「ほっ本当に、こんな所に、目的の物はあるんですかぁ」
そう言いながら、防寒服を身に纏いながら、震えるめぐみんの言葉に対して、俺は頷く。
「あぁ、ここには、長い歴史の間、様々な食材が凍らされていると言われている。
そこにならば、彼の言う料理、センチュリースープがあるはずだぁ」
鬼頭さんもまた、そう震えながら、進む。
この地は、トリコで言う所の極寒大陸アイスヘルに近い。
かつて、ここには数多くの生物や植物がいたらしいが、地殻変動の影響もあって、それらが全てが氷の中に閉じ込められた。
現地の人は、それらの動物や植物を取り出して、食事をする為に、天然の冷蔵庫という意味でかなり有名な場所だ。
だが、その極寒の地で生きる多くの生物は、それに適応する為に進化しており、何よりも、その強さはかなり凄まじい。
「さて、目的の場所まで、まだまだだけど、その前に何か食べないとな」
「そう言いますけど、そんな食材、ここにありますか?」
「例えば、あれだな」
そう言って、俺が指を指した方向には、ウツボカヅラがあった。
この極寒の地で適応した為か、深々と突き刺さっている。
そして、丁度タイミングが良いのか、悪いのか、この地に住むトドを食べている途中だった。
「食虫植物ですね」
「あぁ、とりあえず、食うか」
「えっ、あれをですか!!」
何やらめぐみんが文句を言っているが、この状況で何も食べないのは危険だ。
俺はすぐさまに、ウツボカヅラ擬きに近付き、そのまま根元をナイフで斬り上げる。
そして、トドごと、そのまま持ち上げると同時に、地面の氷を思いっきり切り、巨大な穴を造り上げる。
「うむ、改めて思うが、とんでもない男だな」
「えっと、一応聞きますが、それを一体」
「とりあえず、焼くか」
そのまま、俺は極寒の氷から身を守りながら、先程取ってきたウツボカヅラの周りを焼き始める。
炎に関しては、オラクル細胞で造り上げた武器によって出来た炎によって、可能になった。
バチバチと燃やしながら、ウツボカヅラを炊いていく。
やがて、出来上がった様子なので、俺はそのまま中を開いていく。
「それでは、頂きます」
「うむ、頂こう」
「えっ、マジで食べるですか!」
めぐみんは何やら驚いている様子だが、俺と鬼頭さんはそのまま遠慮無く食べていく。
「むっ、これは」「意外と美味しい」「えっ?」
確かに始めは抵抗感があった。
だけど、食べてみれば、ウツボカヅラの独特のぬめりと味付けに使った塩こしょうと相まって、かなり美味だ。
「うむ、どこかの国には、もち米をバナナの葉で包んで焼いた料理もある。
どうやら、これは奇跡的にそれに近い物なんだろう」
「本当に美味しいんですか?」
俺達の言葉に多少の疑いを向けながらも、めぐみんもまた、食べていく。
「んっ上手いっ、トド肉が多少臭いですけど、それらはウツボカヅラが和らげていく」
「これからどんどん進むからな、食べられる時に食べておこう!」
そう言いながら、俺達は、どんどん食べていく。
ただ、それを見て、後ろで怯えている影に気づかないまま。