※この作品はR-18です。

熟年の恋は、山小屋で……   作:ナカムラ ハト

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第三章 きよらかなる交歓(1)

1.

 灯りを落とした薄暗い部屋の中で、二人はベッドに横になって向かい合っていた。両手は固く繋がれている。

 見つめ合いながらの、ぎこちないキスがどちらからともなく始まった。高橋が舌の先を出して優子の唇を軽く舐めると、優子の体が小さく震えた。

 少しずつ舌を絡ませていく二人。それが、激しい求め合いになるのにさして時間はかからなかった。二人はこれまでの思いの丈を精一杯表現しようとするかのように、幾度も唇を重ね舌を絡ませて、お互いを感じ取った。キスだけで夜を明かすことも充分可能であるようにさえ、二人には思えた。

 やがて、高橋の口づけは優子の唇から、耳、首筋、鎖骨、胸元へと徐々に降りていった。優子の吐息が荒くなる。特に首筋は感じるらしく、男は肩を抱きながら左右ともに入念に口づけし舌を這わせた。時折、「あぁ……!」と女から切ない声が洩れた。

 高橋は優子の胸へと視線を向けた。先刻、窓ガラスには映らなかった彼女の乳房。

 乳輪がまず目を引く……大きさは平均的、あるいはやや小さめといったところだろうか。乳房は年齢を反映して少しは垂れた様子があったが、D~Eカップくらいであろうか、男の目を愉しませるに充分すぎるほどの存在感を放っていた。

 高橋はわざと乳輪を避けるようにして、右の乳房に時計回りに口づけを重ねていった。と同時に、左手の五指で左の乳房を、これも乳輪には触れないようにしながら指を這わせる。もどかしがるように優子は体をくねらせ、熱い息を洩らした。

 その小さないたずらを終えると、高橋はおもむろに右の乳首を口に含み、同時に左の乳首を親指でこりこりと指圧した。強く求めていたことが突然に果たされ、優子は思わず「はぁん!」と弾むような声をたてた。そこからは、タガが緩んだように、「あぁ……あぁん……」と女からは控えめな喘ぎ声が絶えず洩れいでた。愛撫に専念する高橋の陰部が熱く硬くなった。

 刺激を受けて、優子の両の乳頭はぷっくりと勃起していた。そこへの愛撫にしばし没頭する男。しばし快楽の声を立てていた女は、やがて

「私も……触らせて」と請うた。

 優子に覆い被さる体勢の高橋。そこへ優子の手が伸びて、高橋の怒張した陰茎に触れた。

「すごい……たくましいわ……」と優子が熱に浮かされたような声で呟く。

「濡れて、ますか……?」と、再び乳輪の周囲を愛撫しながら、高橋が尋ねる。

「はい、すごく……ぬるぬるしてます」優子は人差し指の腹で鈴口の辺りを触った。

「じゃあ、それを塗り広げてください……僕のソコに」

 優子はうなずくと、左手で筒の形を作って、陰茎をゆっくりとしごきだした。カウパーがこすれるぬちゃっぬちゃっという淫猥な音が小さく響いた。

「ああ……」優子に手淫をさせているという事実に目眩を覚えながら、高橋は顔を優子の顔に近づけて囁いた。「気持ちいいです、とても……」

「本当……?」潤んだ目で高橋を見つめる優子。二人は再び唇を合わせ、舌を絡ませた。

 

2.

 高橋の口づけは乳房から更に降りてゆき、腹、臍、そして恥丘へと至った。

 陰毛が濃すぎると思われるのではないか――と優子は詮無い不安を抱いたが、その茂みに高橋の口づけを受けるや、また熱い吐息を洩らした。

 その位置に高橋の頭があると、もう優子の手は陰茎に触れることができない。所在ない女の右手は、性の快楽を高めようと、無意識に自らの乳房をもみしだき乳首を弄んだ。そして左手は、もどかしげに自らの股の付け根辺りをさすっていた。

 高橋の愛撫は、ついに恥丘の更に下に降りていこうとしていた。高橋は優子の両膝の辺りをつかむと、女の股をそっと広げた。優子は恥ずかしさに天井を見上げた。

 男がいま目にしているのは――当然のことだが――五十路半ばの女の陰部である。それを高橋がどう値踏むのか、優子には分からなかった。ただ、息を詰めてそこを見つめる視線ははっきりと感じた。

「素敵です」

 ――ややあって高橋は一言こう洩らすと、顔をそこにそっと近づけた。そして大陰唇のすぐ周囲、太股のごく付け根の辺りを、先ほど乳房を攻めたときのように、円を描きながら口づけし舌を這わせていった。

(あぁっ……!)

 強烈な性的昂奮に優子の息が荒くなっていた。快感と、更なる快感を求める欲情とで、自らの花弁がいやらしい露をどくどくと分泌させているように優子は感じた。

 そして乳房を愛撫された時と同様に、それは突然に訪れた――男の舌が、花弁の真ん中に強く押しつけられたのだ。そしてすぐさま、侵入しようとするかのように膣口を荒々しく舌先で突かれ、また舐め回された。「あぁっ……いいっ……あぁんっ……!」女は自制を解いて淫らに叫んだ。

 絶え間ない舌の刺激が優子を支配した。快感に辛抱ならなくなったように、優子の腰が意志とは無関係にがくがくと震え出す。高橋の舌の動きは縦に長くなり、下は膣口の底部から上は陰核までを、素早く執拗に往復した。

「あっ、あっ、あっ、あぁっ……!」

 舌の一突き・一振りごとに洩れる優子の喘ぎ声は、急速に切迫したものに変わっていった。不意に、優子は両手を伸ばして高橋の頭を自らの陰部にぐっと押しつける。

「あんっ、あんっ、はぁぁんっ……イク、イク……イっちゃいますぅっ!」その予告を聞いた高橋は、舌の動きを一層速めた。優子の上体が弓なりになる。すると間もなく、

「……んんっっっっっ!!」

 という、声にならぬ声を一瞬挙げて、優子の上体が激しく二度、三度ベッドの上を跳ねた。そして、

「ああ……」

 という甘い声とともに、くたっと脱力した。

 

3.

 口淫で絶頂を迎えた優子の姿態を目のあたりにした高橋は、昂奮のあまり、触れてもいない自分の男性器がビクンビクンと身を震わせるのを感じた。射精に至ってしまわぬよう、少し落ち着くのを待つ。そしてそっと優子の隣へと身を戻し、顔を近づけた。力なくこちらを見る優子。

「大丈夫ですか……?」と高橋は声を掛ける。

「はい、大丈夫です……」息を荒くしながらも、優子はそう答えた。高橋はベッドから降り、テーブルに置いてあった水筒のコップに水を注いで、優子に手渡した。「ありがとう……」優子は体を起こして両手でコップを受け取り、ゆっくりとそれを飲み干して、小さく息をついた。そして高橋を見て言った。

「高橋さん、スゴいんですね……私、こんなに昂奮したの、ひょっとしたら初めてかも知れない……」好いた女から自らの男性力を称えられ、高橋は感動した。

「僕も随分と昂奮して……その、触られてもないのに、危うく出ちゃうところでした」と苦笑しながら言った。「優子さん、あの、とっても素敵で……セクシーなものだから」

「そんな……」と照れ隠しに視線を落とす優子。「五十もとうに過ぎたオバサンだから、私、高橋さんがどう思うだろうかって……」

「そんなの、ちっとも気になりませんよ!」

「そう……?」

「ええ。第一、佐藤さんが五十すぎなら僕はもう六十です。それに……佐藤さんの体、本当に素敵で、そんな年齢なんて感じさせませんよ」慌ててまくしたてる高橋を見て優子は、小さく吹き出した。そして、

「……それなら嬉しいです。登山で鍛えたお陰かな? 私の体も……高橋さんの体も」と言って、いたずらっぽく笑った。そして手を伸ばして、高橋の胸板にそっと触れた。

「鼓動が聞こえます。トクトクしてる」そう優子は小さく呟くと、

「トクトク、もっと速くさせてあげます」

 と言いながら、手を高橋の陰部へと伸ばした。男の視線が、女のほっそりとした指に釘付けになる。

 

 高橋とねっとりと舌を絡ませながら、優子は一定のリズムで彼の陰茎をしごいていた。かつもう片方の手で、彼の乳首を弄ぶ。「ん……んぅ……」高橋はくぐもった愉悦の声を小さくあげながら、その両手は優子の体中を夢中で撫で回していた。

「気持ちいいですか……?」

「はい、とっても……もう、いつ射精(で)てもおかしくないくらいに」高橋がそう答えるのを聞くと、優子はふふっと笑って、

「射精(だ)してもらいたいけど……でも、ちょっと待ってほしいです」といって、陰茎をしごく手をゆるめた。そして高橋の目を見つめて、

「あの、私も、口でしても、いいですか……?」と尋ねた。

「いいんですか……?」

「はい、さっき私もいっぱい気持ちよくしてもらったし、それに……してみたいんです」優子は照れたように目を伏せた。

 

「じゃあ、いきますね……」

 ベッドの上に膝立ちになった高橋の前にかがみこんだ優子は、目の前で屹立する陰茎をそっと手に取り、しばしその姿を眺めると、顔を近付けて、亀頭にチロチロと舌を這わせた。次いで、亀頭を咥え込んで、口中で舌を動かして刺激した。その様子を見下ろす高橋。

(佐藤さんに、口でさせちゃってるよ……)背徳感が、快感を倍加させる。

 亀頭を堪能した優子は口を開き気味にして、陰茎の三分の二ほどを徐々に口中に収めた。そして陰茎の根元を片手で握ると、ゆっくりと頭を前後に動かし始めた。陰茎全体が柔らかく暖かい感触に包まれる。高橋の口から、徐々に快楽の声が洩れだした。

「うっ、うっ……はぁ、佐藤さん、とても気持ちいいです……」

「ほんと?」、陰茎から口を離して、嬉しそうに見上げて言う。

「はい、すごく、いやしくて……興奮します」

「ふふ……ね、高橋さん、私のこと、『スケベな女』って、呼んでみてもらえます? ……そうしたら、もっといやらしくなれる気がする」

「これ以上ですか?」

「ははっ……ねっ、試しに」

「分かりました……じゃあ、また舐めてみてもらえますか」

「うん……」優子はいきり立つ陰茎をしごきながら、亀頭に舌を這わせる。

「あぁ……佐藤さん、そんなに美味しそうに僕のチンポを舐めるなんて、あなたって……スケベな女だったんですね……!」

「あぁん、ゾクゾクする……!」と女は小さく叫んで、再び陰茎を深く咥えこんだ。手で根元をしごきながら、ぐっぽぐっぽと速いペースで肉棒を刺激する。「んっ、んっ……」切なげに目を閉じて、官能の声がその口許から洩れていた。

 

4.

 欲情した優子は速いペースでフェラチオを続けていたが、「あの、ちょっと……」という高橋の声で動きを止めた。

「あ……痛かったですか?」

「いえいえ、そういうわけじゃないんですが、実は僕からもお願いがあって……その、スケベな優子さんに」

「なぁに?」微笑んで優子は訊く。

「あの……舐めながら、僕の顔に、またがってもらいたくって……あの、舐めっこがしたいんです」

 いわゆるシックスナインをご所望なのだと、優子は理解した。高橋の目の前に自分の尻と膣がどアップで迫るのを想像して少しひるんだが、ここで退くつもりはない。

「わかりました、やりましょ……!」と明るく囁いた。

「じゃあ、僕、寝ますんで、上にまたがってもらえますか」

「はい……うまくできるかしら」

 優子は、仰向けに寝転んだ高橋の陰茎の辺りに自分の顔が来るようにし、両足をまたいで高橋の肩の外側辺りに置いた。そして、ゆっくりと陰部を高橋の顔の辺りに下ろしていった。

(はずかしい……!)

 舐められるのはさっきと同じとは言っても、自分から陰部を相手の顔に近づけていくのには、やはり強い羞恥心を覚えた。やがて男の両手が優子の尻を撫でたと思うと、膣口に強い快感が走った。高橋がクンニリングスを始めたのである。

「あぁんっ……!」

 先ほどのように、舐められる快楽に身を任せたくなるが、今は自分にも同じ役目があるのだ。優子は顔を陰茎に近づけると、改めて男のものを眺めた。血管が浮き出た、弾力性のある肉棒。膨らんだ先端部が、赤黒くつやつやとしている。(さっきよりも太くなってる気がする……)優子は口を開くと、一気に根元辺りまで咥え込み、鼻腔から息を洩らしながら顔を上下に動かし始めた。

(私、おマンコ舐められながら、おチンポしゃぶってる……!)

 今の自分の状況を改めて認識すると、優子は顔が火照るほど興奮した。少し前、食堂で学生達の性交をのぞき見した時には、自分が肉欲にとりつかれるような気がして怖くなったが、今の私はまさに肉欲のままに彼を求め、そして求められている。舐められることも、舐めることも、同じように性的快感だった。優子は口に男のものを含みながら何度も悦楽の声を上げた。

 我を忘れたように肉棒を味わっていると、いつしか肉棒がはちきれんばかりに張り詰めていることに、優子は気付いた。細かく振動しているようでもある。

(これは……)

 優子は陰茎から口を離して、

「あの、高橋さん、ひょっとして……」

「はい……ちょっともう、イキそうです……」男は白状した。

「あの、一旦、僕だけが舐めるようにしてもいいですか」

「はい……あの、姿勢は?」

「じゃあ……今度は僕の方を向いて、その……あそこ(ヽヽヽ)を、僕の顔に押しつけるようにしてもらえますか?」

「え? ……はい」

 恥ずかしさをこらえながら、優子は高橋の顔をまたぐと、そこから蹲踞のようにして腰を落とし、女の秘所を高橋の口許へゆっくりとあてがっていった。まるで辱めの罰を受けているような気分を感じたが、それでいて陰部は昂奮にうずいていた。

 優子の陰部が、高橋の口をそっと覆った。

 と、先ほどよりも強い刺激が優子を襲った。ぴったりと陰部を口にあてがっているので、舌がよりダイレクトに膣を攻め立ててくるのだった。

「あっ……! キモチいいっ……あぁんっ……!」

 官能に揺さぶられて、腰をかがめた姿勢で全裸の優子は甘い声を上げる。一点への刺激に全身が反応している。乳首が痛いほど勃起しているのを感じた。そして女のもう一つの勃起箇所――陰核を、今まさに男の舌が容赦なく攻め立てた。

「はぁあああっ! いいッ! それいいわあぁ……! あっあっ、頂戴っ……! もっとぉ、ああんっ……!」

 陰核への執拗な舌の愛撫に、理性を失ったようにひたすら性の快楽を優子は表出した。絶え間ない陰部への刺激、そしてそれを更に増幅させようと、優子の指は乱暴に乳首をつまみ、また時には陰核をさえ己で刺激した。その興奮が高橋にも伝わり、口淫は一層熱を帯びた。優子の臀部が小刻みに震えだすのを高橋は舌で感じた――絶頂がすぐそこまで来ている。高橋が舌の動きを更に強めると、優子の腰がガクガクと震えだした。

「ああっ、イクイクイクっ、イっちゃう、高橋さんっ……! あたし、このままイッちゃいますっ…………ああぁっ!!」

 最後に一際大きなよがり声を上げて、優子の腰は高橋の顔の真上でビクン!と大きく震えた。しかし高橋は舐めるのをやめなかった――勢いは大きくセーブしたものの、そのまま舌による愛撫を続ける。優子もまた、絶頂の只中にありながら己の乳首と陰核をぐりぐりと刺激し続けていた。かたく目をつぶった女の顔は苦しげであったが、そこから荒く洩れる息は確かに快楽のそれであった。

 

 * * *

 

 長いオーガズムを終えた優子は高橋の顔からそっと降りて、傍にぺたんと座った。軽く一息つき、目を開けると、興奮さめやらぬといった体でとうとうと話し出した。

「すごくイっちゃった……。さっき舐めてもらった時もとっても素敵だったんですけど、でも今のは……ほんと、すごかったです。自分でもワケが分からなくなっちゃったみたいな感じで……」

「舐められてそんなに激しく感じるなんて……いやらしいですね」と高橋は冗談めかして言った。優子は小さく頷く。

「そう……私、高橋さんのお口にハマっちゃったみたい」と言うと、おかしげにフフっと笑った。

「……でも、そろそろ……」

 言い淀みながら、優子は、高橋の怒張した亀頭に人差し指で軽く触れた――そしてその人差し指で、今度は自分の花弁をそっとなぞった。

「そろそろ、欲しいです、ここに……」

 

【つづく】

 

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