ヒカリに近寄り、夢ではないことを確かめるように彼女の身体を強く抱きしめる。
ヒカリの胸に顔をうずめ、愛結は熱い吐息を漏らしたのだった。
ヒカリは、胸に抱いた愛結の頭を優しく何度も撫でた。
愛結が顔を上げると、ヒカリは笑顔で愛結を見つめていた。
互いの想いに胸がいっぱいになる。二人の顔がお互いに向かって近づいていく。
唇が触れ合うと、愛結は何かを恐れるように身体を固くした。思わず身を離そうとする愛結を、ヒカリはやさしく引き止める。
「いいよ、きて」
愛結はきつく目を閉じる。ヒカリは微笑みながら、愛結を迎えに行く。ヒカリの唇が触れると、固く結ばれた愛結の唇は蕩けるように、解けていった。
柔らかな唇が重なる度に、愛結の胸の高鳴りが増す。夢のような幸せ感に身体が震える。
「ふわあ、わたし、ヒカリさんと……」
愛結はヒカリの唇の甘美な味に酔いしれていた。この唇から離れたくない。キスする度に全身の力が抜けそうになるけれど、必死でヒカリの柔らかな体を引き寄せる。
ヒカリは、その必死さを愛らしく思う。年下ということもあるけれど、この一途さ真摯さはきっと愛結という人間の本質だ。たくらまず駆け引きせず、何かに利用するためでなく、すべてを投げ出して全身で求め、拒絶されれば全身で傷つくのだろう。愛結は何をもとめている? 何の価値もない、何者でもない、他でもない、この私を。
愛結はきっと絶望していた。自分の望みを口にすれば、もう私のところには居られないと思っていたはず。拒否なんてできるはずがない。この子が居なくなるなんて、受け入れられない。
「愛結……」
名前を呼ぶだけで、大事なところに触れたみたいに、身体が跳ねる。
ヒカリは、愛結の熱意に応えるように抱き締め、キスを深めていった。一旦、顔を離し、今度は口の中に包み込むように、愛結の唇を奪う。愛結の唇から小さく息が漏れるのを感じると、ヒカリは愛結の唇を小刻みに吸った。その度に愛結は必死にヒカリにしがみつく。
また力が抜けそうなのね。蕩けてもいいよ。私の腕の中で崩れてもいい。でもその手を離さないで。もっと抱きしめて。
「ヒカリさ……ん」
キスの合間に、力が抜けて顔を伏せた愛結が名前を呼ぶ。
ヒカリはそのすきに愛結の真っ赤になった頬にキスする。
「愛結...」と呼びかけながら、ヒカリの手が愛結の背中を撫でた。
ピクンと再び身体が跳ね、愛結はヒカリの唇を探し求めてキスを返す。もうファーストキスの緊張はない。体の奥底に火が付き、その熱に抗えない。次第に熱くなる愛結のキスに応えるヒカリも段々と余裕をなくしていく。
ヒカリは一度顔から離した手で、愛結の両耳を塞いだ。そして深いキスをひとつ。
「こうすると水音で頭がいっぱいになるでしょ?」
「は、はい」
「世界で私達しか聞こえない、私達が愛し合う音」
ヒカリの舌が、半開きの愛結の口に入ってくる。心はパニックになりながら、愛結の舌は自然にそれを迎えに行く。お互いを求め、吸い付き、絡み合う音が、お互いの頭の中で溢れていた。
何十回目のキスの後、ヒカリは顔を離して息をつく。
「ふは……。ちょっと、愛結、キス、うまくなってきてない?」
「わかりません、ただ……」
「ただ?」
「ヒカリさんに気持ちよくなってもらいたいって気持ちが溢れて止められなくて」
「……!」
「ごめんなさい」
時々、子犬のようだと思う愛結の濡れた瞳にヒカリは息を飲んだ。
愛結は泣きながらヒカリの頬に手を添えた。
(ああ、わたし、この子にキスされるんだ)
と目を閉じたヒカリの唇を、愛結はキスで塞いだ。愛結のありったけの好意と欲情が、そこからヒカリの身体に流れ込む。その芯まで伝わる愛結のキスに、優佳理は唇を開いて声を漏らした。
まっすぐ向けられた好意は、どうしてこんなにも深く心地よいものに感じられるんだろう。
ありったけの想いを伝えてくれるこの子を、どうしてこんなにも愛おしく、放したくないと感じてしまうんだろう。
愛結は最初から、ヒカリに対して半端な気持ちなど微塵持っていなかった。初めて会ったその日からずっと、ヒカリのことを第一に考えてくれていた。
ヒカリに対する愛結の想いは、ヒカリの知る限りで類を見ないほど真摯で深いものだった。
そんな愛結の全ての想いが自分に向けられていることに、ヒカリは酔いしれずにはいられなかった。
愛結の眼差しと優しい微笑みは、ヒカリを特別な存在だと感じさせてくれた。愛結の心にはヒカリ以外の人はいない、という確信を抱かせてくれたのだ。
まったく半端でない愛情を一身に受け止めてしまうと、それがいかに貴重で大切なものであるかがわかる。
ヒカリにとって愛結の存在は、今や必要不可欠なものとなっていた。愛結がいなければ自分は生きていけない、とまで感じていたのだ。
愛結のキスは、唇からまぶた、そして耳たぶへと移っていた。
「ごめんなさい、止まらないんです」
愛結の切羽詰まった告白は、ヒカリの内側からその欲情に火をつけた。外からの刺激と相まって、ヒカリの殻を溶かしていく。
愛結が喉元をキスして舐めると、ヒカリの身体が反応して揺れた。愛結の手がヒカリのシャツの下に滑り込み、ヒカリは声を上げる。
「いいよ、きて」
ヒカリは愛結の手の動きに身体を任せていった。ヒカリの胸の弾力と柔らかさに、愛結は慄きながら指を滑らせていく。
「ん...愛結」ヒカリは喘ぎ声を上げた。
愛結の手の動きに合わせてヒカリの身体が波打った。初めての快感に打たれたヒカリは、愛結の背中に爪を立てていた。
部屋には二人の体の擦れ合う音と、喘ぎ声やキスの音が溢れ返っていた。
愛結はヒカリの身体を優しく撫でつける。ヒカリの背中と腹を撫で回し、キスをし、愛撫を重ねることで、彼女の喜びをより大きくしたいと夢中だった。
思えば、最初に朝食をつくってくれた時から、この子は変わらない。相手がうれしいと自分もうれしい。相手の喜びを、自然と自分の喜びにできるのだ。そうして相手を喜ばすための努力と工夫を怠らない。
年下の愛結に攻められることに恥ずかしさを感じていたヒカリは、愛結の愛結らしい愛し方に、そんな気持ちを捨てることにした。その一途さに応えるのが、愛結に愛される自分が取るべき道だろう。
あくまで優しく思いやりのある愛結の愛撫に、ヒカリは次第に蕩けていき、積極的に身を委ねるようになっていった。
愛結はヒカリの身体の各所を優しく愛撫し、キスをするたびに少しずつ体を震わせて喜ばせた。唇と指先で愛撫を重ね、彼女の興奮を高めていった。ヒカリの喘ぎ声とトロピカルな匂いが更に愛結の熱情をかき立てた。
愛結は指でヒカリの蜜壺を何度もやさしく撫で、唇で優しくキスを重ねた。
その度にヒカリの身体がピクンと跳ねる。
愛結は、膝から太ももを優しく撫でながら、ヒカリの両脚を広げ、口づけの雨を降らしながら、その秘密の穴に指をゆっくりと滑り込ませていった。
ヒカリは大きく息をのんで愛結の背に爪を立てた。たっぷり蜜を含んだ愛結の指は滑らかで熱い。愛結は中を探索しながら、ヒカリが喜ぶ場所を慎重に探していく。やがてその場所を発見すると、優しく愛おしむように撫でていった。
「あぁっ、そこ...そこを...」とヒカリが言うたびに、愛結はその場所を指と唇をつかって刺激していく。
愛結はヒカリの声に導かれながら、指を深く滑り込ませた。指先で感じるヒカリの内壁の柔らかさと温度に感嘆し、唇ではその入口をキスで満たした。
愛結の指は巧みに内部を探った。滑らかで膨らんだ場所を見つけると、そこを優しくなでた。
ヒカリは愛結の指に反応して激しく喘ぎ、背を反らせて床に身体を押しつけた。
「そこ...そこ...気持ちいい...」
歓喜に震えるヒカリの声と表情は愛結の熱情を最大限に煽った。愛結は我を忘れ、ヒカリの中で指を動かし、唇でキスを重ねるのに夢中となっていた。
ヒカリが蜜を噴き出しそうな瞬間、愛結は唇と指をヒカリの中から引き抜いた。
ヒカリは不意に侵入物を失ったショックと共に、愛結の顔を見上げた。
愛結は優しく笑みを浮かべてヒカリを見つめた。「大好きです」と言うと、キスで答えるように唇を重ねた。
「もっとしたいです。いいですか?」
濡れた瞳を輝かしながら愛結が焦らすように尋ねる。
「うん、して……」
すっかり余裕をなくしたヒカリはそう答える。
ヒカリの体の温もりと香りに酔いしれながら、愛結は優しくヒカリの体を見渡した。そして再び、指先と唇でヒカリの身体を隅々まで探索していった。
ヒカリは不思議な喘ぎ声を上げて身体を揺らした。愛結はその反応に気付き、ヒカリの胸の付け根から首にかけての部分に注目した。
そこは非常に敏感な場所で、愛結の指と唇が触れるだけでヒカリの身体が大きく揺れていた。
「ここ、気持ちいい?」と愛結はわざと尋ねる。
「うん。そこ...感じる...」とヒカリが告げると、愛結はその場所を指と唇で優しくキスと舐めつけた。
ヒカリは喉から甘美な声を上げて大きく身体を震わせた。愛結はその反応に我を忘れてしまい、その場所をいっそうブラッシングしはじめた。
「イク...イキそう」
ヒカリの体が大きく弓なりに反った。
愛結は指をヒカリの中に滑り込ませながら、唇ではその胸の敏感な場所を刺激しつづけた。
ヒカリはどんどんと大きくなる快感に身を震わせる。
大きく喘ぎ声を上げて痙攣し、愛結の口に蜜を注ぐのだった。愛結は喉に流れる蜜の甘美な味に酔いしれた。その味が更に愛結の欲望を掻き立てるのだった。
愛結はヒカリが放った蜜に顔を湿らせた。ヒカリの喘ぎ声とともに放たれるその甘美な香りに酔いしれた後、喉から指先までをその蜜で染め上げた。
しかしまだ満足できない愛結は、もっとヒカリの中に入り浸りたかった。
愛結はヒカリと暮らした2ヶ月間、料理をつくりヒカリがそれをおいしそうに食べるのが、なによりも幸せだった。今、愛し合う中で、同じ種類の感動を覚えていた。自分が愛することでヒカリに、幸せを与えている実感。若い愛結は、もう一度、それを確かめたくて、ヒカリの身体に手を伸ばした。
「ごめんなさい。まだ足りません」
同じことを、刺激を続けられるヒカリも感じていた。愛結のつくる料理がおいしいのは、最近ますます腕を上げているのは、愛結がヒカリをよろこばせようとしているから、ヒカリが喜ぶことを何より幸せに感じているからに違いない。今、年下にたっぷり愛されているのも、それが気持ち良くて幸せでたまらないのも、きっと同じ事なのだ。
「愛結、あなたがもっと欲しい」
ヒカリの言葉が愛結を胸を打った。ヒカリが愛結を望んでくれることが、幸せ以上の喜びを感じさせてくれた。
愛結は、色づいたヒカリの唇にキスを落としながら、再び蜜に濡れた指を滑り込ませた。今度は3本の指を使って、ゆっくりヒカリの中を探索していった。ヒカリの身体が快感にのけぞる。
3本の指が入った事にヒカリは「うぅ」と小さく喘いだ。愛結の細い指は柔らかく熱く、ヒカリの中を優しく開いていった。
愛結はヒカリの温かい中に指を深く差し込み、蜜だらけの内壁を優しくなでていく。するとヒカリの体がはげしく震えはじめた。
愛結は指で内部を探索し、ヒカリが再び喜ぶ場所にたどり着くと、そこをマッサージした。
「あっ...そこ...」とヒカリが喘ぐと、愛結はそのスポットを指で優しく刺激しつづけた。
ヒカリの反応に導かれて、愛結の指はますます深く滑りこんでいった。愛結は指先で感じるヒカリの温度と滑らかさ、その内壁が指を締め付けてくる感触に魅入られていた。
「えっ...」という小さな声が聞こえたが、ヒカリは喘ぎながら愛結の指の動きに身体を任せていた。
愛結の指は徐々に滑り込み、ヒカリの中でゆっくりとしたリズムで動き始めると、ヒカリは愛結の指に身体を揺らしはじめた。
ヒカリの中が愛結の指をさらに締め付けてきた。熱く滑らかで、蜜で湿り気づいた内壁が愛結の指を覆い尽くしていた。
愛結は指の動きを速めるとともに、ヒカリの クリトリスを親指で優しくマッサージした。
するとヒカリは大きく身体を弓なりに反らせた。「行く、行って...!」と大きく喘ぎながら蜜を吹きかけた。愛結の手とベッドはヒカリの蜜で湿った。
ヒカリは愛結の指に身体を任せ、愛結は指をヒカリの中からゆっくり引き抜いた。すると、ひとつひとつ指が離れていく感触に、ヒカリは微かに涙を浮かべ、声を漏らした。
指を引き抜いた後、愛結はその指を見つめた。ヒカリの蜜で光沢のあるその指を、愛結は優しくなめた。
「愛結、もっと、もっとして」
「はい、ヒカリさん。まだまだおかわりはありますよ」
愛結はヒカリの頼みに喜んで応えた。
ヒカリの両脚を大きく広げ、その秘密の場所に顔を近づけた。すると臭覚はヒカリの蜜と情熱の香りで満たされた。
愛結はその香りに酔いしれながら、唇と舌でヒカリの蜜だらけの入り口に繰り返しノックする。
愛結はとうとうヒカリの中へと舌を差し込み、内部を舐め回した。するとヒカリは再び大きな喘ぎ声を上げて愛結の頭を抱きしめる。
「あぁっ!」とヒカリは叫んだ。愛結の唇と舌の温もりに身体が震えていた。
愛結はヒカリが喜ぶ場所を唇と舌で探した。ヒカリが喘ぐたびに、その場所をキスと舐めで刺激した。
するとヒカリの中が愛結の舌を締め付けてきた。愛結はその反応に唇と舌を強く押しつけた。
「そこ...そこ...気持ちいい...」とヒカリが言うので、愛結はその場所を舌で激しく刺激しはじめた。
ヒカリは愛結の頭を押さえて離さないようにしながら、興奮の叫び声を上げていた。
愛結の舌の動きがさらに激しくなると、ヒカリは愛結の顔に第四の蜜を吹きかけた。
極上のエクスタシーに浸かったヒカリだったが、愛結は唇と顔をヒカリの蜜で湿らせて、その甘美な味に酔いしれていたのだった。...
愛結はヒカリの蜜で濡れた唇をヒカリに舐めさせた。するとヒカリは愛結の唇から自分の蜜の味を感じ取ると、新しい高揚感に包まれたようだった。
愛結とヒカリは互いの蜜を分かち合いながら、キスを重ね合っていた。
二人の唇と舌が結ばれる度に、高揚感が増し加わっていき、完全に酔いしれあっていた。
愛結はヒカリを抱きしめ、優しく耳元で「大好きです」とささやいた。
その声にヒカリは愛結の顔を見上げて笑みを浮かべ、またしても唇を重ね合った。
終わることのない愛し合いを楽しみ続ける二人の姿がそこにはあった。...
愛結とヒカリの愛し合いは夜通し続いた。互いの体を覚醒させるのに夢中で、止まることがなかった。
夜が明ける頃、二人は窓から差し込む朝日に気付いた。
「朝だって」とヒカリが眠そうに言うと、愛結は優しく笑って「ええ、朝になっちゃいましたね」と言った。
二人は寝そうになりながら、初日の光の中で互いを見つめていた。
そこには後悔する気持ちは微塵もなく、ただ満たされた喜びがあった。
「愛結、この日を忘れないでね」
「忘れない。忘れられません」
二人はそっと口付けを交わし、そして抱き合って眠りに落ちていった。
互いの心臓の鼓動が聞こえる程近くに抱き合っている二人は、夢の中でさえも密着し続けていた。
朝日が部屋を明るく照らし出す頃には、二人の体は互いにからみついたまま、深く眠り込んでいた。
数時間眠っていたが、その眠りは最高の安らぎに満ちていた。互いを想うことなく眠れたからだ。
二人は朝食の時間をすぎても寝ていた。二人の体が離れることなく密着し続けたまま、そんな馴婦みたいに何の羞恥心もなく抱き合って眠っていた。
こんな平和な眠りは初めてだった。それは、愛し合った証拠でもあったのだ。
まどろみながら、身体に残る快感を反芻しながら、ヒカルは考える。
胃袋をつかまれる、とはよくいったものだ。あのおいしい食事を作るときも、身体を愛するときも、愛結はどこまでも愛結なんだろう。
ありったけの愛を与えてくれるこの子が愛おしくてたまらない。
「これから愛結のつくったものを食べるとき、今日のことを思い出しちゃうかも」
ヒカルは愛結の耳元で囁いた。
愛結はヒカリの言葉に顔を赤らめた。
自分の料理を食べる度に、今日のことを思い出すと言われてしまうと、愛結にとってはとても恥ずかしいことだった。
しかし同時に、ヒカリのそう言ってくれたことに喜びを感じていた。
「ごめんなさい」と愛結が申し訳なさそうに言うと、ヒカリは大きく笑って「思い出したくないわけじゃないんだから」と言った。
愛結の顔から恥ずかしさが消えていくのを見て、ヒカリは「料理の時に思い出すのは嬉しいことなんだから」と優しく言い聞かせた。
愛結にとって、ヒカリが毎日楽しみにしている自分の料理が、想い出として大切にされていると知るのはとてもうれしいことだった。
自分の作った料理を口にする度に二人の関係を思い出してくれると知ると、愛結には料理人としての達成感とともに、大切に思われているという実感が生まれた。
「じゃあ...また今日のことを思い出してくださいね」と愛結が照れながら言うと、ヒカリは愛結の頬にキスをして「必ず思い出すから」と約束した。
こうして、夜の営みをせがむときはいつも、事前に豪勢な料理が用意され、二人でそれを楽しんだ後に、「愛結を食べたい」「ヒカリさんを食べたいです」と互いにささやくようになったのだ。