無事に捕獲したオウガイの調理に関して、俺達は悩んだ末、つぼ焼きにする事にした。
巨大なオウガイの貝を乗せ、そのままじっくりと焼く。
さらには、えりなから貰った醤油を準備しながら、待つ。
「つまりは、あんたの中には3つの細胞があって、それを操る事ができる訳ね」
「あぁ、この細胞のコントロールを行うのは難しく、最も確実なのは、グルメ細胞を活性化させる事。
このグルメ細胞の活性化させる方法が、とにかく美味い物を食べる事だ」
「なんというか、色々と信じられないけど」
そう言っている間にも、既に食べる準備が出来た。
原作ではあまり明かされなかったオウガイ。
その料理を完成と同時に、俺達はそのまま切り分ける。
「それでは、頂きますっ」
それと同時に、俺達は一誠にオウガイに口を運ぶ。
「これはっ」
オウガイ。
その名の通り、貝であり、肉厚な貝のうま味が食べた瞬間に広がる。
だが、それだけではない。
焼き魚にある絶妙なうま味も口の中に広がる。
さらには、火の通っていない部分は、魚の刺身を思わせるうま味がある。
それは、これまでオウガイが食べてきた全ての魚のうま味が詰まっており、あの巨大な貝の中で魚のうま味が閉じ込められたような身だ。
古代にある蠱毒に近く、オウガイは、その巨大な殻の中で、まさしく、魚の旨さを閉じ込め、凝縮させた物と言える。
だからこそ、この貝よりもうまいものはないと断言できるほどに美味しいのだ。
俺はその感動のままに、もう1つ口に運ぶ。
すると今度は、噛むたびに広がる貝のうま味と共に、中からあふれてくる濃厚な醤油が口の中に広がった。
「さらには、この貝から出ている汁はっ、まさに絶品だっ」
その言葉と共に鬼頭さんは貝から溢れ出ている汁をすする。
「魚のうま味を凝縮させたこのスープ。飲む度ににお腹の中から癒されるわっ」
そしてめぐみんも感動しながら貝を口に運んでいる。
それと共に感じた感覚。
見ると、俺の身体の筋肉が大きく膨れ上がっていた。
「以前も見たが、凄まじい変化だな」
「グルメ細胞が活性化している証だからな」
俺はそう、頷く。
「はぁ」
「どうかしたんですか、ノエルさん」
「なんでも。
ただ、あれだけ危険な物を持っていながら、中身はただの食事に執着する馬鹿と思うとね」
「いやぁ、それほどでも」
「褒めているつもりはないんだけど」
そう、呆れた様子でノエルは言う。
だが、その中には嫌悪している様子はなく、どこか好感があった様子が見えた。
「さて、次は、どこに向かうか」
そう、呟きながら、悩む。