※この作品はR-18です。

お隣の天使様の隣の隣   作:kaederuna

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ゴイリョ・K・カイムー


今を進めば過去は薄れる

ピンポーン

真昼『あ、七瀬さん。』

夜人「お、椎名さん。いつものです」

真昼『はい、今開けますね。』

 

ガチャッ

真昼「どうぞ、今お茶を淹れますね。」

夜人「いや〜、いつもすみませんねぇ」

僕は定期的に周くんの家に来てる。

理由としては気分転換。

僕は暇な時だけでなく、主に何かの作業中に行き詰まった時とかに周くん家にお邪魔させてもらっている。

周「お、夜人か。」

夜人「ん、宿題どこまで終わった?」

周「俺はあと少しだな。」

夜人「そか、昨日からやってるけどどうにもわからないところがあってさ、お二人に教えを乞おうかなと。」

周「なるほどな。」

夜人「あと単純にPCの作業などなど。」

周「いやいいけどな。」

夜人「やった!」

 

そんなこんなで二人にわからないところを教えてもらって終わらせてくつろいでいた。

夜人「ぷっは〜、疲れた体にお茶が沁みるわ〜」

周「お疲れさん」

すると

 

ピンポーン!

三人「「「ん?」」」

ピーンポーン!ピンポピンピンピンポーピンポーン!

周・夜人「「うるっせ」」

「あーまーねー!」

周「まずい母さんだ!」

夜人「母さんって、志保子さん?」

周「あぁっ!」

周くんは椎名さんに近づき

周「ちょっと俺の部屋に入っててくれ。」

真昼「え、はい」

周「それと、これ渡しとくから俺がなんとかして母さんを外に引きずりだす。その間に家に帰っててくれ。」

そういって椎名さんの靴と自分の家の鍵のスペアを渡した。

周「夜人、協力してくれるな?」

夜人「善処はする。」

 

「周〜?いるんでしょ〜?でてきなさい!周〜!」

ガチャッ

 

mission!

『椎名まひるの存在を母に隠し通せ!』

 

なんだかんだで家に入られた。

志保子「あら七瀬くん!久しぶりね〜!」

夜人「お久しぶりです志保子さん。」

志保子「なるほどね、食器が二人分あるのは七瀬くんのかしら?」

周「あ、あぁ。昨日夜人が泊まりにきてな。」

夜人「えぇ、二人で料理してたんですよ。」

志保子「そうなのね〜」ズイッ

周「っ!」

志保子「ちゃんとご飯もてべてるみたいでよかったわ。」

周「あ、あぁ…」

 

「それじゃああとは部屋のチェックかしらね?」

二人「「っ!」」

周「寝室には母親といえど入れたくない!」

志保子「あら〜?何かやましいものでもあるの〜?」

周「普通に考えて男子高校生の部屋にやましいものの一つや二つくらいあるだろ。」

夜人「志保子さん、流石に生存確認とか不摂生のチェックはできましたしそのくらいにしても…」

 

志保子「周?」

周「っ!はい。」

志保子「何を隠しているのかしら、七瀬くんも。」

周「…母さんには関係ない。」

夜人「何も隠してませんけど本人の意見を聞いてあげてください。」

志保子「そういうこと言うのね、わかったわ。」

二人「「っ…」」

志保子は二人を無視して部屋のドアを開けた。

 

そこには天使がいた。

 

mission failed...

 

なんか勘違いさせたまま帰らせた気がする。

僕も帰った。

 

黒江「おかえり!」

夜人「ん、ただいま。」

さて、なぜ僕の家に黒江さんがいるのかと言う疑問が芽生えることでしょう。

事情はこうだ。

 

黒江「と言うことで毎回君を通じて入るのもめんどくさいので鍵をください!」

夜人「急にぶっ飛んだね。」

黒江「だめ?」

夜人「いい?鍵を渡すということはお互いの信用が必要なの。」

黒江「夜人くんは私を信用してないの?」

夜人「うっ」

黒江「私が盗むと?」

夜人「…疑ってすみましぇん。」

黒江「ごめんね?いじめるつもりはなかったの。」ヨシヨシ

夜人「…ホントに?」

黒江「うん、だから信じて?」

夜人「…わかった。」スッ

黒江「やった!」

 

ってことです。

黒江「なんか騒がしかったけどどうしたの?」

夜人「あー、周くんのお母さんが強襲して来た。」

黒江「そうなんだ〜」

夜人「そういえば黒江さんの親御さんってどんな人?」

黒江「私の親?普通だよ。」

夜人「そっか。」

黒江「そう言う夜人くんは親どうなの?」

夜人「僕?僕の親はこの世にはいないよ。」

黒江「っ!ごめん!」

夜人「ん、全然いいよ。いずれ話さないといけないかもと思ってたし。」

 

「あれは僕が小学6年生の時」

 

僕の両親はとても優しい人だった。

父は休日にはどこかに連れてってくれたり遊んでくれて、母は勉強を教えてくれたり、料理も教えてくれた。

何気ない、けどかけがえのない日々、て言うのかな。

 

でもそんな日常は一つの、たった一つの事件で覆される。

 

夜人「僕はその日、偶然にも学校に行く用事ができてた。学校主催のドッチボール大会でね。」

黒江「…」

夜人「お昼食べ終わったくらいかな。先生から呼び出されてあのニュースを見たのは。」

そのニュースには、『死傷者2名、重軽傷者11名』ってあった。

 

いつの間にかことは終わっていた。

僕の目の前には白い布をかけられた二人の男性と女性がいた。

 

夜人「まぁこれ以上はフラッシュバックしちゃうから語れないけど、これが全貌かな。」

黒江「そんなことが…」

夜人「急に一緒にいた人がいなくなるとさ、心にぽっかり穴が開くんだ。それも、塞がらないような穴が。」

黒江「…」

夜人「その塞がらない穴をどうにかして友達で塞ごうとしても塞がらないんだ。友達には超えられない何かがある。」

黒江「夜人くん…」

夜人「笑っちゃうよね、こんな生き方してても意味ないのに。家族といる時の温かい気持ちはもう感じられないのに」

 

黒江「…!」ギュッ

夜人「黒江さん…?」

黒江「君は一人でなんでも抱え込みすぎ。もっと人を頼ってもいいのに。」

夜人「そ、そんなわけ

黒江「あるの!そうじゃなかったらこんな辛い顔にならないしそれに!」

 

夜人「…」ポロポロ

黒江「そうやって泣かないよ」

夜人「いいよ、悲しい思いするのは僕一人でいいんだよ。他の人には

黒江「ううん。」ギュー

夜人「っ!」

黒江「その思い、私にも分けてよ。君だけが悲しい思いをする必要なんてない。人は支え合うために生きてるんだよ?」

夜人「でも、でもっ!」

黒江「私はあなたを支えたい。あなたの悲しみを分かち合いたい。これじゃだめ?」

夜人「〜!」ギュッ

僕は泣いた。黒江の胸の中でいっぱい泣いた。

 

今まで家族のことで弱音は吐いてこなかったけど、今日くらい許してほしい。

 

黒江「どう?大丈夫?」

夜人「情けないところを…」グスン

黒江「大丈夫だから!これからもダメそうになったら貸してあげよっか?」

夜人「好きでもない人に何度も貸しちゃダメだよ。」

 

黒江「そう言うとこだよ。」

夜人「?」

黒江「そうやって他人を第一に考えてくれるところ、何事も優しいところ、料理がうまいところ、男女関係なく分け隔てなく接してくれるところ…」

「私は夜人くんの全部が好き。」

「全部受け止めてあげる。好きだから。」

 

夜人「いいの?僕結構わがままかもよ?」

黒江「ふふふ、その時はそのわがままも聞いてあげるよ。」

夜人「じゃあ」

 

「これからもよろしくね、『黒江』。」

黒江「こちらこそ、『夜人』!」




はい、カップル成立。

両親がいないのはそう言う理由です。
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