ビリオンバードの特殊食材を食べる為に、俺達はとある行動を行っていた。
その結果。
「し、死ぬ」「ここまで、腹が減るなんて」「何か食べ物を」
1週間、俺と鬼頭とめぐみんは、ほとんど水しか飲まずに過ごしていた。
その結果、俺達は極限状態まで、腹が減っていた。
「貴方達、その状態は一体」
「食の為ならば、何でもする。
それが、この私だから」
空腹と共になんとか出た声と共に、俺達はそのままえりなに案内された場所へと向かう。
そこで待ち受けていたのは、山程の豪華な料理。
「ビリオンバードだけで作った料理。唐揚げにチキン南蛮、野菜と鶏肉の薬膳タレ炒めにチキンカレーよ」
「おぉ、これが本当に一種類の鳥から作られたんですか!」
それには、めぐみんは驚きを隠せない様子だった。
「えぇ、そうね。ビリオンバードは味に関しては、並の食材ぐらいしかないわ。
けど、身は捨てる部位が一切なく、また栄養も抜群。高タンパクで程よい脂質を持つ肉は勿論のことながら、ビタミンやミネラルを豊富に含む羽毛は野菜の代用品として、滋養強壮に良い足は細かく砕いて穀物代わりに、爪はスパイスにもなり、血はタレにもスープにもなるという」
そう、ビリオンバードについての解説を行っているが、1週間、断食生活を行っていた俺達にとっては、目の前にある食材を食べる事が全てである。
行儀も何もない。
まさしく獣を思わせる食事に、えりなは少し呆れた様子で見ていた。
「何もそこまで慌てなくても」
「本当に素晴らしい。
まさに、仏の鳥だなぁ!」
「けれど、飢餓を救うとは、どういう意味なんですか?」
「弱く飛ぶことができなかったために天敵が多く、種を残す手段として襲われるたびに無限にタマゴを産み落とすんだ。だから、ビリオンバードは無限に増えて、そのまま食料になってくれる」
「私からしたら、ビリオンバードはまだまだ美味しい食事だ。数々の寄食を食べた私からしたらな」
「そうなんですか?」
めぐみんは、それに対して、首を傾げて、尋ねる。
「あぁ、寄食は、その国で食に困った人々が食べた食事だ。
このビリオンバードと比べたら、常人ならば食べられるかどうかも疑わしい物が多い」
「そういう事を考えれば、このビリオンバードは、確かに伝説の鳥ですね」
そう、めぐみんは笑みを浮かべる。
それを見ていたのか、えりなの後ろから出てきたのは一匹の鳥。
「その子は?」
「ビリオンバードよ。
親鳥で、ここまでの料理を作る為に産んでくれた子だけど」
それを聞いて、俺はそのままビリオンバードに近づく。
「本当にありがとうな。
お前のおかげで、改めて食事の大切さを知れたよ」
そう、俺は心からの感謝の言葉を言う。
心の底からの感謝。
それを出す為に、俺は1週間、断食をした。
それと共に、ビリオンバードは笑みを浮かべると共に卵を産んだ。
しかし、その卵は孵らず、そのまま俺に渡す。
「ありがとうな。そして、これだ」
「これって、ビリオンバードの卵?」
「確かにビリオンバードは卵を産むと、そのまま孵るから、卵料理はできなかったけど」
そうしている間に、俺は卵を割り、そのままコップに注ぐ。
「これが俺の求めていたドリンク。
ビリオンバードの卵だ」
「これが?」
そう言いながら、そのまま渡された卵を、一同が飲み始める。
その中身は透き通ったプリンのような弾力を持ち、黄身が拡散して金粉を散りばめたような見た目をしている。
水飴のような、あるいは濃厚なジンジャーエールのような感覚で、飲むと口の中にスルリと入っていく。
「これがっ、本当にっあのビリオンバードの」
「まさか、あの鳥が、ここまでの美味な卵を産むとはっ」
「食材への感謝。それがまさに形となった卵かっ」
そう全員が感動しながら言う。
「食材への感謝。味への追求ばかりをしていて、自然と忘れていたかもしれないわね」
それと共に、えりなは穏やかな顔になっていた。
「えりなさん?」
「感謝します。この経験は忘れてはいけない物だと。そして、それに報いる為にも、BBコーンの調理を達成して見せましょう」
「本当か!」
「だけど、あなた、他に狙っている食材はあるんでしょ?」
「まぁね」
「ほぅ」
それには鬼頭さんも興味深そうに言った。
「虹の実、BBコーン、そしてビリオンバードの卵、それら以外には一体」
「センチュリースープ、オウガイ、エンドマンモス、エア、そしてGOD」
「っ、それらは、どれも伝説の食材。
なるほどね」
そう言いながらえりなは笑みを浮かべる。
「興味深いわね、あなたも、そのコースを」