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力尽きた。
主に拗ねたマミ先輩の機嫌を取るのに。
『・・・私、アナタに捨てられたら、どうなるか解らないカモ。』
笑顔でそう締め括られた日にゃ、僕は命の覚悟を何時か何処かでしなければならないかも知れないとさえ思った。
それはそうと日中あんだけ寝たはずなのにまだ眠い。
最近、視る夢のせいだろうか?
夢の視るって事は、脳が活発に動いているからだとかなんとか・・・。
それでも、まぁ、やる事があるわけじゃないから、自宅でもう一眠りしても問題はない。
身体を引きずるようにして、うつ伏せのままベッドに飛び乗る。
ベットに身体が沈み込むと余計に身体が重く感じられた。
瞼を閉じると先輩の顔が浮かぶ。
僕は他に何をしてあげられるんだろうか?
次にさやかの顔を思い浮かべようとしたけれど、そこで僕の意識は途切れた。
・・・はずだった。
【間違わないで!】
その声に僕はベッドから転がり落ちた。
ピンク髪の天使が空から落ちてきて僕に!
「・・・て、夢か。何を間違うなって言うんだ?」
と、考えても心理学者ではないので、夢の解析はできな・・・?
「ん?」
寝る前にはなかった音が外から聞こえる。
どうやら何時の間にか雨が降ってきたらしい。
「って、戸締り?!窓閉めなきゃっ・・・?」
部屋の中が水浸しになる前に慌てて走り出そうとした僕の視界に、携帯が飛び込んでくる。
正確には着信を告げる蒼いランプの明滅が。
(マミ先輩かな?)
僕にメール以外の連絡をしてくる相手なんて、先輩と、先輩と・・・。
「あれ?」
発信相手は先輩じゃなかった。
その相手は・・・さやかんチ・・・?
何回かの着信の後、留守録が入っていたので、再生ボタンを押してから携帯を耳元にあてる。
ピーと甲高い音が鳴って、留守録に入っていたメッセージが再生されていく。
「あのバカヤロ!」
僕は携帯を持って、取る物もとりあえず家を飛び出した。
冷たい雨が僕を容赦なく打ち付けて来るけど、今はそんな事を気にしている場合じゃない。
留守録の相手はさやかの親だった。
彼女の母は、少し慌てた声でさやかがまだ学校から帰って来ていない旨を告げて、行き先とか見かけたりしたら連絡が欲しいと言っていた。
さやかが学校から帰っていない事は、僕を慌てさせたが、それよりもさやかが学校を下校した後に寄る場所が僕をもっと焦らせる。
さやかが行く先なんて決まってる
病院だ。
そこで何かがあったに違いないと思う。
「落ち着けー、落ち着け、僕はさやかの幼馴染なんだぞ、解ってるはずだ。」
自分に無理矢理言い聞かせる。
「考えろ、考えろ、何処かにヒントが。何処だ・・・帰り道?帰り道なんだよな?さやかは。」
考えながらも、さやかの携帯に電話をかけ続けるが、電源が切られているというアナウンスが流れるだけだ。
「何かあった、うん、病院で何かあったからだ。さやかはどうする?アイツの事だから、弱ってるとこは見せない、なら一人になりたいよな。」
決して賑やかな喧騒に紛れようとはしないはずだ。
「とすると夜になると静かで落ち着けて・・・。」
僕はとにかく全力で走り出した。
頭に浮かんだ場所を片っ端から探す為に。