出久side
僕たちがアジトに戻ると。
「やあ、お帰り」
「ただいま」
僕たちを引き取ってくれたボスと。
「……」
全身に手を着けた中学生位の男、死柄木弔。
「あの、私が依頼した物は?」
そして、今回の僕たちへの依頼人である女性がその場にいた。
「これですよね。どうぞ」
僕はそう言って僕たちが盗んできた“氷の涙”を渡す。
「ありがとうございます。依頼料は必ず」
「お金は結構です。その代わり、その宝石は…」
「分かっています。これは必ず家族の墓に入れさせてもらいます」
そう言ってその女性はその場を後にした。
「お金を貰わないって、それで良いのか?」
「お前がやってる事ってヒーローみたいだな」
かっちゃんや弔くんが僕にそう話しかけてきたので、僕も返答する。
「良いんだよ。無償で願いを叶えてくれたことがある。これがきっかけでいずれ僕たちの協力者になってくれるはずさ。それに最近のヒーローは見返りを求める存在が多いからね」
僕はそう言って冷蔵庫からペットボトルジュースを取り出しラッパ飲みをする。
「というかあの宝石。“氷の涙”って言ったか。そんなに凄い宝石なのかよ」
弔くんの言葉に僕は頷く。
「胸クソ悪い話だけど、聞く勇気、あるかな?」
黙って頷くかっちゃんと弔くん。
じゃあ、話すとしますか。
「その宝石はある“個性”の持ち主から出来た宝石なんだよ。その“個性”ってのがその人から分泌した液体が空気に触れると宝石になるってモノだったんだよ。血はルビー、唾液や汗は真珠、鼻水はサファイア、尿はイエロートパーズ、そして涙はダイヤモンドに。そしてその“個性”の持ち主の女の子は父親にその“個性”に目をつけられて毎日のように虐待されたんだよ。その女の子の母親は娘を連れて逃げたかったけど、逃げようとした際に夫であるその男に監禁されてしまって娘が傷つくのを見てることしかできなかったようだよ。そして父親はそんな娘の“個性”から出来た宝石を売っては毎日のように豪遊していたそうだよ。今回の依頼人はそんな女の子の年の離れたお姉さんの子孫だよ。だからその一族で罪滅ぼしの為に代々その女の子から出来た宝石を回収する事にしてるんだって」
僕が話し終えると辺りに静寂が包まれる。
「聞くって言ったのはこっちだが、マジでクソな話だな。同じ時代に産まれてれば助けてやれたかも知れねぇと思うと、よけいにな」
かっちゃんがそう言うと。
「だな。イライラしてきた」
珍しく弔くんも賛同してきた。
「ところでそれが本物って証拠はあるのか?」
かっちゃんが疑問を問いかけてきた。
「勿論あるよ。その作られた宝石にはその少女のDNAが宝石の成分に含まれているんだよ。ごく僅かだけどね」
「マジかよ」
そんな話をしていると時計は21時を指していた。
「俺はもう寝る寝かせてもらう」
「俺もそうするか。お前はどうするんだ、緑谷」
2人はもう寝るみたいだ。
「僕はもうちょっと起きておくよ。お休み」
「そうか、お休み。歯磨けよ」
「風呂入れよ」
ドリフかよと思いながら2人を送ると2人ともそれぞれ当てられている個室に戻って行った。
そしてこの場には僕と僕たちのボスであるオール・フォー・ワンだけが残る。
「あの話、最後まで聞かせなくて良かったのかい?」
「ああいう胸クソ悪いところで区切っておいた方が怒りのボルテージが高まって良い塩梅になると思いましてね」
「という事は知ってるんだね。その話の結末を」
「ええ、勿論」
僕は頷く。
「その後の女の子は父親の虐待で精神を病んで僅か6歳で亡くなっている。父親の方は娘が死んでも血からルビーを作りだし売ったお金で豪遊していたけど、血が取れなくなってからは妻に矛先を向けた。その時彼は豪遊が原因でヤバイところからの多額の借金があった。自分にこんな“個性”は無いから妻の“個性”だと思って。けど妻にそんな個性は無かった。それどころか彼女の血液を大量に浴びてしまった。その後ヤバイところの借金取りに捕まり労働施設に連れて行かれそうになるけど、その時彼から流れた汗が真珠になっていた。その事からその“個性”は父親の遺伝だと分かった借金取りに父親は連れて行かれ、死ぬことも許されず拷問される事になり、借金返済が終わってもその“個性”に目を着けた男たちが解放する筈もなく拷問され続け、77歳の寿命で死ぬまで40年間拷問され続けた。母親も実は“無個性”ではなく、自分から分泌した体液を浴びたり飲んだりした人間の“個性”を強化するという“個性”の持ち主だった。ってなところですかね」
そう言って僕は飲みかけのペットボトルジュースを飲み干す。
するとオール・フォー・ワンは拍手してきた。
「素晴らしいよ。さすが、次期参謀候補だね。それで、僕の“個性”を受け継ぐ気はあるかい」
そんな相談をしてきた。
「悪いけど、必要ないですね。僕はその気になれば貴方の“個性”も使えるんで」
「それもそうだね。そろそろ君も寝た方が良い。子供が夜更かしなんてするのも問題だろうしね」
「そうですね。お休みなさい」
「ああ、お休み」
そして僕も寝ることにした。
そして1年後。
僕たちのボスであるオール・フォー・ワンは僕の知る原作同様、オールマイトに敗北する事になる。
原作以上のダメージを与えて…。
今回みたいに長い会話は改行した方が良いですか
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はい
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いいえ