※この作品はR-18です。

お風呂上がりの妹   作:霧里

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早起きする妹

夜明け前。お日様が顔を出したかどうかのそんな時間

家に帰るまでの見慣れた道なりではあったけど、薄く陰る街並みは、人通りの少なさも手伝って、なんだか違う場所に来てしまってみたいに見えていた

 

そんな風に新鮮な景色を楽しめていたのも最初だけ

 

学校のジャージを身に纏い、意気揚々と走り出したまでは良いものの、折り返しを過ぎる頃には、完全に息が続かなくなってしまっていた

 

「けっほっ、ごっほっ…はぁ、ぜぇ、ちょっ、まって…おにぃ」

 

足が重い、手が上がらない、心臓が痛い

乾いた喉を誤魔化そうと飲み込んだツバが喉に張り付き、むせ返ってしまう

 

どうして私も一緒に行くなんて言ってしまったんだろう?

 

若気の至りか、女の子の意地って奴だったのか、そんな事よりも水が欲しかった

 

「無理して付いてこなくて良かったんだぞ?」

 

前を走っていた兄が足を止め、こっちに戻ってくる

 

流石に走り慣れているのか、息が乱れた様子もなく、むしろ もやしっ子の私に合わせて、ペースを落としていた感まであった

 

「いや、だってさ。もうちょっと鍛えとかないと…。私、おにぃ支えらんない」

 

そう、切実な問題だったのだ

 

兄と結ばれた。それは良い。だけど、一度抱かれただけで、全身が筋肉痛に襲われて、一日寝込んでしまえる程の体力のなさが問題過ぎたのだ

 

「気持ちは嬉しいんだけどな。いきなりはダメだろう」

「いきなり? 一ヶ月だぞ…一ヶ月」

「一ヶ月?」

 

兄に背中を擦られながら、荒い呼吸の合間を縫うように返事を返す

 

兄と初めての行為の後、私はそのまま眠ってしまったらしい

いや、ほぼほぼ気絶だったろう

そこから先の記憶が全くない。気づいた時には日が昇り、慌てて起きれば身体が軋み、そのままベッドに叩き返される始末

 

その後、学校から戻ってきた時の兄の、申し訳無さそうな顔と言ったら無いもんだった

 

「あれから、まったく、全然、なんもしてくんないじゃん」

「いや…それはな? その気がなかった訳じゃなくってな?」

「分かっとるわっ。また私にぶっ倒れられたら困るっていうんでしょうよ」

「困るというか。心配というか…いや、まあ、そうだな」

 

困ったように頬をかき、やがて、諦めたように兄は頷いた

 

気遣いは嬉しい。大切にされているのは分かる

 

だけど現状、兄の愛情表現は私には重たすぎたのだ、物理的にキツイ

抱かれる度に気絶してたんじゃ、お互いオチオチと情事も交わせない

 

となると、兄に加減させるか、私が頑張るかだが

 

ココまで大切に扱われて、それに甘え続けるのも気が引ける

 

というか、好きな人のそういうのくらいはちゃんと受け止めたいし

なんなら、欲求不満がたたって一時の気の迷いを起こされては堪らないと、気の早い嫉妬まではあった

 

「いつまでも妹扱いはいやなんよ…」

「分かった。でも、今日は戻ろう。次はもう少し楽なルートからにしような」

「うん…。ごめんね、いつもさ」

「任せておけ。お前の世話なら死ぬまで焼いてやる」

「それがやだってのに…。あ、ちょっ…きゃっ」

 

それでも、私がぶつくさ文句をたれていると

ひょいっとばかし、そんな軽い拍子で私の身体は持ち上げられていた

 

膝を抱えられ、背中を支えられる

 

いわゆるお姫様抱っこな格好で、私は兄の胸の内に収められてしまった

 

「ちょっ。やだ、おろしてよ…子供じゃないんだから」

「良いだろう。それとも、おんぶの方が良かったか?」

「そう言うんじゃないっ。はずいっての、それに、誰かに見られたら…」

 

どうすんのって言おうとして、疲れた頭は考えるのをやめていた

どうすんのって言った所で、どうしようもない

 

私は兄のことを好きだったし、兄も私のことを好きだし

見咎められたその時は、その時に考えることだった

 

「ねぇ、おにぃ…。ちょっと汗臭い」

 

ランニングの後だ。あまりに理不尽な物言いなのは分かるけど、気になったものはしょうがない

ついっと、いつもの調子で口から出た言葉は、それがお互い様なのも忘れていた

 

「はっはっはっ。俺は好きだけどな、しゅりの匂い」

「っ!? ばっかじゃないっ!! 変態、嗅ぐなっ、息止めろ」

 

笑う兄に、慌てる私

なんとか兄の鼻を塞ごうと、細い腕を伸ばしてみても、ちょいっと顔を背けられただけで、届かない方へと逃げられる

 

「無茶言うな、暴れるな、落とすだろう」

「やーだっ。降ろせ、おーろーしーてーっ!!」

 

そのまま家に連れ帰られた私は、真っ先にお風呂に飛び込んでいた

 

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