※この作品はR-18です。

カルデア崩壊記~召喚の運が良いマスターの運命は収束する~   作:脳破壊男

4 / 7
第4話 スカサハ1

眩い光に包まれた立香とマシュはいつの間にか意識が途切れる

それは一瞬の事なのか、それとも何日もかかったかのような…

自分が目を閉じていると意識できた立香は目を開ける

 

(…こ、ここは…)

 

立香が目を開くと、眼前に映るのは

意識を失う直前までいた建物内では無く

この特異点にレイシフトしてきた時に降り立った、崩壊した外の世界

 

周囲の様子を探る為に見回そうとするが

首や目が動かせないのに気づく

 

(こ、これはいったい…!?声も…!?)

 

首からだけでなく、手足も動かせない

それどころか声も出せずにいる所に

 

(そんな…一体どうしたら…!?)

 

(マシュ!?)

 

(先輩!?無事ですか!?)

 

立香は近くでマシュの声が聞こえ、反応するが顔も身体も動かせない為

周囲に彼女がいるか確認できない

ただしマシュの方にも立香の声が聞こえているようで返事が返ってくる

 

(マシュ、今どこに?)

 

(それが身体が動かないのです…意識は戻っているのですが、身体が全く…それと声も上手く出ていないと思ったのですが、

 先輩には私の声が聞こえるのですか?)

 

(マシュも?実は俺も同じなんだ、身体は動かず声も上手く出せないはずなんだが…マシュには聞こえているんだね?)

 

(先輩もですか?)

 

立香、マシュ共に同じ様に身動きが取れないでいると

2人の耳に声が聞こえる

 

(あー、テステス。やっほー、聞こえるかい?立香君、マシュちゃん?)

 

(貴方はダ・ヴィンチちゃん…いえ、貴方は私たちの知るダ・ヴィンチちゃんじゃありませんね?)

 

(正解~、私は万能の天才レオナルド・ダ・ヴィンチだがもちろん2人のカルデアのダ・ヴィンチとは別人さ

 同じ姿だけど全く別の個体と思ってくれていい。ま、だけど呼びやすいようにダ・ヴィンチちゃんとでも呼んでくれたまえ)

 

(…レオナルド・ダ・ヴィンチ、ここはどこですか?私達は一体…?)

 

(う~ん…そっちのマシュは中々に頑固だねえ。まあいいや。それじゃあ分かりやすく簡潔に説明しよう)

 

周囲にダ・ヴィンチのいる様子はない

声も耳から聞こえるというわけでなく、まるで頭の中に直接語り掛けられているようで

 

(まずあの後に何があったのか説明しよう、2人は私が作った記憶術式の影響を受けて意識と肉体が分離している状態なのさ

 記憶術式とはある対象の人物に刻まれた記憶を読み取り、五感で感じ取れるように再現した物。再現と言っても現実世界に再現するわけでなく

 眠りに就いた身体の意識の中で再現するもの。つまり2人の肉体は今眠った状態にあり、意識は記憶を再現した人物の中にいるのさ

 

(記憶の世界…貴方達は先ほど、私たちにスカサハさんの記憶を辿ってもらうと言っていました。つまりここはスカサハさんの記憶の世界というわけですか?)

 

(ピンポーン、さすがマシュ。そう、ここはスカサハがこの特異点に来てから起こったことを再現した世界というわけさ

 そして今、2人にはよりスカサハの足跡を辿って欲しいとのことでね。記憶世界の中で肉体を与えるよりも、スカサハの

 意識の中に入り込ませて彼女の心情を身をもって味わってほしいとご主人様からご達しでね。君たち2人は今やスカサハの

 意識の一部というわけさ。意識の一部と言ってもスカサハの肉体のコントロール権は君たちにはない。手足はもちろん

 身体の細部のコントロール権はスカサハが握っているからね。君たちは自由に行動はできず、あくまでスカサハの行動を

 特等席で見ているだけさ。その代りスカサハの方から君たちの事を感知されることは無い。君とマシュ、そして今話している

 私の声もスカサハに聞こえることは無い。そこは安心してくれていい。この後も君とマシュが会話しても、スカサハには認識できないからね

 安心してスカサハの記憶を見て、感想を言い合ってくれたまえ)

 

そこまでダ・ヴィンチが説明すると

立香とマシュが見ている視界が揺れる

 

(おっと…肉体の主、スカサハが目を覚ましたようだ。彼女がこの特異点で目を覚ましたところから記憶スタートだ。

 それじゃあスカサハの記憶世界…思う存分、堪能してくれたまえ)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ん…ここは…」

 

どうやら意識を失っていたらしい

スカサハは意識を覚醒させると、額に手をあてて頭を振り

半ば微睡んでいる脳を活性化させる

 

不意の事態には慣れている

生前の頃には数多の敵と対峙、戦い幾度もの手傷を負い

それでも自らに死を与えてくれる存在を探し、戦い抜いた

 

サーヴァントの身となった今も

突如発生した特異点に急に呼び出されて召喚されることも有った。

今回もその類の特異点だろうと思った

 

スカサハは起き上がり、辺りを油断なく見回すと

そこは荒れ果てたどこかの地

全く見覚えのない景色だが、そんなものは特異点では珍しい事態でもない

それよりもスカサハは未知の特異点という事で、これまで見た事も無い

未知の強敵と戦えるのではないかと、半ばワクワクしていた

 

「さて、ここが特異点ならばじきにマスターも来よう。その前に…諜報だけでもしておくか」

 

スカサハが歩き出すと、不意に殺気を感じその場から飛び退く

一瞬スカサハがいたその場には何かが音を立てて落ちてくる

聞くのも耳障りな不快な生の肉が硬い地面にぶつかる音…

 

「ふむ…貴様、屍者か。気配遮断は中々のものだが詰めが甘い。気配を絶つならば敵に気取られる前に殺さねばな」

 

軽やかに襲撃を避けたスカサハはそのまま手に持っている朱槍を一閃

襲撃してきた屍者の首を胴体から一瞬で刈り取り、すぐさま切り離された頭を槍で突けば粉々に頭は砕かれる

切り離された身体はしばらく痙攣するように震えると、やがて動きが止まる

 

「来たか…さっそくの歓迎、嬉しく思うぞ。それでは私もその歓迎に応えてやろう!」

 

スカサハの目の前に現れたのは

何十体という屍者の大群

皆一様に荒れ果てた大地で覚束ない足取りで、スカサハに群がってくる

ある程度距離が近づけば、屍者達も間合いに入ったのか

先ほどまでの危なっかしい足取りが一転して

猛烈なスピードで接近してくる

スピードに乗った1体がスカサハに突進してくるが

その屍者をスカサハは朱槍を横に一閃、先ほどと同じ様に胴体と頭を切り離し頭を破壊する

そのまま返す槍で次に襲い掛かって来た屍者を縦に一閃、屍者を左右に真っ二つにする

屍者達の群れに突っ込めば、眼にもとまらぬ速さで槍を振るい

屍者達が近づいて、スカサハに触れる前で切り離され頭は確実に破壊され次々と命を絶っていく

 

(す、すごいです…スカサハさん。この槍捌き…見事という他ありません!!)

 

スカサハの槍捌きに改めて感嘆のため息を漏らすマシュ

彼女の意見には同意する立香だが、彼の内心には一途の不安が過っていた

 

(…俺は信じない…あのスカサハがこんな…)

 

立香が思い起こすのは先ほどの施設内でのスカサハの様子

立香とマシュに槍を向け、気を失わせ

別世界の自分と言える存在に媚を売り、浅ましい姿を惜しげも無く晒す…

それを見ているだけに立香の心はざわめき立っている

 

立香とマシュがそれぞれ所感を思っていると

視界には辺り一面に先ほどまで屍者だった者の血と肉片が広がっている

 

「ふむ…こんなものか。屍者如きに私は遅れはとらんよ」

 

スカサハはそう言うと、朱槍についた屍者達の血と肉片を振り払う

そしてかつて屍者達だった者を振り返ることなく、歩き始める

 

 

 

 

 

 

向かってくる屍者…グール達

人外の魔物であるキメラやオーク、ゴブリン

そのことごとくをスカサハは朱槍を振るい蹴散らしていくが

その勢いもこの特異点に来た時よりはだいぶ削がれていた

 

マスターが近くにいない為、魔力供給や令呪、礼装などのバックアップを受けることはできない今

スカサハは魔力の消耗を最小限にする為、宝具の使用を極力抑え

少しでも生き長らえる為に立ち振る舞っていた

 

「ふふふ…」

 

生前では決して行わないであろう、「死なない」為の戦い

死に場所を求め、自らに死を与えてくれる相手を追い求める様は

時に一種の恋愛感情のように憧れ、強く追い求めたもの

 

「まさかこの私が…死をあれほど追い求めた儂が、このような戦いをするようになるとは…マスターも罪深い男よ」

 

自嘲めいた笑みを浮かべながら襲い来る魔物の爪を、タックルを、棍棒を回避する

自身へのダメージを考慮しなければ、回避した際にすかさずカウンターで槍を振るい、敵を貫くが

集団の中で殺し損ねた敵がいた場合、どうしても手痛い反撃を受けてしまう

そのためスカサハは基本は回避重視で戦い、敵の集団から攻撃を食らわない状況の場合のみ

反撃を行う作戦に徹していた

 

「さて、マスターには疾く来てもらわねばな。私にこんな作戦を取らせたのだから、たっぷりと魔力供給してもらうぞ♡」

 

スカサハは空を見上げてそう呟く

未だレイシフトの兆候の無い空に語り掛け

遠く…遠く離れた自らの主に届かせるように

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「くひひ…すごいすごい。さすがスカサハだねぇ…」

 

魔物の集団を壊滅させた所で聞こえてきた声

背後からのそれに、スカサハは振り向く

その姿に一瞬面食らう。自らの主に似たその姿だったが

すぐに彼が主である立香とは違う人物だと理解し、端正な顔に冷笑を浮かべる

 

「ほう…我が真名を看破するか。どこかの聖杯戦争で会ったか?私には貴殿の記憶はないが」

 

「くひひ…そうだろうねぇ。あったのは聖杯戦争じゃあないからねぇ…僕はスカサハにはいつもお世話になっているよぉ…人理修復でも、溜まった性欲の発散にもねぇ…」

 

「ふふふ、儂のようなくたびれた肉体でも貴殿のような小僧の性欲を煽るか。まだまだ私も捨てたものではないな。これはまだまだ若者に負けず、マスターにアピールできるかもな」

 

スカサハはそう言うと、目の前に立つマスターに似た男を挑発するように

両手を自らの太ももから腹、胸とゆっくりと辿る

そして2つの赤い瞳を半開きで相手を見据えながら

 

「だが残念な事にこの身を好きにできるのは、私が認めた主ただ一人のみ。貴様のような脳にまで精液が詰まったような醜い豚に味わえる肉体ではないと言う事を知っておいてもらおうか」

 

スカサハはそう言い終わるや否や

手に再び朱槍を握り、目の前の男に突きつける

 

「それとも私を打ち倒し屈服させてみるか?手傷を負わせればこの至高の肉体を堪能できるかもしれんぞ」

 

「くひひ…いいねぇ…スカサハを屈服させればその身体を思う存分楽しめるってわけだねぇ…それじゃあ、覚悟しなよぉ…」

 

目の前の男が言い終わると、男の全身を淡い光が包み込む

その様子を見ていたスカサハはその光を見て思い当たる節があり

 

「その輝き…聖杯か!まさか…貴様がこの特異点の原因か?」

 

「ご名答…もうばれちゃったんだねぇ…スカサハの思った通り、僕を倒せばこの特異点は消えるし聖杯も手に入るよぉ…」

 

「ふふふ、これは僥倖だな。まさか目の前に特異点の原因が姿を現してくれるとは。マスターにいい手土産ができそうだ。」

 

しばし様子を見ていたスカサハだが、目の前の男からは武の気配はなく

暗器や隠し武器を持っているようにも見えない

唯一警戒すべきは魔術の類だが、スカサハもカルデアにて多くの英霊達と共に戦い、そして時には鍛錬に励んだこともあり

スカサハの行動によって使用する魔術については予想できる

唯一警戒すべきは全身に纏っている聖杯の力。どのような力があるのか探るのが第一と考え

 

「ANSUS(アンザス)!!」

 

スカサハがルーン魔術を発動し、相手の男の身体を炎が包む

キャスターとして修練した自分や、弟子のクー・フーリン程の炎を生み出せるわけでは無いが

それでもそんじょそこらの魔術師やサーヴァント程度では意味出せない程の火力

それが目の前の男を襲う

 

爆炎と硝煙が立ち上る中、中心にある黒い影

その影が以前輝きを発していると

ルーン魔術による攻撃は残念ながら不発に終わったのを理解する

 

「はあ!!」

 

硝煙が立ち込める中、スカサハはすかさずに槍による連撃をお見舞いする

最初の数撃は敵の男も聖杯の魔力で守られた腕や足で捌くが

直ぐに男では見切れない速さ、数の斬撃、刺突が襲い掛かる

全身をくまなく…頭はもちろんの事脳、顔、首、心臓、肺、腹部、股間

人間の急所と言える部位をことごとく、一切の手加減なく斬り、突く

それでも…

 

「…ふむ、これは困った。無傷か…」

 

ルーン魔術による攻撃

さらに自身の槍による攻撃さえも一切の手傷を与えられずにいた

これまでの特異点にあっても聖杯の力や特別な力により

一切手傷を与えられない敵には幾度といた

そう言った類の敵相手の場合、次の方法でこれまでは打開してきた

一つ、一旦戦闘を終了し撤退。そして相手の持つ特別な力を解除しその後に撃破

一つ、相手の特別な力を解除できる援軍が到着し、速やかに敵の能力を解除。その後に撃破する

今までの特異点、異聞帯の攻略の経験から導き出されるのはこの二つ。

 

敵の技量ははっきり言って大したことない

基本的な武術、槍術の実力で言えばスカサハと比べる事すら烏滸がましい

このまま三日三晩一方的に責められても、眠りながらでも回避し続けられるだろう

しかし聖杯によるバックアップが有れば別

特異点で手に入る聖杯は本来の聖杯戦争の勝者が得られる万能の願望器とは別

只の超強力な魔力炉心と言えるものである

しかし、その単一的な利用方法ゆえに

使い方を工夫すれば、それは本来の聖杯よりも驚異的になる可能性もある

その一例が目の前の男だ

 

(目の前には聖杯の力により、攻撃すら通じぬ敵…ただの無限の再生ならばまだやりようがある。再生が追い付かぬ程、殺し続ければいい事。しかし、こやつは…)

 

槍による連撃を止め、一旦距離をとって思案するスカサハ

マスターがこの場にいれば、彼の護衛を最優先しこの場を離れる事一択

しかし今は自分が一人であり、目の前の男がこの特異点発生の張本人

それ故にスカサハは迷っていた

 

(この男から情報を得て、マスターとカルデアに伝え、合流する。それが最善だが…)

 

影の国の女王、そしてケルトの戦士としてただ敗北しかない戦いを行うのは主義に反するが

それすらも超越するサーヴァントととしての役目、そしてマスターの最も信頼するサーヴァントという自負が

彼女を…生前ではしない様な作戦を行う

 

「くひひ…どうやら僕の力になす術内容だねぇ!!それじゃあ…くらえぇ!!」

 

目の前の男が叫ぶようにそう言えば

体中がより一層強く、光り輝く

光が辺りに発散されると共に、荒れ狂うような暴風、そして衝撃が四方八方に放たれる

瓦礫を吹き飛ばし、砂塵が巻き起こり、そしてスカサハを吹き飛ばす

視認不可、回避不可の一撃を受けたスカサハは吹き飛ばされてしまい

勢いよく背後の瓦礫の積み重なった壁に叩きつけられるようにぶつかる

 

「ぐう…!!…っ!!」

 

スカサハが叩き付けられた衝撃で崩れる瓦礫

息が止まるような衝撃に、スカサハは大きく咽て咳き込み

そしてガクっと気を失う

肉体にダメージは有るが、霊核事態にダメージは無かったため気を失う程度で済んだスカサハ

薄れゆく意識の中彼女に男が近づいてくれば

聖杯の力か、眷属のような生物を呼び出す

その生物がスカサハを拘束すれば、身動きできないようにしてどこかへか運び始める

 

(…これでいい、これで奴らの本拠地へと連れていかれるだろう。そこで貴様らの秘密…暴かせてもらうぞ!!)

 

スカサハは薄れゆく意識の中

内心ほくそ笑みながら意識を落とす

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…ん…ここは…」

 

暗い闇の中のような世界に意識を落としていたスカサハ

意識が戻り目を開けると、そこはどこかの部屋

研究室を思わせる無機質な内装の部屋のベッドにスカサハは横たわっていた

 

手足を縛るものは何も無く自由が利く

確か先ほどの戦闘で敗れた後、捕まりどこかへ運ばれる際には手足は拘束されていたはずだが

今はその拘束が解かれていることを訝しむ

試しにその場で手足を軽く戦闘のように

シャドーを行うが、特段不調は無い

着ているケルト式のボディスーツも破損したりしているところは無かった

 

「くひひひ、目が覚めたみたいだねぇ…スカサハ」

 

背後から聞こえた声に振り返ると

扉を開けて先ほどスカサハを倒した男が入ってくる

男は初めて会った時と同じ様に、下卑た笑みを浮かべながらスカサハに近づいてくる

 

「…寝起きは十分に睡眠がとれたおかげか気分が良かったがな、貴様の不快な声と顔を見たおかげで寝起きの爽やかな気分も台無しになったな」

 

スカサハがこれ見よがしに肩を竦めると

男は遠慮なくスカサハに近づき、彼女の身体をマジマジと見てくる

 

「くひひ…そう毛嫌いしないでくれよぉ…これから身体を交える事になるんだからさぁ…あまり僕の事を怒らせちゃうと、優しくしないかもよぉ」

 

「そうか、だが残念だったな。お前が私の身体を抱くことは無い。ここで死ぬのだからな」

 

なんの警戒も無く、ずいずいと近づいてくる男

外で戦った時のような聖杯による守りの魔力を発している様子も無い

スカサハの槍の間合いに入ると彼女はなんのためらいも無く槍を出現させると

容赦なく男に向かって突き刺す

 

「…ぐはぁ…!!」

 

「ふ…他愛もないな……何!?」

 

「…なぁんてね…」

 

男の胸に向かって勢いよく突き出した槍の一刺し

確かに心臓を串刺しにしたはずの一刺しであったが

槍は心臓を貫くどころか、薄皮に当たる直前に

槍の穂先の部分が消えていた

 

「くひひ…無駄だよ、無駄ぁ…スカサハ、君じゃあ僕を殺すことはできないよぉ…」

 

「…貴様、何をした?」

 

スカサハは突如起きた現象に思わず飛び退き、男から距離をとる

槍の穂先部分が以前消えたままだが、スカサハが魔力を込めれば

槍の穂先部分が復活し、元の朱槍に戻る

 

「スカサハには何もしていないよぉ…したのは僕達に対してさぁ…」

 

にたぁと浮かべた笑みに、背中に冷たい汗が流れるスカサハ

スカサハが先ほどまで眠っていたベッドの縁に腰かければ

 

「何大したことじゃないよぉ…ただスカサハが気を失っている隙に、君の霊基とその構造を解析させてもらったのさぁ

 おかげでスカサハの霊基構造、魔力、宝具、その他諸々については既にスカサハ以上に知っているよぉ…そしてうちの

 頼れる技術屋さんがねぇ…対スカサハ用の永続的な概念防御を施してくれたのさぁ。生身の頃のスカサハだったらねぇ

 物理攻撃で僕を殺す事が出来るんだろうけどねぇ…残念だけど、今のスカサハはサーヴァント。身体がエーテル体の今

 こちらの概念防御を突破する事はできないのさぁ…」

 

「ふ…なるほど、私の霊基を解析しての概念防御とな。なるほどなるほど、つまり貴様はそういうイカサマをしなければ

 こんな老いぼれのサーヴァント一基、勝つ事すらできないというわけだ。我がマスターに比べて随分と器の小さいことよな」

 

「くひひ、そりゃあねぇ…相手は影の国の女王。最高位のランサーだからねぇ…そして…こんな事もできるようになったのさぁ…」

 

男がそう言うと、着ている魔術礼装から術式が展開される

それが空中に現れて霧散すると

光がスカサハを包む

 

「さあ…スカサハ。こっちへおいでぇ…」

 

「…!?っぐ…これは…」

 

男が手招きするとスカサハは足が動き、言われるがまま男が座るベッドへ歩んでいく

歩みに抗おうとするが、逆らうことが出来ずに歩み寄る足は止まらずに男の隣に腰かける

そして男が隣に座ったスカサハの腰を抱いて、撫でる

 

「…っく…♡ぁぁ…♡き、貴様…何を…?」

 

「くひひ…言っただろぅ?君の霊基構造は解析し、完全に知り尽くしていると。だからスカサハ用の魔術礼装を作ってもらったのさぁ…

 君の霊基は解析の際に少々手を加えていてねぇ、僕の命令に霊基が従いやすくしているのさぁ…」

 

「…っく…外道め…霊基を勝手に弄るとは…」

 

「くひひ…それだけじゃないけどねぇ…霊基を弄る際に…僕にエッチな事をされると、感じやすくなるようにとかねぇ…例えば…ほうら…」

 

隣に座るスカサハの腰をなでながら

彼女の耳たぶを甘噛みする

 

「ひゃあう♡♡♡!!や、やめ…♡」

 

「くひひ!!可愛い声をだすねぇ…ほうら…」

 

「っくぅ…♡こ、こんな拙い…愛撫など…♡」

 

耳たぶを甘噛みし、大きく実った胸をスーツの上から揉んでいく

男の手により快楽を高められたスカサハは、高い嬌声を上げて

与えられる快感に身を捩りながらも耐えるが、我慢できないようで男から離れようと押すが

 

「くひひ、そう抵抗されるともっと燃えてくるなぁ…」

 

男はより一層、スカサハに近づいて快感を与える

さらにスカサハをベッドに押し倒すと彼女の唇を無理やり奪う様にキスをする

 

「んぶ…♡…っく…♡んんん…♡♡♡」

 

男のスカサハの口を陵辱するような、激しい口づけに

スカサハは感じつつも嫌がる様に、顔を背けようとしたり

手で押し返す様に男を押すが、普通なら力で勝てるはずの男相手にも

勝てずただただ蹂躙される

 

「くひひ、こうやって無理やりやられるのも好きみたいだねぇ…ほぅら、ここもこんなになってるよぉ…」

 

男が指先に魔力を纏うと、スカサハの衣装の股間部の部分が丸く切り抜かれる

これもスカサハの霊基の解析のせいなのか、戦闘でもそう簡単には破損しないスーツが

簡単に穴があけられる

膣口を指で軽く撫でるだけで、男の指に愛液がべっとりとついてしまい

それをスカサハに見せつけ、口に含む

 

「くひひ、美味しいなぁ…スカサハのオマンコ汁。美味しいから…直に味わっちゃおうっとぉ」

 

スカサハの唇から男が口を離すと

彼女は呼吸できなかったのか、大きく酸素を取り込んで呼吸する

 

「はー♡…はー♡…き、貴様…ただで済むと…思うなよ…♡」

 

快楽に頭を染め上げられながらも、男に殺気を向けるスカサハ

それをあざ笑うように男はスカサハの下半身に移動すると

彼女の腰を抱きかかえ、持ち上げてマングリ返しにする

 

「っくぅ…♡こ、こんな格好など…♡」

 

「っくひひ…美味しそうなマン汁に照明の光が当たって、宝石みたいに輝いているよぉ…どんどん溢れてきてまるで泉のようだぁ…」

 

男はスカサハの膣口にむしゃぶりつくように口を付けると

下品な音を立てながら、愛液を啜っていく

 

「くああああああ♡♡♡!!!や、やめろ…♡♡♡!!そ、そんなに…そんな所を…♡♡♡舐めるな♡♡♡」

 

スカサハの膣口を艶めかしい舌が蠢けば

その度にスカサハの愛液が止め処なく溢れ、身体が跳ねる

男の口の中に広がるのは愛液の味だけでなく、汗が混じった塩気も感じる

 

「っくひひひ、これはどうだぃ?」

 

男に舌が膣口から、膣内に侵入し

襞を舐め尽くす様に激しく縦横無尽に動き回っていく

 

「あっ♡あああああ♡…っく…♡だ、駄目だ…♡こ、これ以上は…♡」

 

男の舌遣いのよって与えられる快感に

スカサハの身体が感じ、身体が跳ねるスパンがどんどん短く、小刻みになっており

スカサハの身体が絶頂を迎える時が近い事を伝える

 

「くひひ!イク?イクのかい?スカサハ。いいよぉ…イキなよぉ…蔑すんでいた最低の男に…無様にイカされちゃいなよぉ…!!」

 

「─────っぁ…♡っく…♡あああああ♡♡♡!!」

 

スカサハが大声を上げながら上半身を仰け反れば

膣口から愛液が蛇口を開いた水の様に

勢いよく溢れんばかりに漏れ出る

 

「はーーーーっ♡はーーーーっ♡…っく…♡こ、こんな…♡」

 

絶頂を迎えたスカサハは、快楽の波が収まると

仰け反っていた顔が男を睨むように視線を向ける

額には汗が浮かび、前髪が濡れて少し乱れている

男はそんなスカサハの視線を受けて、怯むどころか楽しむようにそれを受ける

 

「くひひ…盛大にイッたねぇ…こんなに激しくイク女は初めてだよぉ…スカサハのイキっぷりを見て、僕のチンポもこんなに興奮しちゃったよぉ…」

 

ズボンのチャックを開けて勃起した肉棒を出す男

凶悪なフォルムのそれは、スカサハが今まで見た男のイチモツの中でも一番だった

 

「き…貴様…まさか…」

 

男が肉棒を出した意味を、スカサハも察する

凛としたスカサハの顔色も変わる程、強烈なそれを

男はスカサハの膣口に擦り付ける

 

「や…止めろ…!!そんなモノ…入るわけが…!!」

 

「くひひ、大丈夫だよぉ…スカサハのオマンコよりも小さいオマンコでもなんとか入ったからねぇ。安心しなよぉ…僕のチンポは女の子達からとても好評だからねぇ…スカサハもきっと気に入ってくれるよぉ…」

 

スカサハの膣口に数回肉棒を擦り付ける

硬く太く出っ張った亀頭が膣口に擦り付けられている内に、引っかかれば

膣内に肉棒が入り込む

 

「ひ…♡ひああああああ♡♡♡!!」

 

「スカサハのオマンコ、小さくて気持ちいいねぇ…僕のチンポを、大好きって言ってるよぉ…離したくないってねぇ…」

 

スカサハの膣内に挿入した肉棒を、奥深くまで貫く

奥から膣口付近まで引いてそこから奥深くまで再び突き、犯していく

その長いストロークと共にリズミカルに、しかし激しく勢い良いピストンで

スカサハの膣内を犯していく

 

「あ♡っが♡くあ♡ふああ…♡あああ♡」

 

布団のシーツを逆手で握りしめ、突かれる度に漏れ出るスカサハの嬌声

男の醜く出た腹がスカサハの裏腿とぶつかる度に、膣内を肉棒が抉る度に

スカサハの膣内では襞が収縮し、肉棒を扱いていく

 

「くひひひ、スカサハの感じている顔。とても可愛いねぇ…そんなに可愛い顔されたら、またキスしてきたくなっちゃったよぉ」

 

正常位でピストンをしながら

上半身を乗り出して、再びスカサハの唇に自らの唇を押し当てる男

先ほどはキスしても嫌がっていたスカサハだが

今では肉棒によって得られる快感を堪能しているのか、キスも受け入れて

男の唇と舌を迎えて積極的に絡める

 

「ん…♡んちゅ…♡ん…♡んぶ…♡っちゅ…♡んじゅ…♡ちゅ…♡」

 

互いに唇と唇を重ね合わせ、舌と舌を絡める

下品な水音と男のピストンにより肉と肉がぶつかり合う音が

部屋中に響き渡り、互いの興奮を煽っていく

そのままお互いに快楽を貪り合いながら、時間が過ぎていけば…

 

「おおぅ…で、出る…スカサハァ…もう出るよぉ…オマンコの中に、たっぷりとだすからねぇ…」

 

「!?…っぷはぁ…♡だ、だめだ…それだけは…!中で出したりしたら…許さんぞ…!!」

 

「くひひ…もう無理だよぉ…中に出すって決めたからねぇ…スカサハのオマンコの中に、たっぷりと注ぎ込んであげるからねぇ…」

 

射精しようとより一層激しく腰を振る男

スカサハは膣内に射精させないように、必死に抵抗するが…

 

「おお…で、出る…!!」

 

「や、やめ…!!い、嫌あああああああああ!!」

 

肉棒を根元まで挿入してピストンが止まれば

男の肉棒の切っ先から熱い遺伝子が、勢いよく放たれる

スカサハの膣内で広がる熱い射精は、胎内にまでじわじわと広がりながらもスカサハも再度絶頂を迎える

 

しかしスカサハは絶頂を迎えた事よりも

マスター以外の男に身体を許し、さらには中出しされてしまったことにショックと共に

殺意が浮かんでくる

 

(はあ…はあ…殺す…必ず殺す…このスカサハの名に懸けて…必ず…!!例え刺し違えて、マスターの元に戻れなくなっても…この男だけは…!!)

 

微睡みの中、未だ快楽の余韻を引きずりながらも

スカサハは決意する

 

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。