「けほっ、こほっ…ぅぅぅぅっ」
頭が痛い、体が重い、関節の節々が軋んでる
昨日まではなんとも無かったのに
何ていうのも何時もの事で、朝になって目覚めてみれば私の身体は悲鳴を上げていた
「じゃあ、俺は学校行くから。ちゃんと薬飲んで寝てるんだぞ?」
「分かってる。良いから、早く行きなって…」
「なるべく、早く帰ってくるからな」
「…うん」
兄の大きな手が私の頭を撫でると、気遣わしそうに離れていく
子供扱いしないでと、頬を膨らませたい所だが、あいにくとそんな元気もなく
私はただ、それをされるがままに受け入れていた
やっぱ、お風呂場なんかで えっちするもんじゃないなって
一人になって部屋の中。重たい身体をベッドに横たえながら、気怠い吐息を吐きだした
とは言っても、それももう数日も前の話だ
これを理由に兄を責めるのは、いささか可愛そうにも思うし、元々の身体の弱さが今になって祟ったと思えば、何時もの事ではあった
のっし、のっしと足音が遠ざかり、玄関が開いた後、ガシャリと鍵が落ちる
一人になった部屋の中。家の中でだって誰もいない
「おにぃ…」
心細さが私に弱音を口にさせていた
いつもは暑苦しいくらいの存在感も、居なくなってみれば寂しいもので
返ってこない返事が、余計に一人ぼっちなのを際立たせた
ていうか、病気の妹ほうったらかして学校行くとかさ…
そりゃ行くだろう。私だってもう子供じゃないんだ、いつも自分で公言しておきながら、こんな時ばっかり甘えたがるのは卑怯というもんだ
だけど…
私は何時も間違える
張らなくて良い所で意地を張って、必要な時には何も言えない
今日だって、一緒にいてって、そういえば兄はきっとそうしてくれたろうに
♪♪♪
枕元に放っておいたスマホが、小気味よく音を鳴らして震えだす
ともすれば、聞き流す程に聞き慣れた音ではあったけど、風邪を引いた頭には、それはもう喧しかった
顔を顰め、億劫になりなりながらも、私は何とかそれを捕まえて黙らせる
眩しさに目を細めながら、画面に目をやると兄からのメッセージが届いていた
-何かあったらすぐ連絡するんだぞ-
「はぁ…」
大丈夫だし、平気だもん、もう寝るから
さて、いつもの私ならきっとそのどれかを選んでいただろうけど
寂しいよぉ、早く帰ってきて…お兄ちゃん
「はーとまーく…って、アホか私は…」
風邪っ引きなのを良いことに調子に乗ってしまった
本来はそれを止めるべき理性も、熱っぽい頭には残っておらず、思いついた手癖のままに、私の親指は送信ボタンに触れてしまっていた
♪♪♪
少しして、枕元に放り投げたスマホがまたピコピコと騒ぎ立てるが、その頃にはもう、私は眠りの淵に立っていて、兄からの返信に後ろ髪を惹かれる思いこそあったけれど、眠い誘惑に負けた身体はそのまま足を踏み外してしまっていた
ー
「…ん? あ、あぁぁ…んぅぅぅっ」
寝てたのか、眠ちゃったのか
体を伸ばし、息を吐きだして、今朝に比べると身体は随分楽になっているのに気づく
「おにぃ…」
そういえばと、思い出して手に取ったスマホには、ほぼほぼ一時間ごと、休み時間のタイミングで兄からの着信履歴が残っていた
「心配しすぎじゃん…。どんだけだよ」
そうは呟いてみても、口元は自然と綻んで、熱心に向けられた兄の気遣いが、私の心を軽くしていた
「はぁ…。汗、キモチワル」
心も身体も軽くなり、いつもの調子を取り戻してくると、肌に張り付く寝間着の感触が気になりだす
風呂場を目指して下に降り、脱衣所のカゴに寝巻きを放り込んで、シャワーを流す
流石に、湯船を溜めるまでは面倒くさかった
程々にシャワーを浴びた後、着替えもそこそこにバスタオルを頭から被ると、いつもの調子でリビングへの扉を開く
「おにぃ…って、ああ、そっか…」
誰もいない、伽藍堂のリビング
ソファがあって、テレビがあって、でもそれだけで、食卓にはただぽつんと、食べられるなら食べておけと、兄のメッセージと共に、簡単なサンドウィッチが残されていた
カチ、カチ、カチ…
聞こえてくる秒針の音につられて目を向けると、時間は昼前といった感じだった
「…はむ」
時間のせいか、お風呂上がりで落ち着いたせいか、気になればお腹は空いてくるもので、ラップを破き、小さく口を開けてサンドウィッチに齧りつく
卵と、ツナと、柔らかいパンの触感が口に広がり小腹を満たされる
グラスに牛乳を注ぎ、口の中を洗い流すと、病み上がりの食欲はそれで満たされてしまっていた
「…どうしよ」
誰もいないリビングで一人っきり
食べきれずに持て余したサンドウィッチみたいに、私は退屈を持て余していた
普段みない時間帯に付けたテレビは、当然 お昼に学校を休む子供に、向けられた番組なんてのなく、そうそうに飽きてしまった私は、さっさと電源ボタンを押し直してしまっていた
時計を見ても、兄が帰ってくるまではまだかかりそうだし
リビングで待っていてもしょうがなく、スマホでも弄っていようかと、自分の部屋に戻ることにした
どっこいしょと階段を上がりきり、廊下を歩くその途中、兄の部屋の前で足が止まってしまった
魔が差した
決して寂しかったわけじゃない
自分の足音だけが響く家の中が、急に怖くなったなんて思うはずがない
「おじゃましまーす」
誰もいない部屋に、言い訳をしながら忍び込む
男臭い…
いや、決して汗臭いとか、そんな不衛生な匂いではないんだけど
隅に置かれたダンベルのせいか、ひらっきぱなしのクローゼットに引っかかったジャージも手伝ってか、なんとなく、膨れ上がった筋肉を思わせるような匂いのする部屋だった
ぽふっと、ベッドに飛び込み、兄の布団を抱きしめ、枕に顔を埋める
強く残る兄の匂い。私のよりも一回りも大きいベッドに包まれると、なんとなく、くすぐったくなってくる
なんというか、ジェネリックお兄ちゃん?
一人っきりの家の中で、一番強く誰かの存在を、兄の残り香を感じられる場所は、つきまとう心細さから、私を慰めてくれるのには十分な場所だった
「おにぃ…」
口にして胸が踊りだす。意識した身体がむずがりだすと、それを誤魔化すように太ももを擦り合わせてしまう
胸がどきどきして、下腹部がムズムズと疼き出す
感じていたのは間違いなく性感で、寂しさを誤魔化すようにして、私は自分の体に手を伸ばしてしまう
「あ、やば…だめだって、これ…こんな」
兄の布団を抱きしめ、緩くかぶっただけのTシャツの中に手を忍ばせた
兄の手とは似ても似つかない、繊細で小さな手ではあったけれど、兄のことを想像しながら触れた胸の膨らみは、ゾクリとした快感を私に訴えてくる
忍び込んだ兄の部屋で、ベッドの上で、布団を抱きかかえながらオナニーをしてしまっている
そんな背徳感に心が痺れると、より強くなった期待に全身が震え上がった
だんだんと大きくなってくる下腹部の疼きに、自然と太ももが擦り寄っていく
太ももと太もも。押し付けあった肌に、割れ目がこすられ身悶える
ゆっくりと、ゆっくりと、鈍い性感が広がり、大きくなっていくと、寄せ合った太ももとの間に濡れぼったい感触が混ざりだす
「う、あ…やだ、もう、ぬれて…」
残っていた理性が、抱えていた布団から手を引き剥がす
汚しちゃいけない、バレたら困る。そこまで気がついているのに、太ももの動きは止まらず、下着から滲み出した愛液が、肌に広がり、シーツに流れていくのにまでは気が回っていなかった
「はぁっ、やっ、おにぃ…おにぃ…きもち、いいっ、これ、ああっ…!」
家の中に一人っきり。その意識が私をより大胆にさせているみたいだった
いつも独りでする時だって、抑えていた声は次第に大きくなっていき、それがまた私の興奮を煽ってくる
「おっぱい、強くって、あぁ、お股…擦れて、ああ、やだぁ、これ、これ…」
言葉が崩れていく。何を言ってるのかもあやふやなまま、喘ぎ声と一緒に何かを漏らす
ただ、兄の手の平の感触を思い返して、触れられた時の事を想像しながら、自分の体を慰める。あれで優しいつもりだったんだろう。精一杯の兄の愛撫は、それでも私には強いくらいで、乱暴に力をいれた指先は、私の白い肌に赤い手垢を付けていく
「乳首、つぶしちゃ、おにぃっ、んあっ、それ…やぁぁぁっ!」
固くなり始めた乳首を指で潰し、その刺激に背筋が反り返る
沸き立った性感が肌の上を這い回ると、シーツに肌が擦れただけで、甘い痺れを感じるようになっていた
身体が熱い。下腹部に抱え込んだ熱が脹らみだし、それはもっとと、より直接的な刺激を求めてくる
「はぁっ…はぁっ、おにぃ、おにぃ、あ、んっ、はぁぁ…っ!」
枕に向かって吐き出した息が跳ね返り、自分の熱と、兄の匂いをつれてくる
もう我慢なんか出来なかった。もとからしてもいなかったけれど、自分を焦らすのにも限界がきていた
擦り合わせていた太ももの間に指を滑らせ、一本、二本と、兄の指の大きさに合わせて、下着の上から、割れ目の筋に指を充てがっていく
やっと…
触れただけで大きく息が漏れ、続く期待に心臓が跳ね上がると、ゆるゆると重なっていた太ももの隙間が大きくなっていった
擦れる、反り返り、口から嬌声が漏れる
ビクッ、ビクッと、強い性感に身体は強く反応を返し、下着から滲み出した愛液が触れる指先を濡らしていく
くちゅり…くちゅり…
いやらしい水音が指先に纏わりついてくる
兄の枕に頬を寄せながら、おっぱいを揉みしだき、乳首を弄りながら、手淫に耽る。まるで変態みたいな行為に興奮が冷めやらず、抑えるどころか、もっともっとと、自分への愛撫は激しさを増していった
指だけじゃ足りない、おちんちんが欲しい…
あの大きな手に包まれて、乱暴なくらいにおっぱいを揉みしだかれたい
まだ数える程もしてないのに、私はすっかり兄の身体の虜になっていた
自分とはぜんぜん違う男の人の身体に抱かれて、求められて、愛される
抵抗もできず、強すぎる刺激に、なんもかんもが遠のいていく感覚が忘れられなかった
「おにぃっ! はげしっ、もっと、もっとしてぇ、気持ちいいっ、気持ちいいのっ。しゅり、だめっ、だめになって…あぁっ」
乳首をつねり、クリトリスを擦り上げる
足りない。それでも足りない
自分で触っていても、確かに気持ちは良いけれど、私の指はどこまでも女の子の指でしか無かった。弱い所を、敏感な所を、抓ってみたり、擦ってみたりしても、それはどこか、力強さに欠けていて、心の奥の方で不満は貯まっていく
より強い刺激を求めて、私はおっぱいをベッドの上へと押し付ける
うつ伏せになった体の下に腕を押し込むと、そのまま手の平を股の間へと充てがった
もぞり…
身体を動かすと、シーツの上で乳首が擦れて肌が色めき立つ
自分の体重におっぱいが潰されて、股の間に押し付けた手の平が、ベッドの反発で割れ目に深く食い込んでいく
「んはっ、あ、これっ、乱暴に、されてるみたいで…おにぃに、わた、あぁぁ、やだやだ、きもちいいっ、おにぃの匂い、が、すごっ…んんっ!?」
息を吸い込む度に、枕の残った兄の匂いが胸を満たす
そのまま大きなベッドの上に身体を擦り付けると、兄の身体に擦り寄っていくような気分にさせられる
快感で身体が震える度に、肌がシーツに強く擦り付けられる
それがまた快感を生み、身体が震え、不規則な刺激の連なりは、私の手を離れて勝手に暴走していくみたいだった
「あっ、あっ! やだっ、身体、とまんなっ。気持ちいいの、ずっと、じんじんしてて、あたま、とけちゃっ、い、んんっ、はぁっ、はぁっ、や、んっ!!」
荒い呼吸を繰り返し、頭がだんだんとぼぅっとしてくる
強くなる刺激に、抱えていた不満が掻き出されると、真新しい快感に全身が満たされた
兄のベッドの上で、兄の枕に顔を埋めながら、自慰に耽る
ブカブカのTシャツは捲れあがり、履いていたパンツは膝の上まで転げ落ちていた
さらけ出された おっぱいをシーツの上に直接擦り付け、うつ伏せのまま、股の間に挟み込んで指先に体重を掛けると、より深くに指先が沈んでいくのが分かる
はたから見ればイモムシみたいだったかもしれない
ベッドの上でもぞもぞと、自分でもなにやってんだろうって、病み上がりのくせに、性欲だけはいっちょ前に溜め込んでてさ
「でも、でもぉぉ…んぅぅ、やっ…はぁっ、んんっ!!」
兄の事を考えなら、自分の体を乱暴に刺激するのは最高に気持ちが良かった
甘い痺れが全身に纏わりつき、鼻にかかるような吐息を繰り返す
息を飲み、猫なで声みたいな嬌声を上げて身悶える度に、大きな快感に襲われた
イッちゃいそう…
絶頂を期待した途端に、全身が震え上がり、指先を伝って流れ込んできた愛液が手の平に水たまりを作る
乳首は更に固く凝り、潰れたおっぱいから甘い小波のような刺激が肌を沸き立たせる
「はぁぁっ、ぁぁぁぁっっんっ、んっ、やっ、あふっ、んあっ!!」
もう声も出なかった。言葉が消えて、意味もない嬌声だけが快感を形作る
強い刺激に息がつまり、一瞬遅れて声が上がる
ゾクゾクっと、這うような刺激が背筋を伝い頭を揺らす
身体が縮こまり、下腹部で渦を巻いていた熱っぽさが急激に脹らみだした
「あ…」
じわりと、目尻に涙が浮かび視界が滲む
一瞬だけ、身体が軽くなったような気がした途端に、私は声を上げ、一気に快感の絶頂に包まれていた
「あ、あ、ひゃぁぁぁぁっ! やっ、んっ、はぁっ、ぁ、あ、ぁぁぁっ!?」
下腹部から快感が爆発して全身が甘い痺れに満たされる
身体から力が抜けて、ベッドの上に突っ伏しながらも、快感だけは欲しくって、性感帯をベッドに押し付けてしまう
ビリビリと乳首の先が痺れてしまう
ジンジンとお股が疼いて仕方がない
絶頂の後、ささくれだった性感は、その刺激を強く受け止めて、身体の奥から跳ね返ってくる。ビリビリ、ジンジンと、繰り返して、重なって、それがまた快感を大きく育てると
「あ、やっ、とまんなっ、いくの、だめっ…んっ、あ、やぁぁぁっ!?」
ゾクゾクと身体が震え上がり身悶える
そのまま二度目の絶頂に達した私は、甘い悲鳴を上げながら、ベッドの上で快感に弄ばれ続けていた