高貴なるTS転生大和撫子清楚系美少女JK退魔師巫女が強者足る雄に惨めにも全裸土下座にて屈服した果てに孕んだ挙句、その子供も交尾を懇願するまでに無様にも雌落ちした屈辱隷属花嫁に至るまでの恥辱を晒す軌跡 作:ユキリス
「やはりリリス様の御言葉通り、あの方は此方に居られる様ですね」
城壁の向こうに魔力を感じ取る修道女は誰に言うでもなく一人呟いた。
彼女が言うリリスなる人物とは例によってレアノスティア聖王国の頂点たる女教皇。
セラの畏怖の対象にして聖王国の実質的な支配者として君臨する者。
リリス・スノーホワイト・フォン・レアノスティアその人だ。
仮に同姓同名の人物が他に居たとすれば、セラは真っ先にその人物を不敬罪のもとに処すに違いない。
それ程までにセラのリリスへと捧げる忠誠は確固たるものに他ならない。
故に彼女の血脈に連なる存在であるアイリスを攫われたとあればこれを認められる彼女ではない。
リリスよりアイリスの居場所を口頭より賜ったセラは、漸くこの鬼人族の都市へと辿り着いたのだ。
と、不意に豪鬼に対して善戦するメルビナを傍目にも他人事の様に眺める。
そして新たにこれから己も任を遂行するべくして、決意にも似た感慨を得るシスターセラである。
次いで彼女は、現在己が眼前にて天高く聳え立つ石造の城壁を見据えた。
目の当たりとする者に対して、仰々しいまでの圧迫感を与えてくる城壁を彼女は疎ましく思う。
けれどセラにとって自らを見下ろすただ其処にあるだけの石壁などさして障害にもなり得ない。
自らの道を阻むだけのこの城壁を越える術を彼女は心得ていた。
セラの意思は城壁の中に守護されたアイリスの元へと容易に届かせる事が出来る。
自らの考えになんら疑う事なくセラはそう信じていた。
そして事実、それ程までに彼女の力は強大だ。
それも傍らに死闘を繰り広げる女騎士など遥かに上回るまでに、セラは強者である。
常人では到底足元にも及ばない程の並外れた魔力。
それを行使する彼女は最早、固定砲台と化していた。
迫撃砲と比較してさえ、なんら遜色無い威力を放つ投擲が可能だ。
言うなれば彼女は、本来であれば複数人でしか展開出来ない筈の極大魔術程の力を、たった一人で行使出来るのだ。
ただの一人が生み出す術を遥かに超越していた。
故にこの様な使い方さえ可能とする。
「ふッ」
一切の前触れもなく唐突に聖札符より一振りの槍を生み出したセラ。
彼女はなんの躊躇いすらもなく、軽々と上空へと手中へと納めていた槍を投擲した。
最早打ち上げられたと称してもなんら差し支えないそれは、凄まじい風切り音を奏でる。
飛翔した槍は、まるで地上で見上げるしか出来ない男衆達を嘲笑うかの如く虚空を抉る。
迸る銀光と成りて空気を穿つそれは突如として急激に軌道を変える。
槍が向かう先は、魔力防壁を展開する為にこの場へと居合わせているマナとユメの元へ殺到する。
唐突に落下を始めるそれの予期しない動きに応じて対峙していた男衆の一人が声を挙げた。
「ここは俺に任せてくれッ」
そう勇猛果敢にも言い放つのはソウメイ。
彼は槍の軌道に危惧を抱いていた。
そしてそれは彼だけでなく、この場に居合わせている者達も同様だ。
今し方までセラを取り巻く護衛の兵士を相手取っていた男達は、ソウメイを同所へと残し、全力で城壁へと駆ける。
その一連の最中、彼を除いた数名が背を見せた瞬間には、既にセラは槍の用意を済ませていた。
どうやら彼女は今目の前に晒された隙を逃す程愚かでは無い様だ。
「ふッ」
構えた修道女は無常にも男達の背中目掛けて投擲した。
極大魔術にも勝るとも劣らない、圧倒的なまでの力の証明が、セラの手により放たれる。
虚空を突き抜けるそれはだが、寸前でソウメイが槍の柄を掴んでいた。
「おおッ」
宙空にて彼の手中へと納められた槍。
けれど当然ながらその程度で止まる訳もない。
その勢いのまま、槍は進み続ける。
その軌道を如何にかして逸らすべく奮闘するソウメイ。
槍に引き摺られたまま、彼が踏み止まるべくした証明である足先が地面へと轍を生み出す。
そして次の瞬間には轟音が辺り一体へと鳴り響く。
魔力防壁へと槍が衝突して甲高い耳障りな音が奏でられた。
それと同時、同所には視界を塞ぐ粉塵が巻き上げられる。
加えて砂埃を掻き立てると共に、虚空を舞う砂塵が晴れた其処には、掌の出血も甚だしいソウメイが佇んでいた。
どうやら男衆等は既に城壁の中であり、ソウメイは己が意思を果たせた様だ。
あまりに凄まじい投擲の威力に圧倒され、槍の軌道こそ捻じ曲げることは叶わなかった。
だが男達へと迫り来る脅威に対しての時間を稼ぐ事は出来たのだから重畳といえよう。
そして負傷を負ったのは彼以外を除いて誰一人としていない。
元より先程放たれた投擲は、その穿つ対象を確かに死に至らしめるだけの致死性が秘められていた。
故にただ一人、狙われた男達を救うべくしてソウメイは自らの手を犠牲として、多くの命を救った。
それがただの負傷に済んだのだから上出来であろう。
ただ、彼の五指は、最早使い物にならないだろう。
確殺へと至る一撃を止めた代償はそれ程までに大きい。
けれど彼は己が支払った対価に不満を抱くことはない。
そして同時に性根が善人な彼は己が傷を受けた事に嘆くことも無かった。
彼は強大な力に抗う勇気と共に、自らの選択に対して後悔をしない善性をも、その身に兼ね備えていたのだ。
これら一連の要素を踏まえるに、正に彼こそが勇者と称するに相応しい人物だろう。
加えて魔力防壁が消失しなかった現状を鑑みるに、先程狙われたマナとユメの両名は無事な様だ。
それを確認したソウメイは、自らのその油断とも称する感情を面には出すことなく、一人安堵する。
とはいえ片手が使えない現状で、一人セラの相手をするのは憚られる。
シスターの傍らには依然として大勢の兵等が取り巻いている。
故に近づく事すらままならない。
加えて控える護衛よりも遥かに増して厄介なのはやはり、セラより一方的にもたらされるその無慈悲なる投擲に他ならない。
たかが人類如きの雑兵などよりも、特段にその槍での一撃が脅威となり得た。
そしてソウメイの下した評価は、決して間違いではなく、至極的を射た分析に基づき下した結論だ。
正に八方塞がりな現状。
表向きこそ都市という体を晒してはいるものの、この城壁の中は未だ発展途上である。
人口比も聖王国と比較すれば天と地ほどの差が其処にはある。
鬼人族の都市は外観こそ優れているが、その実態はただの虚勢に過ぎない。
かつての村落時代から変わらずに依然として人々の数は少ないままだった。
そして戦争というのは当然ながら人口が多い方に部がある。
加えて守りに徹している現状は、最早最悪と称して差し支えない。
地の利を活かせないのは、大いに鬼人族にとっての不利となるだろう。
それ程までに手詰まりだった。
ただ、その様にソウメイの巡らせていた思考とは裏腹に、相手方の意識は既に彼から意識を移していた。
どうやらシスターはソウメイから興味を無くしたらしい。
その事実に対して彼は一抹の安堵と同時、与えられた屈辱に見合うだけの怒りを抱いた。
それもセラにではなく、これ程至らない己自身の不甲斐なさに呵責を覚えたソウメイであった。
*
今し方に己が断罪を与えた鬼人を他所に、セラは視線を移す。
後者は前者から戦意が喪失した事実を確認して意識を逸らした。
無論向けた先はもう一つの死闘が繰り広げられていた方向へと定められた。
セラの双眸が捉えたのは地面に膝をつくメルビナの姿。
それを視界へと納めては瞬時に事態を把握する。
どうやらメルビナは、リリスより賜った魔剣を持ちながら、鬼人の男に敗北を期した様だ。
にも関わらず依然として女騎士が生きながらえている。
それは恐らく、豪鬼が未だにメルビナが切り札を隠し持っているもしもを警戒している為だろう。
弱らせたと見せかけた所からの予期出来ない不意打ち。
それを歴戦の猛者足る豪鬼は想定しているに違いない。
数多に有る未来を想像され、けれど徐々に、そして着実に距離を詰められているメルビナ。
そんな彼女の窮地を目の当たりとして、セラは再び己が手中へと槍を顕現させた。
次いで投擲を果たすべくして構えた彼女。
そしてこれまでにない程の魔力を槍へと賭したシスターセラ。
彼女は自らの仲間を守るべく、槍を掴む五指へと力を込める。
槍の切っ先を豪鬼に向けるのではない。
膨大な魔力に呼応して、その煌めく碧眼の双眸に豪鬼の姿を、しかと捉える。
次いでシスターは、平素の淡々とした振る舞いとは異なり、力強く投擲による一歩を踏み出した。
そうして討ち取るべき相手を自らの視界へと見定めるセラは、己が全力足る一撃を豪鬼の肉体へと目掛けて放つ。
虚空を迸るそれは空気を穿つ。
煌めいた槍先は寸分違わずに、対象の元へと風切り音を纏い見舞われたのであった。