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杏子に自分が懐かれているのか解らない。
きっかけは・・・やっぱり漠然としたことだ。
ただ、たまたま席が隣だっただけ。
「しっかし、アニキはシャイだね。」
「そっちが大雑把過ぎるんだ。」
一緒に朝食を済ませて家を出た僕達は、学校へ向かう。
正確には僕だけがだ。
杏子は学校に行っていない。
・・・と、思う。
不登校なのか、そもそも彼女が何歳なのかも知らない。
だから、義務教育を受ける歳なのかすら解らない。
僕は杏子の事を何一つ知らないで一緒にいる。
かろうじて知っているのは、彼女が佐倉 杏子という名なのと、姉妹が
「気安く頭を撫でるなっ、髪型が崩れるっ。」
あぁ、それと僕が頭を撫でると、幸せそうな顔をしてくれる。
声は怒ってるけど。
それでいっかなぁと思っちゃうんだよね、いつも。
「大丈夫。僕が
「そういう・・・あー、もうっ!アニキ、そんなんじゃ絶対モテないぞ。」
「うぐっ。」
杏子は言葉遣いもアレだけど、良くも悪くもストレートだ。
ストレートだから、本当に思っている事であって、これがまたよく刺さる刺さる。
「おはよう。何してるの?」
胸に刺さった棘をなんとか抜こうとして胸を押さえている僕に声をかけてきたのは、さやかだった。
「あ、さやか、おはよう。」
「アニキ、何?このオンナ。」
朗らかに僕に声をかけてきたさやかに、杏子は胡散臭いモノを見るような目をして一瞥すると僕に聞いてくる。
それに対して、言われた方のさやかも面食らったようで、目を丸くさせていた。
うん、どうやら、ちゃんと眠れているらしな、さやか。
「あたしは・・・。」 「まさか、アニキの彼女?」
眼中に全くないといった様子で、さやかの声を遮った杏子は、微妙な視線に変わる。
なんだよ、その"まさか"ってには・・・いや、彼女ではないのはそうなんだけど。
「いや、近くに住んでる幼馴染だ。」
「ふぅん・・・。」
とりあえず、上から下までさやかを眺めた杏子は、もう興味がないとばかりにニヤリと笑う。
「ま、だよね。アニキは奥手だし、こっちも見るからに"幼馴染止まり"で終わりそうなタイプだ。」
「杏子な、初対面で失礼だよ?」
的を射ているので、反論はしないけど。
「あ、あたしは別に構わないって言ってあるんだもん。」
「ぶっ?!さ、さやかも言い方!」
胸元で拳を握って主張するさやかに、多少なりとも杏子は驚いた様子だったけど、僕の反応を見て呟く。
「・・・アニキがこの様子じゃ、何年かかるか解んねぇな。」
肩を竦めると杏子はヤレヤレと首を振る。
ちょっと、それって、僕にも失礼じゃないか?
「あ、あ、あ、あなたねっ、すんごい失礼だよ!」
その割にはかなりキョドってらっしゃいますね、さやかさん。
ところで、何ですか?
このプチ修羅場にイマイチなりきれてない微妙な空気は?
「ホントのコトを言われたからって熱くならない、ならない。」
「うぅ・・・あたしだって・・・あたしだって一緒にお風呂入るくらい仲いいもんっ。」
「ばっ?!おまっ?!」
言ってはいけない一言ォーッ!!
それ言っちゃダメーッ!
「朝から賑やかで楽しそうね?ところで、その話、私も詳しく聞きたいわぁ。」
はいっ、何処からかマミ先輩来たー。
死亡フラグ立ったー。
はい、オワター。