第4話
弔side
先生がオールマイトに敗北してから7年経った。
その7年の間、俺たちは何もしなかった訳じゃない。
俺は色々な所から仲間をスカウトし、緑谷は俺がスカウトしてきた連中に最適なトレーニングを考案し、それを爆豪の元で特訓させている。
その緑谷だが1年前からペットを飼いだした。
とても可愛がっているらしく時折服にそのペットの白い毛が付着しているがそれでも集会にはちゃんと参加している。
そして俺にも新たな側近が出来た。
黒霧と言って名前の通り腕や顔が黒い霧に包まれている素性の分からない男だ。
“個性”はその黒い霧で包み込んだ人や物をワープさせられるというものだ。
爆豪には側近みたいな奴はいないが特訓した奴らの多くは慕っている。
そんな俺たちは今、ヒーロー科で有名な雄英高校に侵入しようとしている。
士傑高校でも良かったが、あのオールマイトが雄英高校で教師を勤めているとしてそっちを選んだ。
その為の作戦を参謀である緑谷に考えてもらっている。
ちなみに今集まっているメンバーは俺と爆豪、それから黒霧と緑谷。
それに通信回線でドクターと先生も参加している。
「僕の調べた情報によると、雄英高校の入口は生徒や教員以外が入ろうとすると自動的に“雄英バリア”って呼ばれてるシャッターが閉まるように作られてる」
「なんだよ。そのダサい名前は」
俺がそう言うと爆豪も首を縦に振っている。
「それでどうやって侵入するかって話だけど、雄英高校の入口以外の警備は案外単純なんだよ。そこを狙う」
俺たちの目の前にあるスクリーンに雄英高校の入口が表示される。
「この壁を破壊する」
『そしてそこから侵入するのか?』
それを見たドクターがそんな事を言ってくるが緑谷の答えは。
「今はまだ侵入はしません。これも僕の調べた情報だけど、近い内にマスコミ関係が雄英高校に取材に行くって情報が入ってます。僕たちの替わりにそのマスコミに雄英高校内に入ってもらいます」
「けどよマスコミが俺たちに情報を売ってくれるとは限らないだろ?」
爆豪がそう言うも。
「狙いはソコじゃないよ」
すると先生は不適に笑いだした。
『なる程。侵入された事があるということで雄英の名前に傷をつけるということだね』
「そういうことです。そして後日、コレを使って改めて侵入します」
緑谷はカードのような物を人差し指と中指で挟んでいた。
「ソレはなんだ?」
気になった俺は聞いてみた。
「雄英高校の学生証だよ。勿論僕が作った本物と寸分違わない偽物だけどね。そして壁を破壊してもらう担当だけど、かっちゃんに頼むよ」
「弔じゃなく、俺で良いのか?。弔の方が静かに壊せると思うんだが」
「確かに侵入するのが前提なら弔くんだね。でも、今回の目的は気づいてもらうのが目的だからね」
そう言う緑谷の顔はまるで幼い子供が親に隠れて悪戯を考えたかのような無邪気な顔をしていた。
そう、緑谷は俺たち3人の中でも1番無邪気だ。
だからこそ、残酷な作戦を思いつく。
この世で1番怖いのは邪気のある大人ではなく、無邪気な子供なんだよな。
その事で言えば緑谷と先生はよく似ている。
誰よりも純粋だ。
純粋な悪意の塊。
だからこそ世間は、ヒーロー達は恐れるのかもしれない。
だが、俺たち
先生やドクターは俺にはカリスマ性があると言っていたがそういった魅力は緑谷にだってある。
だが残酷過ぎて退かれる事もあるが…。
だがこの作戦はきっと上手く行く。
俺は心のどこか奥で確信していた。
そして数日後、緑谷の作戦は成功を納める事になる。