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「ね?」
「んー?」
クッキーの包みを眺めながら、僕はそれを今食べようか、昼食後に食べようか、はたまた家で?どれがいいだろうかと考えていた。
「あの後、杏子ちゃんとも、先輩とも、その、"シタ"んでしょ?」
「ぶっ?!さ、さやかぁ・・・。」
言うなとは言わない、事実だし。
でも、時と場所を考えて欲しい。
「なんかズルいなぁ。フェアじゃない。」
「フェアって・・・。」
「だって杏子ちゃんそう言ってたじゃない?」
確かにそんな事を言ってはいた。
でも、冷静に考えれば、これに関してはフェアにしなきゃならない理由は僕にはなくてだな。
邪険にするともりもないけれど・・・。
「わたしだけ、そういうのしちゃいけないっていう制約があるみたいなんだもん。」
「だもんって、別に進んでしたからたって、どうってワケじゃないでしょう?」
「わたしだって解ってるよ?失恋してすぐ違う男の子とって・・・しかも好きかどうか解らないのに。」
さやかの場合、失恋の時に僕が傍にいて、杏子の変な三段論法(?)のせいってのは、あるよなぁ。
「杏子のせいで余計に混乱しちゃったよね、ごめん。」
「何でアンタが謝るの?それに、わたし、多分嫌いじゃないよ?まだはっきりと好きとか嫌いとか言っちゃいけない気がしてるだけで・・・。」
それはそうなんだと思う。
でもさぁ・・・。
「だったら余計に無理しない方が・・・。」
「でも、じっくり考えて結論出しても、その時にアンタが傍にいるとは限らないでしょ?」
「あぁ、うん、まぁ。」
「こういうのはタイミングだって言ったのはそっちだよ?」
「・・・そうだね。」
言質を取られているせいで説得の材料が確実に減ってる。
追い詰められてる感があるのか、しかめっ面をしているだろう僕とは正反対で、さやかは笑顔だ。
「前はダメだったけど、杏子ちゃんが割り込んでひっちゃかめっちゃかになった今なら、わたしのスペースもあるんじゃないかって思うんだよねぇ。」
あぁ、段々とさやかが杏子色に染まってういってるぅ・・・。
「さ、さやかさん?あんまり杏子の言った事をですねぇ、全部真に受けないでね?」
「?そんな事ないよ?たまにその通りだなぁって思う事はあっても。」
そ、それが毒されてるというのだっ!
さやかの妹キャラってのは、杏子と1,2を争う可愛さがあると思うけど、そう言う問題じゃないし、今はノテキュー(注:ノーサンキューの略)だっ。
「ぼ、僕はそのままのさやかが好きだからっ、な?な?」
全く以って情けない。
だが、さやかまで小悪魔化されたら、僕はどうにかなってしまう。
慌ててクッキーの包みを解いて、話題を逸らせなければっ・・・。
「たまには、私にもそういう愛の言葉が欲しいな♪」
「い゛?!」
聞き覚えのある声に、僕はギッギッギッと壊れたブリキの人形のように首を回す。
「あ、マミ先輩。」
僕が現実に打ちのめされるよりも早く、さやかが声を上げた。