※この作品はR-18です。

僕と死神と王の証   作:はつのとうこ

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六話

 

 

 

 

 

「……そう、見つかったの。じゃあ今のうちにマスターとイチャイチャしとかないと」

 

「う、んぅ……?」

 

 朱雀の話し声を目覚まし代わりに直刃の意識は覚醒した。

 まだあまり働かない頭を使ってまぶたを持ち上げると、艶やかな赤髪と可愛らしいうなじが目に入る。

 

「あれ、僕寝ちゃってたんだ……」

 

 リビングには朝日が差し込んでいる。直刃は自分が朱雀にペニスを突き刺したまま寝てしまった事を理解した。

 朱雀への負い目を感じると共に、彼女が自分を起こさないようずっと同じ体勢でいてくれたのかと思うと、胸の中が愛しい気持ちで一杯になった。自然と股間に血が集まり始め、膣の中でピクンと跳ねた。

 

「怒鳴らないでよ、冗談だか……あれ?」

 

 膣内に違和感を感じたのか、朱雀は首を横に向けて背中の直刃を見つめた。気絶するまで抱いて挙句の果てに挿したまま眠ってしまった後ろめたさからか、直刃は寝ているふりをしてしまう。

 

「っ……!?」

 

 そうすることで、直刃は新たな発見をした。

 朱雀の右の肩甲骨あたり。頬をつけて分かった事だが、不自然なべっとりとした感触がある。言うまでもなく、直刃の唾液だ。

 「普段は寝ている最中によだれなんて……」と何度も声に出さず言い訳したが、新たに増えた罪状が減るはずもなかった。

 

「いや、何でもない。それじゃ近いうちに? ……うん、はい。分かった。切るね」

 

 朱雀はスマートフォンを操作して、通話を終了させた。そのまま手に持った状態で、にやにやと楽しげな笑顔。直刃は薄目をあけて、そんな朱雀を観察していた。

 

「んふふ、マスター。起きてますよね? さっきから私のおまんこうずうずしてるんですけど」

 

「う、はい。ごめんなさい起きてます」

 

 観念して直刃は朱雀と目を合わせた。しょんぼりといった具合に縮こまる彼だが、ペニスの方は正反対だ。

 朱雀は膣内に感じる主の硬さに、内心「朝からエッチ出来そう!」と歓喜していた。

 

「おはようございます、マスター」

 

 朱雀はそんな内なる思惑をおくびにも出さない。しかし、着実に愛してもらう算段を頭の中で練っていた。

 

「おはよう、朱雀さん。それと、ごめんなさい。よだれつけちゃったし、その、この体勢で寝ちゃって……」

 

「いえいえ、私だって起きたの三十分くらい前ですよ? それにこんなにキュートな写真も取れましたからね♡」

 

 朱雀に見せられた携帯の画面には、口を半開きにしてだらしなく眠る直刃の素顔があった。なんとなく文句をつけたくなったが、非はこちらにある。直刃は堪えた。

 

「よだれに関しても、私今週だけでマスターの唾液をリットル単位で飲んでると思うんですよね。だから気にしませんよ」

 

 言われてみれば、朱雀とのディープキスの頻度はかなりのものだった。ペニスを休めている時でも、ひたすらキスだけは怠らなかったなと直刃は他人事のように思う。

 熱心に舌を絡めてくる朱雀とのキスはそれだけでも射精出来そうなほど気持ちいいのだ。

 

「それでも、一応……ごめんね?」

 

「そんなしおらしいこと言っても、マスターのビンビンですよ?」

 

「重ねてごめんなさい」

 

「ふふふ……じゃあ、お詫びに今からエッチしてください。そしたら許してあげます♡♡」

 

「え、そんなのでいいの?」

 

 むしろ喜んでと顔を綻ばす直刃に、朱雀は釘を刺す。

 

「ただし、ゆっくりとですよ? あんまり激しくされて気絶しちゃうと、マスターに朝ごはん作ってあげられないもん」

 

「うん、分かった」

 

 言い終わるか終わらないかの内に、ヌプヌプとスローペースで腰を動かす。膣内もいつもと違う優しい腰使いに気がついたのか、ウネウネと動く膣壁は射精を求める動きではなく、ただほんのりとペニスに快楽を与える動きになった。

 

「マスター」

 

 直刃は呼ばれたので、朱雀の肩口に顎を置いた。そのまま顔を近づけて、チュっと唇を触れ合わせる。

 にこっと、顔の良い朱雀の笑顔が広がった。トクンと胸が高鳴る。

 

「マスター、私の肉布団どうでした? 掛け布団(ひむろ)が居ませんでしたけど……」

 

「に、肉布団って……まぁ、うん、気持ちよかったよ。よだれ垂らしちゃったくらいだからね」

 

「あ、そうですね♪」

 

「でもよく風邪引かなかったよね……朱雀さんはどう? 体調悪くない?」

 

「あー、それは大丈夫ですよ多分。私達って、マスターの生命に少しでも異常が起きたら、勝手に能力発動するんで」

 

「ん? ……どういうこと?」

 

「要するに、マスターが寝た後、マスターが寒くならないように無意識のうちに自分の体温あげて温めたり、魔力で部屋の温度をちょろっと上げたりしたんだと思います」

 

 直刃は腰の動きを止めて、朱雀の言葉に聞き入った。直刃にも、年齢相応にそういった漫画のようなファンタジーに対する憧れがあったのだ。

 

「凄いね、それ……死神って、みんなそうなの?」

 

「大抵はそうですね。氷室とかは、逆に温度下げたりとかなんで、私達セットで連れていけばどこに旅行しても全裸でいけますよ?」

 

「いや、全裸では行かないでしょ」

 

「例えですよ、例え」

 

 子宮にぐりぐりと亀頭を押し付けながら、直刃は今更のように両手の痺れを感じた。一晩中朱雀の体の下敷きになっていたからだ。自業自得のため、直刃は何も言わず、痺れを誤魔化すために朱雀の胸を揉んだ。

 

「んっ──♡ マスター、おっぱい大好きですよね」

 

「だって、なんか、落ち着くし……」

 

「飽きるまで揉んでくださって結構ですよ♡」

 

「飽きないよ、こんなの、飽きるわけない。一生揉んでられるよ」

 

 膣内がギュギュッと(せば)まった。直刃は腰を持ち上げると、柔らかいお尻に叩きつけるようにしてピストンを再開させる。

 

「なんだか、プロポーズみたいですよ?」

 

「あはは、そうだね。今度は指輪でも用意しとくよ」

 

「た、楽しみに待ってます……」

 

 膣がまた締まる。あまり表には出していないが、下半身はかなり嬉しそうだ。直刃はお餅をつくようにぺったんぺったんと朱雀を突きながら、彼女のあまりの可愛らしさに思わず口角が持ち上がる。

 直刃ははちきれそうな肉球を味わうように揉みほぐして、朱雀の頬にキスをする。トロンとした顔の彼女は、「あー」と気の抜けた声を出した。

 

「ずーっと……あんっ、んっ、ぁっ……マスターとっ、繋がって、たいなー……♡♡」

 

「朱雀さん、あんまり股間にクルようなこと言わないで……」

 

 そろそろ我慢の限界だと直刃は訴えたが、そもそも既に直刃はピストンの速度をかなり早めている。朱雀はこのままのほほんとしたセックスで終わる訳が無いと半ば確信していた。

 

「マスター、良いですよ……♡♡」

 

「なっ、何がっ?」

 

 

 

 

 

「オマンコ、たくさん突いてください──♡♡」

 

 

 

 

 

ーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 朝から五度も射精してスッキリした直刃だが、その顔はどこか浮かない様子だった。

 

「……まだ帰ってこないのかな、氷室さん」

 

「もうすぐだと思いますよ」

 

 学校が休みの日は、最近は専らセックス三昧である。直刃は、今日も朝食を終えてすぐ魔力の過充填に励もうと考えていた。

 そう思っていた直刃だが、氷室の事が気掛かりだった。まだ一ヶ月と一緒に暮らしていないが、それでも丸一日帰ってこないなんてことはなかった。

 事故。病気。或いは何か事件に。

 

「心配しないでください。これでも私達死神ですよ?」

 

「そう言われると、そうなんだけどさ……」

 

 一度そう考えてしまうと何だか朱雀を抱いている場合ではない気がして、リビングのソファで帰りを待つことにしたのである。

 早く氷室に会いたい。今の直刃はそれだけを考えていた。

「……あら、マスター? ただいま帰りました」

 

 そんな心配とは裏腹に、一時間もすると玄関から何やら物音がして、氷室はひょっこりとリビングに姿を現した。

 杞憂に終わってホッとした直刃は、にこやかに「おかえり」と言った。

 

「お仕事、大変だったね。朝ごはんどうする? それとも先にお風呂?」

 

 そんな直刃の甲斐甲斐しい言葉に氷室は顔を綻ばせた。

 それからゆっくりと首を横に振る。

 

「マスター、お気遣い感謝しますわ。しかしまずは彼女の事を紹介させてください」

 

「彼女……?」

 

 氷室の後に続いてリビングに入ってきたのは、一人の女性だった。氷室よりも、わずかに長身だ。

 直刃の股間が、ぐぐっと熱くなった。

 

「お初にお目にかかります、我が主。本日より主のお世話をさせていただく、紫羽(しば)です。以後お見知りおきください」

 

 メイドさん。しかもとびきり美人の。

 それが直刃の第一印象だった。

 

「えっと……よろしくお願いします?」

 

 紫羽は目を細め、頭を下げる。美しい黒色のショートカットが、直刃の目に映った。

 

「すご……」

 

 彼女が顔を上げると、直刃はまじまじとその姿を凝視した。

 日本刀のような女性である。フチなし眼鏡を掛けたその顔立ちは、サディスティックと形容するほかないほど鋭い。鋭利と言っても良かった。

 だが、右側の口元にちょこんと付いている、所謂「スケベボクロ」が、そんな鋭利さのみならず女らしさと、そしてなにより大人の色香を匂わせていた。

 そんなクールな顔立ちながら、身体つきはまるでいやらしい女王様のようだった。漆黒のミニスカートメイド服に身を包んだ彼女の手足やウエストはほっそりとしていた。かと言ってガリガリに痩せているのかと聞かれればそうではない。四肢はほど良い肉付きで、何と言っても胸についた大きなメロンが絶大に存在感を主張していた。

 大きすぎる。爆乳だ。

 直刃は自然と胸元に視線が吸い寄せられる。

 

「……ひ、氷室さん、お世話って?」

 

 彫刻のように微動だにしない紫羽を、直刃は言葉を失って見とれてしまう。氷室にその問い掛けをするまでゆうに五分は経過していた。

 

「はい。近頃悪魔共が妙な動きをしていまして。暫くはそれに付きっきりになるため、マスターの身の回りのお世話をするメイドを、と」

 

 悪魔云々は取って付けた氷室の嘘なのだが、氷室を信じ切っている直刃は一つも疑わなかった。

 

「えっと──うん、悪魔の方は分かったよ。心配は無いんだよね?」

 

「ええ。マスターには普段通り、魔力充填に励んでいただければと」

 

「う、うん」

 

 直刃は顔を赤くした。紫羽が普通の人間であれば魔力充填という言葉を気にする必要はなかったのだが、直刃は彼女がただの人間ではない事はなんとなく感じていた。

 

「でもさ、メイドさんはいらないよ? 僕家事は普通に出来るし、紫羽さんも……えっと、死神でしょ? 二人と協力して悪魔討伐に言った方が良いんじゃないの?」

 

 今までずっと無表情だった紫羽が、にわかに目を見開いた。

 

「主。紫羽めが死神だと何故お気付きに?」

 

 紫羽の言葉に、直刃は首を傾げる。

 

「あれ? 違った?」

 

「いえ、主の仰っしゃる通り、紫羽は氷室らと同じく死神でございます……ご慧眼、流石でございます」

 

「いやいや、なんとなくですって、ははは……まぁ、詳しい話は後でいっか。氷室さん、疲れてるでしょ。お風呂一緒に入らない?」

 

「え、あ、はい。もちろん喜んで……?」

 

 突然の誘い。疑問符を浮かべながらも氷室は頷くが、その疑問はすぐに直刃の言葉で氷解した。

 

「氷室さん、魔力ちょっと減ってるよね?」

 

「……ありがとうございます、マスター」

 

「うん。じゃあ行こっか」

 

 直刃は氷室を連れて、リビングにあるもうひとつの扉へ向かった。

 初日には気が付かなかったのだが、このリビングには三つの扉がある。一つは玄関に、もう一つは室内プールと呼んでも遜色ない広々とした浴室へと続いている。残る扉は氷室曰く上へと続いているらしいのだが、直刃はまだ入った事はなかった。

 

「ん?」

 

 ちゃっかり恋人繋ぎで氷室を引き連れていた直刃は、後ろからの視線を感じて立ち止まった。振り返ると、紫羽がねっとりとした視線を直刃の股間に注いでいた。

 何やら身の危険を察知した直刃は、逃げるようにしてリビングから立ち去った。

 

「……あの様子だと、相当頻繁に魔力充填してるようですね」

 

「そうね。だけどアンタは魔力使う予定ないんだから、むやみに襲わないでよ?」

 

「理解しているわ……でも、楽しみね……♡」

 

 

 

 

 

 

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