文字数的には他の方の15話相当くらいですから、中篇の折り返しってトコでしょうか?
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「イミフ。てか、それは僕の携帯だぞ?」
あ、なんか突っ込むところを間違えた気がする・・・。
「だってあたし、持ってないしケータイ。」
「いや、そういう問題じゃなくて・・・。」
やっぱり突っ込む所を間違えたみたいだ。
問題なのは、それ以上に杏子の発言の内容の方。
「どういうつもり?」
突っ込みから改めてやり直そうと口を開きかけた僕を遮るかのように、計ったタイミングでさやかが杏子を問い詰める。
心なしか怒っているようにも見えたから、僕は問い詰めてると認識したわけで・・・。
特に彼女の目が。
「本当の兄妹みたいってホメられんのは嬉しいけど、家族のカタチはそれ以外もあるかんな。」
今度は杏子が目を細めてさやかを睨む。
あれ?なんか何時の間に険悪?
あれれ?さっきまで仲睦まじくしてなかった?
一体どうしちゃったのキミタチ?
「ちょ、ちょっと二人共?」
「「黙ってて!」」
・・・・・・はい。
いーんだいーんだ、僕なんて、部屋の隅かベッドの端で【の】の字を書いてればいいんだろ、くすん。
「フェアにいこーぜ、フェアに。」
「フェア?」
「おう。あたしはアニキと風呂に入る。んで、さやかはアニキと一緒に今日は寝る。フェアだろ?」
そうね、さやかとはお風呂に入ったし、杏子はちょくちょくベッドに潜り込むし、お互い逆にすれば平等で・・・。
「なんですとォっ?!」
のの字書いてる場合ちゃうがなーっ!
て、エセ関西弁入ってる暇なんてないぞ!
「何でそんな事になるんだよ!杏子、アホな事を言わないでよ。第一、さやかがそんな話に・・・。」
「あ、うん、今日ね、その、ちょっとお友達の所に泊まろうと思って・・・。」
「うぉいっ!ふごっごっ!」
僕の携帯を耳にあてて、恐らく自宅に電話をかけたのだろうさやかに突っ込みを入れようとした瞬間、杏子が飛びついて素早く僕の口を塞ぐ。
「ちょーっちアニキは黙ってな。さやか、ケータイそのままヨコセ。」
杏子の意図してる事が通じたのか、無言で"僕の"携帯をさやかは渡す。
何度だって主張してやる、それは僕の携帯だ!
僕のなんだからな、ソレ。
「あ、もしもし、どうも、あたしはさやかの友達の佐倉 杏子です。」
とってつけたような自己紹介を猫撫で声で、杏子はすらすらと喋り始める。
何時も思うんだけれど、女性はなんで他人と電話で会話する時って口調とかトーンが変わるんだろ?
「え、いえいえ、あたしがどうしてもって我が儘言っちゃったのが悪いんです。あ、はい、すみません。はい、おやすみなさーい♪」
ピッと電話を切る。
押し切っちゃいやがりましたよ、このコわ。
「さてと、風呂の支度でもすっか。」
何事もなかったかのように杏子は僕を解放すると、携帯も解放されて元あった机に戻される。
「・・・杏子、そこに座りなさい。」
「ヤダ。」
「こんノォ・・・。」
思春期?反抗期?の娘を持った父親の気分を擬似的に味わいながら、拳がプルプルと震える。
この衝動を何処に向けたらいいんだ?
なんで、僕だけがこんな仕打ちを受けなければならないんだろう。
「さやかもそこに座れ。」
「わたしは最初から座ってるし。」
「そ、そうか。」
何で二人共平然としてるんだ?
僕だけ、一人であわあわしているのは、絶対不公平だと思う。
ほんと、馬鹿らしい。
「はぁ・・・大体さ、さやかの親は僕の携帯番号知ってるでしょう?」
以前の騒動で着信あったし。
僕の携帯に電話をかけてこられるんだから、当然、番号も把握しているワケで。
「ちゃんと非通知でかけたもん。」
ぐぬぅ~、確信犯めっ。
どうしてそういう時は抜け目なくちゃんと出来るんだよ・・・。
「あー、アニキ、着替え借りるぜー。」
い、いけしゃあしゃあと・・・。
「何で?どうして?僕の反応って普通だよね?どうして二人共そんな平然としてるわけさっ?!」
「あ。」
僕の訴えに、さやかが声を上げる。
「そう!そうだよ!ようやく冷静になったか、さやか!」
「わたしにも着替え貸してよ。」
ズコーッ!