勝己side
ついに始まった雄英高校体育祭。
俺たちはいつもの酒場で備え付けのテレビで鑑賞している。
昨日はテレビでネズミの校長が記者会見を開き、生徒の1人が死んだことを謝罪し、雄英体育祭ではこんな事が起きないように例年の何倍も警備を強化するとも言ってたな。
「遂に始まったな爆豪。ところで緑谷はどこだ?」
一緒に見ていた弔がそんなことを聞いてきた。
「ああ、なんか作ってる物があるから部屋で見るってよ」
「そういえば体育祭で何かするとか言ってたが間に合わなかったのか?」
「いや、それはもう終わってるみたいだったぞ。今は錠剤のような物を作ってた」
「錠剤。まさか、
「さあな。アイツの頭の中は俺でも理解できないからな。というか理解できる奴なんているか?」
「確かにな。先生やドクターも理解してない事も多いもんな」
「確実に言えるのは、俺たちにとって得な物って所だろうな!」
「違いない」
そう言って俺たちはテレビを再び見始めた。
出久side
僕は今、ある薬を作っている。
モルモットや
後は実戦でも使えるかどうかだね。
そんな事を考えていると僕の事を心配したのか僕のペットが顔を僕の足に乗っけてくる。
そこで僕が頭を撫でてやると嬉しそうに笑っている。
やっぱりこの子は笑顔がよく似合う。
テレビを見ると選手宣誓が終わって障害物競走が始まっていた。
ただ、僕の知っている原作と違い、解説はブラドキングがやっている。
僕は大きくため息を吐き、テレビを見ながら僕が考えた作戦を実行する機会を観察する。
その作戦を決行するチャンスは1度だけだから、タイミングが大事だ。
今度は不思議と笑みが溢れてくる。
きっと今の僕はバットマンのジョーカーのような顔をしてるんだろうな。
三人称side
顔が包帯まみれの男がビルかマンションの屋上から地上を見下ろしている。
「ハァー。やはりこの町のヒーローどもは偽物だ」
波刃ナイフを舐めながらその男は呟く。
「本物はただ1人だけ…。オールマイトだ」
次の瞬間、獲物を見つけた鷹のようにその場からその男は姿を消した。
オール・フォー・ワンside
「フフッ」
「どうした?、オール・フォー・ワン。何か楽しみなことでもあるのか?」
どうやら喜びのあまり声が漏れてしまったようだ。
「ああ、緑谷出久がこれから起こすであろう
「どんな計画か知ってるのか?」
「詳しくは聞かせてもらえなかったが、煙草の火のようなものらしい」
「煙草の火?」
「ああ。煙草の火は火事の元の1つだが、注意深く観察していなければ気付くこともない。気付いた時には全てを燃やし尽くした跡。そんな計画らしい」
「回りくどい計画じゃ」
「回りくどいさ。だからこそ、気付かれにくい」
さあ、緑谷出久。
どんな作戦なのか楽しませてくれ。