「それで、本当にあんた達は、ここで食事していただけなのよね」
「えぇ、間違いないです」
そう、俺達は目の前にいる女性、ノエル・シルヴァに、その事を説明した。
彼女はこの周辺にある海の人魚の村の長だった。
最近になって、厄災とされている貝の復活が予知されている事もあって、見回りをしていた。
その際、俺達が先程まで食べていたカメノテ等を見て、怪しい人影がいたという事もあって、叫んだらしい。
「それにしても、厄災の貝。
それって、もしかして、俺達が求めていた奴かもしれないな」
「まさか、オウガイか!」
「そう言えば、オウガイって、一体何ですか?
ノエルさんは、知っていますか?」
「私は、予知でしか」
そうめぐみんとノエルは知らない様子だった。
「私も、噂程度だが、確かに聞いた事がある。
鬼の顔を模した貝の中に単眼の生物が入っており、あらゆる海の魚を食い尽くすほどの食欲から鬼貝と呼ばれている」
「あらゆる海の魚を食い尽くすって」
「それって、海の中の生態系が崩れてしまうのではないですか!」
そうめぐみんとノエルは驚きを隠せなかった様子だった。
「そう考えると、確かに危険ね。
そのまま放置すれば、確かに危険ね」
「だが、貝の中には今まで食べた魚の身が無数に連なっており、太古の魚の味も蘇らせる」
それと共に、俺と鬼頭は同時に笑みを浮かべる。
「それ程の食材、食べなくては損だな」
「やっし、さっそく、探しに行くか!」
俺はそう笑みを浮かべる。
「探しに行くって、まさか、あんた、生身で行く気なのか?」
「まぁな」
「馬鹿なの!幾ら何でもそんな事は「あぁ、たぶん大丈夫だと思いますよ」えっ?」
「この男、食べた物の特性を得る事ができますから。だからこそ、既に海水の中でも活動できるようになっていますから」
「はぁ、そんな人間がいる訳は「よっと」ちょっと!?」
ノエルの言葉を無視し、俺はそのまま海に潜る。
「んっ、大丈夫だな」
これまでとは違い、3つの食材を食べた事によって、グルメ細胞が強く成長している。
その事もあって、6割までグルメ細胞を減らしても、十分な強さを発揮する。
その証拠に、オラクル細胞によって、十分にエラ呼吸を行う事もでき、そしてアマゾン細胞によって、周囲の気配を警戒する事ができた。
「あんた、一体どういう身体をしているの」
「あれ、ノエルさんも来たのか?」
「あの話だけで、納得すると思うの、反対に?
けど、本当に身体に適応しているなんて」
そう、俺に対して呆れた様子で見ていた。
「とにかく、オウガイの所まで行くとするか!」
「はぁ、本当にこの男、化け物染みているわね」