車に揺られながら外を見る。
道行く人は皆女性。
この異常な光景が違う世界であると改めて俺に実感させる。
今現在、俺は車で学校に向かっている途中だ。
電車で痴漢イベントなどと考えていたのだが、そんな自由が許されるわけもなく今に至るわけだ。
「もうすぐで到着です。」
声の主は先ほどの女性、さっき分かったことだがこの方は俺のお目付け役兼メイドみたいな人だ
最初は俺の母親かなとも思ったのだが、違うらしい
どうやら俺の母親は男の子を生んだ功績で、非常に良い生活をしてるらしく
今は旅行で日本にいないようだった。
昔の話だが、この世界では出生率がとても少なかった。
それはなぜか?理由は男性が極端に性交を嫌うことが原因だった。
加えて女子ばかりが生まれ、男性の数はどんどん減少していったという。
じゃあ出生率を上げればいいじゃないかということで
過去には男性をとらえ無理やり搾精しようともしたらしいが
結果うまくいかず、となれば人工的に造ってみようということにもなったのだが
人工の精子では女性しか生まれなかったらしい
人口問題は解決されたが、人間は欲の塊
無くなれば欲しくなるのが世の常だ
そのうちに男性争奪戦が始まりそれを問題視した政府により
男性は保護されるようになったのだとか
しかしそんなことをしても鬱憤は溜まるし
不満が爆発しかねない状況にもなる
議論の末、政府が出した案が...
「着きました」
「ありがとう」
一言声をかけ、車を降りる。
瞬間、黄色い声援が上がる。
あまりの煩さに耳をふさぐが、そんなことはお構いなしと歓声は鳴りやまない。
これこそが政府の出した答えだった。
ここには多種多様な女性たちが集まる。
表向きはただの高校であるが、その実は大規模なお見合い会場である。
基本的には高校であるため、勉学を学ぶ場所であり
そのほとんどは高校生なのだが、この学校では特別枠を設けており
妊娠が可能であるという条件を満たせばだれでも入学が可能となっている。
だが入学するための倍率はとてつもなく高く、女性の場合は優に1万倍を超える。
選ばれし女性が集まるエリート学校というわけだ。
あたりを見渡せば羨望のまなざしが注がれる。
ひとたび手を振ればあまりの興奮に人が倒れる。
思い返せば、今までの人生でこれほどまでに人々の視線を浴び
熱狂させたことはなかったな。
高校時代を思い返しても、教室の隅で弁当をつついている
陰キャ野郎でしかなかったからな...
だがしかしこんな感傷も過去の話。
俺はこれから始まる学園生活に期待と股間を膨らませ
校門をくぐった。