※この作品はR-18です。

エスペラント→キミが視る夢。   作:鵜飼 ひよこ。

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A.ボタンを掛け違えない為に。

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 一体なんだったんだろう?

最近の僕は変だ。

マミ先輩の首筋に登校中にキスするなんて・・・。

さやかにしたってそうだ。

噂が立つとさやか自身が困るからと、校門よりかなり手前で手を離した。

考えてみれば、ずっと手を繋いでいる必要なんてなくて、すぐに手を離せば良かったんだ。

そうすれば、先輩にも見られなくて済んだし・・・なのに・・・。

 

「本当に変だよな・・・。」

 

 教室内を見回して見ると、視界に入るさやかは、友人達と楽しげに笑っている。

二人を前にしていてもたってもいられないのは、強迫観念のようなモノかも知れない。

 

「起立!礼!」

 

 日直の号令。

その声が響いて、授業が始まっても考えがやまない。

昔はこんな事はなかったのに・・・なかったよな?なかったっと思う。

何時から?

考えてみると先輩と付き合い始めてからかな?

あー、でも、もっと前かも。

僕とさやかが幼馴染って言葉を意識し始めてからかな?

というか、同じくさやかの幼馴染、そして初恋の相手の上条 恭介と同じ幼馴染なのに面識がないのはそのせいか・・・。

 

「痛ッ。」

 

 ぼぅっと考えて事をしていたら、間抜けな事にシャーペンの頭じゃなくて、ペン先の方をノックしてしまった。

本当、今日は朝からダメだな・・・。

あーあ、うっすらと血が滲んできた。

ま、舐めときゃ治るか。

 

「ん。」

 

 指を口に持っていって、傷口を吸うように舐める。

口の中に広がる血の味。

口を離してしばらく眺めていると、またゆっくりと血が滲んできて血の珠を作る。

それを見て、ゾクリと背筋に寒気が走った。

何だ、コレ・・・。

何か今、思い出しかけたような・・・。

血の珠はそのうち崩れて、指を流れていく。

段々と気持ち悪くなってきた僕は、授業をやっている先生に保健室へ行く許可をもらって教室を出る。

 

「何か、今日は朝からロクな事がない・・・。」

 

 きっと帰りも同じようにロクな事がないんだろうな。

たとえば先輩の説教とか説教とか説教とか・・・。

あ、なか気が滅入ってきたや。

 

「こんちわ。」

 

 保健室の戸を開けて、一応挨拶はしたが誰もいなかった。

仕方なく水道で手を洗って、そこらのティッシュで指を拭いた。

血さえ止まればいいので、小さめの絆創膏を貼って、靴を脱いで勝手にベッドに横になる。

幸いベッドには誰もいなかったので、よりどりみどりだ。

ありがたく使わせてもらって、睡眠を取ろうと思う。

 

「・・・そういえば。」

 

 横になる時に思った。

昼寝であの夢を視るんだろうか?

なんだっけ、そう僕は天使だと思ったんだ。

 

「・・・"ピンク髪の天使"だったな、確か。」

 

 それ以上は深く考える事も無く、瞼を閉じると、僕はすぐに意識を手放した。

 

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