※この作品はR-18です。

エスペラント→キミが視る夢。   作:鵜飼 ひよこ。

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試しに何の前触れもなく更新してみたりするてすつ。


A.たまにはそういう日もあったり?

 55_

 

 絶賛不貞寝中。

家に帰り着いて、鞄を放り投げて楽な格好に着替えてから、一応掛け布団をめくる。

幸い(?)杏子が先客にいる事もなかったので、そのままもぞもぞとベッドに潜り込んだ。

 

「ふぅ・・・。」

 

 今日何度目の溜め息だろう?

部屋に一人。

誰もいないという事実。

そりゃあ、僕の部屋なんだから、それは当然なんだろうけど・・・。

今日のさやかの様子を思い出す。

笑顔で部活に行くさやかの姿。

ああやって笑えるようになってきて、失恋も少しずつ思い出に変わって・・・。

 

「本当にお役御免になるんだろうな・・・。」

 

 幼馴染が"だった"という過去形になって、僕の存在も思い出と共に埋もれてゆく。

杏子にしたって、何時までも僕の布団に潜り込んでばかりじゃないだろう。

彼女は元々自由な子だ。

いずれ"アニキ"という役目も終わる。

 

「こっちもか・・・。」

 

 だったらマミ先輩は?

彼女はどうだろう?

1学年上の先輩だ。

来年にはもう同じ学校にはいない。

そうなると、休み時間に気軽に会う事もなくなる。

生活のサイクルだって変わるだろうし、スレ違いも多くなるだろう。

 

「うわっ・・・。」

 

 変わらない日常を怠惰に過ごしてきた分、何だか嫌な気分だ。

ネガティブ過ぎる。

元々、そういうタイプの僕ではあったけれど、今日は輪にかけてタチが悪い。

掛け布団をすっぽり頭まで被って丸まる。

不貞寝モードの最終形態だ。

このまま眠ってしまうのもアリかも知れない。

そう思って瞼を閉じてみるものの、眠れない。

眠気はあるんだ・・・ただ、何故だか眠ってはいけない気がする。

理由なんかない。

なので、結局、このままモヤモヤした気持ちを抱えたまま、じっとしているしかなかった。

 

 何分、何時間くらいそうしていただろう。

-カチャ-

部屋の扉が開く音がした気がする。

ノックもなしに?

そんなデリカシーのない事をするのは杏子だろうか?

でも、注意する気も起きてこない。

今日はそんな日なんだ、きっと。

だから、僕はそのまま何もしないでいる事にした。

杏子だったら、黙っていても勝手にちょっかいを出してくるか、自分で暇潰しを見つけて帰るだろう。

 

「・・・寝てるの?」

 

 果たしてその声は杏子じゃなかった。

大体、杏子だったら、そんな殊勝な声のかけ方はしない。

この声の主はさやかだ。

少し心配そうに様子を伺うさやかの声だったけれど、僕は返事する気にもなれなかった。

さやかの性格だったら、このままそっと寝かしておいてくれるかも知れない。

 

「?具合いでも悪いの?何かあった?」

 

 更なる問いかけにも僕は答えない。

そういえば、彼女はこういう特徴というか、過保護なところがあったのを忘れてた。

 

「・・・起きてる。ちょっと疲れたから寝ようかなって。大丈夫。」

 

「・・・。」

 

 仕方なしに答えてはみたものの、何がどう大丈夫なんだか自分でもよく解んない。

今日はそういう日なんだから、明日は元に戻ってるさ。

そういうレベルなのかも。

 

「なんか・・・嘘っぽい。」

 

 何?

何だそりゃ?

何処をどうとってそういう事に?

 

「うわっ?!」

 

 急に視界が明るくなって、思わず目を細める。

さやかが被っていた掛け布団を僕から引っぺがしたからだ。

 

「何すんだよ!」

 

 それは紛れもなく不意打ちだったから、僕は思わず声を荒げてしまった。

 

「アンタ・・・泣いてたの?」

 

「・・・え?」

 

 




そして、まさかのさやか回とかいう振り。
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