最新話投稿次の日から突然鬼の社畜生活が始まりました。
折角再開したけど次の話はちょっと待っててね!
みんな新年あけましておめっとさん。
放置していて気付けば2年たっててたまげたなぁ(他人事)
長い間待たせた兄貴たちごめんなさい。
何でもするので許してください(なんでもするとは言ってない)
真面目な話、興が乗らない限り描けない病にかかってる私なので、長い間執筆する事がありませんでした。
今回もどれだけ続くか分からないので期待せず待っててください。
誤字脱字はご愛敬。
報告ニキネキありがとう!!
風呂に入り、家事を済ました僕はリョウを避けるように訳を見つけて、逃げて来た。
今日きくりはバンドのライブ終わり朝まで飲み明かすと言っていたから、静かでいいと高を括っていた。
「......」
リビングから聞こえる遊里の笑い声を聞き洗濯機の中で回る洗い物を眺めながら、ふと脳裏にリョウの姿がよぎる。
直接話すのが筋だ。
そう思っていてもいざその状況に直面すると何を言ったらいいか分からない。
いいや、本当は分かってる。
今、僕が迷っているのは何を言ったらいいか分からないじゃない。
どういったらいいか分からない、だ。
「はぁ......」
小さくため息を漏らすとその場でしゃがみ、太ももに肘をのせ、両手で頭を支えるように座る。
この時間が永遠に続かないかな。
不毛な時の中、言い訳にしかならない釈明文を考えているとあっという間に洗濯機から音楽がなる。
「終わっちゃったよ」
気だるけに立ち上がり、籠を洗濯機の前に移動させると蓋を開いた。
中から溢れ出した、焼けるような熱気を気にすることなく作業的に感想した洗い物を籠に入れる。
あーだこーだ嫌な事を考えていると時間が早く進むようで気付いた時にはリビングに続く廊下の上だった。
ど、どうしよう、今リビングで二人が遊んでる。
いっつもリビングで洗い終わった物を畳んでいるから、行かないと遊里に怪しまれる。
だけど、このまま行っちゃったらリョウがいるし。
「どうしよ「お兄ちゃん?」ッ! はい!」
「そこで何してんの?」
「何って――ほ、ほら! これ畳もうと思って」
「ふ~ん」
それ以上遊里は何も言わず「トイレ!」とトコトコ走り去って行った。
リビングにはリョウが一人。
今の会話で僕がいる事はバレている。
行くしかない......。
「......」
無意識に足音を立てずに静かなリビングにイン。
そこにはポーズ画面が表示されたテレビ。
そして、その前には先ほどと同じ位置にリョウが胡坐をかき手を後ろに付きながらスマホを弄っていた。
スーと、気配を消して部屋の端に腰を下ろし、籠に手をツッコみ服を取り出し広げだす。
カチカチカチ......。
壁掛け時計の音が聞こえる程静か。
それが逆に緊張感が出て、居心地がさらに悪くなる。
「......」
早く、早く畳まないと心臓が止まる!
家事をしているとは思えない程鬼気迫るその表情で、目にも止まらぬ速さで動く僕の手は、次々に畳み、服別に塔を作っていく。
もう直ぐで終わる。
そう思いつつ、ふとリョウの方を見ると。
「......」
「ひゃ!」
こっちを見ていた。
相変わらず無で何を考えているか分からない。
しかし、今重要なのはリョウがこっちを見ているという事だ。
目が合った。
止まる僕の手。
外せない視線。
蛇に睨まれた蛙の如く、ピタリと動きを止まってしまう。
「あす「続きやろ!」あ、うん」
何か言いそうになったリョウだが、帰って来た遊里の声が聞こえた瞬間口を噤む。
え? 今リョウ何か言おうとして。
そして、二人肩を並べてテレビ画面に映るロボットに集中。
時々、ゲームの専門用語らしき言葉が入った会話をするが、その間に僕が入る余地はなく完全に蚊帳の外へと追いやられてしまった。
先ほどまで望んでいた状況。
なのに、さっきのリョウが言おうとした言葉の続きが気になってしかたがない。
話しかける?
「あの「リョウちゃんなんか上手くなってない?」......」
「さっきスマホで攻略法見た」
「え~それずるくない?」
「大丈夫。ゆーもストーリーで躓いたら見せてあげる」
「じゃあいい!」
何この空気......もしかして僕邪魔者? 要らない子?
楽しそうに雑談を交えながらゲームをするその光景は、常日頃から僕が望んでいた光景。
うぅ羨ましい! 僕もリョウみたいに遊里に頼られたい!! 僕がもう少しゲームが上手ければ......上手ければ!!
『ゆーのするゲームはハイペース過ぎてお兄ちゃんには無理だよ』なんて言わなきゃよかった! ちゃんと遊里に助言を乞うていれば、今頃あの隣は僕だった筈......ッ!!
過去の自身の行動を後悔し、リョウに羨望の眼差しを送る。
それを感じたのはリョウはこちらを一瞥。
「やる?」
と、こっちにコントローラーを差し出した。
「り、リョウ......」
聞きたい事もあるだろうに、こんな僕に妹と遊び機会をくれる何てッ。
涙が出そうになるのをグッと堪え、立ち上がるとそのコントローラーに手を伸ばした。
「う「ダメ! お兄ちゃん絶対に出来ない奴だし」ガーン!!」
「そうなんだ。ごめん今のなし」
「うぅ......」
何この疎外感。
何この孤独感。
どんな形であれ、大好きな遊里に拒否されるなんて......。
これが恋人がいながら不貞を働いた僕への罰なのか?
二人の後ろで遊里の何気ない言葉が胸奥深く刺さり、うつ伏せで倒れている僕。
その身体は徐々に色が薄くなり、そしてそのまま塵とかし風に運ばれどこかへ飛んで行ってしまった。
(来世ではゲームが上手くなってますように......)
夜空に悲壮感漂うその声が響き渡るのだった。
「おやす~」
「おやすみなさい」
「おやすみ」
午後十時。
さっきまでとは打って変わっておねむな遊里が、目元を擦りながら自身の部屋に戻っていく。
一応十時には寝るようにとは言っているが、僕から言われるまでもなく絶賛成長期の遊里は大体九時から十時の間に寝床につくのが常。
きくりが来た当初は入眠時間が若干だらしなくなってしまったが、今は矯正しもとに戻っている。
かわい。
......いいや、そうではなく。
今はもっと気にしないといけない事があるだろう。
遊里の可愛らしい欠伸で耳を癒しながら、去り行く背中で目を癒していると、ふと我に返り、リビングの方を見やる。
「......」
片手を背もたれの後ろに投げ出すようにしながら座ってテレビを見ているリョウ。
僕とは違い、別段こちらを気にする事なく、勝手に冷蔵庫から取り出したジュースを飲んでいる。
「ちゃんと――」
おっと危ない。
つい何時もの癖でリョウを叱る所だった。
今の僕に彼女を叱咤する資格はない。
言葉を途中で切り上げた僕を不思議に思ったのか、パック容器を呷りつつこちらを向く。
「......なに」
「な、何でもないけど......」
「そう」
素っ気なく言いつつも「座れば」と自身の隣を叩くリョウに、彼女らしからぬ気遣いに内心驚きつつ、「......うん」と覚悟を決めてちょこんと座る。
どっちが家の住人か分からない光景。
テレビに注視し、何も言わないリョウ。
どう話を切り出そうかと口を開いては閉じ、また開く僕。
そんな不毛の時間を暫く過ごしたある時、またリョウが口を開いた。
「ジュース飲む?」
テレビを見ながら言う。
「う、うん。もらう」
何とか話を繋げようと首を縦に振り、彼女からパック容器を受け取る。
が、このまま飲んだ事がなく、またこのまま飲むとリョウと間接キスになってしまう為どうしていいか分からずに固まってしまう。
いやいや、何を今さら。
リョウとはあんなことやこんなことしてるし、今更間接キスの一回や二回。
「......」
一回や......二回......。
頬を紅潮させながら、注ぎ口を見つめそして、グイっと飲んだ。
そして、ゴクリと飲み込む丁度その瞬間、おもむろに僕の方に顔を向ける。
「――で、虹夏とはしたの?」
「ブゥゥゥゥゥゥッ!!!」
突然の爆弾発言。
僕は驚きのあまり、口に含んでいたジュースをそのまま正面に吹き出してしまう。
「ゴホッ! エホ゛ッ!!」
な、何でバレて......いいやそうじゃなくて! え?
混乱する僕に、まるで日常的な会話をするように極々平坦な声音で続けるリョウ。
「汚い」
「オホッ! エホッ!! ......ご、ごめん」
「はい」
リョウにティッシュの箱を差し出され「ありがとう」と口元を拭き、目の前に散乱したジュースを拭きとる。
そして、大方ふき取る事ができ、ゴミ箱にチリ紙を捨てると。
「......知ってるの?」
再びリョウの隣に座り、訥々と口を開いた。
それに対して彼女は「え?んん、まぁ」と何とも他人行儀な言い方で返す。
「............怒ってないの?」
俯きつつ言ったその言葉を聞くと、リョウは隣に座る僕を自身の膝の上へと移動させると。
「――虹夏の物になったの?」
とキリっとした真剣な顔で言う。
何時もは見せないあまりの気迫に、反射的に首を横に振り否定すると、直ぐに真剣な面持ちが何時もの頬けた昼安堵形態に。
「ならよし」
「良くないよ。僕、彼女が要るのに虹夏と――ごめん。本当にごめん」
その言葉を皮切りに、栓が抜けたように罪悪感と共に涙が溢れ出した。
「虹夏が好きだったの知ってたし。それに、虹夏なら別にいいって思った。だから、デートの事も知ってたけど放って置いた」
頭が『謝罪』一色になってしまっているからか、淡々と言うリョウの言葉が半分も入ってこない。
だからなのか、リョウの言葉が良く分からず「取り敢えず謝らないと」という思考にシフトし、声を殺しつつ必死に許しを乞うのだった。
「ごめんなさいっ! ごめんなさいっ!」
「......」
「本当に最低な事。虹夏とリョウの友情を引き裂くような――」
「落ち着いて」
「むぅ! にゃにお!?」
両手で頬を挟むと強制的に自身に視線を合わせるリョウ。
今日、初めて真面に見た彼女の顔は、怒りに染まっている訳でも、ましてや悲しみで歪んでいる訳でもない、唯々普通の『何時も通りのリョウ』の顔だった。
「明日香は私の彼氏?」
首を縦に振る。
すると、そっとキスをし手を離した。
「じゃあ、いい」
「いいってそんな――きゃ」
僕を抱き上げたまま、僕を下にソファに寝転がる。
「うじうじうるさい」
「ん......ちゅ」
部屋に響く淫靡な水音。
リョウは片手で僕の両手を頭の上に抑えつけるように拘束し、抵抗できないようにしつつ舌を口内へと捻じ込んだ。
それは、余りにも強引でリョウらしい我儘なキスだった。
「あん、ちゅ」
――今日は寝かさないから
時計の針は24時。
ここから、自分が誰の所有物なのかを嫌と言う程分からされるのだった。
次回『#26 25時』見て下さい。
感想、評価貰えれば執筆速度UPします。