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まさか、さやかがこんなに簡単に懐柔されるとは思ってもみなかった。
確かに全身を泡だらけにした美少女二人が、身体を洗ってくれるという事に男として魅力を感じないと言ったら嘘だよね。
仕方なく意を決して湯船から出る。
「そそ、じゃ、椅子に座ってよアニキ。」
「杏子・・・。」
杏子は相も変わらずノリノリだけど、僕は彼女の横を通り抜けて・・・。
「アニキ?」
徐にシャワーを手に取ると、蛇口を捻ってジャワーヘッドを杏子に向けた。
「うひっ、冷てぇっ!」
冷水のシャワーを杏子の頭からブッかけてやる。
「やっ、やめっ、アニキっ?!冷たいからだっめっ、うわっぷっ。」
杏子の発言を完全に無視して彼女の全身の泡を丁寧に流していく。
あまりの冷たさに杏子はその場で転げ回るが、その度に泡の流れたお尻や胸、そしてアソコが僕の視界に飛び込んでくる。
「全く!アホな事ばっかり思いついて!大体、そんな事、何処で覚えくるんだか!」
教育に甚だよろしくないじゃないかっ。
あと、僕の心臓にも。
「だってアニキがっ、よろこっ、冷たっ、ぶっと思っひゃっ!」
もはや絶叫に近い。
こうやって杏子の全身の泡を流した後、今度はさやかに目を向ける。
「ひっ?!」
それだけで怯えきった目をするさやか。
う~ん・・・なんだか、アブないプレイに目覚めてしまうかも知れない。
「・・・さやかはアレだから、お湯にしてやろう。」
「えっ?」
今度はさやかへとシャワーヘッドを向けて頭からかける。
但し、今度はお湯だ。
顔面にお湯がかかって、あっぷあっぷしてはいるけれど、杏子よりは遥かにダメージが少ない。
「ずっこい!ずっこいぃ!」
そりゃ主犯格の方が罪は重いものだ。
よって杏子の不平不満は却下。
「本当、ロクな事をしない・・・。杏子、椅子に座って。頭洗ってあげるから。」
かと言って、冷水を浴びせかけたままじゃ身体に毒なので、さやかに向けていたシャワーをしおしおになって椅子に座る杏子の頭にかける。
「少しは普通のスキンシップとかないの?」
シャンプーを手に取って、杏子の長い髪に満遍なく伸ばして、梳くように撫でる。
「普通だろうが、そうじゃなかろうが、スキンシップはスキンシップじゃん。」
「ほらな、さやか、コイツはこういうヤツなんだ。真似するなよ?」
コイツは本当に反省しない。
「やっぱ長いな杏子の髪。」
これじゃ、シャンプーの量も乾かす手間も大変だと思う。
「んー?うっといか?切る?」
「いいや、綺麗だよ。」
濃いルビーブラッドの髪。
燃えるような赤でも、血のような赤でもない中間の濃い色。
「長い方が好みなの?」
まるで順番待ちのように大人しくしているさやかが、僕に聞いてくる。
またそうやって人の顔色を伺うような怯えたような顔をするなよ・・・全く。
「いや、どっちでも。その人に似合っていればいいんじゃない?少なくともさやかのその髪型、可愛いと思うよ?あ、次はさやかの頭も洗ってあげるね?」
最初から僕がこういう行動に出てれば、どったんばったんしなくて良かったんじゃないのか?
「そ、そっか。あ、じゃ、今のうちに背中流してアゲル。」
「・・・普通の方法でね。」
流石に杏子のような仕打ちは嫌なのか、コクコクと首を縦に振る。
「もも、も、勿論。決まってんじゃない。」
本当か?
さっきはあんなアホな事をしてたクセに。
「じゃ、あたしはアニキの前を洗ってやるかっ。」 「流しまーす。」
一通り洗った髪に問答無用でお湯をかける。
「ばっ、シャンプーの泡!目に!目に目にぃ!痛っ、痛いってアニキぃ~!」
「あーあー、キコエナイー。」
そのうち、"バルス"とか言ってやればいいのかな?
と、まぁ、ずっとやっても可哀想だから、すぐに杏子の目を拭ってやった。
杏子の台詞に一箇所だけ試しに方言を入れてみた。
存外、悪くない・・・かも。