恋人の不知火を他人に抱かせる話 作:阿部
「ていうか盗撮じゃないですか」
「失礼ね。私と司令の寝室なんだから盗撮じゃないわよ。防犯カメラよ防犯カメラ」
「防犯カメラが犯罪に使われてる……」
今回の演習は二日間日程が取られていて、昨日とはまた別の駆逐艦娘たちが今頃不知火相手に海の上を右往左往していることだろう。先輩後輩こそあるものの階級はまだ同じで、高練度駆逐艦である不知火を連れてきている僕はいわゆる胸を貸す側なので、立ち会い等も必須ではなくかなり自由に時間を使えるようになっていた。
不知火も演習に行ってしまいさてどうしよう、と悩んでいた僕の前にタブレットを携えながら現れたのが陽炎さんである。
「これ、不知火に許可は取ってあるんですか?」
「ううん。なんなら司令の許可ももらってないわよ」
「ガチ盗撮じゃないですか」
「司令の浮気予防のカメラなのよ。2人のプライベートが映ってしまったのは不運な事故ね」
「……もしかして、見たら怒られるやつじゃないですか?」
「多分ね。だからこれは、義弟くんと私だけの秘密ってことで♡」
全然艶っぽくなかった。呆れ返っている僕を尻目に、陽炎さんはタブレットを立ち上げてなにか操作を始めた。それから机をベッドの傍に引き寄せると、その上にタブレットを斜めに立てて僕をベッドへ誘った。
「はいこれ。ひとつしかないから、左耳だけで我慢してね。私も聞きたいし」
そう言って、既に片側を自分の耳に差し込んだワイヤレスイヤホンを差し出した。できるだけ長めに調整してあるようだったがそれでも大した長さのないイヤホンは、2人で使うならば身体を密着させなくてはならなかった。恋人でもない人とそんな距離にいることは何度やっても慣れない。今から見るのが恋人のセックス映像とくるとなおさらだ。
「えーとっと、ここら辺かな?」
陽炎さんの操作によってプレイヤーが立ち上がる。画面に映ったちょっと暗い室内には、誰も見当たらなかった。正確なところはわからないが、僕たち4人で食事をしていた頃ではないだろうか。
「ん~まだか。じゃこの辺かな」
そう言って陽炎さんが時間を飛ばした瞬間、イヤホンから大きな、まるで獣のような声が聞こえだした。女性の声と、激しく軋むベッドの音。一瞬遅れて画面にも映像が映る。
『やっ♡あっ♡あっ♡やぁだ♡しれ、これ、強すぎだって、ばぁ♡』
『その方が好きだろ?』
『そう、だけどぉ♡』
『あいつのためにもしっかり準備しといてやらないとな』
『準備って、あ♡んっ♡んっ♡やっ!♡』
僕は目を奪われた。ベッドの上で激しく跳ねるのは、大柄ながら余分な肉はどこにもない先輩の鍛えられた身体。対面座位で、先輩が跳ねる度に僕のモノとは比べるのも烏滸がましいほどの巨根が、少女の身体を出入りしているのがはっきりと見える。それほどのモノを受け入れながら愛液を垂れ流し嬌声をあげているのは、狐色の髪をツインテールにした少女――――
「あの、これ陽r」
バタッ、という音とともにタブレットが倒されるのとイヤホンの電源がオフになるのがほぼ同時だった。
「何か見た?」
「えっと」
「見た?」
「見てないです……」
僕は戦略的撤退のできる提督だった。大破進軍はしないし、羅針盤が変なルートに行ったり空母が中破したら即諦めることのできるタイプなのだ。スナイプカットインとか期待しないのである。
陽炎さんはちょっと顔を赤くしたまま、タブレットを僕から見えない方向に向けて操作し始めた。シークバーをちょこちょこいじっているらしい。結構時間がかかっていて、なかなかいいタイミングを見つけられないのかな、とか思ったが、表情を見るに先の方を流し見ているらしかった。しばらくやって満足が行ったのか、またシークバーを細かく動かすと僕の横へと戻ってきた。赤かった筈の頬には、もう楽しげな笑みが浮かんでいて。
「ちょっと見たけど、義弟くん絶対楽しめると思うよ。んふふっ♡」
斜めからベッドを捉えるような角度で、ベッドに腰かけたバスローブ姿の先輩とその前に立つ全裸の不知火が中央に映っていた。不知火の絹のように滑らかな背中と、僅かに見える朱に染まった頬。羞恥を隠しきれずにはいたが、それでも屹立する不知火の立ち姿には、見るものを魅了するような強さがあった。
もっとも。その力強い凛々しさは、5分すら保ちはしなかったが。
『あんっ……ふ、くっ……んっ、んっ、やっ、』
『ほら、不知火くん。姿勢が下がってきたぞ』
先輩の声に反発するように、不知火が背中を真っ直ぐにあげようとする。しかしその健気な反骨心は、不知火の胸と股間の位置に当てられた先輩の手が振動するだけであっさりと折られた。
『んやぁっ♡』
不意を突かれた不知火がなんとか先輩の肩に手を置くことで姿勢を留める。先輩は容赦しなかった。激しく手を動かすと、部屋中に響くほどの水音を鳴らしながら不知火を責め立てる。
僕としている時に、不知火があれほど濡れたことがあっただろうか。よくないと思いつつも、そういう思考が回った。
『結構解れてきたかな。というか、ずいぶん濡れやすいね不知火くん。こうされるのが好きなのかな?』
『違い、ますっ。こんなの、別に、』
『そうなのか。でも、ここ虐めてあげるとすごい反応するけどね』
『あっ♡待って下さい、そこ、はぁ♡』
快感に呻いた不知火の背中が丸くなり、その顔を先輩のすぐ傍に寄せた。キスをする。僕はそう思ったが、ちょっと突き出されてきた先輩の顔を不知火が避けた。
先輩が楽しそうに笑う。
『……すみません』
『いや、みんなそんなものだよ。初めては特に』
笑ったまま、先輩は不知火を責め立てた。不知火には抗う術などなかった。ほんの数分前にはクールに先輩を見下ろしていたはずの不知火は今や顔を上げる余裕すらなく、ただ必死に先輩にしがみつきながら快感をなんとか逃がそうとするかのように頭を振り、やがて、大きく開かれた先輩の股の間に跪くかのように崩折れた。1人の少女が堕ちていく様を切り取ったかのような、そんな数分。
息も荒く、ベッドのふちに肘を着いている不知火の前で、先輩がバスローブを脱いだ。さっき一瞬だけ見た屈強な身体。その股間には身体に見合った、あるいは身体すら凌いだ豪槍が屹立していた。
先輩がそれを不知火の鼻先へ寄せる。その大きさに不知火が動揺したのが、見開かれた目からはっきりとわかった。
『不知火くん。これがなにかわかる?』
『ぺニス、ですか』
『そうだね。でもちょっと味気ないかな。こういうプレイをする人間はまた違う言葉を使ったりするよ。そうやって盛り上げるのさ』
『……司令も、そういう言葉で盛り上がるんでしょうか』
『多分ね』
『……それは、例えば?』
『オチンチンとか、オチンポとか。人によってはさらに使い分けるけど』
『使い分け?』
『例えば、大きいぺニスはオチンポと呼んで、小さいぺニスをオチンチンって呼んだりしてさ』
『それはなんというか……淫ら、ですね』
『でしょ。だから不知火くんもこういう言葉を使うこと。これは命令だよ。あいつもその方が喜ぶだろうし』
『それならば、まあ』
喋りながら先輩はさらに前へ腰を出した。
『俺の、どうかな?』
『えっ?』
『俺のはどっちかな、不知火くんから見て』
『……オチンポ、です』
『じゃ、あいつのは?』
『…………それは』
『俺は、あいつと風呂に入ったりしたこともあるし、猥談だってやった。その時の記憶と陽炎から聞いたAVなんかのラインナップで、大体わかってるつもりだけど』
普段の不知火なら、即座に否定したかもしれない。しかしスワッピングという特殊なプレイと、目の前に突きつけられた先輩のぺニスとが、嘘でも否定するという行動を不知火から奪っていた。
『そんなの……』
『ま、大きな声では言えないか』
そう言って、先輩は不知火をちょっと起こすと耳を寄せた。不知火は逡巡していたが、やがてなにかを先輩に伝えた。
『よく言えました』
それだけだった。不知火が何を言ったのか、この映像では確認できない。しかし、
「何言ったんだろうね、不知火」
愉しそうに陽炎さんが呟いた。僕にも彼女にも、不知火の答えはわかっていた。
「まさか、大事な恋人のぺニスを、オチンチンなんて言っちゃったのかな?ね、義弟くんはどう思う?」
わかっていても、陽炎さんの問いには答えられなかった。喉がひりついて、唾を飲み込むのでいっぱいだった。ようやく嚥下した僕の喉を、猫でも可愛がるように撫でながら
「でも、私は好きだよ?義弟くんのオ・チ・ン・チ・ン♡」
陽炎さんは、そう笑った。
『実はさっきまで陽炎とシててね。シャワーは浴びたけど、2回もイったからまだ匂うかな』
『ふっ、ん、ふっ、ふっ』
白々しく語る先輩の股の間で横目をとろけさせた不知火が、必死に呼吸していた。動かないこと。口を閉じておくこと。2つの命令を律儀に守ろうと鼻をひくつかせている不知火の顔を、先輩のぺニスが遠慮もなく蹂躙していく。時には不知火の頭を押さえ、鼻先をぺニスの根元へと埋めさせたりもしていた。
『口、開いてるよ』
10分ほどだっただろうか。限界を迎えた不知火の顎先から、よだれが一筋線を引いて垂れた。カメラに背を向けている不知火の表情は窺えないが、膝まで垂れてなお途切れないその糸が、心情を代弁しているような気がする。
先輩はなにも言わず、ただ空へと反り返るようなその肉棒を不知火の口元へ寄せた。唾液の糸をその槍が断ち切ると、垂らした粘液を追いかけるかのように不知火が顔を降ろした。
『んちゅ、ぱっ、ちゅ、んっ、んっ』
『奥まで頑張れる?』
『ん……ちゅ、ちゅ、ちゅ、くちゅくちゅ、くちゅ』
『いいね。じゃ、カリのとこ唇の裏側で擦って。カリ、わかる?』
それから先輩が射精するまで、不知火が言葉を発することはなかった。指示されるままに頬張り、しゃぶり、舌を這わせ、キスをして、深くまで咥え込む。飼い慣らされたかのように従順なその姿も、やはり僕には衝撃的だった。
やがて、口で亀頭を、右手で陰茎を、左手で袋をそれぞれ愛撫させながら先輩は不知火の口内に精を吐き出した。
『それ飲める?あー無理っぽいかな?飲んだ方が、たぶんあいつも興奮すると思うけど。ちょっとまって』
諸々の処理を手早く済ませると、先輩は不知火を抱き抱えてベッドの上へと寝かせた。そして自身はベッドの脇にあるコンドームを手に取り、封を開いた。
『嘘、なんで』
『なにかな?』
『……今、射精したばかりではないですか。なんで……萎えてない……』
『不知火くんがエロいからね。思ったより、興奮してるよ』
『……陽炎と2回してきたのではないのですか?』
『そうだけど、まだまだだよ。陽炎とするときも3回では終わらないんだ』
言葉通り、コンドームを纏ったぺニスは射精前と比べても違いがわからないぐらいに逞しかった。その逞しいぺニスを不知火の女性器へと近付けながら、先輩は不知火のそこを指で擦った。ピチャッ、という水音がカメラにはっきりと捉えられている。
『不知火くんの方も準備万端っぽいね』
『あまり言わないでください……そういうことは』
『なんで?いいと思うよ、恋人以外でもこんなに濡れちゃうおまんこ』
『やっ!ほんとに、それは』
『浮気セックスで気持ちよくなろうか。それがあいつの希望な訳だし』
これはプレイを通して一貫していることだけど、先輩は僕のための行為だということをたびたび強調する。1回2回ならともかく、めまぐるしく翻弄される中で何度も囁かれた言葉は、不知火の心のどこかを緩めていた。
『……浮気じゃないです』
『そうかい?恋人以外のオチンポ挿れられても浮気じゃない?』
『それは……でも』
先輩が腰を突き出す。はっきりとは見えないが、先端はもう触れ合ってるのか、あるいは。
答えは、すぐにわかった。
『ちょ♡っと』
『挿入った?』
『…………』
『命令。挿入った?』
『……挿入ってます……』
『これでもまだ浮気じゃない?』
『……浮気、です』
『そうだよね。でもまだ、これ先っぽだけなんだけどさ』
先輩は一旦言葉を切ると
『奥まで挿れて、浮気セックス始めていい?』
そうやって不知火の言葉を誘った。薄々わかってはいたけれど先輩は結構なSで、この辺りからそれは剥き出しにされていく。その言葉責めが襲いかかるのは当然、不知火だ。
『…………どうぞ』
『入口、拡がっちゃってるのわかるかい?』
『んっ♡やっ、……わかり、ますけど』
『奥まで挿れちゃっていいの?俺のはオチンポだけど、あいつのはオチンチンなんでしょ?』
『やっ、もう……』
『奥まで拡げちゃっていいの?』
『だって……そういうプレイ、じゃないんですか?』
『そうだよ。だから、言葉にして欲しいだけ』
『…………奥まで、ください』
『もうちょっと欲しいかな』
あいつのためだから。先輩は言葉にせず、態度からその意思を醸し出していて、たぶん不知火にもそれは伝わっていた。
『……おまんこ、拡げてしまって構いませんから、奥までください……』
目の前がチカチカした。ぐらりと、世界が揺れたような気も。
『やっ♡これ、ほんとにおっき♡あっ、あっ、提督さん、ちょっ、と、ま♡やっ♡』
『姉妹艦だからやっぱりちょっと似てるのかな。小柄な割りに奥まで長さがあって』
『んっ♡んっ♡んっ♡あっ♡』
『それなりにサイズがないと届かせるのは厳しいかな。ま、せっかくの機会だし不知火くんも楽しみなよ』
『やだっ♡奥、すご♡んっ……楽しく、なんて、あっ♡』
『そうかな?すごい声、出てるけどね』
『だって、……固いし、熱い……』
『奥はどう?良い?』
『……知らないです』
『そうか。じゃ、もっと突いてわからせてあげなきゃな』
『嘘、まって♡あん♡あっあ♡やぁあ♡』
嬌声が続く。僕は画面を見て、胸の苦しさに耐えきれなくなっては下を向くことを繰り返した。胃液があがってくるのではないか、というような感覚を覚えるほどに苦しいのに、俯いた視界に入るズボンは小さくテントを張っていた。
「ていうか、私の膣事情が暴露されてるんだけど。まったく司令ってば」
陽炎さんの呑気な声が降ってくる。その声の日常感に釣られて顔を上げた僕の目に入ってきたのは、体位を変え背面座位で繋がる不知火と先輩の姿だった。ちょうどカメラに向かう角度になっていて、よく知っているはずの不知火のアソコがまったく知らない形まで拡げられているのが。そこを我が物顔で往復する僕以外のぺニスがはっきりと見えた。太ももを掴んだ手によって大きく足を開かれた格好は普段の不知火なら万に一つも受け入れないものだったが、映像の不知火にはもはや羞恥もなにもなく、快感に翻弄されていた。
「不知火、この時のことなにか言ってた?」
「……奥まで挿れられた辺りから記憶が曖昧らしいですけど」
あー、と陽炎さんが納得するような声をあげる。
「私も最初の頃はそうだったなぁ。さんざん前戯で溶かされた後にアレ挿れられちゃうとね」
「すると?」
「気持ち良すぎて全部吹っ飛ぶっていうか。訳わかんなくなっちゃうのよね。でさ、司令ってだいぶSだからね?快感を処理できなくなってるとこにさらに快感送りこんできたりして、もうめちゃくちゃ」
「そんなに、ですか……」
「私、最後には気絶しちゃったからね」
からからと陽炎さんが笑う。でもその話す内容は快楽による拷問のようにも思えるもので、それが不知火を襲ったという事実に僕はまたぺニスを震わせた。
映像の中の2人はまた体位を変えていた。後輩位で、最初不知火は手で身体を支えようとしたようだが、叶わず肘をついた。どんな戦場でも戦い抜くはずの不知火の腕は、先輩のセックスの前に上体を支えることすらできなくなっていたのだ。
『もう20分もないくらいか』
カメラの上にあるらしい時計を見て、先輩は言った。もはや焦点すら危うかった不知火の目に、わずかばかり力が戻った。
『時間……』
『うん?』
『司令に、2時間で帰ると約束しました、から』
『そうだね』
『ですので、提督さん。時間までにはっ、♡あっ♡』
『そうだな。じゃあちょっと、本気でピストンするから』
『本気って、え?やっ♡はあっ!あっあ!だ、やっあ♡強、すぎ♡あっあん、やだっく、ああぁ♡』
ベッドが軋む。ピストンのテンポが明らかに上がり、その割りにストロークは全く衰えていなかった。
『まって、くださ♡いっ!♡これ、強すぎっ』
『でも時間がないだろう?』
『そうで、すけどっ♡あっあ♡』
『やっぱり姉妹だな。陽炎との始めての時もこれぐらいしたけど、気持ち良さそうにしていたよ。最後には気絶してしまったけどね』
『気絶なんて、そんなの、したら、んくっ♡時間がっ♡』
『確かに、あいつのとこに帰るの遅れちゃうかもね』
『ダメです、そんなっ。約束、が』
『でも、不知火くんがしっかりとしてれば大丈夫じゃないかな』
『無理っ♡無理ですっ、こんなの♡』
『なんでだい?そんなに浮気オチンポいいのか?』
『いいっです♡オチンポ、強くて、不知火、が、耐えきれなっ♡いからっ♡』
バチン!と。
大きな打擲音とともに、密着した状態で2人の動きが止まった。
『俺は、激しくしたいんだけど』
『……無理、です。本当に無理……』
『プレイは全部俺に任せる、だったよね?』
『そうですけど……でも、無理です』
『どうしても?』
『はい……司令との約束は、守りたいんです』
「不知火……」
不思議なことに、その言葉だけでさっきまでの不調はどこかに行ってしまった。自分で寝取らせている癖に、その光景を見ると不調をきたし、愛を感じる一言で回復したりする。我ながら馬鹿みたいだったけど、でも僕は今満たされていた。
そんな、僕が奇妙な感動を覚えている中、2人はまた腰を動かし始めた。
『んっんっんっ♡あん♡は、あぁ♡』
『まあ、これでも気持ちいいはいいけどね。でも、俺に任せるって話だったよね』
『んっや♡ごめ、ごめんなさい♡でも、時間には、帰らないと』
『じゃあ、代わりの条件を付けようか。それで俺も納得できるし』
『んっ♡条、件?あっや♡あん♡』
『そうだな。じゃあ、不知火くんが俺のセフレになるっていうのは?その代わり、手加減セックスにしてあげるよ』
『なっ、にを、そんなの無理、あっ♡』
『常にとは言わないさ。俺と会う時で、そうだな、俺が『不知火ちゃん』ってちゃん付けで呼んだらそこからは俺のセフレ』
『無理に、決まってるじゃ、ないですか、そんなの』
『じゃ、激しくするね』
パンッ!パンッ!パンッ!
『あっ!あっ!ダメ、これ♡やっあ!こ、の、ピストン、ダメです♡』
『トんじゃう?』
『トんで、しまいます♡あっ、あっ、あっ!』
『大丈夫だよ。意識トんじゃっても、起きるまでセックスしてあげるから。時間は過ぎちゃうかもしれないけど』
『それも、ダメっ♡』
『どっちかだよ、不知火くん。どっちでも、あいつは興奮すると思うけど』
『そんな。そんなの、あっ♡』
『不知火くんがこっちにいる間は、向こうには陽炎が行っておくからさ。あいつも退屈はしないよ』
『陽炎が、んあ♡ああっ♡やっ♡』
不知火の表情にまた別のものが過った。僕の見間違いでなければ、たぶん嫉妬だったと思う。そして、この極限状態での嫉妬は、不知火の思考回路や倫理に大きなショックを与えた。そう、嫉妬が与えたショックなのだ。会話を聞きながら、僕は自分に言い聞かせた。
『…………なります』
『うん?』
『……なりますから、セックス、手加減してください』
『なにになるんだい?』
『ですから、提督さんの、その』
先輩が、ゆっくりと奥をなぞるように、円を描きながら腰を前後させる。
『ん♡ん♡』
『しっかり言葉にしなよ。ダメだったら、またピストン始めるから』
『…………ちゃん付けで呼ばれた時は、提督さんのセフレに、なりますから。ですから、手加減セックスしてください……』
『本気セックスされると負けちゃう?意識トんじゃうんだ?』
『……はい』
『セックス勝てないから手加減して欲しい?』
『そう、です』
あるいは、いくつもの戦場を越えてきて初めての、不知火の敗北宣言だったのではないか。いや、間違いなくそうだ。演習で陽炎さんに負けた時でも、自分の敗北を認めこそすれ、手加減して欲しいなど絶対に口にしなかった。闘志を持っていた。それが今、ベッドの上という限られた戦場ではあるけれど、先輩のセックスによって折られていた。
『じゃ、ちゃんと加減してあげるよ。