょっと特殊な短めの話。
つい最近までずっと更新なかったから、これも大会終わった後に出そうかと思ってた短い話を出す。あと新しい章ができたけど、学校編はまだまだ続くからね。
「ピキー! (ドレイ! しゃっしゃと作るのねん!)」
「……その呼び方はやめろ、腹が立つ」
そう言いながら奴隷と呼ばれた右目に眼帯を着けている"少年"は彼の主人から用意された白いフリフリのエプロンを着けるとキッチンに立ち、料理をし始める。慣れた手つきで主に野菜が多い料理を作る。
日本人にとっては身近な和食を中心とした物で、煮込み料理や揚げ物、野菜炒め、温野菜……様々だ。割合は野菜の方が多いものの、肉もあり、かと言って作る量が少ないという訳でもない。むしろその量はかなりの物だ。
「ピキ……じゅる」
「おい、ヨダレがかかるだろう」
今にもつまみ食いをしそうなスライムを少年は掴むと、そのままムーヴィで円卓に転移させる。そして30分ほどすると、料理を魔法で転移させ、一瞬にして並べた。
自分自身も魔法で移動をすると既に全員が揃っており、その面々は様々な種族の魔者で構成されている。スケルトン、スライム、サラマンダー、人魚、ハーピー、ゴブリン、オーク、インキュバスなどなど、他にも色んな種族の長が座っている。円卓の上座には全てを支配する程の美貌を持つ彼の主人が豪勢な椅子に座り、待っていた。
「ご苦労、今日もお主の料理は美味そうじゃな」
「……身に余るお言葉です」
少年は席に座ると、彼の主人は魔法でワインの栓を開け、全員のワイングラスに注ぐ。
「揃ったな。……大地、海の恵が齎す命に感謝を」
それぞれの種族が手を組み、祈るようなポーズをし始め、彼も同様に手を組む。そして主人である幼女は支配者のみにだけ許された杯を持つと、それを天に掲げる。
「我らに繁栄と自由、平穏あれ」
「「「「我らに繁栄と自由、平穏あれ!」」」」
そして全員が血のように赤いデザートワインを飲む。
腰に手を当ててグイッと。
「……うま~~!! やはりお主の所の"ブドウジュース"は最高じゃな!」
そう言いながら王に褒められたゴブリンの長は「えへ、えへへ……」とデレデレになって喜ぶ。
「ですがこれも仲間達の頑張りがあってこそ、私一人では作れなかった物です」
「うむ、そうじゃな。褒美としてロック鳥の肉をやろう、仲間達と食べるんじゃぞ!」
魔王である彼女は吸血鬼特有の牙を見せてニッコリと笑うと、ゴブリンの長は「ありがとうございます!!」と喜んでいた。
「いーなー! ゴブレスだけじゃなくてあたしも欲しい!」
「セレーナは仕事をサボってばかりでしょう」
「クロウだっていつも暇そうにしてるじゃない!」
人魚の長はハーピーの長に噛み付くようにして言うと、メガネをクイッとしてドヤ顔で答える。
「私は怠惰な貴女とは違い、仕事時間内に全て終わらせているので。それに魔力の放出については誰よりも多いのをお忘れですか?」
「むぎゃ────っ! ムカつく!! しかも魔王様にちゃんと仕事してますよアピールしてるし!! わ、私だってちゃんと仕事してる時あるもん!! 2週間に1時間くらい!!」
もっと仕事しろよ。
思わずその場のほとんどが心の中で総ツッコミをすると、彼らの魔王は「今日も皆、変わらず元気じゃなー」と呑気に言っていた。
「魔王様、50年ならまだしも1週間に1回ですよ? そう簡単に変わっていたら驚きです。それこそ、セレーナが1週間に3時間仕事をするくらいには」
「それもそうじゃな!」
「魔王様……??」
一体の人魚が「えっ」という様子で既に食事にありついている主君を見つめ、魔王は「お主ら、早く食べないとせっかくの料理が冷めるぞ?」と、マイペースに未だに食事に手をつけていない二体の魔者にそう言った。もちろん他の全員は既に食べている。
「はぁい……って、あっ!! ちょっとジャレッド! あたしニンジン嫌いなのに何で細かく切って料理に混ぜてるのよーっ!!」
「黙って食べろ偏食家」
この円卓に並べられた料理達を作ったジャレッドという名の黒髪少年は、右目でちらりとセレーナを見ると、冷たくそう言った。
「たったの3ヶ月前に魔王様に拾ってもらったからって偉そうにぃ……」
「まぁ、そのような態度になってしまうのも無理はありません。私も彼──、ジャレッドの立場でしたら同じようにしていたと思いますし」
「なんですってー!?」
「あぁ、怖い怖い……ふふふ」
「食べないなら俺が食べてもいいか!?」
「聞く前に取って食べるなぁー!! まぁいいけど!」
先程から喋らないサラマンダーの長は少食なのか、既に肉を食べ終えて眠くなっており、こんな騒がしい状況でも夢の世界に行きそうなところである。オークの長は夢中で美味い美味いと料理を食べていたが。
「ピキー! ピキーピキー!! (お前らうるしゃいのねん! しぇっかくの山菜炒めが不味くなるのねん!!) 」
「あんたが一番五月蝿いわよ!!」
「むにゃ……お肉が1個……2個……」
中々に個性豊かなメンバーである。そんな中、ジャレッドだけが全く表情を変えずにただ食事をとっていた。
「……ジャレッド、お主まだ味覚を感じぬのか?」
「いえ、それは大丈夫です」
そう答える使い魔に、魔王は赤い目をじっと見つめる。
「なら良い、じゃが食事の最中だというのにそんな仏頂面でいるのは止めんか! もっと楽しめ、こういう時は笑うものじゃ」
「……はい」
「ほら、笑顔じゃ! 笑え!」
彼らの魔王はそう言い王にはらしからぬ変顔を披露し始め、それを見たセレーナは大爆笑する。クロウがその彼女達を止めようとし、肝心のジャレッドはというと、ピクリとも表情を動かしていなかったが。
「(まだ表情は出ないんだ……まぁ、ここに来た当初よりは良くなったけど。お母様、お父様……私はどうすればいいの? ……もうやけ食いしちゃお!!)」
彼らの魔王はそう勢いよく口の中にどんどん食べ物を詰め込んで食べる。なお、彼女の素はこちらである。
「……魔王様、勢いよく食べると喉に詰まるのでお気をつけ──」
「んぐぉほっ!?」
ジャレッドがそう声をかけた瞬間に魔王は喉に食べ物を詰まらせ、ワインをあおる。
「ぷはっ……し、死ぬかと思った!! 寿命縮むかと思った!!」
「……魔王様、それは新手のギャグでしょうか?」
「とても体を張ってますね!」
「違うわ、たわけ! 阿呆!」
その後談笑は続いて食事会は終わり、ジャレッドは食器をキッチンへムーヴィで移動させて洗う。すると、消す意味の無い気配を消して近づいてきた相手に向かって声をかけた。
「邪魔をし■来■■なら帰っ■くれ、■■。■が■■■■まう」
「■■の■■くらい、いい■じ■■■■」
《記■はここで終わっている……》
最近、また思いつきでレイゼル君とノエルたその4つくらいの話があるエロオンリーの本編72ページと、おまけなのにもはや本編レベル長さの、ヒエリカにまつわる外伝小説&エロ要素無い4コマ漫画付きエロ同人を描いて、BOOTHとかに800~1000円くらいでデジタル販売して売ってみたいと思っている。
紙媒体は夢があるし、ミニ色紙とかお手紙とか一緒に出て送れるけど、ページが多いと本の単価自体が高いから初期費用かかる……。
……あれ、結局何ページになるんだってばよ。普通に100ページ超えそうだな??
(作者はやる気にムラがあるので、おそらくは結局作られない)
ここでちょっとした設定
実は"魔者"さん達はアルコールじゃ酔わず、炭酸で酔います。なので発泡酒は酔います。でもそれ以外はただのジュース扱いなので、炭酸入ってないワインも等しくジュース。
ただそれを知らない無知な人間は、お持ち帰りしようとして酔い潰れ、淫魔には性的に夢の中で美味しく頂かれ、それ以外の魔者さん達には「なんかニンゲンジュース飲んで倒れたんだけど……ニンゲンってやっぱり弱い生き物だな……大丈夫かな……」と、心配される。