※この作品はR-18です。

僕と死神と王の証   作:はつのとうこ

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十六話

 

 

 

 

 

 

 ソファに座ってテレビを眺めていると、膝の上に銀と黒の塊が転がってきた。直刃は反射的に、なんとなくその塊を撫でてしまう。

 

「ん……♪」

 

 塊――アリアの頭は気持ちよさそうに鼻を鳴らすと、直刃のへその辺りに顔を埋めてきた。クンクンと匂いを嗅がれているのは、気のせいではないだろう。

 指で前髪を払うと、目元を細めて直刃の匂いを嗅ぐ美女の顔があった。クールな印象は何処へ行ったのか、甘えん坊のように頬を直刃に擦り付けている。

 

「猫みたいだね、アリア」

 

「嫌か?」

 

「大好き。にゃーって言ってみて」

 

「にゃ、にゃー…………♡」

 

 数秒後、羞恥心に耐えきれなかったのか、アリアは恥ずかしそうに直刃の腹部に顔を押し付けた。ニヤニヤが抑えられない直刃は、満面の笑みで彼女の後頭部を撫で回す。

 かわいい。

 アリアがこの家に来てから、直刃は暇があれば彼女を愛でていた。

 最初の方こそ獰猛さの欠片は残っていたが、今やアリアは愛玩動物となり果てていた。

「……スグハ、不公平だ。お前も言え」

 

「僕はアリアの事が大好きだにゃ」

 

「はぅっ……♡」

 

 彼女は他の死神達と違い、遠慮がない。

 氷室達は情事の際を除いて直刃に何かしらを求める事は少ないが、アリアはほぼ確実に対価を求めてくる。それがアリアを執拗に可愛がる一つの理由でもあった。

 氷室達と出会ってそろそろ2ヶ月が経とうとしているが、それのせいで直刃はいまだに死神達との接し方に戸惑う場面があった。直刃はもっと彼女達に協力してあげたいのだ。

 その点アリアは常に交換条件を出してくれるので、直刃からしてみれば非常に接しやすかった。気をつかう必要がないのだ。

 

「ス、スグハ……もう一回……」

 

「愛してるよ、アリア」

 

「くぅっ……♡♡」

 

 割りとバカっぽい所も、直刃のツボを的確に刺激していたりする。

 

「ぐぬぬ……」

 

 ふと強烈な視線を感じて部屋の隅に目を向けると、恨めしそうな顔をした朱雀と雷歌が並んでこちらを見つめていた。

 最近はもっぱらアリアを愛でていることが多いので、嫉妬心と敵対心が剥き出しだ。仲間になったばかりのアリアを警戒しているのかもしれないが、アレは純粋な私情のみだろう。

 ただ、その私情を抜いても、警戒自体は仕方のない事だ。アリアは今まで一度も主に仕えた事のない正真正銘のはぐれなのだ。そんな奴を家に住まわせれば、当然何かしら死神達との関係に悪影響が生じてしまうだろう。

 ちょうど、今のように。

 しかし直刃はこの二人に関しては、そこまで心配していなかった。

 

「二人とも、おいで」

 

 声を掛けると、飼い主に群がる犬のように素早いスピードで直刃の元へと飛んできた。手元に来た赤と黄色の頭を撫でると、すぐに表情から険が消えてとろけた雌顔へと変貌した。

 

「ますたぁ……♡」

 

「えへへ、すぐはさまぁ……♡♡」

 

 朱雀と雷歌に関しては、基本単純なのでこのようにしておけばそこまで大きな問題にならないだろう。

 残るは氷室と紫羽だが、実を言うと紫羽はアリアを仲間に引き入れればどうかと提案してきた本人だ。アリアとも付き合いが長いらしく仲が良さげで、気にする必要もないだろう。

 現に紫羽は、ドサクサに紛れて直刃の後頭部に抱きついてきていた。ふよふよと柔らかな乳房を後ろに感じながら、直刃は紫羽が平常運行だと結論づける。

 よって、今一番気に掛けるべきなのは。

 

「…………」

 

「氷室さん、どうしたの?」

 

 リビングの階段。その上から彼女は何とも形容し難い目で直刃達を眺めていた。

 ここからでは彼女の顔はよく見えないが、なんだか寂しそうに見えなくもない。

 氷室さんもおいでよ。

 そう言葉を掛けてあげたかったが、口を開く前に氷室は奥へと行ってしまった。自室にでも入ったのだろうか。

「はぁ……」

 

 知らずとため息が漏れてしまう。気を紛らわすために、手近な所にある朱雀の乳を揉みほぐした。

 

「んっ……♡♡」

 

 やっぱりこうなってしまった。

 アリアを仲間にする際、彼女には何一つ知らせなかった。言えば確実に止められると思った。

 だから直刃は独断で動いた。渡された携帯を持たず、危険地帯へと一人で向かった。

 結果としてアリアを仲間に出来たが、氷室にしてみれば手放しでは喜べないだろう。信頼するマスターに裏切られたのだ。

 それに、アリアの隠れ家から家に帰ってきた時の氷室の慌てっぷりは、見ていて気の毒になるほどだった。直刃はあれから彼女に負い目を感じていた。

「あんまり気にしないでくださいね、マスター」

 

「え?」

 

 朱雀は乳房を弄ばれながらも、久しぶりに見る真面目な顔だった。

 

「氷室は多分、マスターに頼られなくて拗ねてるだけです。しばらくすれば元の痴女に戻りますよ」

 

「…………」

 

 無責任な言葉に聞こえた。

 けれど、同時に氷室への強い信頼もうっすらと見えたような。

 直刃にはそれが無性に羨ましかった。

 

「マスターが気に病む必要はありませんよ♡」

 

「……うん、ありがと」

 

 直刃は彼女の唇に軽く口づけすると、その場に居る全員の胸を一揉みして階段を登った。

 

「マスター?」

 

「ちょっと行ってくるね」

 

 朱雀は放っておけと言うが、それは無理な話だ。

 直刃にとって氷室とは、おいそれと放置しておけるような軽さの存在ではないのだ。

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「入るよ、氷室さん」

 

「ま、マスター……!?」

 

 部屋の中で慌てふためく氷室の声。直刃は氷室の可愛らしい一面を垣間見た気がして、クスリと笑った。

 そういえば氷室の部屋に入るのは初めてだなと考えながら、「お邪魔します」とドアノブを捻る。よくよく考えれば直刃は、自室とリビング、そしてヤリ部屋――紫羽が名付けた「主に愛でられルーム」の三ヶ所しか足を運んだ事はなかった。彼女達の部屋に入ろうなど、考えもしなかった。

 機会があれば他の人の部屋にもお邪魔してみよう。脳内メモにそう書き留めながら、氷室の部屋へと突入する。

 

「マスター、何かご用でしょうか?」

 

「うん、ちょっとね」

 

 不安げな面持ちの氷室を正面に見据えながら、何気なく室内を見渡す。

 氷室らしい部屋だった。青を基調とした家具や壁色。机と椅子とベッドしかない、無駄を極限まで省いたような、シンプルイズベストのレイアウト。

 あまりに予想通り。直刃が笑ってしまうのも無理からぬ話だった。

 

「……ふふ」

 

「あの、マスター?」

 

「ああ、うん、ごめんね」

 

 直刃は近くにある藍色のベッドに腰掛けた。氷室に目線で隣に来るよう促すと、彼女はおずおずといった様子で直刃の横に並んで座った。

 その姿は、ひどく遠慮しているように見える。

「氷室さん」

 

「……何でしょうか、マスター?」

 

 普段の氷室とは違う、冷たい声だった。

 もちろん直刃の思い込みかもしれないが、以前とは距離感が違うように感じてしまう。こうして顔を突き合わせて会話すると、ひしひしと伝わってくるのだ。

 魔力不足。女の子の日。どちらも違う。彼女はそんな程度では直刃との接し方は変わらないだろうし、そう信じている。

 それでも、氷室が自分から離れていってしまうような、そんなヴィジョンが浮かんでくるほど、彼女との間に隔たりができたように思えた。

 そんなの嫌だ。

 直刃は彼女達の王になると決心した瞬間に誓ったのだ。彼女達からは離れない、離さないと。

 直刃は縋りつくように氷室へと抱きつく。彼女の柔らかな乳房に顔を埋めながら、必死に両手で彼女の細い腰をホールドした。

 

「ど、どうされましたか……?」

 

「氷室さん、どこにもいかないで……」

 

 自分勝手なのは、百も承知だ。

 それでもこの安らぎを手放したくはなかった。

 母が亡くなって以降、直刃は常に何かに怯えていた。それは友華やこのみと過ごしている間も消え去る事はなく、着々と直刃を蝕んでいった。

 そんな折、出会ったのが氷室と朱雀だ。天使のような美しさの死神達に当初は警戒していたものの、気がつけば全てを許しかけていた自分がいた。

 母を無くした喪失感は、気がつけば皆が埋めてくれた。彼女達が居なければ、今頃どうなっていたかは分からない。

 今はまだ完全な家族には至っていないかもしれない。なんとなくそう思う。

 それでも、いずれ彼女達は己の中で大切な存在に昇華すると確信に満ちた予感があった。

 こんな気持ちは、母にしか抱いたことがない。

 もう二度と失いたくない。あんな気分になるのはまっぴらだった。

 

「……マスター」

 

「……何?」

 

「私は、マスターのお側にいてもよろしいのでしょうか?」

 

 肯定するのはとても簡単な問いだった。当たり前だと、大声で頷いてあげたかった。

 しかし、そうではないと直刃の直感が囁いた。氷室の悩みはそれでは解決しないと。

 直刃は氷室の胸の谷間から顔を持ち上げ、美しい美貌にそっと口づけした。

 

「どうして?」

 

 小声で問いかけると、彼女は目を伏せた。

 

「私は、マスターのお役に立てていませんわ」

 

 朱雀のように徹底して性欲処理道具になる事も。紫羽のように日常生活で奉仕する事も。雷歌のように一日中付きっきりで警護する事も。

 唯一、悪魔との戦いの際はそれなりの戦力として行動できるが、それもアリアが仲間になった事によりあまり意味をなさなくなった。

 氷室が直刃の為に行える全てに、上位互換が存在した。

 直刃に抱かれるならば喜んでスーツを脱ぎ捨てるが、紫羽ほど卓越した性戯術がある訳でもない。資金源という点では氷室は他より秀でているが、死神四人が集まれば氷室など居なくても直刃に不自由はさせないだろう。

 

「それに、マスターもわたくし達のために色々頑張ってくれていますわ……むしろ先日の件では、わたくしの浅はかな考えでマスターの行動を制限してしまいました……あんなもので、マスターの行動を縛って……」

 

「いや、あれは僕が悪かったよ、ごめんなさい──これからは携帯持ち歩くから……」

 

 直刃は、先日氷室の言いつけを破って連絡手段を絶ったのをひどく後悔した。怒られてそれで済むならと思ったが、まさか自分の能力が不足しているなどと思い悩ませてしまうとは考えもしなかった。

 氷室は首を左右に振る。言いたいことはそこではないらしい。

 

「……マスター、私はお側にいてもよろしいのでしょうか?」

 

 氷室はそう締めくくると、潤んだ瞳で直刃を見た。悩みの全てを吐露したというのに、不安な気持ちは色濃く顔に出ていた。

 嫌われたくない、これ以上大好きな人に負担を掛けたくない。そんな心情がありあひと見て取れた。

 

 直刃は、ぎゅっと手を握り締めた。

 

 愛する人にこんな顔をさせるのは、我慢できなかった。ふざけるなと怒鳴りたかった。

 でも同時に、直刃には氷室の気持ちがよく分かった。

 

 無力感。

 

 それは本当にどうしようもなく、自分が嫌になるのだ。

 

「そっか、氷室さんはそれが不安だったんだね……なら僕と同じだね」

 

「……え?」

 

 直刃の言葉を聞いて、氷室がわずかに目を見開く。とても考えていないような言葉だったらしい。

 直刃は続ける。

 

「僕もね、不安なんだ……皆の役に立ちたいのに、皆は僕に何も求めない」

 

「いえ、マスターには魔力充填で大いに働いてもらっていますので……」

 

「……そうかもね」

 

 でも、そうじゃない。

 実際に相手に愛をねだる立場になって、直刃はやっと彼女達の考えを理解した。

 何故自分を頼ってこないのか。それはとても簡単な事だった。

 

「皆、嫌われたくないだけなんだ」

 

 大好きな相手との関係を、少し寄りかかるだけで変容させてしまうかもしれない。

 それは人と関わりを持つ誰もが思う事。良好な関係を築いたなら、それ以上悪化させないために相手に何も求めない。そうすれば関係は維持出来ると信じて。

 ましてやそれが大切の人なら、尚更慎重になるのはおかしくない。至って正常だ。愛する人と共に過ごせるなら、それ以上求めて危険をおかすより、じっとしていた方がいいと。そう判断するのは間違ってはいない筈だ。

 ところが、その相手も同じかと問えば、一概にそうではないだろう。

 氷室はなにも自分の力不足だけを嘆いているのではない。ただ単純にもっと頼って欲しかっただけのはずだ。

 そしてそれは、直刃も同じだった。

 

「氷室さん──愛してるよ」

 

 だから直刃は、更に踏み込む。

 好きを大好きにするために、嫌われるかも知れないというリスクを背負う。

 

「ちゅ……」

 

 再び、瑞々しい唇に口づけをする。今度は長く深く、互いが窒息しそうになるほど、濃厚に。

「んぅ……む…………♡♡」

 

 久しぶりに味わう氷室の口内は、ひんやりしていて、なのにとても温かかった。今までの分を取り戻すかのように、ひたすら舌で口の中を舐め回す。

 死神である氷室ならともかく、ただの人間である直刃にはものの数分で限界が来た。顔を赤くして息を荒らげながら、それでも優しく微笑む。

 

「──氷室さん、僕はこれから命令します」

 

「命令……?」

 

 氷室にとっては聞き慣れた単語。歴代マスターには幾度と無くそうして奉仕を強制された。

 だが、今代のマスターである直刃の口からこうして聞くのは初めてだった。

 身を固くする氷室。

 直刃はゆっくりと、多少恥ずかしそうに口を開いた。

 

 

「……一生、僕のそばにいてください」

 

 

 それだけ言うと、気恥ずかしさを隠すように直刃は氷室のスーツを脱がす。

 一方の氷室は、直刃の「命令」が飲み込めないのか、目をぱちくりとして呆けたままだ。

 なすがままに衣類を脱がされ、あっという間に氷室は下着姿になっていた。

 

「あの、マスター……?」

 

 直刃は苦笑した。

 氷室は尚も困惑顔である。そんな彼女を尻目に、直刃は着々と準備を済ませる。

 自分の服をすべて脱ぎ捨て、氷室の下着も剥ぎとった。

 

「氷室さん、お願いできる?」

 

 直刃はベッドの縁に腰掛け、足を開く。氷室はやっとこのタイミングになって直刃の「命令」を理解できたのか。顔を伏せてプルプルと震えている。

 それでも体には直刃への奉仕が染み付いているのか、彼女はベッドの上から降りると、床に座り込んで直刃のペニスへと顔を近づけた。

 

「ちゅ……♡」

 

 陰嚢を竿の付け根の間に舌を這わすと、氷室はペニスの裏筋を丹念に舐め始めた。歓喜のあまりかいつもの冷静さは無かったが、それがまた直刃の興奮を増長させた。

 思い出したようにひんやりとした細指がペニスにあてがわれ、適度に刺激を与えてくる。舌と指が絶妙に連携して、肉棒を絶頂へと導こうとしていた。

 

「ちゅ、れろ、んっ……♡」

 

 エンジンが掛かってきたのか、氷室の舌技は激しくなっていく。

 直刃はそんな氷室の頭を撫でた。

 

「氷室さん、前に僕が筋肉痛の時に舐めてもらったの覚えてる?」

 

 氷室は一度ペニスから顔を離すと、「もちろんですわ」と涙目ながらに頷いた。それだけで意図が伝わったのか、彼女は亀頭を口に含めて本格的なフェラチオを始める。あんまり激しくしないでと直刃が伝えると、恐ろしいほどの吸引は鳴りを潜め、心地よい快楽がペニスを包む。

 いつぞやの如く氷室の頭を抱え込むと、直刃は手を伸ばして巨大な乳房に触れる。

 ずぶずぶと指が沈み込む。巨乳の柔らかさを堪能しながら、右に左にと乳肉をたぷたぷこね回す。

 直刃は安堵の息を吐いた。

 

「氷室さん──このまま聞いてくれる?」

 

 ピクンと、氷室の体が跳ねた。直刃の声のトーンから、真面目な話だと察したのだろう。

 直刃は気づかない振りをして、氷室の胸を弄んだ。

 

「氷室さんは、僕にとってすごく大切な人なんだ」

 

 くぐもった水温が響く中、直刃は氷室の耳元で話し始めた。

 

「母さんが居なくなって、それからずっと……思春期らしく僕ってなんで生きてるんだろうとかそんな妄想に取り憑かれてる中……氷室さんは僕に家族をくれた」

 

 氷室の鼻を啜る音が聞こえる。構わず続けた。

 

「そんな大袈裟なって思ってるかもしれないけど、二人の存在はそれくらい大きかった」

 

 それからしばらくして、同居人は増えていった。その度に氷室個人との時間は減っていった。

 それでも、彼女への愛情は決して尽きなかった。大切な家族だから。

 もう二度と失いたくない、家族だから。

 

「……て言っても、信用できないかな?」

 

 ペニス越しに、首を横に振る気配を感じた。

 乳房を離して氷室を開放すると、彼女は涙をこぼして笑った。

 

「マスター、お願いがありますわ」

 

「なに?」

 

 抱いてください、と涙混じりに氷室は言った。

 それで証明になるならと、直刃は首を縦に振った。

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 仰向けに寝そべった氷室に、直刃は上から覆いかぶさった。

 

「あんっ……♡」 

 

 豊満な肉房をこれでもかと握りつぶす。

 しこりたった乳首をクニクニとつまみながら、ペニスの先端で氷室の膣の状態を確認する。

 

「びしょびしょだね」

 

 少し膣口に触れるだけでも、糸を引くほど濡れていた。

 

「は、恥ずかしいですわ♡」

 

 もう既に準備万端である。いっそ、違和感があるほどに。 

 魔力不足という言葉が、直刃の脳をよぎった。

 

「もしかして、氷室さん……」

 

「……ストレス発散のために使いすぎただけですわ。ご心配なく」

 

 直刃が何を言わんとしているのか理解したのか、氷室は先回りして答えてきた。

 ペニスを裂け目に擦りつけながら、直刃は責めるような目で氷室を睨んだ。

 

「これからはもっと僕を頼ってね。僕も氷室さんのこと頼るから」

 

「……ええ、わかりましたわ」

 

 何かを噛みしめるように、氷室は頷いた。

 

「いっその事、僕が戦闘について行って一回魔力使う度にセックスする? ワンマジック・ワンセックスってどうかな?」

 

 思いつきでそんな事を言葉にすると、なんとも微妙な顔をされた。

 

「マスター、危険ですわ」

 

「そこは氷室さんが守ってよ。僕は氷室さんにだっこされながら腰振って魔力充填。氷室さんはエネルギー無限で打ち放題。皆と一緒に行くと多分ゴネられそうだから、今度二人だけで行ってみない?」

 

「マスター、危険ですわ」

 

 語気を強めて、二度目の注意だった。一言一句同じ単語で。

 勢いに押されて、直刃は口をつぐんだ。どうあってもダメらしい。

 ならせめてもの仕返しと、美味しそうに揺れる巨乳を鷲掴み、肉棒を突然膣内に挿し込んだ。

 軽く腰を前後させると、氷室が嬌声を漏らした。

 

「ああっ♡ マスター、急すぎますわっ♡♡♡」

 

「ワンマジック・ワンセックスは諦めるけど、その代わり明日一日中エッチするからね。覚悟してよ」

 

「あっ、明日は会社がっ♡♡ んっ、だ、駄目ですわっ、マスターッッ♡♡♡」

 

「だーめ。もう遠慮しないからね。明日はドロドロのグッチョグチョにしてあげる」

 

「そ、そんなっ♡♡♡♡」

 

 氷室は嬉しそうに総身を震わせた。

 直刃はにっこりとサディスティックな笑みを浮かべると、本格的にピストンを作動させる。

 巨乳をこねくり回しながら、膣肉を手当たり次第に貪った。

 

「あっ、あん、ぅ、っ、ああああっ♡♡♡♡」

 

 それにしても、柔らかな膣肉である。

 もはや彼女にペニスを挿し込んだままこの先ずっと生活したいと思うほど、この肉壷は退廃的な魅力に満ちていた。

 絡みついてくる肉ヒダは、ペニスを刺激すると同時に優しく撫で回し癒やしてくれる。何度射精しても、ペニスが疲れないのだ。夢中になって腰を振るのも、当然である。

 加えて言うならば、腰を叩きつけた時の下腹部の幸福感も、直刃が手放せない理由である。彼女の体はどこを触っても柔らかく、包み込んでくれるような錯覚を覚えるのだ。ピストンの度に波打つ肉感的な女体は、視覚的にもエロスの塊だった。

 総じていやらしい。むちむちのお姉さんの肉体。直刃は貪るようにおまんこを突く。

 

「ぁぁんっ、んっ、ぁんっ、マスターっ、凄すぎますっ──♡♡」

 

「氷室さんっ、氷室さんっっ」

 

 直刃は彼女の肉付きのいい太ももに手をかけると、股を開いて更に亀頭を奥へと潜り込ませた。

 

「ぐぅ、んんぅ、ぐぅぅっ──ふ、深ぃっ、おまんこ飛ぶぅぅっ……♡♡♡」

 

 もっちりとした感触の太ももを揉みほぐしながら、ずんずんと怒張を前後させる。

 触り心地の良い柔肌に魅了されながら、より深くへ。

 こつんと、壁に触れた。

 

「ひぁっ♡♡」

 

 辿り着いた子宮口を、直刃は執拗に亀頭で叩いた。コツコツと小突くと、氷室は甘い悲鳴を上げる。

 

「うぅ、マス、ターぁっ、おくぅ、む、むりぃっっ♡♡♡♡」

 

「こう?」

 

 先端で子宮口を削り取るようにゴリゴリ動かすと、彼女は全身をビクンビクンと痙攣させた。遅れて膣がぎゅうと縮小し、子宮口が精子を寄越せとちゅうちゅう亀頭に吸い付いてくる。

 死神達は、基本的に子宮が弱点だ。それはここ最近の直刃の研究で判明した事だ。

 研究といっても、バカ正直にどこが気持ちいいかと聞いただけだが。

 

「ひぃ、ぁ、ぁ、ああっ、あっ♡♡♡♡」

 

 よって、彼女達を気持ちよくさせる際のセオリーの一つとして、この子宮一点攻めは非常に有用であった。この戦法にも紫羽は何か名前を付けていたが、今の直刃にはそんなことを思い出している暇などない。

 目の前で揺れる魅惑の乳房。その乳輪に齧り付くと、乳首を舌で弾く。紫羽の乳とは違うが、脳が勝手に甘い味を知覚する。

 律動を続けながら、ピンと立った乳首を前歯で思いっきり引っ張った。

 デカパイが縦長に変形する。

 彼女の総身がびくんびくんと跳ね回った。

 

「ちくびっ、ちぎれ、ぅっ♡♡♡♡ あぅ、ああああっ♡♡♡♡♡♡」

 

 絶頂したのか、氷室の膣は再びペニスを締め付けてきた。

 直刃はあまりの気持ちよさに、乳首を口から放してしまう。

 元の形に戻ろうとして、豊乳がたぷんと揺れた。何とも芸術的な光景だった。

 その奥で荒い息の美人が、乳房の山を間に挟んで直刃を見つめていた。

 

「氷室さん、綺麗だよ……」

 

 直刃は氷室のムチムチとした両足を持ち上げると、それに抱きつくようにして体位を変えた。

 

「ますたぁ……♡♡」

 

 氷室は何も言われずとも、自らの両足を手で抑えた。直刃は上体を前傾姿勢にして、亀頭を子宮に抉り込ませんと腰を突き出した。

 まんぐり返しの手前のような体制の彼女を、直刃はひたすら突き上げる。

 

「ぉっ、おっ、ぉほっ、んんっ──♡♡♡」

 

 ドチュドチュと膣肉を切り裂かれて、氷室は絶叫した。そしてそんな囁かな抵抗すら、直刃は許さなかった。

 大きく開いた氷室の口に、直刃の舌が滑り込んでくる。レロレロと口内を蹂躙され、氷室は逃げ場のない快楽にのたうつ。

「はむ、んちゅ、んむぅ、ぅっ……♡♡♡♡」

 

 鼻息を荒くしてディープキスを続ける中、殺人的なまでに加速していたピストンは尚もその速度を維持する。膣にペニスを打ち込むマシンのように、正確なリズムでドスンドスンと腰を振り下ろしていく。

 何度も子宮を押し潰され、その都度氷室は視界がホワイトアウトした。死んでしまったのかと思うほど、強烈な衝撃。しかしそれが絶え間なく降り注いでくるので、氷室はすぐに意識を取り戻す。

 苛烈なピストン。肉棒が子宮口に叩きつけられるたびに、氷室はたわわな巨乳を揺らし、弾力のある尻肉を波打たせた。

 

「あぅ、あふぅっ、ああ、し、しきゅうがぁっ♡♡♡♡」

 

 永遠に続くのかと思われたが、次第に直刃の顔から余裕が消えていった。

 

「ひ、氷室さんっ!」

 

 ストロークは激化の一途を辿る。膣肉が引きちぎられそうになるほどの高速ピストンに、氷室はただただよがり来る。

 そんな彼女の姿を見て、直刃はますます昂ぶった。射精まであと少しも無いだろうと自覚しながら、限界までピストンを早める。

 淫らな水音が、より激しさを増した。

 

「ああああああああっっッッッッ♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡」

 

 ぷしゃぁぁぁっ。

 

 氷室の何度目か分からない絶頂。おまんこからは勢いよく潮が噴き出した。

 膣がまた一段と締まる。つられて直刃もあっさりとエクスタシーに達した。

 咄嗟に手元にあった肉乳を揉み潰した。柔らかい乳房に指が沈み込む。

 

「ひぁぁぁんっ、だめぇっっ、おっぱい気持ちいいですわぁぁぁっ♡♡♡」

 

「れろぉ、れろれろ、ちゅ……」

 

 氷室の美しい顔立ちをひたすらに舐めまわしながら、生殖本能から少しでも確率を上げようと怒張を突き上げた。

 ペニスの限界が訪れた。

 

「はぁっ、はぁっ……出るよっ……!」

 

「い、ぃくうううううううううっっっっ──♡♡♡♡」

 

 どびゅぅぅぅっ、びゅっ、びゅるるるるっ。

 

 子宮を刺し貫くように亀頭を突き出すと、子宮口が尿道に吸い付いた。ありったけのザーメンを吐き出すと、ペニスをストロー代わりに膣全体が精子を吸い上げていく。

 精巣にある全ての精子が、ズルズルと吸引されていく。

 

「うっ、あぅ……」

 

 知らずと、声が漏れた。

 驚く程長い射精。膣はいまだペニスをガッチリと抱きしめていて、直刃はその吸精にこらえ続けるしかなかった。

 いつもなら射精したままピストンを続けるのだが、ここまで凄まじい絶頂だと、そうそう再開は無理だ。

 だが、ペニスは今尚前後していた。

 

「うぁ、ま、まって、ひむろさん……!」

 

 ならばこの前後運動は、誰のせいなのか。

 そんな相手、一人しかいない。

 氷室を見ると、瞳にハートマークを映して蠱惑的な笑みを浮かべていた。

 

「もう遠慮しませんわ──マスター♡♡♡」

 

 

 とんでもない性獣を目覚めさせてしまったのかもしれない。

 直刃はそんな事を思いながら、氷室とその後三日に渡り、まぐわい続けた。

 

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