夕食を食べ終えても、とてもいつものように体を重ね合わせる気分にはならない。直刃は静かに涙を流す雷歌と、肩を並べてベッドに腰掛けた。
「……」
すっかり日付感覚が狂ってしまったが、体感でも一ヶ月近くは雷歌と一緒だった。
大幅に予定は遅れたが、けれどこれは初代死神の事もあって、直刃にも時間が必要だったからだ。現実を、自分なりに飲み込む時間が。
多少――いやかなり遅くなってしまったが、直刃はかねてから聞きたかった事を雷歌に尋ねた。
「――どうして、出て行っちゃったの?」
あの日、雷歌が家から飛び出した理由、それが知りたかった。
不定の悪魔の件は、言うなればきっかけでしかなく、彼女が家を出たのには訳がある。直刃はそう考えていた。
あんな別れ方は嫌だった。直刃は雷歌を愛しているし、逆に愛されている自覚もある。ならばなぜ離れ離れになる必要があるのか。
何か理由があって、雷歌は直刃の家から出て行ったのだろう。それを彼女の口から聞きたかった。
「……言いたくありません」
返答はある意味で直刃の予想通りだった。
分かっている。こんなにも長い間、逃避し続けて、それでもまだ向き合いたくない。そんなの、直刃だって同じだった。
出来る事ならこのままずっと、二人でエッチし続ける。そんな結末があるならどれだけ良い事か。そんな選択肢があるなら直刃だって迷わず選ぶ。
でもそれは立ち止まる選択肢だ。周りを無視して狭い視野でその場に留まり続ける選択肢だ。
そんな事、直刃は望んでいなかった。直刃が望むのは、たった一つだけ――
「僕はね、人を殺した事があるんだ……」
「……直刃様?」
突然の告白に、直刃の真意が読み取れず困惑する雷歌。明らかに冗談なのに、この場で口にする意味がわからない、そんな表情だった。
構わず続ける。
「僕には兄さんがいたんだ。まだ幼稚園児だった頃、仲の良い兄さんが」
「……?」
雷歌は話が飛んだ事に眉根を寄せていた。あえて無視する。
「兄さんは僕より年上なのに僕より背が低くてね、そこだけが唯一兄さんに勝ってるところだったよ」
今でもよく覚えていた。暇があれば二人で泥んこになるまで遊んだ、兄の事を。
妙に艶やかなおかっぱ頭。
二つも年上なのに身長は直刃よりもわずかに低い体躯。
特徴的な顔をしていて、唇が大きいのが印象的だった。
『どうしてって、それは一番お前が分かっているだろう?』
キシキシと歯を軋ませて笑う少年。
紛れもなく、直刃の大切な兄だった。
「……氷室の調査では、一人っ子だと聞きました」
「そんなとこまで調べてるんだ……あはは、まいったな……」
ぽりぽりと頭を掻くと、すいませんと暗い声の雷歌。
よくよく考えれば、氷室と朱雀が接触してきた時点で、あらかた直刃の家庭環境は調べ終えていたのだろう。母の死を知っていたりと、今思えば下準備はバッチリだったらしい。
直刃は気にしないでと苦笑すると、話を続けた。
「――うん、そう。僕には血の繋がった兄弟は居ない。兄さんは、なんていうか……上手く言葉が見つからないんだけど、兄さんだったんだ」
多分伝わらないよねと再び苦笑。雷歌は申し訳なさそうに顔を伏せた。
直刃はそんな雷歌の頭を撫でながら、頭の中で兄に対する満足のいく言葉を探す。彼女には事の顛末だけでなく、全てを知って欲しかった。
「兄さんは、働き詰めの母さんに代わって僕と遊んでくれたんだ。父さんはあの頃もう居なかったから……そう、ある意味では兄さんが父親代わりみたいなものだった」
「父親代わりですか……?」
「うん、そんな感じだったと思う。少なくとも兄さんはあの年代の子供にしてはよく周りが見えている人で、僕はいつも小さな背中に手を引かれながら遊んでたんだ」
幼い直刃を想像したのか、張り詰めた雷歌の顔が少し和らぐ。
直刃は雷歌と見つめ合い、微笑み合う。昔の話をするのは照れ臭い。出来る事なら彼女の幼少期も聞いてみたかった。
彼女に幼少期があったならの話である。その辺りの死神の事情はあやふやだ。みんなにそれとなく聞いてみても、答えはふんわりとぼかされる。直刃に話す事は無いという事だと、勝手に思うようにしていた。
――話が逸れた。
直刃はでもねと続きを切り出した。
「そんな兄さんを、僕は殺しちゃったんだ」
なるべく平静を装って喋ったつもりだが、それでもどうしようもなく声が震える。思い出したくない過去が、記憶が、脳裏にフラッシュバックする。
動きの止まった兄が、冷たく固まった兄が、口を半開きにして目の前で倒れている。
そんなイメージが、頭から離れない。直刃は首振って振り払おうとする。
「そんな……信じられません……」
「――信じられない? 僕は嘘はついてないよ、これは本当のこと」
「……は、はい」
気圧された様子の雷歌に、あははと空笑いする。あまり思い出したくない過去だが、その甲斐はあったようだ。
直刃は体の震えが止まったことを自覚した。
もちろん、外見が小学生と言っても余裕で通用する直刃が人を殺したと言っても、誰も信じられないだろう。
それに、隣にいるのはあのマスター絶対主義で超絶過保護の死神の一人である。例えば警察がどんなに証拠を見せても、マスターである直刃がそれを認めなければ、そうですかと納得する彼女ではない。
けれど、そんな彼女が「信じられません」と口にしたのだ。以前の雷歌ではありえない、マスターを否定する言葉を口にしたのだ。
直刃は自分の行動が無駄ではなかったとようやく思うことが出来た。
今の生活を続けて一ヶ月近く、ようやく見え始めた雷歌の自意識。他ならぬマスターがそう言っているから、それだけで信じるはずの雷歌が、信じられないと口にした事。これは直刃にとってみれば大きな前進だった。
そもそもの話、死神達はマスターを疑わない。異常なほどに。
彼女達は、いっそ洗脳されていると言っても過言ではない。こうしたいと頼めば、即座にそれが実行される。その行為について彼女達はなんの疑問にも思わないのだろう。
極端な例をあげるとする。相手が友達だった場合と、死神だった場合。直刃が手に飲み物を持った状態で、飲み物を買ってきてほしいと頼んだ時、両者はどうするだろうか。
面白いジョークだと返されたり、アホかと叩かれたりと、他のジュースが飲みたいのかと尋ねたり、人それぞれ反応は異なるだろうが、買いに行かない、もしくは何かしら自分が買いに行く理由を聞いた上で買いに行くのが無論前者。
一方後者は、マスターの言葉通り命令された事を行う。彼女達は疑問にも思わず、はい喜んでと買いに走るだろう。
死神ごとの性格の差を考慮しても、まず真っ当に死神の仕事を行なっている者は従うだろう。それこそはぐれにでもならなければ、王に逆らうという選択肢すら彼女達は選べない。
そもそも逆らうという思考が生み出されないように、そんな風に死神達は作られているのでは。そう考えてしまうほど、あまりにマスターにとって都合が良すぎるのだ。
理由を求めない。それは相手にすると楽な一方で、どうしても虚しい気分になる。
――まるでロボット相手に会話しているような。
直刃はそれが嫌いだった。家族とはそんなものではないと常々思っていた。
そんな寂しい関係は嫌だと、そう思っていた。
「……どうして、殺したんですか?」
「――へ?」
まさか質問されるとは思わず、直刃は妙な声を上げる。
話の流れからしておかしな質問ではないのだが、雷歌に質問されるとは。
直刃は驚きを隠せないと同時に、我が子の成長を感じるような気分になった。
「……どうしました?」
「あ、うん、なんでもない。えっと、どうして殺したか、だよね?」
「はい。その、話を聞いていると、とても殺意を持っていたようには思えなくて……」
「うん、僕は兄さんのことが大好きだったからね。殺したいなんて一度も思った事はないよ」
「なら、どうして……」
「よくある話だよ……ってよくある話なんかで片付けられたら兄さんも怒ると思うけど、それでもよくある子供のおふざけだったんだ」
あの時の自分はどうかしていたのかもしれない。それでも、自分を抑えることは幼い直刃には難しかったように思えた。
そして今も、自分の感情が激しく高ぶるのを自覚していた。その上で、口から次々と言葉が溢れた。
栓の抜かれた穴から、湯水のように思いが吹き出す。
「兄さんは母さんとも仲が良かった。度々三人でご飯を食べたりもしたんだ。で、そんなある日、母さんが兄さんにあるものをいつも僕と遊んでくれるお礼にってあげたんだ――なんだと思う?」
「……そんな、まさか……死神に関係するものですか?」
そう言って雷歌は顔を伏せた。
どうも答えがわかったようである。そしてこの話の結末も。
直刃は頷いた。雷歌は両手で顔を覆うと、ごめんなさいとかすれた声で謝っていた。
「母さんが兄さんに渡したのは、金の十字架。よくあるネックレスだった」
「……」
「そして僕はそれを妬んだ。実の息子でもない兄さんに、どうしてって。そう思った。だから力づくで取ろうとしたんだ、体格だけは勝ってたからね」
「……」
「気づいた時には遅かった。兄さんはまるで図っていたかのようなタイミングで、大きなトラックに轢かれた。まだ十歳にもならない子供の身体にはとても耐え切れない衝撃で、一瞬で体がぐちゃぐちゃになって死んじゃった」
雷歌は言葉を無くしていた。無視して続ける。
「紫羽さんが言ってたんだけどさ、死神の王の証ってその時代の持ち主が手にする事が運命になってるんでしょ? 責任転嫁なんて言われたらその通りなんだけど、もし死神を作った神様がいるなら、僕は一つだけ聞きたいことがあるんだ」
僕を王にするために、兄さんを殺したのかってね。
そんな事、雷歌にはとても答えられない質問だ。わかってる、わかってはいるのだ。
でもどうしても止まらなかった。口に出して言いたかった。なんでだ、どうしてだと誰でもいいからこの気持ちをぶつけたかった。
紫羽の話を聞いて、そしてあの日兄の形をした悪魔と出会ってからずっと考えていた恐ろしい推理。もし自分が王になるためだけにあの兄が死んだとしたら、それはとても許せることではなかった。例え相手が神であろうとなんだろうと、直刃はこの怒りをぶつけなければ気が済まなかった。
兄を殺してまで、王になる必要はあったのか。そんな運命にする必要が、何処にあったのか。
そもそも、人殺しが王になる必要があるのか。
「……不安なんだ。それはみんなと出会ったときから思ってる事。僕が死神の王で良いのかなって」
「そ、そんな! 直刃様は素晴らしい主です!!」
「でも僕は人を殺した。そんな人間が、みんなに悪影響を与えない訳がない。現に今、初代死神からは目をつけられてる」
「あ、悪影響なんて、直刃様にはむしろ感謝してるっていうか、愛してもらえるだけで幸せだし……その……」
直刃は尚も言葉を続ける。会話が成立しないことに雷歌は涙を流した。
「僕で良いのかな。常々考えるんだ、本当に僕で良いのかなって。もちろんみんなと仲良く暮らしたいのが本音だけど、僕の願いはみんなを幸せにする事であって、僕が幸せになる事じゃない」
「な、何を言ってるんですか……?」
「僕はみんなを幸せにしたい。そのためならどんな事でもする。僕が死んだあと、みんなが悲しむのが嫌だから僕はずっと一緒にいたい。でも僕よりみんなを幸せに出来る人間が居るなら、僕はそいつを、そいつを」
「やめてください!!!」
暴走気味の直刃に、雷歌は泣き叫ぶように抱きついた。涙をこぼして、ぎゅっと直刃の頭を抱きしめる。
光のない眼で、聞きたくもないことをいつまでも続ける直刃を見て、雷歌は後悔したような表情だった。
「やめてください、直刃様……他の人なんて、そんなの嫌です……」
雷歌の胸の心地よい圧迫感を感じながら、彼女の言葉に耳を傾ける。
「大好きです、直刃様……あなたのためなら、喜んで死にます。死神として、永遠の命を失っても、後悔はありません」
一呼吸置いて、更に雷歌は言う。
でも、まさか死神の王という役にこれほど追い詰められているとは思わなかった、と。
「直刃様は、いつも笑顔で優しくて、求めれば求めるほど愛してくれて……本当に、理想のご主人様です。だから私は不安だったんです、お仕えする私は、直刃様に見合っているのだろうかと……」
「……だから、出て行ったの?」
「直刃様を守り切ることすら出来ないのに、お側にある資格なんてない。そう考えました。
でも違った……違いました……直刃様もまた、苦しんでたんですね……」
ゆっくりと直刃が雷歌の腰に手を回す。抱き合う姿勢になると、互いに通じ合ったように目を合わせる。
「多分、雷歌も同じ事で悩んでたんだよね……?」
「はい。自分に資格があるのかどうか、それが怖くて怖くてしょうがなかったです……」
「僕も、僕もだよ、雷歌。大丈夫、二人で相応しくなろう。王として、死神として、恥ずかしくないくらい、立派になろう……」
雷歌はぐしゃぐしゃの顔で、久しぶりに心からの笑顔を見せた。
「はいっ、任せてください! この生活で、私は直刃様が大好きって再確認出来ました!! 直刃様のためなら、どんな事でも耐えて見せます!!!」
「……うんっ、二人で強くなろうね」
ーーーーーーー
「――それで、どうするんですか」
「何の話……?」
「何って、初代死神の試験ですよ」
そうだ、それがあった。
直刃は急速に萎えていく気持ちと共に、しょんぼりしたペニスをふるふると揺らしながらベランダに出る。確かもうカレンダー上では九月に入ったぐらいだと思うが、見事な熱帯夜でもわっとした暑さが体を包んだ。
柵に肘をつくと、さてどうするかと盛大なため息を吐いた。あまり考えたく無い案件だが、逃げ続けてもいつかは突き当たる問題だった。
「……紫羽さんが任せてくれって言ってたんだよね。心配ないです、って。でも失敗したら死ぬんだし、そう楽観視も出来ないよね」
「そう、ですね……直刃様が死ぬところなんて、考えたくもないですけど……」
直刃の後を追ってきた雷歌が、ぽよんと乳房を直刃の背中に擦り付ける。
そのまま後ろから直刃に抱きつくと、すんすんと直刃の存在を確かめるようにうなじの臭いを嗅ぎ始める。
直刃は雷歌のしたいようにさせると話を続けた。
「それで、ええと、紫羽さんが言うには、初代死神よりも、雷歌の事を考えてくれって。でも僕としては試験も大事で」
「――直刃様って、こういう時大体紫羽に頼りますよね」
「へ?」
思わぬ返答に面食らう直刃であった。
「なんていうか、ずるいです。私も直刃様に頼られたいです。二人で秘密の会議でもしてるんですか?」
「え、えーと、まぁ、そうかな。紫羽さんはいつも僕のやりたい事を理解しながら、その都度やるべき事を立案してくれるし」
「そんなの、氷室でも出来そうです。やっぱりおっぱいにつられてるんですか? それともあのエロメイドの誘惑に?」
「そんなつもりは……無い、と思うけど……」
完全に否定は出来なかった。紫羽とそういった真面目な会話した後は、彼女の魔力が減っていなくとも確実に『魔力充填』するので、そう言われてしまうとその通りだった。
ムクムクと股間の肉棒が起き上がってくる。また彼女の生き地獄のようなパイズリを味わいたい。ペニスがヒリヒリするほどどエロいおまんこに搾り取られたい。
いや、彼女だけでは無い。早くみんなに会いたい。いつの間にやら男根はビンビンに勃起していた。
「……困らせるつもりはないんです。その、別に、紫羽に頼るなとは言わないです。けれども、今度からは私も混ぜてくださいね? 私、直刃様の言うことなら何でも聞きますから♡」
「う、うん、その時はよろしくね……?」
「はいっ♡♡」
そして、さも当然のように手が伸びてくると、シコシコと両手でペニスを優しく扱かれる。さらに雷歌はむにゅむにゅと柔らかい双乳を背中に押し付けながら、興奮した鼻息で何度もうなじに顔を近づける。
「……さっきから思ってたんだけど、何してるの?」
「いえ、直刃様がたまーにやってるので、私もお返しにと思いまして」
「……僕そんな事してる?」
「ええ、べろべろ舐め回しながら嗅いできますよ」
「え、そ、そうなんだ……もしかして結構、嫌だったり……? こ、これから気をつけるよ」
「あ、いえ、それは全然嫌じゃないです。むしろ直刃様に嗅いでもらうとおまんこキュンキュンしちゃうくらいです♡♡」
そう言いながら、クリクリと亀頭を攻めてくる。ビクッと腰を引くが到底逃げ切れるはずもなく、にちゅにちゅと手慣れた動作で手コキが続けられる。
「話、続けますよ?」
「うん、お願い。それと、もうちょっと弱めに出来る?」
「ふふっ、分かりました。優しくシコシコしてあげますね♡♡」
言葉通り穏やかな手淫の動きになると、もにゅもにゅと陰嚢を揉んでくる。
玉袋を弄ばれる感覚に興奮しながら、雷歌に続きを促す。
「直刃様も気がついたと思いますけど、私の事は恐らく初代死神の罠です」
「やっぱり?」
「直刃様が試験から逃げる前に、私をエサにして逃げ道を塞いだんだと思います」
そこまでして試験を受けさせたいのかと驚く一方で、確かに自分は初代死神にいいように操られているという自覚があった。
彼女は直刃に有用性があるか否かで決まると言っていた。そこが直刃には引っかかっていた。
「直刃様?」
シュッシュッと肉棒を上下に擦りながら、突然沈黙した直刃に眉根を寄せる雷歌。
直刃はすぐにごめんと謝ると、振り向いてがっちりと彼女のモチモチのお尻を両手で鷲掴みにした。
「入れたくなっちゃいましたか……♡♡♡」
へこへこと亀頭が膣口にこすりつけられる。桃色の吐息を鼻から出して喘ぐ雷歌に、直刃は真面目な顔で答えた。
「雷歌なら、ここから出られる?」
「……この家からですか? ええ、何とか出られると思いますけど、すぐバレちゃいますよ。なんせ相手は初代死神ですからね」
「バレちゃう……そうか、そうなんだ……」
「直刃様……?」
いまいち直刃の意図が読み取れず困惑する彼女に、安心させるように美尻を撫でた。
「魔力の方は? 今証が無いから、もしかして魔力充填出来て無かったりする?」
「いえ、それは無いです。直刃様は今はまだ死神の王ですから、証が何処にあろうと関係ありません。魔力だってたぷたぷです。一ヶ月近くドピュドピュ注ぎ込まれたんので、今なら何でも出来ちゃいそうです♡」
「ほんと?」
「ええ、本当です♡♡」
ほっと胸をなでおろす直刃に、そろそろ教えて下さいよぅと猫なで声で顔をこすりつけてくる。
二度、三度、彼女の唇をついばむようにキスすると、本題を切り出す。
「雷歌、バレちゃっても良いから脱走しよう。死神の中だと雷歌って足が速いんでしょ?」
「足がって言うとなんか違いますけどね。でもそうですね、移動速度に関しては少なくとも氷室たちよりは速い自信はありますけどね。それで何処に?」
直刃は雷歌に初代死神との会話の内容を教えた。そして直刃の考えていることも同時に告げる。
「王としての有用性、ですか?」
「そう、有用性。そして初代死神が唯一僕を褒めたのは従えた死神の多さだった」
「――まさか、直刃様!」
あっけにとられる雷歌。直刃は硬直する雷歌のおまんこに男根を差し込みながら、大きく頷いた。
「死神を探しに行こう。六人目を、味方につけるんだ」
「……目星は、ついてるんですか?」
震える声で問いかけてくる雷歌に、直刃はぽりぽりと頭を掻きながら答えた。
「それなんだけどさ、雷歌は『王殺し』って知ってる?」