エンドマンモスの宝石の肉。
それは、俺達が想像を遙かに超える代物だった。
全てにおいて完全無欠のエンドマンモスの中でも、特に美味しい部位である宝石の肉。
それを食べた記憶に関して、俺ははっきり覚えていない。
「まさか、これ程の代物だったとは」
それには、鬼頭さんも驚きを隠せなかった。
というのも、食べたあまりの美味しさに、俺達はその間の記憶を失う。
過去に、食べたら記憶が無くなる程に不味い料理は確かにあったが、エンドマンモスの宝石の肉はその逆で、あまりの美味しさに記憶が消えた。
「これは、どうしよう」
「うっうぅん」
もう一度食べてみたい。
だけど、食べる為には、あのエンドマンモスにもう一度侵入する必要がある。
それは、あまりにも危険な上に、記憶は残らない。
「美味しいのも、考え物」
「この場合は、そうなんでしょうか」
フランの言葉にホムラも思わず首を傾げる。
「それにしても、あんたが、こんなのを知っていたとはな」
「まぁ、とにかく、最後の食材だな。
だけど、果たして、GODはどこにあるのか」
「それだけど、もしかしたらある場所を知っているわ」
その瞬間、ホムラはヒカリに変わる。
「それは本当なのか?」
「えぇ、GOD。その圧倒的美味は、世界中すべての人々と食材を虜にし、世界を支配することすら可能とされる。同時に生き物を進化させる事ができる秘宝だと、言われている」
「進化させる?」
そんな情報、俺の中にはなかった。
だが、ここはあくまでもそこによく似た世界。
ならば、そういうのもあるだろう。
「だけど、おそらくは魔王軍も狙っている。
進化させる秘宝は、魔王軍にとっても、喉から手が出る程に欲しい代物なのは、間違いないからな」
鬼頭さんの言う通りだ。
魔王軍が、GODを狙っているのは明白だ。
そして、その力を手に入れるには、この世界の魔王を倒す必要がある。
つまり、俺達の目的は、ほぼ達成した事になる。
「それで、その場所というのは?」
「この世界の始まりの場所と言われている大地よ」
ヒカリは、その場所について説明を始める。
この世界の始まりの場所とされている大地。
そこは、この世界に生きる全ての生命の起源と言われる場所。
確かに、そんな所ならば、GODがあっても、問題はないだろう。
「だけど、問題は、始まりの大地へ向かう方法よ。
噂を聞けば、カエルによく似た生き物だと聞くけど」
「・・・」
それと共に俺達は自然とヨッシーの方へと目を向ける。
「・・・カエルには、少し似ていないか?」
「私達を守る際に、舌を伸ばしていましたけど」
「いや、まさか」
そう、俺達は首を傾げながらも。
「ヨッシー、もしかして、始まりの大地を知っているか?」
思わず尋ねてしまった。
「いや、さすがにそこまでは」
そう、めぐみんが言おうとした瞬間、ヨッシーは何時の間にか馬車を用意していた。
「・・・乗れという訳か」
真っ直ぐと見つめてくるヨッシーの瞳に対して、俺は頷く。
「・・・ここまで、あっさりと進みますか」
そう呆れるめぐみんの言葉に多少同意をしながらも、俺達はすぐにヨッシーが用意した馬車へと乗り込む。
目指すは、始まりの大地。