フランの証言を元に、俺達は目的の場所へと向かって、歩く。
その先には、確かにエンドマンモスを狙うように数多な魔物が多くいる。
「さて、どうするか」
「というよりも、未だにエンドマンモスを襲う様子がありませんね」
「あぁ、むしろ守るような様子すら見えるな?」
それに対して、俺達は思わず、首を傾げる。
すると、数多の魔物の集団の中で、一際目立つ存在がいた。
銀色の長髪が特徴の端正な顔立ちの青年の姿となり、衣装は黒と赤を基調とした貴族服で、毛皮のマントや髑髏の装飾品を着用している。
また、左腰には柄や鞘が禍々しく装飾された大きな剣を携えている。
「あいつは?」
「もしやっ、あれが噂のっ魔王っ」
「魔王?」
それに対して、鬼頭さんが驚き、思わず声を出す。
同時に、それに気づいた魔王はこちらを見る。
「まずいっ」
「バレた以上は仕方ないか」
そう言いながら、俺はそのまま出てくる。
「お前は」
「お前が魔王だったか?
悪いけど、通してくれないか、俺はそこにいるエンドマンモスに用があるからな」
「それはできない相談だな。
なぜならば、こいつを貴様から守る事が、俺の目的だからな」
「なに?」
それには、俺は首を傾げた。
「また、どうして?」
「貴様が、まるで力をつけるように狙っている数々の食材。
それらの情報は既に掴んでいた。
そして、このエンドマンモスもその一つだという事もな」
「それで」
「人間を滅ぼして魔族のみの世界を創り出す為には、お前の存在が脅威。
ならば、より強くなる前に、貴様を倒すだけだ」
それと共に、左腰にある剣を手に取る。
その気迫から考えても、これまで戦ってきた誰よりも強いは分かる。
まぁ、戦う時には本気にならないといけないのは百も承知だ。
だけど。
「その前に聞きたい事がある」
「なんだ?」
「お前は、なんで魔族のみの世界を作り出そうとしているんだ?」
「決まっている、人間が醜いからだ」
「醜い?」
その言葉に対して、俺は首を傾げる。
「自分自身の欲望の為、他の命を喰らい、自然を壊す。
ならば、完全に破壊される前に、我らが人間を滅ぼす事こそが、この世界の為になるだろう」
その言葉は確かに正しい所があるだろう。
まぁ、それは。
「まぁ、結局は、俺の邪魔になるから、倒すけどな」
「ほぅ、それでは反省もしないとは」
「そう言われても、俺自身も欲望の為に戦っているからな。
だけど」
それと共に、俺は自分の中の細胞を操る。
これまでよりも、より細胞の数を平等にするように。
そうして、生み出されたアマゾンドライバーは、これまでとは違い、まるで獣の目を思わせるドライバー。
それと同時に、まるで注射器を思わせる装置が備え付けられている。
「とりあえず、お前のように人間の醜さが全てのような奴には負けたくないな」『νOMEGA』
鳴り響く音声。
それと共に、俺の身体は変化する。
アマゾン細胞によって、活性化した身体は緑色の獣へと俺を変える。
それと同時に、オラクル細胞によって形成された機械の鎧が、俺の身体の内側から現れ、装着させる。
そして、それらの細胞を支え、コントロールするように、グルメ細胞が行き渡る。
3つの細胞が一つになった時、現時点での最強の姿、ニューオメガとして、俺は眼前にいる魔王と対峙する。
「本当に人間なのか、疑いたくなるな、貴様は」
「さぁな、人間だろうと、なんだろうと関係ない。
俺は、食う為に戦う。
それだけだ」
「なるほど、貴様を人間の敵としては、見ない。
なぜならば、貴様は」
その言葉と共に、一瞬で姿を消す。
同時に、俺の横に剣が迫る。
「獣だからな」
その言葉と同時に、俺はそれを拳で受け止める。
オラクル細胞によって、形成された機械は、まさしくそれ自体が武器。
同時に俺はそのまま、回し蹴りを放つ。
その攻撃に対して、すぐに後ろへと跳び、避ける。
「まぁな、俺は獣、いや、アマゾンだからな!」
その言葉と共に、真っ直ぐと、魔王と激突する。