※この作品はR-18です。

ゲームのロリキャラにTS転生してふたなり化して触手プレイする話   作:凡百

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年内に仕上がったので投稿。


第十五話:この世界で生きていく(エロなし)

 

 「よっこいしょういちっと」

 

 領都タイモゥの最も古い地区、かつて暗き森を監視するための砦があった場所には、高い塔が建設されている。その最上部にひょっこりとリセッタが現れた。

 

 「ふぅ、ゲームだとフックつきロープ投げてひょいひょいって登って終わりだったけど、ここは高いねぇ…。50メートルは登ったんじゃないかな」

 

 少し風があるおかげで、逆に空気は澄み渡っている。雲ひとつ無い満天の星空が天蓋を覆っている。やはり見知った星座も星もない。星々を注視していると、少し慣れてきた脳内に溢れ出る知らない記憶が星の名前と由来を教えてくれる。あ、北極星。

 

 「地球じゃこぐま座だっけ。…やっぱり北斗七星もカシオペアも無いっと。あんまり見ないようにしてたけど、こうはっきり違うって知っちゃうと、ちょっと、くる、ね」

 

 ずびっ、と鼻をすする音がする。さ、寒いだけだし!と強がっているが高レベルに達したボディは温冷の判別はついても凍えたりはしない。我慢スキルも各種耐性もMAXゆえ。

 

 「しかし、うーん…。ココってもしかしてまだ建築途中?」

 

 ロープだの木の板だのが積み上げられ、工作台に工具類が置きっぱなし。落下防止の柵はなく、かわりにロープが張ってあるだけ。記憶の中のゲーム画面には頭上に灯火台もあった。今は見上げても櫓が組んであるだけである。

 

 「じゃあやっぱりゲーム開始前かぁ。建築途中だったなんて描写は無かったしね…」

 

 適当な木箱に腰掛けて北の方を見る。暗く沈んだ森の向こう、ゲームのスタート地点の一軒家を思う。

 

 「あそこに主人公来るのかなぁ…。いやでもログインしてくるわけじゃないし元々居ないとおかしいよね? いやでもボクのボディは周回仕様のハズだから…、いやいや引きずられ過ぎでしょ。ここゲームと全く同じってわけじゃないし」

 

 そもそもあのゲームはエロゲだったので魔物はみんなエロ目的で襲ってきたものである。しかしこの世界の魔物は殺意しか無い。触手だってロマンシング仕様*1 である。あるいは寄◯獣か。CG回収など出来そうにない。外宇宙からの侵略触手は除く。

 

 「ボクの出現位置はもうちょっと…、ん? どっちだ? 最初の村より東の地点になるのか。あそこなんにもイベントとか無かったよね?」

 

 足をぶらぶらさせながら、指差し、口出し確認で自身の軌跡をなぞる。

 

 「そこから西に行ってゲームのスタート地点、MODの地下室もちゃんとあったのが判断に困るんだよね! ここはゲームの中なの!? 似てるだけなの!? いやもうホントここで何すればいいのかわかんないよ!」

 

 うがー! と頭を抱える。死んで転生というのならまあしょうがない部分もあるかもしれないが、おそらく何らかの意志によって選択肢が提示され、選んだ結果によってここに居るのであるなら理由を説明してほしかった。

 

 「…あーうー。まあ…、あまりに超常すぎてボク程度が考えたってどうしようもなさそうだね。流石に一瞬で別の惑星、あるいは別時空の世界にポンと移動させられるような存在の考えることはわからん! 終了! 閉廷! 以上! みんな解散!」 君のことはうちにもわからんわ、すまんな。

 

 

 ▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽

 

 

 転落防止ロープに垂れ下がった洗濯物のようにブラブラと揺れながら深夜の街を見下ろすリセッタ。

すでに小一時間はそうしているだろうか。

 

 「…あそこが中央広場。主神殿と双神殿、4大神殿のうちの3つ、常夜燈が灯ってるね。たくさんある小神殿は夜担当の神殿以外はお休み中…。」

 

 煌々、というほどではないが複数焚かれた篝火が広場を照らしているのが見える。街燈などは流石にないので広場以外の街は夜に隠されている。そこに点々と灯りが瞬いているのはいくつかの小神殿と、未だ営業中のお店。移動しているのは夜警か。

 真下に視線を移す。砦の跡地に建築中の監視塔、その資材などが積み上げられている。隣には4大神殿の残り一つ水神殿が今も滔々と水を流している。領都に効率よく配水するために高台に設置されたのだろう、水は低きに流れるのだ。

 

 「水神殿のお陰で領都で水の心配はあまりないって聞いたんだよね。毎日宿泊客用のお風呂に水をたっぷり使えるぐらい。ありがとうございます!」

 

 ロープにタレたままは失礼だろうと居住まいを正して感謝の祈りを捧げる。MPもたっぷり消費する。

 

 「ふう…。帰ろっか」

 

 立ち上がって宿の方を見る。抜け出したときはまだ松明が掲げられていたのだが、いつの間にか消されていた。営業終了ということであろう。

 

 「よっ、と」

 

 とん、とん、と軽く後ろにステップ。反対側のロープに背中を当てて、そのままくるりと空中に飛び出す。この世界の物体は地神の権能により地面に吸い寄せられる。リセッタも例外なく落下を始める。ひねって、回って、ひねってひねって回って回って回って回りつつひねって。

 

 「ほっ、ほっ、はっ!」

 

 いかなツルペタロリの軽い体重とはいえ数十メートルを落下しての着弾音はよろしく無いと【空中跳躍】を細かく入れて減速、そして最後はスーパーヒーロー着地を決める。

 

 「…コレ絶対膝に悪いと思う! ジーンってきた!」

 

 まあリセッタのレベルに見合ったステータスなら減速なしに頭から落下しても地面にめり込むだけでノーダメに抑える頑丈度なので気にする必要はない。

 

 「そういえば、後半になってスキルとアイテム揃ったらここに登れるようになって、ミニマップが開放されるんだよね。左上に丸く表示されるの。左上ってどこなんだよw」

 

 ふと、今まで居た天辺を振り仰いでつぶやく。まあ基本機能のファストトラベル用大マップだって無いのだから最初から期待してなかった。

 

 (もしかしたら必要スキルを満たしてない状態で、ゲームでは不可能な壁登りで登ったせいかもね? 気分はスパイダーマッ!)

 

 「でも、帰る、帰るか…。そうだね、もうここがボクの住む世界だ」 ようこそ、歓迎するで。

 

 

 ▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽

 

 

 (警備兵の目を逃れ、夜警をやり過ごし、鍵のかかった宿の入口をピッキングして侵入し、うら若き少女の部屋に今立っている。どこからどう見ても変質者だね!)

 

 そして今から下着姿になって同衾するのである。男であったなら間違いなくギルティ。でも今はTSふたなりロリなのでセーフ…本当だろうか? ふたなりだぞ?

 

 そっと毛布をめくると、ぼんやりとこちらを見つめる少女とばっちり目があった。

 

 「ヒェ あ、ご、ごめんネイネちゃん、起こしちゃった?」

 

 「にゅふ…、おといれいってたですかりせったさま…」

 

 くしくしと目を擦って、眠たげな声で。

 

 「あふ、どうぞー」

 

 そのまま半身を起こして毛布をめくり、リセッタをベッドに誘う。情事の後に寝落ちした彼女は今回もスッポンポンである。きめ細かな肌が天井付近に浮かんだ小さな【照明】に照らされた。

 

 「うわわっ!? ちょ、ちょっとネイネちゃん! 服、服着て! 裸は不味いよ!」

 

 ぽろりとこぼれた小さめだが形の良い乳房を直視してしまい、真っ赤になって目をそらすリセッタ。ついさっき散々弄り回したとは思えない反応ではあるが、そういう雰囲気でもないときに不意打ちされるとそんなものかもしれない。

 

 「りせったさま、さむいです」「あっはい」

 

 再度促されて、そそくさとベッドに上がる。

 

 「にゅふふー、りせった、さま、あったかいれすぅ…」

 

 同衾してきた熱源をさっと抱え込んで抱きしめてご満悦といった感じで再び眠りに落ちた少女。負担にならないようにリセッタが位置と姿勢を調整して、そっと腕を背中に回して抱き返して。

 

 「こんどこそお休み…」

 

 そう言ってその唇に軽く触れる。眠ったままむにゅむにゅ言いながら唇を動かした後、ペロリ。かわいい。

 

 

 ▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽

 

 会議室の前方で議事進行を務める魔石狩りを指揮する騎士(30代妻子あり)が締めくくる。

 

 「では明後日を目処に森林内部の調査隊を派遣するということで。各員準備に抜かりの無いように頼む。では解散」

 

 翌日。宿で朝食中に突然呼び出され、朝早くから魔石狩りの詰め所に行けば負傷者多数で大騒ぎであった。神殿から派遣されてきた治癒神官達と一緒に回復魔法を連打し、会話可能になれば血まみれのまま報告が始まり、なし崩しに緊急会議に巻き込まれたのである。

 

 (いや一人戻ってきてなかったネイネちゃんを捜索に出た人達だからありがたいとは思ってるんだけど)

 

 端の方で、前半で知ってることはすでに話したのでもうあんまり座ってる意味ないよねボク? 治療続けたほうがいい人とかまだ居るんだけど、という顔で座っているリセッタ。

 隣には、真面目なフリして座ってうんうん頷いていれば会議に参加した気分になれるんですよー、という顔で座っているネイネ。

 

 (そのネイネちゃんを見る隊長さんの顔はあれだね、ネイネちゃんにもっと書類仕事とか会議とかそういう経験も積ませないとって思ってるね!)

  

 その時は手伝ってあげようと思うリセッタであった。自身には神官修行が待っているということをスコーンと忘れているようである。

 

 「…まあ、随分とホットスタートを決めたもんだねボクの異世界新生活も」

 

 (昨日、ここを故郷と定めて、朝からこれだもんねぇ。刺激的な世界だこと)

 

 「? リセッタ様なにか言いましたー?」

 

 「ううん、なんでもないよっ! ほらネイネちゃん鎧を修理に出しに行かないと。ボクは治療の続きだよ」

 

 「あわっわっわ、まってくださいー!」

 

 脇に手を入れてひょいと立たせて、陽の差し込む明るい廊下へ手を握って駆け出していく金髪の少女と、それに引きずられるようについていく黒髪の少女。

 

 

 

 今日も世界は天に輝く金の円盤のような太陽に照らされている。

*1:
某□製のゲームに登場する、重いSEでヒットする殺意の高い攻撃。最終ダンジョンの敵が放ってくるものになると最大HPが999なのに4桁のダメージを平然と叩き込んでくる。




はい、というわけで第一部完!
正直五話でタイトル回収した時点で六話の出立の下り付け足して完結で良かったんじゃないかなって思います。あとは単発で書きたい触手エロだけ書いてれば幸せだった。でも始めた以上は予定していた主人公・鎧娘・ケモ娘・エルフ・ドワーフ・ラスボスまで書きたいと思います。

二部はもっとプロットしっかり考えてから書きたいと思います。
…どうせ年度末までまともに時間取れないと思いますので仕事中にぼんやりプロット組もう!
具体的には次に出す予定の獣耳娘のケモ部を狼にするか猫にするか狐にするかを決めないと始まらない(そこからかよ)

では一旦ここで締めたいと思います。
拙い作品を読んでいただきありがとうございました。
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