長い事筆をおいていたせいか、語彙力が著しく低下している今日この頃。
続編を長い事待たせてしまい申し訳ないとは思っているのですが、ボロボロの語彙力で続編を書くのはなんかもったいない気がして、勘を取り戻すために本作を休憩させていただきました。
これが終わったら本作の続編を書こうと思うので暫しお付き合いをお願いします。
誤字脱字はご愛敬。
報告ニキネキありがとう!!
燦々と輝くお天道様が今日も今日とて世界を照らしている今日この頃。
「イき癖ついちゃいましたね?」
「ふぅふぅ......」
マンションの一室。
ベッドの上でうつ伏せの状態で腰を上げ、枕に顔を埋めている人陰が枕の隙間から鼻息荒くしながらも、心身に溜まり切った快楽に堪えようと歯を食いしばっている。
もう一方の人陰はカーテンを閉めた薄暗い寝室に於いても、隙間から差し込む明かりが加虐的な意思を含んだ目でベッドの上で立ち上がり見下ろす。
「はぁはぁとまるで犬みたい......」
膝を折り、指先で背骨に沿って背中をスーッと上から下へ。
それに対してビクリと身体を震わせ、反応する。
「あ、そうでした。お口塞がれてるから話せないんでしたね」
「プハァ。――あ、明日香君。もう、そろそろ」
「まだダメですよ。僕の休日を奪った恨み、今まで散々弄んでくれたお礼も兼ねて今日は三倍にして返して上げます。――はい、あ~ん」
そう言って、唾液で塗れたボールギャクを拾い上げ、肌を上気させトロトロに蕩けた面持ちのPAさんの口を再び塞いだ。
これで、またPAさんは声を出せなくなる。
「さ、またお股よしよししてあげますからね~」
「んッ!」
どうしてこうなった!!
時間は戻り、朝。
僕は荒れていた。
というのも、遊里は朝から友達の家に遊びに行くと出かけ、久方ぶりに家で一人の状況に。
今日はアルバイトもない為、一日フリー。これを機に羽根を伸ばそう。
そう思ったのもつかの間。携帯電話が―――
画面に移された『PAさん』名前を見た瞬間、胡乱な目へとなり「はぁ」っと分かりやすくため息を一度。
「もしもし」
『もしもし私です。明日香君を一つ大至急お願いします』
「僕、物じゃないんですけど」
不機嫌な声で威嚇するが、相手はまるで効いておらずそれどころか「ふふふ」と笑われる始末。
『ごめんなさい。今日は暇だと聞いたので電話しました。どうです? 今から私の所でアルバイトしませんか?』
アルバイトという言葉で紛らわせているが、その実は『売春』。
僕の身体を差し出し、性的なサービスを提供する代わりにお金を貰う世界で一番歴史が古い職業。
まさか僕が......。そう思った時もあった。
「すみません。今日は『休日出勤のボーナス出ますよ』......」
言葉が出てこない僕。
どうする?
お金はあって困る事はないし、遊里も僕もまだ学生。
先々の事を考えると少しでも貯金しておいて置いた方が、将来うんぬんかんぬん......。
逡巡し、もう一度ため息を吐くと携帯を耳に充てる。
「......行きます」
『良かったです。じゃあ待ってますね?』
プツリ。
切られた。
「......もう」
という事だ。
貧乏暇なしとはよく言ったもので、此処の所希少な存在になりつつある『休日』を、臨時出勤の為に捨てたのだからことわざも間違いではないのだろう。
しかし、それとこれとは話が別。
折角の休みを電話一つで潰された僕は、ちょっぴり心がとがっている。
あれしてこれして、と頭の中で思い描いていた事が音を立てて崩れてしまったのだから当たり前だ。
「こんな事してても仕方ない」
そこからは、準備をして何時ものようにトントン拍子にPAさんのマンションに。
「いらっしゃい」
「......」
腰に回そうとする腕をパチンと叩き、靴を脱ぐ。
感情が波立っている時でも、ちゃんと靴を揃える辺り両親から受けた教育の賜物だと言えるだろう。
「あらら? もしかして何か怒ってます?」
ピキリ×1
「別に。さっさとすませたいだけです」
言った後に後悔した。
これじゃまるでエッチをせかしているみたいじゃないか。
自身で口を塞ぐがもう遅く、靴を揃え立ち上がろうとしていた所を背後から枝垂れかかるように抱きしめられ重さで上手く足が動かない。
「そんなにしたかったんですか。明日香君のエッチ......」
「ッ!? そんなつもりじゃ――あッ! まだ早――」
先割れの濡れぼそったしたで耳の外周を沿うように舐めなぞる。
突然落ちる刺激に、赤面しながら防衛本能的に振り解こうとするがガッチリホールドされている為以前動く事は出来ない状況だ。
「じゅる......れろ」
片手は脇下からお腹に手を回し、もう片手は蛇のようにするりと下半身に、気疲れしているこの状況で流石に開幕から飛ばしていたら、帰る頃には何も出来ない身体になってしまう。
それはダメだ。
だって、今日は夕方には遊里も家にいるし。
それまでに帰って家事を片付けなくてはならない。
「ちょちょっとほんとやめ――ッ! PAさん」
やや張り上げる声と共に舌は引いていく。
「そうですね。時間はたっぷりありますし、今までしたことのない事を色々試しましょうか」
「はぁはぁ」
急激に上がった体温。
刺激からくる理性の崩れによる散漫になった思考では、小さな声で言ったPAさんの言葉は僕の鼓膜を揺らすには振動が足りなかった。
「もう」と彼女に聞こえるような声で毒づき、立ち上がると肩を並べてリビングへ。
そこかに広がっている光景は、僕を絶句させるには十分な威力だった。
「......あ、これ」
「ふふ。どうです、驚いたでしょう? 明日香君の為に今日までコツコツ集めて来たんですよ?」
手錠、足枷、首輪等の拘束道具の数々から始まり、バイブ、ぺ二バン、ローターと一部身に覚えのある性玩具。
そして、ハンガーラックから見えるのはメイド服、セーラ服、スク水、バニー、SMボンテージ、etcetc......。
パッと見て数えきれないほどのコスプレ衣装が。
それらが視界に入った瞬間、察した。
考えてではなく、本能で察した。
これ、僕に使う奴だ。
ピキリ×2
「どうです? サイズもピッタリじゃないですか」
「えっと......」
「そうですね~まずは――」
ま、まずは?! もしかしてこの衣装全部着せてする気!?
そんなの死んじゃうよ!
ゴクリと低い喉仏が揺れ、無意識に一歩下がり、玄関に続く扉を見やる。
そして、再びPAさんの顔を見た時、そこにはこちらを見る彼女の姿が。
見られたッ!
更に一歩下がり、背中に扉の感触が。
「どうして下がるんです。ほらこっちへ来て」
「い、いや。その......はい」
何を迷ってる。
これを承知でここにいたんじゃいのか?
お金の為......これはお金の為なんだ。
フンっと息を排出し、セーラー服を手にしているPAさんの元へ。
「まずはこれから」
「......」
「設定はそうですねー」
「設定?」
「ん? コスプレするのですから、ちゃんとコスプレプレイしたいじゃないですか?」
セーラー服を受け取った僕は、何やら分からないこだわりを垂れ流すPAさんを「何言ってんだこの人」という言葉を必死で抑え込み、耳を傾けるふりをする。
手に持ったそれは生地はしっかりしており、雑貨屋などで見かける安っぽい物ではないのが直ぐに分かった。
「それ、メルカウで実際に使っていた人から買ったんです――はい。ストッキングも」
背後から補足するように耳元で呟きながらセーラー服の上に真っ黒なストッキングをポトンと乗せる。
これも履けと......。
今更、女装に抵抗はないが、この先の事を考えると気が重い。
「はぁ」
その場で大きくため息をつくと、自分の服に手をかける僕。
彼女の視線を気にする事無くその場でささっと着替え、最後にスカートを身体にくぐらせる。
「――」
驚く程ピッタリなその姿に、気付かぬ内に紫色のスマホを手にしたPAさんが目の前に立ち「いい。凄く......」としみじみと心の声を吐露しながら長い袖で口元を隠しながらフラッシュを焚く。
「......」
無。圧倒的無。
袖で隠しきれない程のにへら笑いを晒すPAさんを一瞥し、早く終わらないかななんてそんな事を思いながらその場でぼっ立ちしていると、一頻り撮り終え満足したのか「ふぅ」と達成感滲ませる面持ちで僕の手を引きソファの方へ。
「私と明日香君......いや、ちゃんは昔からの幼馴染で恋人。甘えん坊の私を目一杯甘やかしてくれる。けど、表ではいやいやながら、見たいなツンデレタイプな感じでお願いします。ツン四、デレ六の割合で」
「ツン? デレ? え?え?」
「あぁそうでした。明日香ちゃんはゲームや漫画は嗜まないのでしたね」
それから、ツンデレの意味を聞かされた後、長々と原稿用紙三枚程の設定早口で説明され、「じゃあスタート」と始まってしまう。
それから、色々な恰好に着替えさせられながら、PAさんの言う事を聞いた。
「掃除して下さい」と言われれば、メイド服で掃除をしたし、「ご飯作って下さい」と命令されれば、セーラー服の上にフリフリエプロンをしながらご飯を作った。
いや、まぁ、そう言った事をすると思ってたから心身的には楽と言ったら楽なんだけれど、何て言うか、疲れた。
僕の心の中で何かがごっそり抜けたような気がする。
魂が抜け、ソファでぐったりしている僕の今の姿はバンギャ系。
PAさんとおそろいのインナーカラーの黒髪のウィッグを被り、ダボダボの半袖Tシャツにショートパンツにより晒されたフトモモからはガータベルトがのぞいており、その先には黒色のストッキング。
何処からどう見ても、男の恰好ではない。
......それは今に始まった事じゃないか。
力なく項垂れていると
やや乱暴に僕の隣に腰を下ろしたPAさんの姿が。
スマホ片手に今まで撮っていたであろう僕の写真を見ながら、ニンマリとホクホク笑顔で当たり前のように僕の腰に手を回してきた。
「カワイイ」
「ソスカ」
マジでしんどい。
もう帰っていいかな?
何て思いながらチラリと彼女に目を見やると、淡い考えは泡沫へと消えていく。
スマホを見るその顔は今にも飛びついてきそうな程茹だったような赤に染まっており、画面に向けるその視線は正に飢えた野獣のよう。
どう考えても、「はい、今日はここまでお疲れ様でした」何て、感じではない。
僕の経験から察するに、最低でも無制限三本勝負になるだろう。
胡乱な目でPAさんを見ていると、何を勘違いしたのか「もうしたいんですか?」などとほざきながら顔を近づけて来た。
「別にしたいわけじゃ―――ん、れっろ、ちゅ」
「そんな事言って、ちゅ、じゅる、始まると明日香君から求めて来るくせに」
先の割れた不思議な舌を話している僕の唇の間にツッコませるようにキスをしてきた。
PAさんのキスは、例えるなら蛇だ。
幾ら拒んでも知らず知らずのうちに口の中へと入って来る。
口の中の唾液を舐め啜り、口蓋に舌先を這わせ、歯茎を舐め回す。
弱点を的確についてくる口撃受けたら最後、気付いた時には抵抗を辞めているのだ。
因みにリョウは強引な所があるが、割と気遣ってくれる優しいキス。
虹夏ちゃんと星歌さんは最初は勢いが良いが、次第に子供のように甘えてくるキス。
そんな事を考えながら現実逃避しているとPAさんが一言。
「―――今日は泊っていきましょうよ」
「はぁ? そんな事出来る訳ないじゃないですか!」
「妹さんの事ですか? 確か、子守の人がいるんじゃ?」
子守と言う言葉に真っ先に思い浮かぶのはあずき色の髪の悪魔、不摂生の鏡のような人間に子守が出来る訳がない。
いいや、それどころか彼女に任せていたら遊里がどうなるか。
それだけはダメだ!
「ダメです!」
「えー。そんな事言って」
手を頬に充てがい、強制的に自身の方へと顔を向けさせると僕の言葉に聞く耳を持たぬ様子で再び唇を近づけて来る。
「ダ! メ!」
ここでなぁなぁにしたら本当に一夜を明かしかねない。
折角の休みを潰した上に最愛の妹の面倒を汚らしいあの悪魔に任せるなんて、そんなの考えるだけでおぞましい。
だから、ここはキッチリと断らく手は!
何時になく必死の僕。
両手で彼女の肩を押し、引き離そうとする。
しかし、僕の全力をもってしてもPAさんの力を退けるには叶わず少しずつ、少しずつ唇が近づいてくるのが見えた。
「久しぶりに明日香君のイッた顔を見ながら一緒に寝たいんです」
「だから、無理だって!」
「いいじゃないですか、一日くらい」
「もうっ! あんまりしつこいと帰りますよ!!」
「怖いですねー、でもそんなところもかわいい」
ピキリ×3
身体の何処かで糸が切れたような音がした。
あ、もういいや、やっちゃお。
感想、評価貰えれば執筆速度UPします。