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ふと目が覚めた。
何で目が覚めたかは解っているつもり。
ずうっと違和感を感じていたから。
だから、僕は彼女に甘えてしまったのかも知れない。
「・・・熱い。」
とにかく身体が熱い。
普通、えっちな事をしたら、している最中は別として、男の体温は下がるはずだ。
だってそうだろう?
自分の身体の中のモノを吐き出すわけだし。
ともかく、生物として著しく活動能力が下がる。
「う゛・・・。」
それに気持ちが悪い。
隣で眠るマミ先輩を起こさないようしにして、トイレに向かう。
身体の中で何かがのたうつようで、それでいて今にも身体から這い出ようとしてくるような、こみ上げてくるものがある。
「え゛ぇ゛っ・・・。」
トイレの便器に向かってえづいても何も出てこない。
解ってる。
これはそういう類いのものじゃないんだって、脳みその何処かで囁いているから。
それでももう一度吐こうとしてえづいてからベットに戻る所で、力なくしゃがみ込んだ。
「傍から見れば病人だ。」
そう自嘲気味に呟いていると、誰かがそっと背中をさすってくれる。
誰かだなんて考える必要なんてない。
今の僕の傍にいてくれる人なんて、一人しかいない。
「ありがとうございます、マミ先輩。」
「大丈夫?」
心の底から心配する面持ちで・・・。
「うん。ちょっと頑張り過ぎちゃったみたいで。」
笑顔を作ろうとしたけれど、ちょっと無理だった。
勿論、言った事はデタラメに近い。
「心配させないで・・・お水持って来る?」
尚も僕の背中をさするマミ先輩の手を掴む。
「うぅん、ごめん。ここにいて・・・。」
今の僕はどんな表情してるんだろう?
きっと凄い情けない顔をしてるに違いない。
いや、元からイケメンって程の良い顔なんてしてないけど。
「うん。解ったわ。ずっと一緒にいるから。」
まるでプロポーズの返事みたいだな、なんて思いながらなんとか息だけは整えようと深呼吸する。
ずっと・・・ずっとか・・・。
「マミ先輩・・・もし、僕がいなくなったら、どうしますか?」
「えっ・・・。」
言ってから自分の失態に気づいた。
今まで杏子にもさやかにも聞いてきたから、その流れで何となくマミ先輩にも聞いてみたくなった思わず口に出してしまったけど・・・。
この言葉は亡くしてしまった事のある人に言ってはいけないし、このタイミングで言う言葉じゃない。
案の定、マミ先輩は表情を曇らせて・・・。
「そうね・・・私も死ぬ・・・かも。」
「え?」
「死ぬのは怖くて嫌だけど・・・もう独りだけ残されるのは嫌だもの。」
独り生き残るよりも、死を選ぶ。
マミ先輩はそう言っている。
「それくらいアナタは私の心に浸透しているの。最初に告白された頃より、ずっとずっと。」
そうだった・・・最初に寂しい想いをさせないと言ったのは僕の方だ。
「マミ先輩、ごめん、変な事聞いて・・・。」
彼女の頬に手を伸ばして優しく撫でると、瞳を閉じて受け入れてくれた。
いや、自分から顔をすりつけている気がする。
「うん、だから、ずっと傍にいてね?それと・・・。」
僕の手をきゅっと握り、上目遣いで僕を見つめる。
「二人きりの時は名前だけを呼んで?呼び方、元に戻ってる。」
「あ・・・。」
「もぅ。でも、え、えっちの時だけそう呼ばれるのも、ゾクゾクするかもっ♥」
あぁ、天使だな、この人は。
僕の何もかも包んでくれる・・・。
僕は今度こそ覚悟を決めて・・・そして、彼女の今日の笑顔を忘れないようにしようと堅く誓った。
という事で、残り話数も片手程度。
来週末にはクライマックスとなっているわけで・・・賛否両論ありますでしょうが、最後までお付き合いください。