間欠泉の異変以来、幻想郷じゅうで湯が湧き始めた。人里では温泉ブームが訪れており、あちこちで浴場が開かれている。
華扇ゆきつけの宿も例外ではなく、立派な露天風呂をしつらえていた。春に差し掛かったとはいえ、まだ夜は肌寒い時期である。開放的な空間で全身温まると、魂が洗われる。特に、月見酒ともなれば最高だ。
「あっはぁ~」
とはいえそれも、節度を守ればの話だ。本人に自覚はないが、華扇はすっかり泥酔していた。湯船の縁にもたれかかり、気の抜けきった声を漏らす。顔は紅潮しきり、だらしない表情を浮かべていた。
あたりには徳利が数本転がっている。多いといえば多いが、彼女は酒豪の類だ。本来ならば全く問題ない程度の酒量だった。
直前に食べたものが原因だ。すなわち、宿の亭主に味見を勧められた、キノコ料理だ。ここの飯は美味いからと、疑いもせず口にした。
ところが、含まれていたのはヒトヨタケやホテイシメジ。魔法の森の瘴気ですくすく育った、強烈な毒キノコである。当然、酒精は普段の何倍も回る。その結果が、現状の前後不覚だ。
「華扇さん、失礼しますよ」
がららと、湯場の入口が音をたてて開かれる。現れたのは、件の親父だった。ずんぐりむっくりした体系で、万力で押し潰されたような顔つきの中年だ。有り体にいって、不細工である。
「ええぇ……? ちょっと、何してるの?」
女湯への、堂々たる侵入だ。それも素っ裸で、前を隠そうともしていない。いくらベロベロに酔っ払っていても、変だと分かる。
「いやあ、華扇さんはお得意様ですからね。特別サービスをと思いまして。ああ、今夜は貸し切りにさせていただきましたから、他のお客さんのことは気になさらず」
対する男が並べたのは、雑で稚拙な言い訳だった。後ろ手で鍵を閉めたことといい、ギラギラと野蛮な目つきといい、誤魔化す気があるか疑いたくなるほどだ。
一方で、今の彼女は正常な判断力を欠いている。そんなものかと、すんなり受け入れてしまった。
「へへ……それにしてもまあ、こりゃあ思った以上のカラダだ。とんでもないダイナマイトボディだなぁ」
「そう? ありがとう」
男は軽くかけ湯をし、華扇のすぐ隣へ浸かる。でっぷりした体躯ゆえ、大きく水面が波打つ。
無遠慮と呼ぶのも馬鹿馬鹿しい、露骨な視線を浴びせてくる。外の世界ならセクハラで訴えられるだろう言行ながら、的を射てもいた。すなわち、彼女の肉体についてだ。
仙人――つまり隠者ながら、人里において華扇を知る者は多い。ちょくちょく食い歩く姿が目撃されているために、名前はともかく「大食らいのべっぴん姉ちゃん」として有名だった。
柔和さと芯の強さをうかがわせる瞳や、すっと通った鼻筋。肉感的ながらも厚すぎない、艶めく唇。頬などは今は紅潮し、なんとも艶やかだ。道を歩けば、自然と周囲の視線を惹きつける名花だった。
体付きも負けず劣らずだ。白く肌理細かな肌に覆われた肉体美は、片腕の包帯など気にならないほどだった。仙人としての修行により培われた筋肉に、買い食いで蓄えた柔肉が被さっている。女性らしいもっちりした曲線を描きながら、締まるべきところは締まった魅惑のボディラインだ。
一見すると華奢な首は、しかしほんのり浮かぶ胸鎖乳突筋によって、躍動感を覚えさせる。息を飲む麗しのデコルテラインが、やがて僧帽筋・三角筋のなす肩口へと行き会う姿は実に優雅だった。
男の視線は下へと向かう。濡れて艶めく、見事な二つの双山へ。
普段の衣装からも巨乳だと分かるが、あれでもサラシで抑えているのだ。露わになってみれば、それはまさしくダイナマイトだった。
掌に余るほどのサイズ感で、弾力と柔らかさを兼ね備えている。他では真似できない曲線が、あらゆる男を惹きつける。41℃の湯に浮かぶ様は、一種のロマンとすらいえた。
「いやあ、すごい乳ですねぇ。何カップなんです?」
「えぇ? 女性にそんなこと訊くの?」
「ははは、特別サービスのマッサージに必要なんでね。できれば教えていただけると」
「あぁ、そうなの……Gカップだけど」
G! と、男は感嘆の声を漏らす。ムホホッと、鼻から荒い息が漏れた。
「いいですねぇ~。華扇さんがウチに来るたび、そのデカチチをいつか好きにしてやりたいと思ってたんですよぉ」
彼の視線は、さらに下へと向かう。ウェストはキュッとくびれ、すっきりしたラインを描きながらも、もっちりした肉で覆われている。よく鍛えられた腹筋・腹斜筋・そしてインナーマッスルが下地となっているからこその、セクシーきわまる腰つきだった。
「む、見づらいな……すいませんがこのままだとマッサージしづらいんで、こう、湯船の縁に腰掛けてもらえます? それでこう、ガバッと脚を開いて。そうそう」
たっぷりアルコールに浸された華扇の脳味噌に、「疑う」の四音節はない。疑問すら抱かず、言われたままの姿勢になる。好きでもない男の前で、やんごとなき部位をあられもなく晒してみせた。
豊かに広がった骨盤が、安定感ある下半身を形成している。いつものフレアスカートのからでも分かるほどだ。
陰毛の茂みは、形こそ丁寧に整えられているが、密度が高い。ふさふさとした撫子色の草叢は、湯に濡れててらてらと輝いていた。
秘唇はほんのりと解れ、花開いていた。女盛りの花弁といった風情だった。男は弛んだ顎をさすりながら、瞳をギラつかせそれを見つめる。
「おほっ。こりゃ絶景かな。このマンコの感じ、かなりこなれてるな。男遊びなんてしてなさそうだが……マンズリは週にどれくらい?」
「えぇ~? どれくらいと言われても……まあ、週に五回から十回、くらいかしらね」
「そりゃずいぶん多い。とんだスケベ女だな」
赤裸々では済まない質問にも、堂々と答えてしまう。なんでそんなこと訊くのかしら? くらいにしか感じていなかった。酔漢特有の呂律の怪しさが、前後不覚っぷりを示している。
「この脚もスベッスベで……おほぉ~」
大きくくつろげられた太腿に、大胆にも頬ずりまでしてくる。これもマッサージですからと言われて、疑問にも思わなかった。
男の行為は、客観的にいささかならず気持ち悪い。が、無理からぬことでもあった。ムチムチとしつつもしなやかで、肉感とスマートさを両立した脚部は、思わず涎を垂らしてしまうほどの代物だった。しっかりした大腿四頭筋・内転筋・ハムストリングス・下腿三頭筋が織りなす芸術だ。
「さぁて、じゃあ特別サービスのマッサージをしていきますよ」
女として一種の完成形にあるとすらいえる魅惑のボディを堪能し、男はようやく本題に入る。彼女の後ろへ纏わり付くような形で座り、肩に触れる。
肩もみは一分も続かなかった。当然とばかりに、手は下へと向かっていく。たっぷりしたボリュームを誇りながらも、垂れたりせずつんと上向いた美巨乳へ。
「んん、ちょっと……」
「いやいやこれもマッサージですよ。華扇さんみたいなデカパイ女はチチに凝りが来ますからねぇ。よぉく揉みほぐしてやらないと」
「ああ、そうなの? ならお願いするけどぉ……」
華扇も、さすがに身をよじり抗議する。が、しょせんは酔っ払いの判断力だ。しょうもない言い訳で、簡単に言いくるめられてしまった。
「おっほっ、こりゃ~すごい」
「んっ、あっ、あぁん……っ」
ごつごつとした手が、双山を下から掬い上げる。弾力ある柔肉は、持ち上げられるたびにムニュンムニュンと形を変える。全男性が憧れる、魅惑の光景だった。
「あっ、あぁんっ、あっ、あぁ~ん……」
「うへへ、どうですか、気持ちいいでしょうが、ええ?」
「うんっ、あぁ、気持ちいい……」
太指が乳肉に食い込む。たわわに実った授乳器官が、ムニィイと歪む。指の隙間から溢れる様は、卑猥で表せるものではなかった。
「はぁんっ、あぁ、ああ……」
「いや~気持ちよさそうですねぇ。気持ちいいってことはこれがマッサージだっていう何よりの証拠ですからね。不審がる必要なんてないですよ」
女性にとってもっとも大切な部位のひとつを、顔見知り程度の関係でしかない相手に好き放題されている。が、華扇はただ、理性を蕩かすキャンディボイスを漏らすばかり。アルコールに浸った脳味噌は、男の雑な言葉をひたすら素直に受け入れている。まさしく、されるがままだ。
「おっ、先っちょもコリッコリじゃないですか。こりゃよぉく解してやらないとなぁ」
「ぉ、ンッ! はぁっ、あぁんッ、あ!」
先端の桜色がぷっくりと膨れて、自己主張している。性的興奮を覚えているのだと、一目で分かる姿だ。
あからさまな弱点を、親指と中指がつまみ、コリコリと刺激する。今までの甘い官能とは違う、ソリッドなエクスタシーに、体が小さく跳ねる。
詰まったような嬌声は、男をさらに欲情させる。ムフッ、ムフゥと、荒い鼻息を繰り返していた。
「いやぁ~、チチの凝りがすっごい。ってことは下なんかはもっと凝りまくってるんだろうなぁ。重点的に解してやらないとなぁ」
右手が下に降りていく。もちもちとした腹を撫でさする。子を成すための聖域を腹膜越しに弄ばれ、腰がむずがるように蠢いた。
「そぉら、しっかり股開けよぉ……」
獣欲に突き動かされ、ただでさえ薄かった男の化けの皮が剥がれんとしている。朦朧とする意識のなか、命じられるまま、セクシーな太腿を開いてみせた。
剥き出しの三角州へ、手が我が物顔で滑り込む。ふさふさと茂る陰毛を弄くる。しょり、しょりと小さく音が鳴る。
ウインナーを思わせる指先が、とうとう裂け目へと至る。ぬちっ、と小さく音が鳴った。濡れている。それも、湯ではなくもっと粘っこい、人体由来の液体でだ。
「あ~。こりゃリンパ汁が出てますね。こりゃすごく凝ってるなぁ。しっかり解してやるから覚悟しろよ」
「あっ、はっ、あぁんっ、あっ、あっ」
「あっ、気持ちよかったら気持ちいいって言えよオイ。あんあん言うだけじゃ盛り上がらねえだろ」
「はぁんっ、あっ、気持ちいいっ、きもちいい~……っ」
尺取虫を思わせる動きで、指が秘裂をクイクイとこねる。合わせるように、柳腰もくねくねと踊る。漏れるのは、枯れた爺であろうと誘い惑わす魔性の声だった。
「どれ、こりゃ中から解さねぇとなぁ」
「ぉんッ!」
本人の同意を取り付けることすらなく、指は体内に潜り込む。我が物顔で膣道を弄り、スウィートスポットを探ってくる。
「ぁっ、はッ、あぁんっ、気持ちいい~っ」
ゾリゾリと、膣道半ばの腹側を重点的に責め立ててくる。自然と腰がくねってしまう、俗にGスポットと呼ばれる魅惑の部位だ。華扇にとっても弱点であることに違いはなく、裏返った声をあげる。
美女が、己のテクニックでよがっている。あらゆる男性垂涎のシチュエーションだ。ましてその当事者となっている男は、どれほどの興奮を覚えているだろうか。
華扇の背中、腰椎と仙骨の狭間のあたりに、硬いモノが押し当てられていた。酩酊し、性快楽にうっとりしている彼女が、指摘などするわけもない。
「お~お~、クリも硬ァくさせやがってよ、コリッコリじゃねぇか! おらッ、潰してやるッ」
「んっひぃいッ!?」
完全に心神喪失の状態にある華扇を、自らの「下」と位置づけたらしい。男は慇懃無礼な態度もかなぐり捨てて、ごろつき同然の口調になっていた。
比例するように、手つきも乱暴になる。ぷっくりと膨れていた淫豆を、キュッ! と摘まみ上げた。
クリトリスといえば、神経の集中した女性有数の性感帯である。そんな部位を突然責められて、正気を保てるわけもなかった。引きつったような悲鳴が漏れる。
「ひぃッ、んひッ、あぁッ、ひッ、あぁ~ッ……!」
ビクンッ! と跳ねた体を、ずんぐりした腕が抱え抑え込む。暴れるなと叱責するかのごとく、指の動きは激しくなる。センシティブ極まるプレジャー・ポイントを、ぐりぐりと捏ね潰す勢いだ。
「あぁッ、いくッ、イくッ、イッくぅうッ、ああああああああッ!」
いくら仙人として修行を積んでいても、肉体が本能的に感じてしまう性感にあらがえるわけもない。あられもない嬌声はしだいに甚だしくなり、やがて頂点に達した。
背中は反り、たわわなる乳房がプルルンッ! と弾む。ぷしぃッ、と音を立てて、熱い女のリキッドが噴出する。一目でそれと分かる、アクメだった。
「はひッ、あはぁっ、あふぅ、ぅう……ッ」
官能の波が退いてゆく。全身の筋肉――とくに括約筋が弛緩する。湯船に浸かり全身リラックスしていたのもあり、膀胱に溜まっていた黄金水がチョロロ――と溢れだした。
「あ~あ、いいトシこいてお漏らししてやがるこのアホ仙人。いやあ、マンコ中心に凝りに凝りまくってますねぇ華扇さん、こりゃ風呂でのマッサージだけじゃ足りないな」
「へぇえ……?」
「きもちよ~くしてやるから、一晩泊ってけつってんだよ。オラ立てよチンポイラつかせやがってエロ女、客室行くぞ。一晩中寝かせてやんねぇからな」
「あはぁ、はぁ~い」
滅茶苦茶な言い分だ。が、華扇は大人しく受け入れる。両腋に腕を差し込まれ、持ち上げられるように立たされても、抱きつくような形で歩かされても抵抗一つしない。ふらつきながらも、むしろ自ら従っていた。
毒キノコ料理と温泉の効能、さらには性的興奮によって、酒精は巡りに巡っている。反面、思考能力はすっかり削られていた。今の彼女には、自分がされていることのマズさについて思い至るだけの思考力すらなかった。言われるがままに従うだけの、肉人形に近い存在となっている。
「あん、あぁ~ん」
湯場を連れ出され、更衣室へ上がる。濡れた全身を、男のセクハラじみた手つきで拭かれる。特に乳房や股座を重点的に、舐め回すような視線つきでだ。
適当なところで、浴衣を羽織らされる。しっかり着付けはしない。帯を結びすらしなかったので、湯上がりの珠の肌が丸見えだ。体を隠すためでなく、いやらしく飾るための浴衣だ。
男も同じく浴衣を羽織る。ただし下半身は丸出しだ。反りかえる一物が、ビキビキと自己主張していた。
「あ~、おら、キリキリ歩けっちゅうの。こっちはチンポが勃起しすぎて痛くなってきてんだからよぉ」
「あんッ、あぁッ、あんっ、あ」
華扇の白い脚はろくに定まっておらず、しきりにふらついている。男は愚痴りながら、恋人のごとく抱き合うかたちで彼女を引きずる。腹いせとばかりに、むちむちとした桃尻をペチペチと叩く。くいくいと逃げるように腰を躍らせる姿は、誘っているようでもあった。
泥酔しあられもない格好を晒す女性を、寝室へ連れ込もうとする中年男性。通報待ったなしの絵面ながら、咎める者はいない。華扇が来店した時点で、「本日貸し切り」の札を表に出していた。今、この宿は、彼と華扇の二人きりである。
「ったくよぉ、こ~んなムッチムチのエロボディ見せつけられて、いままでどんだけ我慢したと思ってんだ。たっぷりハメ倒してやるからなぁ」
ぷっくりと尖った乳首をダイヤルし弄びながら、男は獣じみた吐息を漏らす。手慣れたやり口からも分かるとおり、これは初犯ではない。似たような手口で、複数の女――寺子屋教師や寺の住職、果ては三途の川の死神――を堕としてきた。そのなかでも華扇は、トップ級の牝といってもよかった。
そもそもこの女、いつもいつも来店のたびグラマラスボディを無防備に晒して、どう考えても誘っているとしか思えなかった。一方で言動は説教臭く、上から目線で苛立たしい。彼からすれば、レイプして己が牝だと思い知らせてくださいと言っているに等しかった。
といっても、相手は人外である。無理に手を出せば殺されかねないため、慎重にチャンスを見計らった。毒キノコレシピに混ぜ物入りの酒と、手管のほうも大盤振る舞いした。かけた手間に見合うだけ楽しませてもらうぞと、血走った目は語っていた。
「そぉら着いたぞアホアホ女。マンコが俺のチンポの形になるまでズボりまくってやるから、しっかり受精して帰れよ?」
「あっ」
さほどグレードの高い宿でもないため、客室は簡素なつくりとなっている。あらかじめ敷かれた布団へ、乱暴に転がされる。華扇は放心状態のまま、ぐったりと天井を見つめるばかりだ。放り出された乳房といい、だらしなく広げられた股といい、普段とは結びつかない痴態を晒していた。
「へへへ。い~いザマじゃねぇか。おら仙人さまよ、ピースしろよピース。両手でな」
「あはぁ~」
彼女が惚けているのをいいことに、男はポラロイドカメラを取り出す。無様な姿を、撮影していく。コレクションであり、コトが露見した際に「和姦だった」と主張するための保険でもあった。実際、えへらえへらと薄ら笑いを浮かべながらポーズを撮る様は、とてもこれから強姦される女だとは思えない。
「さぁ~て。正直もうチンポが限界だわ。責任とってもらおうかね」
言うと、男は華扇の上に跨がる。寝転ぶ彼女にマウントをとる形だ。
自然、バキバキと膨れ上がった一物が眼前にくる。二〇センチを超える大業物だ。
大きく傘の張った亀頭といい、反りかえった肉幹といい、立派なキノコを連想させる。さらには全体に真珠が埋め込まれ、ゴツゴツと瘤になっている。排泄器官としてではなく、女を堕とす器官としてあるのだと一目で分かる、凶悪極まる形状だった。
「はぁあ……ッ」
今の彼女は、湯場での愛撫で発情しきっている。女鳴かせの剛直を見せられて、子宮はツゥーンと切なく疼いた。
「こ、これぇ、マッサージじゃないんじゃ……」
「は? 当たり前だろが。今からやんのはレイプだっつの。分かったらしゃぶれやマンコ。これから受精させてくれるチンポだぞ? 挨拶してしかるべきだろ」
「あぁんっ! あっは、はぁ~い……」
爪の先ほど残っていた理性が、疑念を口にさせる。だがそれも、硬く尖った乳首をつねられて氷解させられた。今の彼女には、こうした操縦桿がいくつも存在する。
「はぁ~、おっき、……んちゅぅ」
普段なら理知を湛える瞳に肉欲を浮かべながら、艶めくリップを亀頭へと近づく。音がなるほどの、熱烈なキッスを捧げた。彼がいうところの、「挨拶」だ。
途端、形良い目が見開かれ、瞳が蕩ける。唇から伝わる熱量は、牝を絡め取り虜にするたぐいのものだった。
「あっはッ、あふ――あむぅうんっ」
毒と酒で倫理を吹っ飛ばされた脳に残っているのは、獣の本能だけだ。馬に人参を、パンダに笹を差し出したらどうなるか、洟垂れ小僧でも知っている。華扇も同じだった。大口を開けて、好きでもない男のモノを迎え入れる。
「んふぅうん……ッ」
広がったのは、濃厚な男性臭だ。先ほど湯船に浸かっていたはずだというのに、それでも落ちきらない雄フェロモンだ。
必然、肉体は発情する。子宮が、じゅくじゅくと蜜を分泌しているのが分かる。太腿同士を擦り合わせれば、くちっくちっと、皮膚同士の摩擦とは思えない音が鳴った。
「ぢゅるぷッ、ぢゅぽッ、んっぽッ、んぷぅッ、んぽっ」
「ぉッ、おッ、ぃいぞォ~」
何か言われるまでもなく、頭を前後させる。ぢゅるぢゅると音をたて吸い付く様は、普段の振る舞いからは想像もつかない下品だ。
「んむぢゅうぅッ、んふぅッ、んぢゅるぅッ」
口端から涎を垂らしながら肉棒にしゃぶりつく。ゴツゴツとした瘤が、唇を愛撫する。心地よさに、目尻を垂れ下げる。
己を犯そうとしている男のシモに、甲斐甲斐しく奉仕する――自分がしていることのとんでもなさを、彼女は理解していなかった。そんな難しいことを考える脳味噌、どこかに置いてきてしまった。ただ剥き出しの本能のまま、官能を求めている。
「へへ、い~いザマだぜ、ほれっ、記念撮影だ」
「んふぅッ、ぢゅる――んぽッ、んはぁ~」
パシャッ、パシャッと、ポラロイドカメラのフラッシュが焚かれる。むぢゅむぢゅと肉棒を舐めしゃぶる姿・柔頬に雄茎を擦りつけられながら虚ろに笑う姿が残されていく。己の恥を形にされながら、華扇はご丁寧にも、先ほど命令されたとおりピースしていた。
「あ~。この馬鹿女ときたら! えらい熱心にチンポの世話しやがって、どんだけ金玉イラつかせりゃ気が済むんだっつうの」
そうした積極的な姿に、いよいよ獣欲を抑えられなくなったらしい。男は華扇の上から退くと、彼女を転がし、四つん這いの姿勢を取らせる。満月のごとき巨尻・ひくひくと収縮するおちょぼ口・本気の愛汁をねっとり滴らせる裂け目・しゃぶりつきたくなる太腿まで丸見え。まさにフルコースだった。
「ほれ。そのままじゃチンポハメづらいだろうが? 自分でマンコ開けや」
「あはッ、はぁ~い」
今の彼女にまともな思考力・判断力は残っていない。あるのは、ただ快楽を求める本能だけだ。言われるがまま、陰唇に指をかける。にちゃぁ……と割り開かれた裂け目の内側は、うごうごと蠕動を繰り返している。人体の一部であるとは信じがたい、猥褻粘膜だった。
「そぉら、チンポだぞ」
「あっは、あぁんっ」
野太く反りかえったモノが、無遠慮に押し当てられる。ぬぢッ、と小さく淫音が鳴る。彼女が今や仙人でなく、発情卑猥牝に過ぎないことを示している。くねっくねっと誘うように腰が踊り、桃尻はぷりぷりと自己主張してみせた。
「おら、気の利いたことでも言ってみろよ、牝豚」
「あぁ~ん、来てッ、おマンコにチンポブチ込んでェ~ッ」
誘惑の言葉が垂れ流される。いまどき痴女でも使わないくらいに陳腐でストレートながら、華扇ほどの美女が使えば立派な殺し文句となる。気の弱い男なら、それだけで気をやってしまうに違いなかった。
「おいおい、こりゃレイプだっつってんのに、そんな誘われちゃ和姦になっちまうだろ? ま、どっちにしろ腹たっぷたぷになるくらい中出しするんだけど、なァッ!」
「あぉッ、ォおおおおおおんッ!」
男のたっぷりとした腹が、前方めがけて突き出される。狙いすました刺突が、ヴァギナを容赦なく貫く。被せ物なしのナマのペニスが体内へ侵入し、ゾリゾリと肉襞をめくり返す。白い喉から獣じみた嬌声があがり、いよいよセックスが始まった。
「ぉほッ! こりゃ~極上のマンコだ、今までハメ潰した女の中でもトップクラスだわッ。くぅ~ッ、たまらん!」
うっすら汗ばみ紅潮した肌からムワムワ立ち上る牝フェロモン。本能のままウネウネと絡み締め付け、奥へ奥へと誘い込む膣肉。ヌルつきネバついて、ローションの代わりとなる淫汁。
そのどれもが、最高のファック体験を提供する。犯されたがりの猥褻膣を前に、男がすることといえば一つだった。
「そぉーら、二度と普通のチンポじゃイけなくしてやるからなァッ、覚悟しろやッ!」
「あぉッ! ぉんッ! ぉッ、はぁッ、ぉおんッ! あッ、はぁあッ!」
開幕から、容赦のないピストンが繰り出される。ばすんッ、ばすんッと、肉と肉のぶつかり合う音が響く。ぐぢょッ、ぐぢゃっと、粘膜をこね回す淫音が続く。体重の乗ったストロークのたび、Gカップの乳房は大きく弾んだ。
「ぉひッ、ひぃい! んはッ、ぉおッ、んくぅううぅッ!」
体内では、キノコのごとき形をした雄魔羅が、狭穴を拡張していっている。埋め込まれた真珠による瘤が、肉壁をゴリゴリと抉る。
が、それだけには飽き足らない。平均をはるかに上回る長竿は、肉のトンネルの最奥部にまで至る。すなわち、子を成す小部屋への入口、ポルチオだ。牝の疼きの源泉を、サンドバッグにするかのごとく小突き上げる。
「っひッ、あぉッ、ひぃいいッ! ぉッ、そこヤバッ、あぉっ、ぉっひいッ!」
ただでさえ快楽によがっているのだ。そんなことまでされて、まともでいられるわけもない。ただただ髪を振り乱し、だらしのない声をあげてよがるばかりだった。
「けけけ、い~い無様っぷりじゃねぇか。そんな女には、イヒヒッ。コイツをプレゼントだ」
言って、はだけた浴衣の内から男が取り出したのは、スポイトだ。中に詰められているのは、浴場で華扇が楽しんでいた酒と同じもの――複数の薬をブレンドした「特製カクテル」だ。
追加で摂取させるつもりではあるのだが、飲ませるわけではない。今だからできる、もっと効率的かつ即効性のある方法を用意していた。これまでの獲物にも使って、そのことごとくを堕とし食い散らかしてきた、彼の「必殺技」である。
「イッ、ひ」
桃尻の狭間、ヒクついていたおちょぼ口に、スポイトの先端があてがわれる。腸内に、異物が注ぎ込まれていく。即席のアルコール浣腸である。
「う、あっ、あああぁッ……!?」
体内が燃えているかのようだった。酒精のせいであり、腸粘膜から薬効成分がダイレクトに吸収されたためでもあった。
「えっへ、えへぁ、あはっ、あはぁ」
その驚異的な吸収率たるや、ものの十秒と経たぬうちに効果が現れるほどだった。華扇の意識がぐわんぐわんと揺さぶられる。顔のだらしなく蕩ける様ときたら、麻薬でも打たれたかのようだ。それでも急性アルコール中毒で倒れていないのは、さすが人外といったところか。
「ヒヒヒ、どうだよ、最高だろうが? でもすげぇのはこれからだぞ? この状態で、マンコしてやっとなぁッ」
「ぉッ、ぉおおおんッ! ォアッ、あぉッ、ひぃッ、あっはぁあああッ!」
コトを終えると、男はスポイトを乱暴に放り捨て、また腰を振りたくり始める。しゃくりあげるストロークは、猪の突進すらも思わせた。牙たるペニスが肉洞を穿つたび、華扇は目を白黒させてよがってみせた。
先ほどまでとは、快感のレベルがまったく異なっている。脳味噌の快楽を司る部分に、十万ボルトの電流をブチ込まれたかのようだった。当然、堪えられるわけもない。狂った嬌声をあげながら身悶えし、豊満なバストをブルンブルンと弾ませる。真っ赤に染まる肌と、飛び散る汗が、どれほど興奮しているか示していた。
「おらッ、どうだ、サイコーだろうが、言ってみろよ、チンポがイイってよぉ!」
「あっはぁあ、チンポッ、チンポいぃ~ッ、もっと、もっとズポズポしてぇんッ!」
「そうだよ、そうやってヨガってりゃいいんだよ牝豚ッ、おらッ、もっと喘げやッ!」
「はひぃいいいいいいッ!」
パァンと、ピストンサウンドとはまた異なる破裂音が響いた。何度も腰を打ち付けられていたヒップへ、平手が打ち込まれたのだ。それも一度や二度ではなく、執拗に。
満月のごとくむちむちとした丸尻に、掌の痕がくっきりと残る。元が透き通るほど白いがゆえ、なおさら目立つ。さながら猿を思わせる風情になっていく。
「そ~ら、一生モンの恥も記念に残しといてやるよ、嬉しいだろうが、えぇ!?」
「あっはぁ、うれしい、っ、うれしぃですぅッ、チンポ、マンコ、セックスぅうッ」
尻を叩かれよがる無様をも、男は撮影する。フラッシュの光が、汗に濡れた肌を何度も照らす。
大脳から脳幹にいたるまでアルコールになった頭は、もはやまともに機能していない。苦痛すらも快感だと誤認するほどだ。当然、本人が感じるエクスタシーは通常に倍するものとなる。スパンキングと同時にピストンされ、華扇は夢心地だった。喉が嗄れるほど喘ぎ散らかしながら、ギリギリ分かる単語――どれも淫語だ――を垂れ流している。
「ったくとんでもねぇエロ女が、そんなにザーメンぶちまけてほしいんなら、お望み通りにしてやる、嫌だつってもいまさら許してやんねぇからな、オラいくぞッ、おッ、おッ」
嬲れば嬲るほど締め付ける猥褻穴を相手にしては、無敵の女食い散らかし棒とて長くは保ち堪えられない。体内で膨れ上がり、今にも融解せんほどの熱を孕んでいた。そしてとうとう、睾丸の中に溜め込んだ汚濁を解き放つときが来た。
「オラッ、イけや牝豚が!」
尻肉が吹き飛びそうな威力の平手。少し遅れて、ひときわ強烈な刺突が繰り出される。
ボヂュッと、他では耳にできない特徴的な音が響く。同時に、最奥部で男根が炸裂する。今まで華扇が来店するたびに溜め込まれていた鬱憤、そして性欲が、一ミリの容赦もなく注ぎ込まれていく。
「ぉひ、ほひッ、ォおおおおおおおおんッ!」
女殺しの濃厚汚濁を注がれて、どうして正気を保てるだろう。まして性快楽に酔いしれいる淫乱女ならなおさらだ。
絶頂に追い込まれた華扇は、全身を痙攣させ、珠のごとき汗をまき散らす。Gカップの美巨乳が、たわわに弾んでみせた。背を反らしながら上げるのは、ヒトを辞めた声だ。ペニスへの敗北宣言だった。
「ぉっひ、ッ、ひッ、お、うぅ~っ」
「おぉ~ッ……くぅ……はぁ~ッ、出た、出た」
強烈な射精を終え、男はいかにも満足げな溜息を漏らす。対する華扇は、ぐわんぐわんと頭を揺らしながら、あらゆる体液に濡れた布団へ突っ伏した。
その胎の内では、文字どおり無数の精虫が躍っている。貞潔であった子宮を我が物顔で荒らし回っては、彼女を受胎させんとしているのだ。女としてもっとも大切な部位を、内側から愛撫されているに等しい。激しいファックが終わってもなお、アクメから降りてこられなかった。
「ハハッ、種付け直後の女ってのが、一番ブザマだよなぁ?」
伏臥する女体へ、男は嗜虐的な視線を浴びせる。汗に濡れた白い背中、麗しき腰まわり。なにより猿のごとく染まった尻が、何より目を惹きつける。思わず雄杭を擦りつけて、まとわりついた愛液やスペルマを拭ってしまうほどに。
「ひぃ、ひぃ~……っ」
おっ広げられた股から、ぶぴぴっと間抜けな音をたてて、生クリームほども濃厚な汚濁が逆流する。一生モノの恥ともいえる光景を、男は当然とばかりに撮影する。「さぁって、いつまで寝てやがんだ?」
「あッ、はぁっ」
ぐるんと、男は彼女を転がす。仰向けになり露わとなった顔に、理性の色など小指の先ほどもない。酒と退くとペニスに突き崩された、白痴の表情であった。
「フヌケてる暇ぁねえぞ、こちとらまだまだ、弾切れにゃほど遠いんだからなァ。ほれっ、股開けや」
強引に、両脚を開かれる。先ほどアクメしたばかりの膣穴は、快楽の余韻でしきりにヒクついている。肉色の粘膜に白いものが絡みつく様は、それだけで勃起せざるを得ないほどいやらしい。
彼の言葉に、偽りはなかった。たったいま射精したばかりだというのに、男根は威圧的に聳え立っている。普通の女なら恐怖してしかるべき場面で、しかし華扇は、淫猥なる笑みを浮かべた。
「あはぁん、もっとぉ、もっとハメハメして、ズポズポマッサージしてぇ~っ……」
腰をくねらせながら、媚びきった言葉で誘う。頭の中にあるのは、ペニス、ヴァギナ、そして何よりファックのことだけだった。
「だぁから、テメェが望もうがどうしようが、ハメ潰すつってんだろうが! おらッ! 二回戦だッ!」
「あっ、あぁああああああんッ!」
望みどおりに、雄棒が体内への侵入を果たす。獣じみた声をあげながら、彼女の夜は更けていった。
***
「……ウゥ……ン?」
どんよりとした印象とともに、意識が覚醒する。目覚めは最悪だった。頭も瞼もひどく重たいし、喉もイガイガしている。全身――とくに腰回りがダルく、起き上がるのすら億劫だ。窓から差している光からして、時刻は昼過ぎといったところか。
「ハッ!?」
それでもどうにか上体を起こし、目を疑った。素っ裸で寝ているだけなら、まあいい。行儀は悪いが許容できる。ネバついた粘液が、華扇の全身にまとわりついている。麗しき顔、たわわなる乳房、秘められるべき三角州にいたるまで、余すところなくだ。唾液、汗、愛液、精液――そうした汁が乾いてガビガビになっている。違和感を感じて口元を拭えば、男性のものと思しき縮れ毛がくっついてきた。
繋がりっぱなし肉貝からは、ネトついた白濁液がとろとろと零れ落ちている。スパンキングされすぎたヒップは、いまだにヒリついていた。
何があったかは明らかだった。一晩中、まぐわっていたのだ。なんなら、今も行為の真っ最中だった。
慌てて昨夜の出来事を思い返すも、曖昧模糊としている。辛うじて、己の下でふんぞり返っている男に、散々な目に遭わされた記憶がおぼろげに蘇ってきた。たしか、温泉に浸かったあたりから色々おかしくなってきた。
酒か食事かは分からないが、なにか混ぜ物がしてあったに違いない。
この男は、己の貞操を滅茶苦茶にしてくれた卑劣漢だ。許してはおけぬ。
「お? ようやくお目覚めかよ。大好きなチンポ放り出して気絶たぁ、ずいぶんな身分じゃねぇか」
「あ、あなた一体、何を言って……!?」
「へへ、正気に戻ったっぽいな? あんだけ酒も薬も追加してやったのに、とんでもねぇ回復力だな」
「この強姦魔め。殺してやる……!」
普段なら口にせぬ言葉が飛び出す。怒り心頭とは、こうした様子を指すのだろう。
華扇ほどの実力者に殺気を向けられては、並の人間など腰を抜かしてしまうだろう。が、彼はまったく意に介していなかった。彼女のことを完全に見下した様子で、ヘラヘラと笑っている。
「おいお~い、そんな怖いこと言うなよ。一晩中愛し合った仲だろ? おチンポくださぁ~いだの、もっとハメハメしてぇ~んだの、あなたのセフレになりたぁ~いだの、一生モンの恥みてぇな台詞吐きまくってたのはどっちだ? え?」
「だからそれは、あなたが薬か何かを使ったから」
「まあそうなんだけど、でもとっくに手遅れだよ、ホレッ!」
「んぉおッ!?」
男が腰を突き上げてくる。まるまる一晩交尾し続けても萎えぬ絶倫の魔羅が、重力に逆らいながら彼女の子宮を小突き上げる。
途端、脳天を堪えがたい快楽が貫いた。とても己の喉から漏れたとは思えぬ声をあげながら、思わず身を反らす。ぷるるんッ! と、白濁に汚れたGカップバストが弾んだ。
「どんだけハメ潰してやったと思ってんだ? てめぇのカラダは、もう俺のチンポに逆らえなくなってんだよ。違うってんなら、抵抗してみろよぉ、ホレホレッ」
「あッ、やめッ、それやばッ、ひッ、ひぃ!? ちょ、待っ、あっ、あぁあッ!」
ぐちゅッ! ぐぽッ! と、白昼垂れ流すには際どすぎる音が室内に響く。肉壺は、一晩かけて彼のペニスの形に造り替えられ、快楽穴として改造されていた。ゾリゾリと肉襞を擦り上げられるたび、正気に戻った今の華扇ですら堪えられぬほどの性感が駆け抜けていく。
「お~お~、殺してやるだの威勢のいいこと抜かしてたわりに、もう腰振ってやがる。カラダは素直だねぇ」
「ちがッ、これ、コレ違うのぉッ、ひぃッ、やめッ、おチンポやめてぇえッ」
くびれた腰をしっかり掴まれ、腰同士を密着させられる。さんざんストンプされたポルチオを、亀頭でぐりぐりと刺激される。涙が出てしまうほどの、逃げ場のない快感に襲われる。
自然と、腰はくねっていた。たっぷり一晩、本能に躾けられた仕草が、反射的に繰り出されているのだ。それは交尾のエクスタシーを倍増させ、彼女をさらに狂わせていく。
「ひぃッ、ひぃいい~ッ」
彼女の意気は、早くも萎えつつあった。体調が悪ければ気分まで沈むように、精神は肉体の影響を強く受ける。肉体が屈服している以上、心が堕ちるまでにさほど時間はかからなかった。
「っつうかよぉ、そのへん見てみろや? それ見てまだ強姦だとか言えるのかよお前」
「へえぇ……?」
言われて、あたりを見渡す。異常な状況に意識を奪われていたが、周囲には写真が散乱していた。映った己の痴態に、目を疑う。
ある写真では、笑顔で男とディープキスを交わしている。別の写真では、男根にむしゃぶりつきながら、カメラに視線を向けてピースしている。正常位で交わりながらよがり、情けない顔をさらしている。尻を突き出し腰をくねらせ、スパンキングをねだっている。クリトリスをこね、淫膣をほじる、だらしのないオナニーを披露している。自ら肉穴をおっぴろげ、受精済みの膣道から白濁を零している。
そのどれもが、とても強姦しているようには見えない。どこかに訴え出たとして、これらを物証として出されれば、負けが確定するだろうほどに。
「ノリッノリで撮られてよぉ、これのどこがレイプだって? どっからどう見ても和姦だろこりゃあ」
「え、あ」
「そうだろうがッ、えぇっ!?」
「んひぃいッ!」
奥のほうを小突き上げられる。ごちゅごちゅと、最奥部の聖域をサンドバッグにされる。そんなふうにされては、もう反論できない。気付けば、敗北宣言をあげていた。
「はひッ、和姦です、おっしゃるとおり和姦でしたぁっ。強姦魔扱いして申し訳ございませんんんッ!」
「おぉ~そうだな、和姦ならもちろん中出ししても問題ねぇよなぁ!?」
「ひッ、それ、それはっ」
答えに窮した。妊娠を厭ったわけではない。いやそれもあったが、それ以上に、あの脳味噌が灼けるごとき快楽に晒されることを恐れたのだ。
むろん、そんな躊躇を男が考慮するわけもない。今や男悦ばせのオナホールと化した華扇の肉穴で、激しくペニスを扱き上げる。そうして、思い切り子種を吐き出した。
「ぁおッ、んんぁあああああああッ……!」
すでに白濁漬けの子宮に、新鮮なスペルマが追加される。どぽっどぽっと注がれていく感覚、雄の欲望が染み渡るような感覚を、肉体はよく知っている。無情の悦びに浸りながら、背を反らして絶頂する。
「ひぃ、ひぃ~ッ……」
喉の奥から漏れるのは、か細く、みっともない悲鳴だった。この男には、このペニスには勝てないのだと、本能レベルで理解させられてしまった。もはや、彼の姿を見ただけで腰砕けになり、股穴は濡れ交尾の用意を整えてしまうだろうほどに。
「お、ひ、はぁ、あぁ……」
「ハァ~ア。出した出した……。流石にもう打ち止めだわ。おら、重てぇんだよマンコ女」
精魂尽き果てた華扇はぐったりと脱力しながらも、男の上から退く。次いで、自主的に床へ手をつき膝をつき、額を擦りつけた。本邦に古くから伝わる謝罪の姿勢、土下座だ。
「こ、この度は、浅ましいオマンコ女である私めのしょうもない勘違いで、貴方様を強姦魔扱いしてしまい、申し訳ございませんでした……何でもいたしますので、どうかお許しを……」
惨めで情けない言葉を、自ら並べたてる。命令されてもいないのだから――命令されていたとしても――晒す必要のない恥だ。心底から屈服させられたことで、そうしなければならないという強迫観念を抱いていた。
「なんでもする? ヒヒ、そうかよ、ならそうだな……ウチの店で働いてもらうか」
「え?」
「即ハメ前提のエロ衣装着せてよぉ、宴会用のコンパニオンとして働かせてやる。ゆうべ散々、チンポ大好きなのぉ~、とか喚いてやがったからな、嬉しいだろ? ああ、もちろん無休で無給な」
「そ、それは……」
「いいからそうしろや!」
「ひぃんッ!」
スパァンと、小気味良い音が響く。全裸土下座の姿勢で、無防備に差し出されていた尻を、思い切り打たれたのだ。一晩にわたる凌辱で、マゾヒストとしても開発されていた華扇は、反射的に叫んでしまう。
「はッ、はい、やります、やらせていただきます、おチンポ奉仕専用ドスケベ淫乱娼婦奴隷コンパニオンッ、誠心誠意勤めさせていただきますぅッ」
「おお、マジで言いやがった。言っちまったもんは引っ込められねぇぞぉ? 昼夜問わずたっぷり稼いでもらうからな、覚悟しとけや」
言って、男は土下座の姿勢を続ける華扇を、またしても撮影した。これからどんな快楽地獄に堕とされるのか――卑屈な気持ちでありながら、彼女はうっすらと、期待を抱いていた。