「悪いな、相棒。少し待っててくれ」
そうハッサンがレックに声をかけて、どこかへと消える。
ここはある森の中。
馬のファルシオンを連れて2人と一匹となった彼らの旅の道中の話の事だ。
何かを思い出したかのように、ハッサンは、レックとファルシオンを置いて、どこかに行ってしまった。
しかし、ここ一体の魔物は、強く感じられた。
ハッサンがいれば心強く感じられていたものの、相手の攻撃は強かった。レックは、その強さを肌でひしひしと感じていた。
そんな事を考えているうちに、彼はまた一つ疑問に思う事があった。
たまにハッサンは先ほどのように「悪いが待っててもらえないか」と言い放ち、自分を待たせてどこかへと消えてしまうことだ。
何をしに行っているのかはわからなかった。
戻ってきたとしても、食べ物を持ってきていなかったので、食料の補給のためにいなくなっているわけではなかったようだ。
まあ、自分を置いて一人だけで食料を探すというのも、変な話なのだが…。
2人なら魔物は対処できる。だが、1人だとさすがにやられてしまう危険性はあるだろう。
ファルシオンは普通の馬よりも大きく、美しい。毛並みは洗ったかのようにつややかに光っている。
顔もどこか穏やかな顔つきだ。
そんなことよりも、ハッサンが気になって仕方がない。
「ファルシオン悪い。すぐに戻るから、ここで待っていてくれないか」
「ひひん」
レックのお願いに応えるかのように、ファルシオンが鳴く。
レックはそれを確認してから、ハッサンの後を追いかける。
ハッサンは走って消えたというわけではないので、すぐにでも追いつけそうだ。
彼を放っておくわけにもいかない。屈強な肉体を持つ彼でも、強い魔物に数体囲まれれば分が悪い…。
ハッサンは、どこにいるだろうか? あたりを見渡すと、すぐそこにいた。
レックは彼の姿を目撃する。ハッサンに気づかれないように、慌ててしゃがんで草むらの中に身を隠す。
そして、隙間からハッサンの様子を伺うことにした。
「ふぅ~…。さっきは食いすぎたな。ま、でも、どっさり出せそうだよな」
そう独り言をつぶやきながら、ハッサンは履いている短めのズボンを脱ぎ捨てる。
太ももまでも豪快に露出させた、かなり短めのズボンだ。
股間部分を巻き付けるかのように、ズボンに布が巻かれるかのようにあった。
ほとんど裸に近い姿のハッサンがズボンを脱いだことにより、もはや裸だった。
下半身は足に履いている黒い靴だけだった。
黒い靴から、白い靴下が見えている…。
黒く光る生脚は筋肉質で美脚だった。
同じ男性が見ても惚れ惚れするほどの脚だ。
そして、ズボンを脱ぎ捨てたことによって露わになったムッキムキのお尻。
褐色の肌で岩のように凹凸があったそのお尻は、男性の魅力を引き立てるには十分すぎるものだった。
そんな彼が脱ぎ捨てたズボンを拾い上げると、自分の荷物袋の中へとしまう。
「これでよしっと……」
満足そうな笑みを浮かべると、彼はその場にしゃがみ込む。
ハッサンが今いるのは茂みが生い茂る、森の中だ。
ここには人一人の気配もない。
そんな様子を、仲間であるレックが見ていることも知らずに。
森の中にそよ風が吹いてきたようだ。
冷たくて心地よい風が、ハッサンの大きな男根を冷やしている。
さわやかな風にあてられた男根がぷるん、と若干振動を放つ。
「いい風だぁ…」
気持ちよさそうにハッサンは呟いた。
レックは相変わらず、しゃがみこんだ状態で草むらの中から彼の動向を見守っている。
(悪いな、ファルシオン…)
心の中でそうファルシオンに謝罪するレック。
ファルシオンと命名したのはハッサンだ。この美しい馬にはぴったりの名前だ。
本来「ファルシオン」とは曲刀を意味する言葉なのだが、なぜか彼女にはしっくりくる名前だった。
彼女はどういうわけかレックとハッサンに懐いていた。
元は森の野生の暴れ馬だったのだが、そんな彼女が、レイドックの兵の命により派遣された二人に捕獲された際に顔を舐めて嬉しそうにしていたのだ。
どういうわけか不明だが、悪い馬ではないのは二人は確信していた。
そんな中、ハッサンに動きがあったようだ…。
「ふんぬっ…」
下半身を完全に露出させてしゃがんだハッサンが力みだした。
お尻に力を入れているようだ。
顔を赤くして、歯を食いしばっている。
すると、お腹が膨らんできた。
どうやら、何かを出そうとしているようだ。
「んぐぅ……!」
ハッサンは苦しげな声を上げる。
そして、次の瞬間、 ブゥーッ!と、大きいおならが彼の肛門から出てきたようだ。
そのおならは、様子を見ていたレックのところにも臭ってきたようだ。
「うぅ…。くさい…」
レックは鼻をつまむ。先ほど肉をいっぱい食べたのか、おならがかなり臭かったようだ。
筋肉質のハッサンは、肉を好んでもぐもぐと食べている。
昨日だってかなりの量のサーロインステーキを一人で頬張ってしまったくらいだ。
「ふぃ~……。まずは第一関門突破だ」
大きく息をして、お腹のガスを出し切ったハッサンが、大きなお尻をさすっている。
こんなところでおならをするなんて……。
レックは、呆れ果ててしまったようだ。
「さ、次だ…」
ハッサンがそう呟き、同じ体制でもう一度お尻に力を入れて力み始めた。
「ううん…。くっ…!」
何やらきばっているようだ。レックは薄々感じていた。後に起きることを。
そして、レックの予感は当たっていたようだ。
「んんっ…!」
ハッサンのお尻が震えている。何かが飛び出てきそうな感じだ。
森の中で、何かが出てくる。
「ふぅぅうぅぅんぬっ!!」
気合の入った掛け声と共に、彼のお尻から勢いよく何かが出てきた。
茶色くて丸い物体だ。
それは地面へと落ちていく。地面に落下してもなお、その物体からは湯気が出続けている。
大きく立派な茶色い物体は、ハッサンのお尻から豪快に、もりもりと出てきていた。
日ごろ、肉の食べ過ぎことによるものかは不明だが、その大きさはすごいものだった。
彼の大きな身体と同じくらいに、その茶色の塊は大きかった。
「はぁ~、すっきりしたぜ」
ハッサンは大きくため息をつく。
彼から出たのは、巨大な糞だった。
それも、特大サイズの……。
「あ~、くせぇなぁ……。ま、でも、やっぱり出すもん出せば爽やかな気分になるな」
うんちを出し終えたハッサンはその辺にあった葉っぱでお尻を拭き始めた。
何枚か落ちていたので、拭いては捨て、また拭いては捨てを繰り返し、お尻を綺麗にしていく。
「なんだよ、ひとりで脱糞かい…」
レックは呆れ気味で、彼のおしりふきを見守っていた。
そしてハッサンに気づかれないように、そのままの体制でファルシオンの元へと戻っていった。
「ごめんよ、ファルシオン……。待たせたね……」
「ひひん」
ファルシオンの頭を撫でながら謝るレック。
ファルシオンは嬉しそうにしている。
「ああ、ハッサンならもう戻ってくると思うから、しばらく待っててようか」
「ヒヒン!」
レックとファルシオンが待っていると、森の奥からハッサンが戻ってきたようだ。
「おお!すまんすまん。じゃ、行こうか」
ハッサンがすっきりしたような笑顔で、レックに話しかけてきた。
「ハッサン、随分遅かったな」
「いやあ~。悪い。その分は取り返させてくれよ」
「あ、ああ…」
レックは苦笑いを浮かべて答えた。
先ほど豪快にうんちをしていたこの男、ハッサンだが、この男もまたとんでもない奴なのだ。
レックは心の中でそう思っていた……。