※この作品はR-18です。

エスペラント→キミが視る夢。   作:鵜飼 ひよこ。

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願いは救い取るコト。【retrokalkuli malesperi.】
Q:試されるべき愛?


 37_

 

「やれやれ・・・。」

 

 一騒動はあったものの、特に大きな問題に・・・は、なるんだよね・・・。

前回の時と同じだ。

どうマミ先輩に弁明しよう・・・。

 

「はぁ・・・。」

 

 今度こど確実にフラれるんだろな。

仕方がないとは思いたくないけれど、十二分に僕が悪い。

どんな仕打ちも覚悟しなければ・・・。

 

「風呂でさっぱりしたクセに何溜め息ついてんだよ。」

 

 僕のTシャツに薄い黄色のパンツを履いた杏子が苦笑していた。

 

「・・・杏子、僕が用意したスウェットの下はどうしたの?」

 

「あぁ、アレ?アレいいや、邪魔だし。」

 

「よくない。はしたないよ?」

 

 上に着ているTシャツが大きいから、そこまで露骨には見えないけれど、にょっきり生えた足が眩しい。

 

「まぁまぁ。で、溜め息のワケは?」

 

「・・・今度こそ、確実に彼女にフラれるなぁってさ。」

 

「ん?あぁ。」

 

 合点がいったのか、杏子が頷く。

 

「まぁ、うん、自業自得なんだどさ。」

 

「言わなきゃいいじゃん。」

 

 その通りなんだけれど、嘘は問題外として、明確な意思を以って言わない、秘密にするのって・・・。

 

「不誠実だ。」

 

 僕がそう応えると、杏子は肩を竦める。

その目は"何言ってんの、コイツ?"と主張しているように感じた。

 

「アニキは馬鹿だなぁ。確かにあの巨乳は魅力的なんだろーケド、こっちは二人分だぜ?」

 

「足し算とか単純な計算で判断出来るものじゃないでしょう?」

 

 杏子の発言に眩暈を感じつつ、呆れながらベッドに腰かける。

まぁ、単純な計算だけで恋愛が出来るのなら、きっと楽なのだろうけれど。

 

「それに相手に失礼だ。」

 

「だな。」

 

 自分で振っておいたクセに、杏子も納得顔してる。

 

「何の話?」

 

 良かった・・・さやかはちゃんと僕の出した上下を着てる。

 

「あぁ、それがな・・・。」

 

 杏子がさやかに耳打ちして、かくかくしかじか・・・って、耳打ちするような話でもないのだけれど?

 

「アニキ?」

 

「んー?」

 

「せぇえーいっ!!」

 

 ボケっとして二人の様子を眺めていた僕が悪いんだろうか?

気づくと目の前には、小さな足の裏が二つ・・・。

 

「どっはぁッ!!」

 

 杏子のそれはそれは綺麗なドロップキックが僕の胸元に炸裂して、僕はベッドの上にもんどり打って倒れる。

一瞬、息が出来なくてパニックになりかけたくらい強烈な一撃。

 

「さやか!今だ!」

 

「ゴメンッ。」

 

(は?)

 

 何が?と聞き返そうとした時にはもう僕の両手はさやかに、両足は杏子によって縛られていた。

 

「ちょっ、何すんのさっ?!」

 

「まぁまぁ、アニキ落ち着いて。」

 

「誰が落ち着けるか!さやか、何とかし・・・。」

 

 最後の良心とばかりにさやかに懇願しようして、僕は目を見張った。

 

「さ、さやか、し、下は?」

 

 さやかが何時の間にか僕の貸したスウェットの下を脱いでパンツ一枚の姿になっている。

水色の水玉パンツ。

 

「えと・・・縛るモノが見つからなくて・・・。」

 

 そうだ。

僕の両手を縛った張本人はさやかだった。

縛った本人に解いてもらおうなんて、アホもいいとこだ。

 

「杏子、一体、何のつもりなの?」

 

 どう考えても杏子が思いついたとしか思えない。

彼女のイタズラに脱力するのを堪えて、問いただす。

 

「アニキはさぁ、解ってないんだよ。」

 

「解ってないって、何が?」

 

 杏子はベッドの縁に片足をかけて、僕を見下ろしていた。

 

「知ってるか?浮気をされて、浮気相手に怒るのは恋人が好きなヤツ。恋人を怒るのは自分が好きなヤツっての。」

 

 何処かで聞いた事あるな、ソレ。

 

「そんなのは、一般論で傾向だろ?」

 

 平均とかいうのは、別に絶対値とか基本値じゃない。

多数はというだけだ。

 

「んまぁ、そうだけど。でも、やっぱりソイツを愛してんなら、浮気されようがされまいが、愛し続けるもんだろ?・・・憎しみに変わるパターンもあるけど、ま、それも本物だな。」

 

 結局、杏子は何が言いたいんだろうか?

 

「で・・・。」

 

 じゃーんっと杏子は手にした携帯を僕につきつける。

杏子は携帯なんて持ってなかったはずだ。

となると・・・。

 

「ま、まさか・・・。」

 

 冷や汗を垂らす僕の震える声にも構わず、杏子は"僕の携帯"を操作する。

 

「アニキの彼女は、一体どっちかな?」

 

 

 

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