「まさか、お前が死んでしまうとは」
そう言いながら、鬼頭さんは涙を流していた。
魔王との決闘を行っていた彼ですが、互いの最大の一撃による余波で吹き飛ばされた。
その結果、彼はそのままエンドマンモスに食べられてしまいました。
それに対して、魔王達も少し驚いている様子でしたが、最大の脅威である彼が死んだと考えると共に、すぐにその場から去りました。
彼らからしたら、最大の脅威である彼が、エンドマンモスを食う可能性が無くなった事を考えれば、エンドマンモスからすぐに逃げるのは妥当だろう。
私達はヨッシーの助けもあって、すぐに安全な場所まで逃げました。
そして、未だにいるエンドマンモスを前に鬼頭さんは涙を流している。
「お前は、俺と同じぐらいに食事に命を賭けていた。
まさか、ここで死んでしまうとは」
「・・・」
まさか、あそこまで、あっさりと死んでしまうとは。
そう、悲しんでいた時だった。
突然、エンドマンモスが暴れ始める。
「なっ」「何がっ」
それに驚きを隠せない中で、エンドマンモスが勢い良く、何かを吐き出した。
「はぁ、死ぬかと思ったぁ!」
「えっえぇ!」「生きている!」
そこには、エンドマンモスによって、食べられたはずの彼が、そこにいた。
しかも、背中に何かを背負っているようですが。
「んっ、皆、そこにいたのか」
「いや、それよりも、あなた、食べられたのでは」
「あぁ、食べられた。
けど、エンドマンモスの口内に素早く入り込んで、噛まれる事だけは阻止した。
あとは、身体の中はダンジョンみたいだったから、色々と巡っていた」
「マジですか」
まさかとは思いましたが、この男は、本当に不死身なのか。
そう考えていると、鬼頭さんは、ふと彼が背負っている物を目に向ける。
「むっむぅ、これはまさかっ!」
「さすが、鬼頭さん、やはり、これに気づきましたか」
そう、彼が取り出したのは、一言で言えば、宝石だ。
しかも、まるで太陽を思わせる輝くを放つ。
「それは一体」
「宝石の肉」
「宝石の肉?」
まるで聞いた事のない単語だ。
「リーガルマンモスの体内にある光輝く肉。
太古の時代ではご馳走としてはもちろんその眩い輝きから結婚指輪の代わりとして用いられていたと言われ、多くの男達が宝石の肉を求めて旅に出たとされている」
「あぁ、エンドマンモスは、リーガルマンモスを越える存在。
食われた時に脱出するだけじゃなくて、もしかしたらと思って、ついでに探したけど、大当たりだぜ」
それは、つまりエンドマンモスにあった宝石の肉という訳ですか。
「あぁ、リーガルマンモスのでも、これ程の美味しさ。
そして、エンドマンモスは体格、戦闘能力、そして味の全てにおいて完全無欠の「完象」と呼ばれる存在。
その宝石の肉という事は」
「・・・」
全員が、思わず釘付けになってしまいました。
先程まで、彼の生存を喜んでいたのに、今は、目の前の肉に目を向けています。
「とりあえず、逃げるか。
エンドマンモスが、こっちに来る前に」
「あっ」
それと共に私達は振り返ると、そこにはエンドマンモスが迫っています。
同時に、私達はすぐにその場から逃げ出す事にしました。