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「ん~、この前のくらいじゃ足りないのかしら?」
あのさ、ここ、教室だからね?
公衆の面前だからね。
「いや、マミ先輩、そういう意味ではなくて・・・。あ、先輩、あの、その・・・。」
僕が言葉を濁したのは、その、公衆の面前だからに他ならない。
「僕の部屋に"忘れ物"を・・・。」
流石に、『部屋にぱんつ忘れましたよ。』とは言えない。
大体、忘れるような物じゃないよね、ぱんつって・・・。
「うん、"使ったら"洗って返してね?」
「つ、つつ、使いませんっ。」
使うっていうのはアレですよね?アレのコトですよね?
「あら、ああいうのは好みじゃないのかしら?じゃあ、今度・・・一緒に買いに行く?」
「結構です。」
僕はそんなに変態さんに見えるんだろうか?
いや、あんな小さくてぺったんな杏子としちゃった今、そうなのかも知れない。
「そぉ?」
先輩の言葉には"本当にいいの?"という念を押す雰囲気が漂ってるけど、正直そういうお店に男の僕が入るのは、非常に恥ずかしいし、目立つ。
「あ、だったら、わたしが一緒に行こうかな・・・。」
何故だかさやかが手を挙げる。
直接的な単語を出していないのに、話題に乗れるという事はもしかして、先輩が忘れていった物が何かを理解しているということで・・・。
あぁ、もしかしたら、見ていたのかも知れないなぁ。
だとしたら、その流れに乗らなかった君を褒めてあげたい。
「行く?」
「いいですか?」
「モチロン♪」
きゃぴきゃぴ言いながらランジェリーショップに行く約束を交わす女性の中に僕がいるのは、甚だ場違いな気が・・・いや、気じゃないな。
「これ以上、彼が浮気しないように頑張らなくっちゃね~♪」
「ぶふぅっ?!」
本日、またの吹き出し。
「う、うわうわ・・・。」
浮気なんて!と反論の声を上げたくても、事実がそれを許さない。
「しちゃった分はどうにもならないけれど、これ以上そういう人が増えても困るかな、私。」
逆にそんな事をさらりと言えるマミ先輩の器の広さの方が凄いです。
「だったら、まだ杏子ちゃんやさやかさんに監視してもらった方が、知っている人な分いいかな~って。」
「いやいや先輩?」
それはそれでどうかと思うのですが?
「だって、私、アナタとクラスも学年も違うし、生活サイクルも違うから、ずっと監視してられないもの。」
「僕は囚人かナニかですか?」
"ずっと"に突っ込むべきか、"監視"に突っ込むべきか。
「あるイミ、近いんじゃない?」
あっさりとさやかが同意する。
「少なくても、杏子ちゃんやさやかさんは、アナタを大事に想ってて、危害を加えるような人じゃないってのは解ったし。」
僕はそんな二人にベッドの上に縛りつけられたんですが、それは黒歴史直行ですか?ガン無視ですか?
そこには彼氏をレイプする彼女というフレーズも含まれてるからなのか・・・。
「その、あっちも隠されるよりは・・・ね?」
ね?じゃないですマミ先輩。
そんな可愛らしく小首を傾げてもダメ。
「アナタの凄過ぎて、私一人じゃすぐダメになっちゃうし・・・。」
その内容を思い出したのか、両手を頬にあてて、いやん♪と首を振って赤面している。
「あんな調子で毎日求められたら、私、溺れちゃうわ♥」
ダメだ、マミ先輩が完全に妄想の世界に入ってしまった。
なんか、段々、キャラ崩壊していってない?この先輩。
「だってさ。でも、わたし達以外って先輩は言うけど、他にそんなに親しいコって、このクラスにだっていないもんね、アンタ。」
「あ、うん、まぁ、話題を振られれば会話するし、挨拶くらいなら返すけど、一緒に何処へ行ったりとか、そういう異性の親しい人はいな・・・?」
僕の目の前に包みが置かれた。
さやかがくれたクッキーの包みと同じ包みだ。
「え?」
「あげるわ。」
クールにそう呟いた相手は、僕の返事を待つ事なく、無言で僕の席に座る。
まるで何事もなかったかのように。
「えっ?えっ?」
大量のハテナマークが乱舞する僕に何か言いたげというか、尋問したがる視線が注がれてる。
しかも、二人分。
とりあえず、目の前の包み、それもさやかがくれた方を開ける暇も、昼食も食べる暇もないのかも知れない事だけは理解出来た。
だから、使うというのは頭にかぶっ・・・(注:感想欄参照。)