ウォーキングで肉離れを起こした作者です。
ここ二か月の間、健康の為ランニングマシンでウォーキングをしていたらのですが、何時も通り運動をした後の睡眠中にこの世の物とは思えない激痛が右ふくらはぎを直撃。
「ほぎょ!」
醜い事この上ないうめき声でのたうち回り、ジョセフのような丸太のような足並みに腫れながら病院に行きました。
今は落ち着いてますが、まだ痛いので座ってても違和感があり集中出来ない状態の為、執筆速度が落ちるかもしれません。
また、今回エチエチタイムまで書き上げる予定でしたが、切り上げつつ手直しもそこそこで投稿するしましたので荒い部分があるかもです。
許してください何でもしますから。
次回、虹夏との汗だく疑似NTRドチャクソエチエチタイムの予定ですのでお楽しみに。
誤字脱字はご愛敬。
何時も誤字脱字報告ニキネキありがとう!
夜の帳が下りた頃。
「......じゃ、またね。明日香君」
「うん......」
玄関で互いに顔を上気させる僕達。
勿論、原因はさっきのキスだ。
今まで表立っての動きが無かったから心の片隅にあった、虹夏の愛がここに来て表面化。
目が逸らせぬほど、見せつけられ彼女の愛情がひしひしと伝わって来る。
「――日曜日! わ、忘れないで」
靴を履き、出て行こうとする僕に大きな声で言う。
踵を返し虹夏の方へ向き直すと遠慮気味に口を開いた。
「うん」
そう、小さな声で返事をして「またね」と去る。
今ここで胸の内を全て話せたらどれだけ良いか......。
だけど、それをしてしまえば虹夏との関係どころかスターリーとの関係まで絶たねばならなくなる。
虹夏もリョウも、みんなを傷つけてしまう。
「本当に最低だ僕は......」
夜空の下。
人通りの疎らな繁華街をトボトボ歩き、自虐的に言う。
何故なら、理屈を並べてこれまで虹夏の事を後回しにしていたのは色々な人に迷惑が掛かる......だけじゃなく『自分の今の居場所』がなくなってしまうからなのだから。
結局は、自分の為。
幾ら周りの人の為と
それを、僕は分かっていた。
分かっていて、此処まで目を背けて来た。
「......」
明日、虹夏に全て告白しよう。
そして、断ろう。
『僕には虹夏ちゃんの彼氏になる資格はない』と......。
いいや、明日とは言わず今ここでやるべきなのでは?
携帯はあるし、何なら今から引き返して――
ポケットから取り出した携帯。
持つ手は震え、何時もよりずしんと重く腕全体にのしかかる重さで電話を躊躇させる。
電話して全部話したら虹夏と、みんなといられなくなる。
スターリーはやめないといけない、PAさんも仕事を辞めさせられるかも。
星歌さんも虹夏との仲が悪くなるし......星歌さんの事は黙ってる? ――ダメだ、そんなの。
全部話さないと。
でも............。
不安が不安を呼ぶ、堂々巡りの中で携帯を手にして尚、他人を理由に逃れようとする僕。
そんなピリピリとした緊張で身体を固くしていると、 予想していなかった声が聞こえてくる。
「明日香」
「......リョウ?」
繁華街を抜け、住宅街へ差し掛かろうとしている時、目の前にリョウが。
昼間見た服のまま、壁にもたれながらスマホを弄っている所を見るに待っていたのだろうか?
「なんで?」
「明日香と話したかった」
「......そう、なんだ」
足元を見つめながら寝言のように小さな声で口を開くと、携帯を再びポケットに戻しリョウに近づく。
最悪。
リョウが嫌いで会いたくないからじゃない。
彼女に会ったから、電話がかけられない事に安心している自分に腹が立っているのだ。
自己嫌悪の境地に達しそうになる所を、気取られまいとグッと抑え隠すように気丈にふるまう。
「別に明日でもよくない? もう夜だよ?」
「どうしても今日が良かったから」
「僕もう疲れたんだけど」
ワザとらしく疲れた素振りを見せる僕に、スマホを仕舞い後ろにある公園を指さす。
「あそこ行こ」
「あ、ちょ」
言うだけ言うと、返事を聞かずに僕の手を引き歩くリョウ。
何時もの自分勝手な彼女の行動が、今はどうしようもなく安心する。
ベンチに座らされ「待ってて」と放置される事一分。
「――はい」
両手に持っていたジュースの内一つを渡して来る。
「あ、ありがと......あ、お金」
「いいよ」
「でも」
「いいから」
有無も言わせない言動で封殺しつつ僕の隣に座る。
「......ありがと」
キャップを捻り、グビッと一度煽る。
炭酸が心地よく喉を刺激し、その後訪れる甘さが幸せな気分にしてくれる。
また満月の下、月明かりで照らされた場所で飲むとまた何とも風流な気持ちにさせてくれるのだ。
が、そんな事してる場合じゃないと直ぐにナーバスに。
「で、何話したいの?」
「――虹夏に告白された?」
「ブゥッ! ゴホゴホ!!」
開幕建前なしの本音の声に思わずせき込んでしまい、キャップを落としかける僕。
リョウはそんな事は眼中にないようで、その間ずっと僕の目を見ていた。
ちゃかす空気じゃ......ないよね。
すっと一呼吸し、心を落ち着ける。
「ううん。でも、それと同じくらいの事はされたよ」
「......そう」
正面を向き直し、月を見上げたと思ったら地面に顔を移す。
そして、一拍おいて言葉を紡いだ。
「............明日香はなんて答えた?」
「何も答えなかった。――来週の日曜日にって虹夏ちゃんが」
「そう......」と小さく一言。
両手で未だ開けないボトルを触りながら、訥々と再び口を開いた。
「.......明日香は何て答えるの?」
何時になく真剣な表情。
それに本気の空気も相まって、顔を見ていられなくなり瞳を正面にある砂場へ。
「断ろうと思ってる。リョウは知ってるでしょ? 僕のしてた事。そんな人だなんて知ったら虹夏ちゃんだって」
「虹夏は気にしないと思う。......私も気にしない」
優しく遮るようにリョウが言う。
その、彼女らしからぬ人を気遣う仕草に思わず笑ってしまうも直ぐに口を開いた。
「ありがと。でもダメだよ。僕が僕を許せないもん。――今まで、色々言い訳しながら避けて来たけど......それももうおしまい」
そうだ、例えこの先どんな事があろうとそれは自業自得。
僕が償なわければならない罪。
「......」
リョウの反応がなくなった。
「もう遅いし、帰ろうか」
キャップを閉め、「じゃあね」と立ち去る僕。
それはまるで処刑台に送られる死刑囚の気分だ。
怖いけど......どこか清々しい。
これで良かったんだ。
これで。
が、直ぐに前に進めなくなる。
背中に感じる二つの感触。
腕を回され、胸の前で交差するように抱き着かれる。
「断る為の理由がいるなら私が作ってあげる」
「リョウ?」
耳元で吐息と共に聞こえる彼女の声が、ぞわりと身体を震わせた。
「好きだよ。付き合ってよ明日香」
また、告白された。
身体中が燃え上がるように熱くなり、得も言われぬ気持ちになる。
でも僕は。
「......ダメだよ」
「何で?」
「別に僕は虹夏ちゃんと付き合いたくないから言うんじゃないんだよ」
「明日香は考えすぎ。二人が納得してした事なら別に明日香が悪いと思う必要ないよ」
「そんなの」
不誠実だ。
振り解けない僕にリョウは呟く。
「――それでも、言うって言うのなら。もう一つ、言わないで良くなる
「理由?」
「もし、虹夏に明日香が売春してるって言ったら。私は『明日香を犯した』って虹夏に言う」
「ッ!? 何言ってるの!?」
振り向こうとするが強い力で抱き着かれている為叶わず、声を上げて食い下がる。
「明日香が言うなら、私も言わないとダメでしょ? そんなの不公平じゃん」
「スターリーは?」
「やめる。多分」
それはダメだ。
そんな事したら、僕が虹夏の周りの人間関係を全部壊してしまう。
それにリョウもバンド活動も......。
眩む視線。
気持ちが悪くなり、胃酸が上がってきた。
そこに、間髪入れずに悪魔の声が。
「別にいいじゃん、今まで通り過ごせるなら。明日香は真面目過ぎなんだよ」
「......」
くらくらする。
立ってられない。
リョウに背中を預け、虚ろな思考で考えた。
今までの関係全てを壊し、虹夏を傷つけてまで自身の正義を貫く必要はあるのか?
それとも、それら全てを自身の罪だと己を罰し、虹夏に告白を断り今までしてきた事を全て話すのか?
道は二つに一つ。
果たして、どちらの道が明るいか?
「......返事、聞かせてよ」
「僕は......」
この夜。
僕は――
日々はあっと言う間に一週間が経過し、虹夏とのデートの日。
「......」
休日ということもあり、大盛況の遊園地。
家族連れや恋人、友達同士など様々な人達が笑顔で楽しむ中、僕は一人浮かない顔で入場ゲート前で佇んでいる。
息が詰まりそうになり、シャツの襟を掴み伸ばすと一度深呼吸。
「大丈夫」と自身に言い聞かせ、彼女の到着を待った。
緊張する......。
この一週間何度も脳内でシミュレーションしたけど、いざその日になったら不安でしかたないよ。
吐きそうかも。
「明日香く~ん!」
「っ!?」
上って来る胃酸をグッと飲み込み、振り向くと何時もより三倍増しの燦々笑顔の虹夏が手を振りながら駆け寄って来るのが見える。
その姿は、普段とは装いが異なり煌びやかで、おそらく今日の為に新調したのだろう。
それでも普段と同じ、大きなリボンはシュシュの代わりに手首に巻いている辺り虹夏だな、と思える安心感を感じた。
「に、虹夏ちゃん」
「どうしたの? 気分悪い?」
「う、ううん。違うけど......あの「言わないで」え?」
何かを察したのか急に真剣な顔になり、鋭い声音で飛ばす。
「今日一日楽しもうよ。言いたい事は最後に......ね?」
圧強めで笑いかけると、虹夏は未だ燻る僕の手を掴み受付へと駆け出した。
「わぁ!」
「折角来たんだから取り敢えず色々忘れてたのしもうよ!」
手早く受付を済ませ、入場口をくぐると。
「......」
そこには夢が広がっており、見た瞬間、僕の頭に掛かる思考の靄がスッと晴れた。
ジェットコースターにメリーゴーラウンド、記憶の中でも数回しか来た事のない思い出。
家族との思い出が蘇って来る。
でも僕は......。
揺れる瞳をアトラクションから地面へ。
「行こ?」
「......うん」
軟弱な意思を導く様に、手を握る力を強め今度は優しく歩き出す虹夏。
そんな彼女を見ていたら、次第に心がほだされ無意識に言葉が出て気付いた時には虹夏の隣を歩いていた。
「見て見て瓜ボー! 一緒に写真撮って貰おー!」
「う、うん。でもカメラ持ってないよ?」
「大丈夫。私のスマホで撮るから。家で印刷して明日香君にもあげるね」
「待って~!」と瓜ボーを引き留め、三人で写真をとる。
スマホの写真の解像度に驚いていると満足気な顔で虹夏がアトラクションの方を指さした。
「あれ乗ろうよ!」
「あれ――ヴッ!?」
指が指し示す方向にはジェットコースターの乗り場が。
レールの上を高速で駆け抜けるジェットコースターからは甲高い悲鳴が聞こえ、僕の恐怖を擽る。
生まれてこのかたこの手のスリリングなアトラクションにのった事がない僕。
大人の人でも叫ぶ乗り物を見た瞬間、何となく怖いと言う感情が生まれてしまい、忌避していた。
まさか、一発目でこれとは。
頑張れ僕......虹夏を楽しませないと。
何より、男の僕が怖がったらカッコ悪い!
「ヴ? もしかして怖い?」
「う、ううん。全然」
「そっか。じゃ、いこ!」
「うん......」
テンションブチ上がりな虹夏は駆け足で乗り場へ。
荷物を預けるとあれよあれよと安全バーを下ろされていた。
何これ怖い!
楽し気な虹夏とは裏腹に青ざめる顔。
無意識に隣に座る彼女の腕を掴み、嬉しそうに顔を上気させる虹夏の事には気付かずその時を待った。
「いってらしゃ~い!!」
ガタガタと音を立てて急こう配なレールを昇っていく。
高い景色から見下ろす園内、それと共に外気に晒されている感覚が全身を撫でる。
「う、ううこ、わいぃ」
更に強く虹夏の手を握る。
「明日香君」
「う、うう」
「私ね明日香君の事――」
バン!!
体験した事のないスピードで一気に駆け下りる。
右へ左へ。
身体全体に掛かる圧で顔を顰め、レールの下をくぐる時はぶつけないと分かっていても頭を下げてしまう。
「ワァァァァァァ!!!!」
再び乗り場へと辿りつく時には喉はガラガラ精魂尽き果てたと言うような心情だった。
「楽しかったね」
「うっ! ――うん、そうだね」
吐きそうになった。
「......ねぇ? 私の言葉聞こえてた?」
「? ごめん。聞こえなかった」
「そ、そか......ううん。何でもない! 次いこ!」
「ちょっと休憩をぉ! ――」
お化け屋敷。
暗い、怖い、寒い。
人の悲鳴が聞こえ――
「ギャァァァ!!」
「キャ!」
「あ、明日香君。そんなに腕に抱き着かれたら歩きにくいんだけど(明日香君の匂いがする......)」
「ご、ごめん」
船型アトラクション。
船状の乗り物に乗り、前後にゆらゆらと揺れ出す。
これなら大丈夫かも。
「た、楽しいね」
余裕を見せようと虹夏に言う。
「うん」
......あれ?
ふり幅が徐々にひどくなっていき、六十度、九十度と勢いが増す。
何処まで行くの?
え? え? ちょちょちょちょ!!??
「怖いぃぃ!」
頭の天辺が地面へ向いた時には無意識に虹夏の手首を掴んでおり、その頃には最早怖い事を隠す余裕すらなかった。
「明日香君カワイイ!!」
揺れる時の風で何も聞こえないのを良いことに、タイミングを見計らい叫ぶ虹夏。
気付けばもう夕方。
「はぁはぁ」
「ふんふん~」とルンルン気分で歩く虹夏の隣にげっそりとやせ細った僕の姿が見えた。
何でスリル系ばっかりなの?
うぅ~怖かった......。
「楽しかったね!(怖がる明日香君可愛くてついついスリル系ばっかり行っちゃった)」
「う、うんそうだね」
「そろそろ終わりだけど――あれ、乗ろっか」
頬を僅かに染め、すくい上げるように僕の手を握る虹夏。
彼女の視線の先にある最後の乗り物を見た時、僕の中で何かが分かったようで今までの気分が百八十度変化し、来た時と同じような面持ちへ。
「......うん」
覚悟を決め、虹夏の進むままに足を進めそれに乗った。
「ではいってらっしゃい!」
係員の声と共に閉められる扉。
そこは大人が四人程座れば手狭になるくらいの広さの空間で、外の景色が良く見える構造になっており、ゆったりと円状に上がって行く。
観覧車だ。
夕日が室内を赤く染め、それに伴い僕達の顔も赤色が見えて来た。
僕の対面に座る虹夏は、両足を揃え、その間に両手を開閉させている。
何かタイミングを待っているような感じで、僕も彼女に合わせて話すのを待った。
僕達の乗る観覧席がそろそろ天辺に差し掛かろうとした、その時。
「明日香君」
始まった。
「ん?」
「私ね。明日香君の事好きなんだ」
虹夏の手が僕の手の上に重なり、潤んだ瞳で見て来る。
「......うん」
「明日香君は私の事。どう思ってる......のかな?」
「僕は......」
一瞬の間。
ほんの瞬きの間に、フラッシュバックする虹夏との思い出。
初めて会った時。
仕事を教えてくれた時。
落ち込んでる所を助けてくれた時。
そして――
『だから、見直した――かっこよかったよ』
今なら分かる。
あの時の胸の奥がチクリとした感覚はきっと『恋』だったのだろう。
溢れる感情を抑えきれず、視界がぼやけ、目端から涙があふれて来る。
僕の上に乗った虹夏の手をそっと彼女の手の上に乗せ直し、詰まる喉を無理やり開き。
言う。
「ごめん。に、じかちゃんとは付き合えない」
「......なんでか聞いても良い?」
「僕、もう付き合ってるんだ......リョウと」
「......え?」
どうしてもあの居心地のいい場所を捨てられなかった。
ごめん、ごめんなさい。
心の中で何度も何度も謝りながら、俯き反応を待った。
「私が明日香君の事好きだって知ってた?」
「うん」
「でも、リョウと付き合ったんだ。......私よりリョウが好きだったって事?」
冷静な声音で理性的に僕へと問いかける虹夏。
それに僕は建前と本音が矛盾しているからか、離そうとしても声が出なくなり「そう言う訳じゃ」と苦し紛れの答えを言った。
ごめんなさい。
ごめんなさい。
スンッと鼻息が聞こえ、俯くその視線から見えた虹夏の身体は震えており、容易に泣いているのが分かった。
罪悪感で身体が潰れそうになる。
それでも、償いとしてぐっと耐え、涙を我慢し虹夏を待つ。
虹夏からの断罪を待つ。
殴られてもしかたない。
罵られても何も言えない。
これでも、足りないくらいの本当に最低な事をしたのだ、どんな沙汰でも受け入れよう。
しばらくの間、室内は虹夏のすすり泣く声が響く。
徐々に落ち着き、そろそろかと思ったその時、予想だにしていなかった事態が僕を襲った。
「っ!? んん!」
舌が入って!
突然膝上に乗り唇を寄せる虹夏。
離れぬように両腕を僕の身体の後ろで繋ぐように固定し、驚き緩んでいた口に舌をねじ込んで来た。
口内を舐め回し、後頭部の髪を掴まれ、強制的に上を向かせながら自身の唾液を流し込んでくる。
「ん......んぐ......んぐ......じゅるちゅ......れろ」
「ちょ......じゅぞ......ちゅら」
甘いそれは、あっという間に口の中を浸し重力に従いタラリと喉へと落ちていった。
――ゴクリ。
「
虹夏が身体の中へと入って来る。
未だ涙で濡れる虹夏の顔を想いながらも、罪悪を塗りつぶすように快楽の雨が降って来た。
男女と言う明確な力の差が存在すると言うのに悲しい事に身長も力の強さも負けている僕では、本気の虹夏の力にはどうしても勝てず、少しずつ僕の引き剥がそうとする力が弱まっていき。
藻掻く様に動かす両腕は次第に動きが鈍くなり、最後には力尽きパタリと椅子に落ちた。
ぞわりと背筋が震え少しずつ力が抜けていく。
引き離そうとする抵抗は薄れ、最後には為すが儘の状態になってしまう。
存分に口を犯した虹夏は降りる頃になってやっと顔を上げた。
「ひどいよ明日香君」
「......」
腰が砕け、長いキスの間に酸欠に似た症状になり声を出す余裕のない僕。
反応しない僕に構うことなくそのまま続ける。
「ずっと我慢してたんだよ? それなのに......こんなことして最低だよね? ごめんね? でも――」
――明日香君も悪いんだよ?
「虹夏.....ちゃん?」
僕ではなく自身に言い聞かせるその言動は、少し前の僕を見ているようで何故だか少し安心した。
僕だけじゃなかった事に安心してしまった。
「ありがとうございましたー!」
恋人繋ぎで観覧車から出た僕達。
ふらつく僕を一瞥し、そのまま退場口へ向かい。
「......行こっか」
「......」
有無を言わせぬ雰囲気を纏わせながら、僕達は夜の街へと消えていった。
次回『#22 虹夏エレクトロ』み......んっ! て下さい......。
感想、評価貰えれば執筆速度UPします。