ゲームのロリキャラにTS転生してふたなり化して触手プレイする話 作:凡百
「…うーん、ヤバいね」
「ひえぇ…」
木陰からそっと川を伺う。それほど流れの速くない川と、あまり広くはない川岸にゾロゾロとワニが屯している。ざっと見ても30は下らない。以前の鎧をつけたネイネなら2体同時でもなんとかなるかもしれないが、今の中途半端な防具では厳しい。一匹ずつ釣りだそうにも、ワニは群れで狩りをする動物である。ゲーム的に言えばリンクして全部が襲ってくるタイプだ。それにワニたちもこちらにすでに気がついているように見える。
「こっちを見ても襲ってこないから魔物じゃないだろうけど…。川沿いを下れば歩きやすいかなって思ったけど…無理だね」
素人が陥りがちな罠である。今は遠き故郷の急な渓流とちがって大陸風の川辺はまだ歩きやすくはある。あるが、魔物と、魔物相手に縄張り争いが出来る動物が生息している世界は別の危険がマシマシである。
(いやあんな群れが食っていけるほどの川なの? 下手すると森出るまでびっしり居るかも…。)
どう考えても危険すぎる。素直に戻るかと振り向いた時、微かに耳に入った音。
「ん?ちょっとまって…、上流からなにか来る」
まだ遠いが木がへし折れる音が幾つも聞こえる。ここ数日何度も聞いた音、つまりオークが邪魔な木をなぎ倒している音。
「ネイネちゃん、逃げる用意」
魔物はたとえ数で負けていようと実力で負けていようと人間種を察知すれば必ず襲ってくる。ゲーム内ではある程度引き離せば、タゲが外れて所定の位置に戻るが、この世界でそんなルーチンが残ってるとは思えない。どこかで引っ掛けたのが追いついてきたのか…。迎え撃つにはワニの横殴りが怖い。逃げる方向を意識しつつ、もう少し様子をうかがう。バキバキと樹木の折れ飛ぶ音が段々近づいてきて…。
「あっ」
そのまま飛び出してきたオークの一頭が川原に寝そべっていたワニを蹴飛ばした。
「…うーん、ヤバいね」
「ひえぇ…」
先程と同じことを言っているが、目の前の光景は全く違う。
群れの仲間を攻撃されたワニ達は、即座に戦闘態勢に入った。若いワニでも2メートルを超え、成熟した個体なら5メートルを軽く越える。2メートルほどしか無いオークなど簡単に食いちぎってしまう。最初のオークは一瞬で八つ裂きにされ、続くオークも引き倒され捩じ切られる。人間種以外は能動的に襲わない魔物も反撃は普通に行う。あっという間にワニとオークの大乱戦が始まった。
愚直にワニに向かっていくオーク。引きずり倒され、脇腹に食いつかれ、デスロールで食いちぎられる。そのワニを踏みつけ殴る別のオーク。森から続々と現れるオーク。川から現れるボス格の巨大ワニがひと噛みでオークを真っ二つにする。10メートルはありそうだ。
「これは…、ワニのほうが勝つね。あのボスワニだけで十分だよ。さ、今のうちに川沿いを下ろう」
「はいぃー!」
こちらを伺っていたワニたちも対オーク戦に参加した隙に、河原と森の間をこっそり下る。
「このまままっすぐ南に抜けてくれればいいんだけどね」
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「右前方にワニ…10以上!」「【範囲拡大】砂男は瞼に砂を撒く!【眠りの霧】!」
駆け抜ける先に居る集団に睡眠の魔法を叩き込んだり。
「ネイネちゃん!」「はいっ、はぁっ!」
某恐竜サバゲーのヤツみたいに飛びかかってくるワニを真っ二つにしたり。
「うーん、保存食ってそのまま齧るとやっぱりパッサパサになるね。はいお水」「こくこく」
木の上に登って休憩と補給を済ませたり。
「ひええええ!?」「魔よ身に宿れ! 疾く風のごとく!【加速】! 逃げるよっ!」
ヤバイサイズの多頭蛇に追われたり…。
日が沈むまで駆け続け、夜の帳が下りてからもほぼ休まず走り抜けて。
「森を抜けたはいいけど、領都はどっちだろう…」
暗き森から少し離れた場所に、ただ踏み固められただけの道があったが、この道が領都に続いているかはわからない。とりあえず道の脇に荷物を下ろすと、大地に倒れ込んでそのまま眠ってしまったネイネの鎧を脱がせて楽にしてやり、外套を巻いて寒くないようにする。火も起こしたいところだが、森の中とちがって草原のこの辺りには薪のあてがない。
(ゲームなら焚火もテントもアイテムボックスに入ってたのになぁ。そゆとこ不便だよねこの世界)
薄布1枚とは言え足しにはなるだろうと自身のケープを外してネイネにかける。明らかに気温が下がってるし、寒さも感じるのに寒くないし凍えもしないのは、やはりちゃんとLVに相当するものが上がっているのだろうかと思う。確認するすべは今のところ無いのだが。
(『石礫』で射出した石って無くならないっぽいんだよね…。射出せずに解除してもその場に落ちるだけでずっと残ってる)
威力を拡大すると石のサイズが大きくなるというわかりやすいシステムだったので、バスケットボールぐらいの石塊をネイネの風よけ代わりに積み上げてある。
(まあ、生活魔法で出した水だって消えないしね…。洗浄で消える分と相殺してるのかな?)
膝枕したネイネの頭をそっと撫でつつ、益体もないことを考える。夜番のために起きているが、ぶっちゃけ暇である。
夜空を見上げる。ほとんど雲のない美しい星空。明かりのない今、とんでもない数の星が見える。
(見知った星座は無いなぁ…、いやまあこんなに星が見えてると、正直北半球の空だとしても星座なんてわかんないかもね)
(太陽も月も登って沈むし、樹上から見た景色も微妙に弧を描いてた。やっぱり丸いのかなこの世界も…)
そんなことを考えながら、見通しの良い平野部とはいえ辺りに気を配りつつ過ごしていると…。
「…んっ、んふ。あふぁ…。リセッタ様おはようございますー」
疲れて眠ったとは言えネイネもプロの魔石狩り、きっかり4時間で目を覚ました。
「う、うん? 動けない?」
「寒くないようにしっかり外套巻きつけたからね」
簡潔に言うと簀巻き状態である。膝枕されたままのネイネがモゾモゾと動くがどうにもほどけない。
「ふっふっふ、今のネイネちゃんには抵抗の手段がないのだ…! まず顔に【洗浄】、はい口開けて中も【洗浄】、よし綺麗!」
「ひうう、うぼぼぼぼぼぼっ…。ふえぇ、口の中シパシパしますー」
(朝晩魔法一発で虫歯にならないとか超羨ましいんですけど! …まあ口の中なんとも言えない感触になるのはちょっとキツイかなって思うけど)
口内の感触を振り払おうとムニムニ動かしているネイネの頭をひとしきり撫でてから外套を解くと、ようやく開放された彼女が立ち上がって大きく伸びをする。厚手とはいえ体型に合わせて誂えられた鎧下は、彼女のスラリとした身体をはっきりと魅せつける。
「はー、いいカラダしてるねぇ」「わひゃぅ!」
追って立ち上がったリセッタがネイネのお腹に触れる。女性特有の弾力の下に、ミシッと筋肉が息づくのが感じられる。
くすぐったかったのか反射的に触れた手を捕まえたネイネ。それをなんとなくニギニギしながら見上げるリセッタ。
「だってボクの目の前がほぼお腹だよ?」
(135cmはなぁ…。身長スライダー最低値で作った自分が恨めしい! いや作ったときはカワイイと思ったんだけど)
「リセッタ様は超可愛らしいと思いますー!」
膝立ちになったネイネとまっすぐ立つリセッタが大体似たような高さである。自分の背が高すぎると感じている彼女からすればリセッタのほうが羨ましい。隣の芝は青い。
「……。」「……。」
なんとなく余っていた手も繋いで、向かい合わせに見つめ合う。そのまま唇が触れるだけのキス。
啄むように、軽く、何度も唇が触れあう。ほぅ、と溢れた吐息を逃さないように深く合わせる。差し込まれたリセッタの舌がネイネの舌を絡め取る。押し込まれたネイネも、まだまだぎこちない動きで一生懸命反撃する。静かな水音が口からこぼれ落ちた。
激しく絡みあう舌を縫って、ふぅふぅと吐息が聞こえる。ぎゅっと繋ぎあった手に力が籠もる。顎を伝った唾液がぽたりと地面に落ちて、ようやく二人が離れる。銀の糸が繋がって伸びて、最後に切れた。
「ふぁっ、ふっ、ふぅ、り、リセッタさまぁ」
上気した顔で「これはイイ雰囲気!?」と服に手をかけるネイネをそっと止める。
「外でやっていいのはキスまでです」「おそとはチューまで」
「チューも人が見てる前でみだりにしてはいけません」「人前ではだめ。…ひだりに?」「みだりに…、あまりしてはいけません」「あまり」
あたりを見回す。夜の街道沿い、草原に人気はない。つまりチューまではおっけー。
背の低いリセッタに覆いかぶさるように抱きつくと、額に瞼に頬に、キスの雨を降らせるネイネ。そっと抱き返してやりたいように受け入れるリセッタ。再び深く口付け合う…。
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すっかり日も昇り、保存食を水で流し込むだけの朝食を済ませ、野営跡を片付ける。まだどこかぽーっとしたネイネを立たせる。果たして本当にチューだけで済ませたのだろうか…。事実として服は脱がなかった。『洗浄』は活躍した。
「さて、領都はこっちかなぁ」
北にある山脈を背して右側、つまり西を見る。ゲームのスタート地点からまっすぐ南に森を抜けると右手に領都が見える、つまり西方向だ。しかしゲームマップよりもはるかに大きい森の中を、結構な距離逃げ回ってしまった。
「流石に領都通り過ぎるほど西には逸れてないはず…。さ、出発しよっか」「はーい」
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日が傾きかける頃、丘の上に建つ立派な城壁を備えた都市に到着した。あれこそが周辺一帯を治める貴族、タイモゥ伯爵の本拠地、領都タイモゥである。
「あれ? 普通に到着したよ!?」
「森のそばを通ったけど、あまり魔物も出なかったしこんなものじゃないかなー。あ、リセッタ様こっちですー」
領都の西側に続く大きめの街道を無視して北側へと逸れる。
「西の門は大きいですけど人も一杯居て混むんですよー。北の門は私達魔石狩りしか使わないんでいつでもすいてますー」
森から魔物が溢れた時のために開口部は小さめに作ってある、ということらしいとネイネが説明する。ほかにも城壁の高さや厚みの説明を聞いたり、城壁の上に立つ歩哨に手を振ったり、領都の中で美味しいスイーツの店の話になったり、宿の女将さんが作るご飯が美味しいというあたりに飛んだところで北門が見えてきた。
「ただーいまー!」
ネイネが大声で挨拶しながら、腰のポーチから鉄製の割符を出す。受け取った門番が手早く照合作業をしている横でもう一人がチラリとこちらを伺う。
(やっば、通行証必要なの!?)
ゲームだと門番にセリフなど無かったし、攻撃しても反応すらしない不動オブジェクトだった。もちろん通行に支障はなく門も開けっ放しだった。焦って、思わず首から下げた聖印に手を触れる。
だが聖印を見た門番は、スッと姿勢を正し、道を開けた。
「これは神官様、ようこそ領都タイモゥへ! どちらからお越しで?」
「あっ、えっと、ボク、おじいちゃんとずっと一緒に暮らしてて、他の街には行ったことがなくて…」
焦っていても設定を間違えずに言えたのは神の導きかもしれない。 いや、さすがにちゃうで。
「なんと、神殿で修行を受けずに聖印を授かるとは…」「リセッタ様はすごいんだよー!」
もう一人と話していたネイネがこちらに振り返る。
「先に帰ってきた連中から、森でオークに絡まれて分断されてはぐれたって聞いて心配していたが、そうか神官様に助けていただいたのか」
「えへへ、超怪我してたんだけど、ペカーって治してもらったんだよー」
一度死んで生き返ったとは言わない。それは軽々しく言っていいことではないとネイネにもわかっていたので。
「なんとありがたい、この娘はたしかに強いがどうにも危なっかしくて心配だったんですよ」
(見るからに怪しい小娘に対してこの態度…、この聖印そんなにすごいの!? ぼ、ボクなんかが持ってていいのかな…) ええんやで。
「ではこちらの主神殿へ?」
「はい、一度ちゃんとお参りに行かないとって思ったんです」
「私がご案内するんだよー!」
割符の確認も終わって、閉ざされていた北門の鎧戸が重い音を立てて開いていく。
ついに領都に到着である。…まあ城塞都市なので外門の内側は戦闘のための広場であり、殺風景なものなのだが。
「内側にもう一つ門があるんですけどまっすぐ行けないんですよー」
内門でも似たようなやり取りがあった事、ここに記しておく。
あやうくお外でおっぱじめるところだった。
次話も火曜日に投稿できたらいいな。