※この作品はR-18です。

エスペラント→キミが視る夢。   作:鵜飼 ひよこ。

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A.目を覚ますとそこに。

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「何してるの?」

 

 何時になく夢も視ずに深く眠れたと思ったら、コレだ。

ふとした拍子で目が覚めると、さやかが横になっている僕を見下ろしていた。

 

「なんだ、元気そうじゃない。」

 

「いや、さやか、僕の質問の答えになってないよ?」

 

 様子を見に来たんだって事は解っているけれど・・・。

時計を見ると、今はどうやら昼休みに入ったばかりのようだ。

 

「お昼は?」

 

 そうぶっきらぼうに聞いてくるさやかの申し訳ないと思いながら・・・。

 

「さやかは?」

 

「まだだよ。」

 

「んじゃ、食べてきなよ。友達だって待たせてるんでしょ?」

 

 さやかには大の親友がいて、毎日そのコと一緒に昼を食べていたはずだった。

何故、過去形なのかというと、最近何だか二人がぎくしゃくしているというか、微妙な距離間があるというか・・・。

 

「そっちは?」

 

「僕?大丈夫、ちゃんと食べるから。」

 

 そんな友人に対して、逃げ腰というか、及び腰というか、とにかくそういう態度のさやかを僕は黙殺する。

逃げるのが悪いとは言わないけれど、逃げてどうなるもんでもない。

なら、顔を付き合わせた方がいいに決まってる。

どっちに転がるとしても。

 

「・・・ねぇ、具合悪くなったのって・・・。」

 

「さやかのせいじゃない。さやかには関係ない。」

 

 今度は黙殺じゃなくて、ばっさりと斬って捨ててみた。

さやかは今朝の猛ダッシュが、僕の体調不良の原因かも知れないと思い込んだんだと、僕は思う。

思い込みも甚だしいけれど、それが彼女の良いところなんだよね。

 

「大丈夫。僕もちゃんと昼を食べるから行ってきなよ。」

 

 ひらひらと彼女に手を振って、保健室から追い出そうと試みる。

 

「もぉっ!心配して損した!!」

 

 泣きそうな顔をされるよりは、拗ねたり怒ったりしている顔の方が、幾分かマシだと思う。

それに彼女に病室を連想させるようなこの場所は、精神上よろしくない。

 

「ありがとう。でも、さやかが責任を感じる必要はこれぽっちもないからさ。」

 

 さやかの性格上、どうしても気にしてしまうだろうけれど、ある程度は仕方ない。

僕はそれを軽くなるように努力はした。

 

「・・・あんまり辛いなら、送って行ってあげるよ。」

 

「女の子に送らせる程、軟弱じゃないつもり。」

 

 そう笑って、今度こそ僕は彼女を見送る。

本当に友人と昼食を共にしたかどうかは確認出来ない。

それはしょうがないとして、もう一眠りしようと思う。

実は、全然体調が良くない。

身体が重いし、お腹も空いてない。

そして、瞼を閉じて、そして次に開けた時には・・・。

 

 

 

「あれ?」

 

 一体、何時間眠っていたんだろう?

外から夕日が射し込んでる。

それでもって、目の前には・・・。

 

「なんでマミ先輩が・・・?」

 

 思った以上の時間寝ていた事にも驚いたけど、僕の真横にマミ先輩が一緒に寝ている事の方が驚いた。

 

「マミ先輩?あのぉ、これは非常にマズいと僕は思うのですが?」

 

 脳内では不純異性交遊という単語がぐるぐると回ってる。

えぇと確か、そういう類いは少なくとも停学2週間程だったかと・・・。

僕の隣ですやすやと寝息を立てて・・・ん?なんか、鼻が不自然にピクピク動いてるような・・・もしかしてこれって、狸寝入り?

 

「もー。」

 

 僕は脱力して先輩の身体を揺らす。

一緒に胸もゆっさゆさと揺れるが、今はそんな所に注目しているばあ・・・まぁ、ちょっとは見るけれどね。

 

「起きて下さい。もう夕方だし、帰りますよ?」

 

「王子様のキスがないと起きられないなぁ~。」

 

「・・・起きてるじゃないですか。」

 

 片目をうっすらと開いて、先輩が僕を見つめている。

当然、何かを期待した目で。

 

「起きてないわ、すーすー。」

 

 な、なんていう悪足掻きっ。

しかし、これって狸寝入りって言うのかな?言わないよな?

 

「もう、なんでこんな・・・。」

 

 僕は緊張で震えながら、先輩の唇に自分の唇を重ねる。

ちょっぴり厚くて柔らかい唇を感じて、そしてすぐに離れる。

 

「ど、どうですか?」

 

 別にキスの感想を聞いているわけじゃない。

言われたら、窓から飛び出して泣きながら逃走しちゃうかも知れない。

僕が聞いているのは、起きるか起きないかの確認だ。

 

「足りないもーん。」

 

「もーんときたか・・・。」

 

「保健室に行ったコト、教えてもらえなくて悲しかったし、心配だってしたのよ?」

 

 要するに、完全に拗ねてしまった、と。

しかし、こうして誰かに見つかりでもしたら問題だし。

僕がベットから出て行くというテもあったけど、それは火に油を注ぐだけだ。

こういう場合、男に選択肢ってないんだよな、きっと。

 

「心配かけてすみませんでした。」

 

 そう謝ってから、もう一度彼女にキスをする。

今度はゆっくりと彼女の唇を舌で割って、侵入した先で彼女の舌と絡み合う。

 

「んくっ。」

 

 最後に先輩が絡み合って混ざった唾液を飲んで、唇を離した。

 

「ごちそうさまでした♪」

 

「・・・なんですか、ソレ。」

 

 ぱっちり開いたお目めと笑顔の先輩に僕は脱力しながらも、なんとか突っ込めたのだった。

 

 

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