「はぁ...」
男は夜道を歩いていた。
デスマーチ明けの帰り道、久々に我が家に帰れるという
安堵の気持ち、それとは別に感じる大きな孤独感
毎日が仕事仕事仕事
心をすり減らし、上司にこびへつらうだけの日々
酒を飲んで忘れよう...
瞬間、男の意識が宙に舞い。冷たいアスファルトに叩きつけられる。
今までの出来事が頭の中を駆け巡る。
悔いはない、安らかに眠ろう...
人には死の間際、急激に高まる欲求があるという
それはもっとも純粋で原始的な欲。
男の体は、子孫を残そうと最後の力を振り絞る。
それゆえに男は思い出した。自分は童貞であると何も残せなかったと。
激しい後悔だがもう遅い、男は薄れゆく意識の中願う。
一度でもいいからやってみたかったと
男の意識が途切れた....
遠くで音がする。これが死後の世界か
自分なりに精一杯生きたし、次生まれ変わることができるなら
文武両道なイケメンになりたいな...
しかし音はどんどん鮮明になる。
「…きて…ださい」
誰か俺を呼んでる?
意識が覚醒し、瞼が開く
知らない天井だ、ここは何だろう?
天国?地獄?
「おはようございます」
突然横から知らない声がする。
そこには女性が立っていた。
ふとあたりを見渡せば過剰なまでに広い部屋、壁には絵画や謎のオブジェなどの調度品。
俺は死んだはずだと思う。だかこの手に残るシーツの感触などが
これが現実であると俺に認識させる。
しばらく呆けていると再び女性から声がかかる。
「どうかされましたか?」
よくよくその女性を見れば顔立ちの整ったとてもきれいな女性だ。
突如として頭痛が襲ってくる。
それ時は記憶、濁流のように襲ってくるそれに俺は再び意識を手放した。
飯がうまい、俺は朝食をとっていた
あの後俺はすぐに目を覚ましたが
傍らにいた女性は突然倒れたことに驚き、軽くパニックになっていた。
なんとかその場をなだめ今に至るというわけで
流れ込んできた記憶から俺はこの世界のことを理解し始めていた。
まず結論から言えば、ここは日本だ。
だがしかし、元いた世界とは少し違ういわばパラレルワールド
では具体的に何が違うのかといえば
男が圧倒的に少ない世界だということだ。割合でいえば10万人に一人という超希少種。
そんな訳で俺は箱入り息子のようにとても大切に育てられてきたようだ
あぁこんな世界ってこんな世界って...最高だよね~
神様ありがとうございます。哀れな子羊にこんな素敵な世界を授けてくださって。
一時の夢かもしれない世界思う存分楽しませていただきます。
カレンダーを見れば今日は4月1日、私は15歳
それが意味する答えはただ一つ今日から高校生です。
俺は胸に期待を膨らませる
これから始まる性春活動に思いをはせながら...