ゲームのロリキャラにTS転生してふたなり化して触手プレイする話 作:凡百
「うえええぇぇぇ、ひっぐっ、ぐずぅ、【中治癒】【中治癒】、【威力極大拡大】【中治癒】…」
何度も何度も治癒魔法を繰り返す。手応えはない、身体は完全に修復されている。それでも、首にかけた聖印を握りしめ治癒魔法を繰り返す。手応えはない。
「なんっ、成功っ、せいごう゛じだあっ、なおっ、びえええええっ」
号泣しながら何度治癒魔法を繰り返しても、目の前に横たわる少女は動かない。リセッタは手で涙を拭いながらも魔法の行使を止めない。
名前も知らない相手である。そこまで執着する理由など本来はなかった。もしも、この世界に来てすぐ野盗に襲われていなければ。もしも、最初の村で人攫いに合わなければ。…人攫いが転落死しなければ。
突然この世界に投げ込まれ、身体は小さき少女に変じ、会話らしい会話など何もなく悪意にさらされ、半ば事故とは言え人殺しを経験し、貞操を失い、男とも女ともつかぬ体になった。森を彷徨いては魔物であるというゲームの知識はあれど、見た目も感触も生き物と何も変わらぬ存在を何度も殺した。リセッタの精神は本人の気づかぬままに削れて弱っていた。
それでも、目の前の少女が最初から死んでいたのであれば、「間に合わなかった」と諦めただろう。ホーリーシンボルを得ることもなく、魔法使いか魔法剣士としてこの世界を流離ったかもしれない。
だが、ぎりぎり間に合った。止めを阻止し、まだ温かい手を握った。彼女の「魔物に殺されなかった安堵の笑み」と「もう死ぬことを受け入れた涙」が頭から離れない。故に祈った。
…リセッタは、いやその中にある意識は別に無神論者ではない。初詣も行けば墓参りもする、寺社仏閣教会で行事があれば参加する。食事前には頂きます、食べ終えればご馳走様。お米には88の神様がいらっしゃってブロック塀に赤ペンキで棒が4本鳥居の形に描いてあるだけで立ち小便をためらいペットが引っ掛けるのも止めさせる典型的な日本人である。
故に祈った。「ゲームの世界で、神様がいるという設定で神官系魔法があるから」ではなく。自分の手の内に聖印を作り出す奇跡に。眼の前の女性の傷を癒やした奇跡に。それは「それでもまだこの世界はゲームの世界なんじゃないか」という疑い、いや甘えと決別し、この世界が現実であることを受け入れたということであろう。
祈りを捧げる彼女の身体が優しく照らされ、なにか大きな力が注がれるのを感じる。身体の内に満ちる。ゲームの神官系魔法ではなく、この世界で神聖魔法と呼ばれるもの。癒やしの力。
(だめ…、癒やしでは足りない。彼女はもう生きていない…、でも大丈夫。解る…。)
【復活】、と小さく口から溢れる。派手なエフェクトも演出もなく、ただ優しく照らされ、ふわりと暖かな風が吹く、起こったことといえばそれだけ。
目を開き少女を見る。すぅ、と胸が膨らむのが見えた。その後ふう、と吐いたはずである。涙で何も見えなかったが。
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ふわりと意識が戻る…、まるで朝目覚めたときのように。
(あれー、いつの間に寝てたっけ? もう朝なら起きないとー?)
眠りと目覚めの間、二度寝すると一番気持ちいい瞬間。ネイネもその魅力に逆らえずに意識は沈みかけ、いやいや駄目だ起きないとと引っ張り上げ、
「ふよおおおおお!?」
ガバリと起き上がった。最後のオーク、身体に走る衝撃と痛み、奪われた剣、振り上げられた死、それを弾き飛ばした金の天女。脳裏に溢れる正しく存在する記憶。混乱する脳に今度は「ガシッ」となにかがしがみついた衝撃が伝わる。
「ふわっ、なになにー!?」
横から飛びついてきた小さな人影、記憶の中にある金の髪。ギャン泣きしてるその少女をひょいと持ち上げる。びっくりした顔になるが同時に泣き止む。泣く子はこれに限るんだよー。
はらり、と綺麗な金髪がなびく。大きく見開いた翠の目は宝石のよう。しばらく見つめ合ってるうちにはたと気づく。たしか大怪我というか死んじゃうぐらいの怪我をしたはず?
少女をそっと降ろし、ペタペタと体を触ってみるがどこも痛くない。立ち上がって痛めたはずの足を確認するとこちらも痛くない。はっきり折れた音がした背骨も違和感すら無い。いやいやそもそも自分は死んだはず…。そう、はっきりと覚えている。身体からこぼれ落ちる何か大切なモノ、消えていく熱、代わりに染み込んでくる冷たさ、暗くなっていく目、最後に見えたのはとってもきれいなてんにょさま。
こちらを見上げる金の少女を見返す。決して見間違えることはない、あの最後の瞬間に見た天女。その胸に光るのは簡素な金色の真円、主神の聖印。
はっきりと分かる、今の自分はこの少女の手によって再びの生を得たと。胸に広がる感謝の気持ちが自然と膝をついて頭を垂れ、礼と祈りを捧げる姿勢を取る。
突然大柄な少女にしゃがんで祈りのポーズを取られたリセッタの口からうめきとともにこぼれた。
「なんでぇ!?」
(えっちょっとまって突然なんで祈りアクション!?)
オークの雄叫びを聞いて慌てて現場に来て今にも殺されそうになってる女の人をかばってオーク倒して間に合ったと思ったら間に合って無くて慌ててヒールしようと神頼みしたら聖印もらえてヒール成功してでも彼女は動かなくて更に神頼みして生き返らせてもらったら彼女が目の前で祈りのポーズ!
混乱した頭で状況把握しようにも、彼女自身驚くほどギャン泣きしてたのでかなり恥ずかしい気持ちもあって空回り気味である。であるのだが…。
「よかったぁ…!」
目の前に跪く彼女の頭をそっと胸に抱く。彼女が生き返ったことだけは事実である。今はただそのことを喜ぼうと思った。
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広場にとどまって追加の魔物が来ては困ると、自己紹介も程々に手早く壊れた鎧や投げ捨てていた荷物をかき集めて移動した。「ボクはリセッタ!」「私はネイネって言うんですよリセッタ様ー」「まさかの様付け!? なんでぇ!」といった騒動もあったのだが割愛。撤収を急がねばならない。いくつかの手早く回収できる魔石を持って、オークの集団が踏み荒らした跡のない方向へ離脱した。
なにしろ鎧は完全に壊れてばらばらになり、破片はリセッタが袋に詰めて持っている。ネイネはレオタードのような鎧下1枚という心もとない姿である。武器は少々刃こぼれした両手剣。幸い歪みは出ていないのでまだまだ使えるのが救いか。
つまり、これ以上の遭遇は避けたいところなのである。周囲を警戒しつつ情報交換も行う。
「えっ、ここから領都まで三日もかかるの?」
「魔物と戦いながら移動してたから、魔物を避けて急げば二日で帰れると思いますよー」
リセッタは魔物をほぼ一撃で倒し、ドロップもほとんど回収せず移動していたので当然かなりペースは早かった。魔物を探しながら移動し、休憩もちゃんと取っていたネイネ達のパーティーとは段違いの移動速度でここまでやってきていたのである。
「リセッタ様はどうしてこの森に?それも一人でなんて超あぶないんだよー」
「ボクはこの森の北にある原っぱにおじいちゃんと住んでたんだけど、まあ寿命で死んじゃったからね…。それで領都に行こうと思ったんだけど、おじいちゃんが南の森をまっすぐ抜けたらすぐだって言ってたから」
という設定をこの森を移動している間に考えていた。ネイネに嘘をつくのは正直心苦しいが、いくらなんでも「ゲームやってたら突然その世界のプレイキャラに転生しました」などと言う訳にはいかない。おそらく通じないと思われるし説明できる気もしない。触手を召喚した推定老魔法使いの住んでいた地下拠点から来たのは嘘ではないし。ああ、お風呂…。
若手パーティーは往路三日復路三日の六日間の予定で各自八日分として携帯食を十六食分用意していた。六食消費のところを二回分猪鍋でまかなっているのでまだ十二食、二人で分けてちょうど三日分ある計算になる。現地調達で食いつないで抜けようとしていたリセッタとは大違いである。まあ一日で抜けられると思っていたせいもあるが。
そうして調理してる暇も惜しんで携帯食(調理しないでも食えなくはない)をかじりつつ、魔物を避けつつ移動するため往路とは多少ズレてはいるが、それなりに森歩きに慣れた地元民であるネイネの先導で南下していき、そろそろ日が暮れる前、まだ明るいうちに野営可能なポイントを探して準備を始めなくてはいけないということになったのだが。
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【鑑識眼】『石造りの監視砦。二百年ほど前に滅んだ王国でよく見られた様式。放棄されてから三十年は経っているが土台はまだ強固に残っている』
「うぅん、こんなところに砦…? ネイネちゃんは知ってた?」
「私は普段もっと浅いところで狩りしてますからわからないんですよー」
「壁が残ってるなら中で野宿したいけど、逆に追い詰められると面倒だよね…」
といってもやはり一方向でも防壁があるというのは捨てがたい。探索タイムである。
「食料庫には何もありませんねー」「荒らされた様子もないよ。脱出とかじゃなくてちゃんと撤収したってことかな」
「ベッド…の残骸」「ぼろぼろですねー」「木製は残んないねぇ」「20人分ぐらいですね!」
「きゃあ!?」「どうしたの!?」「クローゼット開けたら壊れちゃいましたー。けほっ、超ほこりっぽいよー」【洗浄】!
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「はい、探索の結果がこちらです!」
日が完全に暮れた砦の一室、いまだ崩壊の波に飲まれていない貯蔵庫らしき部屋でランタンの明かりに照らされて戦利品を確認する。
・財布が3つ。どれもクローゼットの裏や貯蔵室の棚の中などに隠されていたのでへそくりと思われる。
・幾つかの武器防具。数打ちとはいえ規格統一されたものであり、武器防具が自弁の貴族軍のものではない。
・寝藁とシーツ。ほぼ全滅であったがなんとか今日の寝床は確保できた。
「食料は全部持ち出せたのに武具を残していく…、そしてへそくりを回収する暇はなかった?」
晩ごはん用意しますねー!とネイネが張り切っているので、リセッタは確保した寝具にしっかり『洗浄』を掛けて寝床を作成したり、回収した戦利品をチェックしたりしている。
「防具はどれもサイズ合わないね! ボクは小さいからね! くそぅ」
この世界には似たような背格好で成人する種族もあるのだが、残されているのはどれも背のそこそこある者が使っていたようだ。逆にネイネに合うようなサイズもない。分解して胸当てぐらいにはできそうか。
「まあ、杖を入手できたのでOKかな! これで杖聖印二刀流スタイルだよ!」
【鑑定眼】『帝国軍が配備してる魔法の触媒。触媒としての性能よりも生産性、耐久性を重視している。大量に出回っているため帝国軍以外でも使用者は珍しくはない。緊急時に打撃武器として使用も可能』
「しかも聖印は首にかけておくだけでいいから持ち替える必要もなし! これはさらに短剣も持っていいかもね」
「リセッタ様ー、ご飯できましたー」
「あ、はーい!」
こちらに来て初めての食事である。まあ携帯食を温め直しただけなのであるが。
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「あのー、さっき『洗浄』掛けましたからー」「ダメです」
ここは砦の浴場。大人数が一気に入れるようにそこそこの広さがあるが、便利なマジックアイテムとかはなく隣室に大釜を置いて湯を沸かし、それを浴室に並べた木製の盥、楕円形の湯船に入れて入るシステムのようだ。湯船には二人ずつ入る。ちなみに隣室は炊事場でもある。風呂沸かし専門の薪を使うような贅沢は流石に無理ということである。
生木を強引に着火して沸かしたので隣室はひどいことになったがすでにお湯は張られている。そして両名ともすでにスッポンポンであるが、ネイネは妙に風呂を嫌がっている。
「もーワガママ言わないの!」「あううー、リセッタ様の力超つよいよー!?」
ひょいとネイネを抱えあげてお風呂にドボン。自分もドボン。確かヨーロッパ人は熱いお湯は苦手という知識が頭をよぎったので温めのお湯である。ここはヨーロッパではないが。
風呂に浸かってしまえば諦めも付いたのか、ネイネも体を伸ばしてリラックス体勢。リセッタは溶けた。
「あふぅぅぅ…、ねぇ、ネイネちゃんは別に水が怖いわけじゃないんでしょ? どうしてお風呂が嫌いなの」
「だってぇー、私身体超おっきいからお湯もったいないよー」
故郷の村にも領都にも197cmのネイネより大きな人は居なかった。もちろん村ではそのぐらいのことで嫌味を言うようなものは居なかったし、領都は背が大きかろうが低かろうがたらい一杯の値段は同じである。行儀と愛想のよいネイネには少しオマケされていた。ただの無精である。なまじ『洗浄』があるせいで入らなくても清潔を保ててしまうせいもある。
「まあ背が高いと不便なこともあるよね。さっき頭ぶつけたし」
そういいながらネイネの頭を撫でる。うーうーいいながらも気持ちよさそうに目を閉じるネイネ。そのまま彼女の後ろに回ったリセッタがそっと頭を抱き寄せて自分に身を預けさせる。
肩まで湯船に浸けさせて、あすなろ抱きのように抱え込んであやしながら言い聞かせる。
「ふふ、小さすぎるボクからしたらそれでも羨ましいよ?」
「はい! 高いところはおまかせですよー」
ネイネの肩を抱いていたリセッタの手がそのまま下に降ろされてネイネの胸に触れる。
「ひょ!? リセッタ様…?」
そのままそっと触れ続ける。その下、心の臓が奏でる鼓動を聞くために。
「…ちゃんと動いてるね」「…はい」
ネイネもリセッタの手の上に自分の手を重ねる。確かに一度止まった心臓が今はトクン、トクン、と静かに、そして力強く鼓動している。
「…もう、もうね、死んだら駄目だからね! 死んだら生き返らすからね!」
「…リセッタ様に助けていただいたこの生命、大事にします」
あのとき、諦めたくせに死にたくないと思った事を忘れない。そして金の髪をなびかせて、覆いかぶさる死を追い払い、復活の奇跡を与えてくれたこの小さな少女に対する感謝を。
「…むう、その様付けやめない? ボクそんな偉い人じゃないよ」
「奇跡が使える神官様って超偉いですよー?」
この世界で神を祀る神殿に所属するものは皆神官であるが、神聖魔法を使えるほどの神官はそれだけでかなりの上位に位置づけられる。まあリセッタもそんなことは『鑑識眼』スキルを鍛えるために学んだはずの文化や歴史の記憶があるので当然知ってはいる。「だからそんな記憶はボクの脳内にはないよ!」知ってはいるが実感はないのだ。たしかに思い返せば自分でも信じられないほど深く、真摯に祈りを捧げはしたが、どうしても「辛い時にだけ都合よく頼った」という思いがある。
それにこの世界で初めて出会った人間でありすでに仲間だと思ってるネイネから様付けされるのはすこし、いやちょっと、かなり寂しい。
「むむむぅ、ええい頑固なネイネちゃんにはこうだ!」
「ひわわわわ! リセッタ様!? くすぐっ くすぐったい!」
唐突に始まったキャッキャウフフは最終的に湯船がひっくり返って強制終了となった。
「やれやれ、ひどい目にあったよ…【洗浄】」
「…最後に『洗浄』しちゃうなら最初からそれだけでいいんじゃないk「ダメですお風呂は大事です毎日入ります」「アッハイ」
『洗浄』は余分な水分も飛ばしてくれるのでタオルいらずである。
ぶっちゃけホーリーシンボル得ましたよってだけでいいよねこれ…
ネイネを「リセッタに誘われたらホイホイエッチしちゃうぐらい依存させたい」とおもって書き進めたらどんどん重くなるわいきなり死ぬわそのくせ依存させられてねぇわ! ダメダメだわ…。
でも次回は無理やりねじ込んだレズペッティング!
頑張って書く。…ふたなりx女性ってレズでいいの…?
次話も今回と同じく来週火曜日20時を目標にしたい。